異世界料理人 改訂版   作:孤独なバカ

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ステータス

「……ふぁ〜」

 

隼人が眠そうに朝早くに起きる。隼人が今いるのは隼人のために王宮が用意した部屋ではなく、すぐそばに寝ていた隼人より人まわり小さい女性の姿だった

 

「……愛ちゃん?」

 

隼人は起き上がるといつもと違う情景に目を疑う。そして記憶の中を巡りそして昨日愛ちゃんの部屋を訪れどういったことをしようかと考えていたところだった

隼人は少しだけ知っている人がいることに頰を緩ませると同時に少しだけ目から雫が落ちる

隼人自身怖いのだ。これからどうなるか。そして不安で仕方ない

でも隼人はすでに冷静だった。戦争よりも。家に帰るよりも大事なことがある

だから大切な人のために隼人は動き始めようとしていた

 

 

クラスメイトが全員集められ、戦争のための座学と訓練が始まろうとしていた

そして教員担当になったメルドさん曰くステータスプレートの作成が行われた

ステータスプレートは自分の才能を数値化したものであり、どうやらアーティファクトという神々が作成した道具ということらしく原理などは不明とのこと

本当にファンタジーだなって思いながら生徒たちは指先に針を刺し最初に配布された銀盤に書かれている魔法陣に針を擦り付ける

 

須藤隼人 17歳 男 レベル:1

天職:料理人

筋力:20

体力:20

耐性:20

敏捷:20

魔力:200

魔耐:20

技能:料理・解体・包丁術・目利き・気配感知・投擲術・鑑定・火属性適正・水属性適正・言語理解

 

と表示された

 

「……っ」

 

その表示を見た途端隼人は少しだけ嬉しさをこらえきれずに明らかに表情が緩む

料理に才能があるっていうのは本当に嬉しいものであり、さらに天職が料理人をみたところでさらに嬉しさが増す

メルド団長から説明が始まるが隼人はすでに満足していた

平均ステータスが10というってことより平均値以上はあるとのことだし、魔力に関してはすでに20倍

自衛もできることから隼人は喜びを浮かべている

メルド団長の呼び掛けに、早速、光輝がステータスの報告をしに前へ出た。そのステータスを鑑定でのぞいて見ると

 

天之河光輝 17歳 男 レベル:1

天職:勇者

筋力:100

体力:100

耐性:100

敏捷:100

魔力:100

魔耐:100

技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解

 

魔力以外は勝ち越せてないが隼人はそんなこと関係ない。それどころか隼人は少しだけ面倒なことを押しのけさせたことに喜びを覚えていた

そして次にクラスで一二の力を持つ隼人のステータスを見せる

すると団長の表情が「うん?」と笑顔のまま固まり、ついで「見間違いか?」というようにプレートをコツコツ叩いたり、光にかざしたりする。そして、ジッと凝視した後、もの凄く微妙そうな表情でプレートを返してきた

 

「ああ、その、なんだ。料理人というのは」

「知ってるからいいですよ。なんとなくそんな気はしてましたし。というよりも俺にとっては戦闘職よりもこっちの方が嬉しいですしね」

「…は?」

 

クラスメイトどころかメルド団長も驚く

昨日は潜めていたが、メルド団長も教会のメンバーも今日の朝一の隼人がどれくらいの影響力があるのか理解していたのだ

光輝よりもある意味影響力のある隼人の言葉に全員が絶句するが優花がそれを真っ先に突っ込む

 

「それはあなただけでしょ。料理バカ」

「ひっでぇ。まぁ事実だけど」

「隼人が料理以外に才能があったらそれはそれでおかしいでしょ。隼人の腕はみんなも知っているでしょう」

「うん。須藤くんらしいや」

 

香織も少し苦笑してしまう。隼人の料理好きは香織も知っている。というのも香織の母親が料理研究家と知ると少し話してみたいということもあり香織にアポ取れないかと連絡したあと、雫と香織をそっちのけに香織の母親と十時間近く話していたほどに本気で料理をしているのだ

香織自身自分の料理の腕も自信があるが、隼人に比べたらやはり目劣りしてしまうのだ

 

「一応戦闘訓練は受けてもらうぞ?」

「……まぁ。気が乗れば」

 

おそらく誰もが予想しなかっただろう。隼人はこの後火と水の上級魔法を簡単に唱えたために訓練を免除になるのだが

そしてしばらくクラスのステータスプレートを見ながらホクホク顔のメルド団長は今度はハジメのステータスプレートを見ると笑顔が固まる。するとハジメは少しため息を吐くってことは恐らく非戦闘職であったのだろう

 

「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」

 

歯切れ悪くハジメの天職を説明するメルド団長。

その様子にハジメを目の敵にしている男子達が食いつかないはずがない。鍛治職ということは明らかに非戦系天職だ。隼人とハジメ以外のクラスメイト達全員が戦闘系天職を持ち、これから戦いが待っている状況では役立たずの可能性が大きい。一応隼人は火と水の魔法適正を持っているので何も言えなかったが
そのハジメアンチの筆頭である檜山大介が、ニヤニヤとしながら声を張り上げる

 

「おいおい、南雲。もしかしてお前、非戦系か? 鍛治職でどうやって戦うんだよ? メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」

「……いや、鍛治職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っているな」

「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

 檜山が、実にウザイ感じでハジメと肩を組む。見渡せば、周りの生徒達――特に男子はニヤニヤと嗤っている。

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」

 

メルド団長の表情から内容を察しているだろうに、わざわざ執拗に聞く檜山。本当に嫌な性格をしている。取り巻きの三人もはやし立てる。女性陣は不快げに眉をひそめている

香織に惚れているくせに、なぜそれに気がつかないのか。南雲は投げやり気味にプレートを渡す

ハジメのプレートの内容を見て、檜山は爆笑した。檜山の取り巻きに投げ渡し内容を見た他の連中も爆笑なり失笑なりをしていく

 

「ぶっはははっ~、なんだこれ! 完全に一般人じゃねぇか!」

「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」

「ヒァハハハ~、無理無理! 直ぐ死ぬってコイツ! 肉壁にもならねぇよ!」

「……アホか」

「……は?」

 

すると取り巻きの一人が隼人の方を見る。隼人自身強いわけではないし、非戦闘系の一人だ

 

「バカだろ?錬成師っていわゆる鍛治師のことだろ?すなわち武器を作ることができるってことじゃんか」

「それがどうしたっていうんだよ?」

「この世界は魔法がある分科学が発達していない。だからこの世界にない武器はハジメなら制作可能ってことだろ?」

「この世界にない武器ってなんだよ?」

「刀や銃のことね?」

 

八重樫は答える。さっきから騎士団の剣を見てから思っていたんだろう。騎士団の剣は斬ると殴ることに優れた剣であることを

 

「あぁ。もし銃器を作れればコストは掛かるが音速で貫通力の高い武器。刀だったら八重樫や天之河の剣術組の動きが明らかによくなるだろ?おそらくこの国には日本刀みたいな剣はないしな。南雲はまぁオタクだからこそそう言った知識は結構あるだろうしな」

「……ほう。それは興味深いな」

「……生憎生産職には生産職で輝ける場所がある。前線にでなくてもな」

「チッ」

 

軽く舌打ちする檜山

檜山自身隼人はかなり気に入らない人物の一人だ。自分よりも劣っている(檜山自身そう思っている)のに、いつも女性に囲まれていてクラスの中心にいることがかなり気に入っていない

少しだけ雰囲気が悪くなるが、今後の予定について話し始めていた

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