異世界料理人 改訂版   作:孤独なバカ

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料理人として

「いらっしゃいませ」

「こっちはフレンチトースト3つくれ」

「私はチキンサンドを3つ」

「チキンサンドはチキンを揚げる時間五分ほどいただきますけどよろしいでしょうか?」

 

隼人は今王都で朝から屋台を出していた。元々非戦闘職だけあってあまりいい装備は与えられてなかったのだが、元々店で料理をしてきたこともあって、商売に関しては元々天賦の才があったのだ。それに非戦闘職でありながら火と水の魔法はすでに最上級まで使えるようになり、既に勇者パーティーの一人として勇者よりも有名な異世界人として有名だ

魔法により火力調節できる分すぐに火の通りを確認できるのはいいことであり関連技能である派生技能は増えていく。おかげでステータスは

 

須藤隼人 17歳 男 レベル:10

天職:料理人

筋力:40

体力:40

耐性:40

敏捷:40

魔力:400

魔耐:40

技能:料理[+食物鑑定][+レシピ作成][+料理の達人]・解体 ・包丁術・目利き・気配感知・投擲術[+必中]・鑑定・火属性適正[+消費魔力減少]・水属性適正[+氷魔法][+消費魔力減少]・言語理解

 

となっている

魔力が高いのは魔法適正に関係しているらしく、しかし料理にそれ以上の才能があったものだからそれが天職の料理人ということにつながっているんじゃないかというお姫様であるリリアーナの言葉は正解に近いものだったのだ。

火の最上級魔法蒼天などを初日に完全に制御できるほどの才能があったのだが、12年にもなる料理に関する努力には在り来たりな魔法では料理という天職を追い越すことができない。

その才能は三時間で全ての商品を完売するほどであったのだ

そしてその隼人を支えているのが

 

「リリィ遅い。もう少し早くして」

「ちょ、ちょっと隼人さん!?これ一体いつ終わるんでしょうか?」

「後200食あるからな。ヘリーナももっと笑顔で」

「あなたは鬼ですか!!」

 

この世界のお姫様リリアーナ・S・B・ハイリヒとその側近ヘリーナである

元々王族がこういった雑用をこなすってことはありえないのだがしかし使えるものは全て使う隼人だ。王女でも容赦なく使っていた

実際売上はよく1食800コルで1日500食を出している

売上は40万ルタくらいだろうか。

そこから材料費を引く1回30万ルタくらいでかなり有利に働いている

さらに夜もメニューを変え繰り返し金銭を稼ぐ。王宮の許可を取っていたことに加えて美味しいと評判だったのですでに十日間で六百万以上稼いでいるのだが、その売上のほとんどをハジメの錬成の開発予算に回している

隼人はこっちの方がむいていると思うのだがそれでも教会はどうしても戦闘に参加してほしいらしい

今日はこれで営業は終了。どうやら話があるらしく、基本的にサボって(魔物を狩りにいっていることとメルド団長に報告しているので訓練にでない許可を得ている。)いる隼人にも招集がかけられたのだ

一応給金を払いリリアーナたちと別れるとすると今度は見知った顔に出会う

 

「あれ?隼人?」

「ん?おう、園部か」

 

隼人は訓練場に向かう途中に優花と出会った。どうやら優花は珍しくこっちにいる隼人に驚くが全体招集をかけられたので気にしないでおく

 

「どうした?」

「いや。見えたから話しかけようと思ったのだけど」

「あ〜、んじゃ訓練所に向かうか。って菅原達は?」

「えっ?さっきまでいたはずだけど」

 

するとキョロキョロと周辺を見渡す優花。しかし、そこには誰もいない

気を使わせたかな

隼人は商売柄、人の視線に敏感だ。もちろん、優花の気持ちに気づいているが、隼人にとっては一番近く気の合う女子として気になる女子であるので突き放すことはなく、それを受け入れて友達として扱っている

恋愛感情がないといえば嘘になるが、隼人自身可愛い女の子に囲まれている身でもあるし

軽くため息を吐き話を逸らす

 

「そういえば最近何していたんだ?」

「えっ?あっうん。まぁ訓練しかしてないんだけどね。そっちは?」

「こっちは金稼ぎだからなぁ。料理作ったり、近くの魔物を狩ったりしてた」

「えっ?魔物?」

「あぁ。ちょっと実験で必要なものもあったし技能の熟練度上げついでにな」

 

コンロや鍋などの簡易式のものを全部買ってきているのとあとはハジメの安全対策を練っていた

それに隼人は既に冒険者ギルドで実践に出てる

実際料理で使っているハーブは全て隼人自身が拾ってきているので材料費をほんの少し抑えることができているのだ

 

「そういえば昨日愛ちゃんと会っているのよね?」

「まぁ、今日から農地開拓に向かったけどな。まぁ伝えたいことは伝えられたから」

「あんた何言ったのよ」

「……愛ちゃんを酔い潰して泣かせた。結構限界近かったぽい。愛ちゃんすぐに限界きて泣いてたし、少し今日は目が腫れていただろ?だから気休め程度だけどストレス発散させた」

「えっ?」

 

実際かなり怖いことは夜に会った時に隼人自身わかっていたのだ

 

死の恐怖

 

恐らく雫とハジメに愛ちゃんしか気づいていないと隼人は気づいていた

戦争である限り殺す殺される間にいるはずなのだ

隼人の五年前に死んだ祖父とその友達の常連さんが戦争についてよく話してくれたこともあり、少しばかり戦争については聞いているので争いということはよくわかっているし、隼人は小学生のころいつも死と隣り合わせだった妹がいるので

 

「……それに少しばかり厄介なことが重なってな。俺もフォローに向かっているんだよ」

「フォロー?誰の?」

「八重樫。あいつこっちにきてから固形物がほとんど口に入っていない。適当に野菜と肉をかなり柔らかくしてパンと一緒に食べさせている」

「……えっ?」

 

他の人には内緒なといい。隼人は軽く話し始める

 

「八重樫はしっかりとしたように見えるけど女の子らしいんだよなぁ。てかあいつ部活終わりに中学校の時から結構俺の家のケーキ屋に寄ったりしていたりしていたからな。だからいつもと違うことをすぐに気づけたからよかったな」

「それで雫は?」

「かなり重症だな。とりあえず俺が自腹で胃に優しいものを作っている。お粥が一番いいんだけどな。米がないのが一番辛いところだな」

「……雫も女の子なんだ」

「当たり前だろ。というよりも俺から見たら一番女の子らしいんだよ。可愛いもの好きで、少し乙女思考が入っているから。だからこそ一番危ないのかもな。あいつは普段からしっかりしすぎているんだよ。誰かに甘えることができるのなら話は早いんだけどなぁ。坂上や天之河は無いとして、白崎には少しくらい甘えてもいいのに」

 

隼人は少し頭を抱えながら本心を答えると優花はそれに苦笑する

 

「よく見ているよね。隼人って」

「客商売やっていると見ないとやってられないだろ?お前だって常連の好みや家の住所とかは覚えていただろ?」

 

時々臨時休業するときに常連さんの挨拶回りに時々付き合っているからわかることだった

だからこそ隼人は交友関係がかなり広い。野球選手や政治家の知り合いなどもいるほどには広いのだ

 

「なるほど。つまり雫ちゃんは常連さんだから?」

「そういうことだな。まぁ普通に友達だからっていうのもあるんだけど。」

「ふ〜ん。」

 

その後は他愛なく内容のない会話を続ける隼人と優花。訓練場には結構ギリギリの時間に到着する

なんやら人だかりができていてハジメを中心にして人が集まっていた

 

「ん?どうしたんだ?」

「あっ。隼人。実はな」

「ううん。なんでもないよ。ほら、もう訓練が始まるよ。行こう?」

 

ハジメに促され一行は訓練施設に戻る。香織はずっと心配そうだったがハジメは気がつかない振りをしていた。

何かあったのかと聞きたかったがそれを堪え訓練所に向かう

訓練が終了した後、いつもなら夕食の時間まで自由時間となるのだが、今回はメルド団長から伝えることがあると引き止められた。何事かと注目する生徒達に、メルド団長は野太い声で告げる。

「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」

 


 そう言って伝えることだけ伝えるとさっさと行ってしまった。ざわざわと喧騒に包まれる生徒達の最後尾で隼人は天を仰ぐ

このままで本当に大丈夫なのかと

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