鋼の錬金術師~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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第8話

 

 拾った男はどうも自分の中にいる魂との会話に四苦八苦しているらしい。まあ五十万以上の人間の魂を一つの身体に突っ込んでるんだから無茶苦茶なことになっていてもおかしくはない。俺でも二つの魂を入れたことなんて現状無いし。精神訓練の一環としてちょっととある架空神話の神格と会合してみたり、とある緋色の認識災害を頭の中に飼ってみたりしたことはあったみたいだが。

 ちなみにそれをやってから俺の意識を覗こうとすると発狂する奴が増えたし、俺自身も自分以外に対する認識をしづらくなった。名前を更に覚えにくくなったくらいだから今までと大して変わっていないけどな。

 だから俺が拾った男の名前は『ヴァン・なんちゃら』としか覚えていない。ホーレンソウだったかヘーベルハウスだったかそんな感じじゃなかったかと思うが、多分違うな。違うのが分かったからと言ってちゃんとした名前はわからないままだが。

 

 で、その男を遥か東のシンに置いて行ったあたりで別れることにした。西のやがてアメストリスになるだろう場所に隠れ家を作ってあるので、東の方にも隠れ家を作っておく。現在では西も東も錬金術及び錬丹術は大して発展していない。ここから何百年か、もしくは千年くらいかかるのかもしれないが結構な時間をかけて発展していくのはわかっている。西の錬金術は武力に特化し、東の錬丹術は医療に特化し、いずれ合わさって世界を回していく事だろう。

 俺は俺で色々と学ぶものがある。龍脈を使うと言う錬丹術については今だにわからないままだが、龍脈そのものについては多少わかるものがあった。錬金術のお陰で力の流れに直接干渉するのにも多少慣れたし、遠隔で錬金も……あ、無理だわ。

 いや、龍脈はわかるしそこに錬金エネルギーを流すのもわかるしできるんだが、龍脈のエネルギーによって俺の作ろうとしている物に対してのイメージが崩されるせいで上手く作れん。大雑把でいいならなんとかなりそうだが、細かいものは無理っぽい。漫画ではかなり細かいものも作っていたが、どうにも上手くいかない。エネルギーの入口と出口を作ってないからか? 出口の方はともかく入口の方はそこそこしっかり作っておいたはずなんだが。

 やっぱりあの娘がやっていたようにちっこい刃物……(ひょう)とか言うんだったか? それを使わないと難しかったりするのか? あくまでも道としての役割らしいから無しでもできそうなんだが。

 

 ……カーナビで言う出発地点と目的地設定みたいなものなのかね? 目的地設定が雑だとそりゃ案内も多少はズレるだろうし、結果も多少は荒れる。入り口の方は簡単に作れるが、出口をわかりやすく作らなきゃならないのはよろしく無いよなぁ……なんとかならんかね?

 

 こう言う時には、一度基本に立ち返った上で発想を変える必要がある。まず、錬金術の基礎は『理解』『分解』『再構築』の三つ。物質が何でできているのかを『理解』し、それをエネルギーを使って『分解』し、別の何かに『再構築』する。それがこの世界における錬金術の基本だ。

 それを起こすために必要なものは、人間の魂に作られた『真理の扉』と錬成陣。ただし錬成陣については真理の扉の中身を見たことがあるならば自分の体で円を作ることで代用できる。多分やろうとすれば心臓を起点にした血管を円としてほぼノーモーション錬成もできる。少なくとも俺はできているが、多分それをやるなら最低限全身持って行かせる必要があると思われる。で、全身持っていかせたら血管も何も失うから円は作れない、と。

 錬成陣を使う際、少なくとも術の発動点は錬成陣の内部に収まる。エネルギーを流すことで多少距離がある場所で使うこともできるが、発動点が錬成陣の内部に収まることは間違いない。

 

 ……なら、逆に言うなら錬成陣の中ならば好きな場所に錬金術を使うことができると言うわけで。

 

 例えば、この星を綺麗に一周する円を描いて、それを錬成陣の出口にする。上下に分けてもいいし、左右に分けてもいい。結局星を綺麗に二つに分けることができていればそれでいい。

 その上で新しく入り口を作り、作ってある出口の好きな部分に錬成をする。そう言うことができそうだ。

 

 ……そこまでしてやるようなことでも無い気がする。俺の場合相手が攻撃に使ったエネルギーそのものを使って相手の攻撃を相殺したり無力化したりするわけだし、少なくとも防御には困らない。遠隔錬成も出口がないと多少効率は悪いができなくはないし、最大までぶっちゃけてしまえば錬成しないで物を出してしまえば大体の錬金術はほぼ不要になる。あれば便利なのは間違いないし、魔法やら何やらがある世界でも魔法無しでやっているのだから恐らく感知されないと思うしな。

 いやまあ魂のエネルギーを使う錬金術ってことを考えるとあれも一種の魔術か何かの領域だとは思うしまず間違いなく純粋な科学からは外れるはずだが、この世界の錬金術と呼ばれる技術はエネルギーそのものの操作にめちゃくちゃ特化しているような気がしている。エネルギーでさえあればそれが熱でも質量でも速度でもなんでも扱えそうだ。

 

 さてそれはそうとして、これからのんびりと研究でも続けていく事にしよう。暇潰し程度であっても千年も研究を続けていればそれなりにはなるだろ。多分。で、そこそこまで行ったら後は頭のいい奴に任せればよし。束姉さんとかなら大体わかるんじゃね? 知らんけど。

 




アンケートは明日の投稿時間までで締め切ります。

次回作は……?(止まってるのを入れてやり直し)

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  • 金色のガッシュ
  • BLEACHの続き
  • わたおれヒロアカ(神野市あたりまで)
  • 竈の女神様(原作崩壊してるので短い)
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