片手間に作ったクオリティなので激しいキャラ崩壊が起きている可能性があるので、苦手な人はブラウザバック…というわけで私はブラウザバックしますね。
「待て待て待て待て待て。
ラウラお前な…シャウエッセンは焼いて食べるに限るだろ…」
「いいやッそれは違うッ!
シャウエッセンは茹でてこそシャウエッセンだッ!いくら兄さんとてそれは譲らんッ!」
あくる日の朝。
潤とラウラは元気に喧嘩してた。
内容はシャウエッセンの調理法である。
「あのな…シャウエッセンはちゃんと直火で火を通して皮をバリッバリに破いた状態で喰うのが美味いんだぞ」
「違う!シャウエッセンは皮が命だ!
皮を自分の刃でパリッと破くのが素晴らしいんだ!」
因みにこの二人に「別々の調理法を行う」という妥協は存在しない…特にドイツ人は妥協しない、だからG11とか時たま生まれる。
「兄さん、私は本当は人の家の朝食にとやかく言うつもりはない。
別に目玉焼きが片面焼きでしかも半熟でも、潰れた太陽みたいになっていてもケチャップがかかっていても、キャベツが生でしかもマヨネーズマシマシでも文句は言わない。パンに醤油ご飯を挟むという訳の分からない暴挙だって、兄さんが作ったのなら受け入れられる。
けど…シャウエッセンを焼くのを見ている事だけは無理なんだ、分かってくれ兄さん」
「…ダメだ、我が家ではシャウエッセンは焼く。
俺がそう決めた。これが掟だ」
この瞬間、二人の間の交渉が決裂した。
「ッ……この、分からず屋!!!」
ラウラがおたまを真っ直ぐ綺麗にぶん投げた。
それを潤はまるで幼子のビンタでも止めるかのように軽く容易く払いのけ、軌道を変えたお玉は壁にぶつかり、跳ね返ったそれがシャルロットにポンと直撃した。
【BGM:An Out of Body State 〈体外離脱〉】
ラウラはとうとう(何処に隠し持っていたのか)サバイバルナイフを取り出し、構えて戦闘態勢に入った。
それに対し、潤もまたヴァローハートを引っ張り出して、しかし構える事無く、力を抜いた自然体のまま立ち尽くしている。
「兄さん、そのシャウエッセンをさっさと沸かした湯に入れて茹でろ」
「…謹んで、お断りする」
――――刃と刃が、ぶつかり合った。
「ラウラ…お前が常にナイフで用いる初段をフェイントとして2段目に機動力或いはバイタルそのものを射抜きにくるまでの手法は、互いにナイフ1本である事が前提の戦闘術だ。俺のような絶滅危惧種が使う、剣と盾を用いた戦術形態には全く通用しない。そもそも現代のマーシャルアーツには敵の盾を剥がす戦術は既に絶えている筈だろう。
そのような技術を使って…体力が尽きるまでに、ヴァローハートを使う俺を倒せるか?ラウラ」
「ぐっ、くう…ッ!」
さて、此処で二人の意図しない所で凄まじい異変が起こった。
…完全に置いてけぼりにされていたシャルロットの堪忍袋の緒が切れ、明らかに表情に怒りが浮かんでいた。
「ねえ、二人共…」
「「なんだ!
――――あっ」」
どかん、と。
シャルロットの心の中の火山が爆発した。
「いい加減にしてッ!!」
この瞬間、佐々木宅は荒れ果てた。
――――そして今。
頭にバンダナを巻き、顔にフェイスペイントを施し、M60機関銃と給弾ベルトを担ぐシャルロットは、カウンターからほんの少し顔を出して外を確認する。
「でてこ~い、シャルロット~、お前は包囲されている~!」
包囲(二人だけ)。
彼女に降伏勧告を促すラウラの声に、誰も反応しない。
「俺がやる。
お前はもう休め」
…ここで、痺れを切らした(寝てた、とも言う)潤がしゃしゃり出て、なんか分かってる風を吹かして来た。
「に、兄さん?」
「あいつは嘗て俺と同室だった女だ…」
「何だソレは!?
初耳だぞ!?」
「彼女を止められるのは俺だけだ…それまで手を出さないでいただこう」
「ちょ…どういう事だ!待ってくれ!待って」
変な爆弾投下をして、潤は家の中にずけずけと入って行った…いや自分ん宅だけど。
「シャルロット…俺だ」
「…」
「武器を下ろせ、もう日が暮れている。
こっちの喧嘩は終わったんだ」
「…ない」
「え?」
「終わってない!まだ喧嘩は終わってない!」
ガシャンッ!と、シャルロットはM60を地面に叩きつけた。
「いや終わったって」
「だって、ラウラが後ろでシャウエッセンを茹でてるじゃないか!」
「は?
…うぉおおい!!何やってんじゃゴラァ!」
ラウンド2勃発…とはいかず、流石に潤も「もういいや」と凝りて、そのままシャルロットへの対処を継続した。
「ああ、うん…悪かった、悪かったって」
「今日こそはどこか、二人だけで出掛けに行けると思ってたんだ!
それなのに、それなのに…っ!う、ううぇ…」
とうとう泣き出すシャルロット。
それに対して「うんうんよしよし」と宥める潤。
「悪かった…俺が悪かった…」
「…最近、夢にも見るんだ。
僕と潤が本当に血のつながった兄弟だった夢を…」
「ああそうかいそうかい、よしよし。
もう夜遅いから、今日も泊ってっていいから…うんうんよしよし」
因みにこの時既に帰ってたラウラはこの事実を聞いて「帰るんじゃなかった」と心底後悔しましたとさ。
――――――――という夢を見た【彼】だった。
跳び起きた彼は、寝過ごす所だったと直ぐに着替えて外に出て、原付のエンジンを叩き起こして道を走らせた。