エーブリスのチラ裏短編集Ζ   作:エーブリス

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本当は本編終了後にやるネタだったけど、我慢できずにやりました。
一応半分くらい本編とはパラレルワールド設定です。






あと最初に言っとく。
――――深く考えるな、設定とか、キャラクター像とか、すべて忘れろ…無意味だ。


【オバ父】ナザリック第■階層・特殊領域「アイン寿司」

その日デミウルゴスは困惑していた。

至高の御方によって作られたナザリック地下大墳墓…そのとある階層にある、謎の扉と看板。

わたしはだれだったの?

どの領域守護者にもそれが何なのかを知らされず、ただ無地かつ白紙のそれらが何時もそこにあった。

だが――――今は様子が違う。

わからないの…ニモエルよりもずっと前のわたしが

「えっと…【アイン寿司】?

一体…」

でも少しだけ覚えてる…“声に出したその希望を、真実に変えようってんだ”そう言った誰かを

なんか、知らんけど、寿司屋さんに、なってました。

 

 

…いや本当に何故ナザリックに寿司屋が出来ているのか、別に異業種に食事はどうとかそもそもローフィッシュを食べる文化がどうとか、それ以前の問題として…何故あの謎の一角が、今になって“寿司屋”などになっているのか。

私の祈りは価値を作ったのかしら?

鬼才デミウルゴスにさえ何も分からなかったが…彼もまた守護者が一人、怪しいモノを見過ごすわけには行かなかった。

今も剣は吠えている?

「ッ…(確かめる必要が、ありますね…!)」

何言ってるのかしら、私

悪魔である彼ですら“魔の領域”と感じるその先へ、意を決して踏み込んだ。

 

 

――――中はやはり寿司屋だった。

最早何処をどう切り取っても寿司屋、もうあの木造建築的な感じの寿司屋。寿司屋オブ寿司屋だ…。

皆変わってしまった、※※※の皆…あの時の面影はあるけれど

いやまぁ、寿司屋と書いてあるのに中身が喫茶店だったらそれはそれで困る。しかし現状デミウルゴスを一番困らせているのは間違いなくアレだ。

どうしてそう感じるの?

誰も教えてくれない

「あ、あの…アインズ様?ランドナ様?」

お父さんへの淡い気持ちだってそう…まだ言葉には出来ないけれど、何かおかしいわ

板前姿で立ち尽くし、彼を見つめている我らがアインズ様及び4児のパパことランドナ。

二人は息を揃え、こう叫んだ。

 

 

「「寿司食いねぇ!」」

 

え、あの…え?」

 

流石のデミウルゴスも、これには大混乱…彼は普段から『至高の御方々は自分の考えが及ぶような領域になど居ない』と考えてはいた、が…これに至っては意味すら分からない。普段なら自分が思いもしなかった作戦(そんなものは実際ない)を遠巻きに示されては直ぐにその意味や有効性(そんなものも無い)を理解出来ていた。

 

 

――――だが、この…えぇと、この寿司屋は一体何なのだ?

 

「あの…アインズ様?ランドナ様?

私めの頭では考えが至らぬ故、無礼を承知ではありますが質問を――――」

 

「あーい質問一丁!」

 

「板長!質問一丁!」

 

え、え、えぇ…

 

質問一つでこの反応はオーバー過ぎる。

いくら(寿司ネタに非ず)アインズの種族がオーバーロードだからと言えども、限度があるのでは?別に彼がそんな事を考えていたわけではないが、正直私はそんな下らない事を思いついていた。今回全体的にこんなノリなのでブラウザバックは今の内だ。

 

 

…というか、板長とは?

そんな疑問を抱えたデミウルゴスの左鼓膜に「勝手にやっといて―」という声が囁いた。

 

「(この声は…ランドナ様のご息女の、デルモゲニー様?)あの、一体これはどういう…」

 

「あぁ、デミウルゴス…君が困惑するのも分かるよ。

だから…先ず大切な事を言わせてもらう」

あの人との試みは決して成功とは言えなかった

「ッ…はい」

それでも私達の“現実”を諦めるわけには行かなかった

やはり至高の方々が無駄な事をする等あり得なかった…と彼は自分の懐疑を恥じたその矢先――――

 

ぶっちゃけこれ突発的な思いつきが発端のトンチキだから、特に意味は無い

あの人は今までに見たことないくらい、泣きじゃくった顔で謝った

はい?

自信満々でやっておいて…って。相も変わらずクソみたいな人間だ…って。

デミウルゴス、再び…いや三度?困惑。

最早語るまい。

私は言った…“それでも、己で明日を切り開く未来があるなら…私達は幸福よ”と。

「その、だな…デミウルゴスよ。

私とランドナさんが宝物殿より引っ張り出した、この【召喚モンスター合成キット】なるアイテム(ガチャ限定)の運用試験を行っていた時の事だ」

 

「はい。確かそれは獣王メコン川様がご入手なされたアイテムでしたね?」

 

「ご名答。

よく覚えているね、デミウルゴス」

皆も頷いていた。

「その時近くにいたもので。

――――しかしそれが、今回の…この…寿司屋?と一体何の関係が」

皆で赦した…いいえ、そもそも彼を憎む気持ちなんて無かった。誰も

相変わらず困惑が解けない彼は主人たちの後方の壁…デミウルゴス視点で平面的に言えば彼らの頭上にある木製の札を眺めた。

右から順に【中とろ】【コハダ】【アジ】【アナゴ(CV:若本規夫)】【甘エビ】【しめさば】【スズキ】【ホタテ】【アワビ】【赤貝】【ミル貝】【カツオ】【カンパチ】【ウニ】【いくら】etcと並んでいる。

 

「あぁ、実はその運用試験で寿司を作れる事が判明したのだ…」

この世界は、護り斬れなかったモノばかり。

「????(何故…?)

それでも失うばかりじゃない。

これには今まで困惑させられる側のAoGリーダーと幻のナンバー42も一緒に困惑、誰が追い付けるってんだこんなもん!

 

「す、すみません…僭越ながら一度、私めにその【召喚モンスター合成キット】の実物を見せて頂いてよろしいでしょうか?」

 

「あ、あぁ…いいですよねランドナさん」

 

「そうっすね。

彼ならば何か分かるかもしれないですし」

 

ランドナはそのままデミウルゴスへと合成キットを手渡した、よく見ると彼の手は黒いゴム的な手袋をしており、YouTube shortの料理系YouTuberのような外見になっている。揚げ物の表面を包丁でザラザラしたらもう完璧である。

 

まあ疑惑があるとは言え腐乱死体が握ったスシなどもっての外であるし仕方がない。

 

 

手渡された直方体のそれをじっくり眺める彼は、しかし何処をどう見ても【合成】の悍ましい字以外に特徴的な部分は見当たらず、遂には苦し紛れの仮説しか思い浮かばずにいた。

 

「…やはり、どう見ても“なんの意味もなく、その場の悪ノリで寿司製造機能を付けた”としか。

ご期待に沿えず申し訳ございません、ランドナ様」

 

「いやいや、丁度僕らもその結論に達していたさ。

まぁ――――何はともあれ…だ」

 

ランドナパパは慣れた手つきでキットのアルコール消毒を済ませると、それを起動させて寿司を精製した。

 

「と言う訳で寿司食いねぇ!

「寿司食いねぇ!」

 

ネタは4つ…右から【いくら】【うに】【カンパチ】【カツオ】である。

つまり上の札を左から順に出していくつもりのようだ。

 

「因みにシャリは手前の桶で作った酢飯から出てるけど、ネタの方は裏で魚捌く練習してる板長が出してるよ」

 

この一言でデミウルゴスは悟った…多分この寿司屋の直接的な原因はデルモんであると。

 

「は、はぁ…本当に、こちらを食べてよろしいので?」

 

「「寿司食いねぇ!」」

 

「(成程、この調子で行かれるのですか)で、では…頂きます」

 

何はともあれ至高の御方より賜った物を粗末にするわけには行かないと、彼は先ず【いくら】から頂く事にした。

ぷち、ぷち…と、いくらの濃厚な中身が醤油と酢飯そして海苔と混じり、日本古来より存在する絶妙なハーモニーを――――え?生食の寿司は近代から?うるせぇ!細けぇ事ぁ気にすんじゃねぇ!そもそもそもワンチャン食事不可な種族が食事出来ている時点で無茶苦茶も良い所だろうが!

 

 

…まあ何はともあれ、寿司としてちゃんと美味しかった。

元貧困層暮らしだったアインズやランドナが知るような合成加工食の味ではない、ちゃんと天然もののいくらの味である。

 

だが一つ問題があった――――それは噛んだいくらが弾ける度に「ハーイ」とか「バーブー」とか明らかに人間の幼児のような声が響くのだ。

 

「こ、これは…」

 

現総理の検討のように困惑が加速するデミウルゴス…まさかと思い、板前二人の方を見る。

 

「え?何だこの音…」

 

「心なしかデミウルゴスの方から聞こえません?」

 

「…まさか、いくらが?」

 

いやお前らも分かってなかったんかい!………ごほん。

 

 

何はともあれ、この異常事態にランドナは疾風のような速さで厨房裏へと駆け込み、事情聴取を行っていた…そしてまた電撃のような俊足で表に戻ると、何か薄々と事実に気付いていそうな顔をしてデミウルゴスへと話しかけた。

 

「なあ、一度…カツオを食べてみてくれないか?」

 

「?、し、承知しました…」

 

ランドナに言われるまま、箸でカツオの寿司を口まで運び、そして咀嚼した。

味は確かにカツオそのもの――――いくらとは逆のフレッシュな味わいが濃ゆい醤油とよく合う、上品な味だ。

 

そしてカツオに秘められた異常とは…!

 

 

「…ノックバック強化Ⅳが付きました」

今も私達は自由と保護、どちらが愛なのかで迷っているけれど

「「何で?」」

…素晴らしいわ、明日があるって

謎のバフ効果に、やはり困惑する一同…だったが、咄嗟にアインズとランドナは“心当たり”へとたどり着いた。

 

「…ねえ、まさかこれって」

ねえ■■■■■、聞こえてるかしら?

「やはり…と言う奴です。

あの伝説の、2090年代から脚本がAIに切り替わった――――」

私達は今、ちゃんと幸せよ。

「ま、まさか…」

 

三人は出した結論は、奇しくも?すべて同一の物だった。

 

 

「「「伝説の、サ○エさん!?」」」

 

現実世界に疎い守護者にまで存在を知られる磯野一家とは一体。

――――それはともかく、このやり取りを皮切りに合成キット寿司の検証が始まった。

 

以下、そのダイジェストである。

何故ダイジェストか?それは主に私のやる気の限界が見えたから、文句あっかこの野郎。

 

 

 

「一先ず結果をこれにメモろう」

 

「えっと…何です?ランドナさん、この矢鱈大きな用紙は」

 

「あーそれ確か昔適当に紙に書いていたV2ロケットの設計図です」

 

「何てものを…」

 

 

 

 

 


 【うに】

 

「キャベツの味がします」

 

上記のデミウルゴスの発言で至高の二人は「あ、そう言う方向性もあるのか…」と苦笑いをした。


 

 

 

 

 


 【アナゴ】

 

「ぶるぁああああああッ!!」

 

「なんだこのモンスター!?」「なんか右手にエネルギーみたいなのチャージしてますよ!?」「二人とも危ないッ!【悪魔の諸相:豪魔の巨腕】!」

 

なんかドラ○ンボールの○ルみたいなモンスターが出現するや否や、暴れ始めたのでデミウルゴスが咄嗟に終了させた。

因みに後で再度このモンスターを召喚し、調査してみたらレベル1相当の糞モンスターだった…ごめんなさい鳥山先生。


 

 

 

 

 

 


 【スズキ】

 

「何、だと…!?」

 

「うわ、ものすごい懐かしさのあるモンゴロイド顔。

…というか何でスーパーキャリィの荷台にセニアカーが乗ってるのさ」

 

出て来たのは、上記の通り【スーパーキャリィの荷台に乗ったセニアカーに跨った20~30代の一般的モンゴロイドの男性』だった。

アインズは何か驚愕していたようだが、とりあえず実体は1分で消滅した。


 

 

 

 

 

 

 


 【アワビ】

 

[削除済み]

 

「忘れましょう…本当に忘れましょう」

 

「ゾンビ系モンスターだから腐ってる筈の脳味噌が余計腐りそうっした」

 

「…酷い惨劇でしたね」


 

 

 

 

 

 

 

 


 【タイ】

 

「何故か子持ちワカメまで付いてきたのですが…」

 

「ホレたんだね、きっと」


 

 

 

 

 

 

 

 


 【タクアン】

 

「歯に詰まりました…」

 

「「ヘイ!ようじ!」」


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デミウルゴスお腹大丈夫か?」

 

「はい、何とも」

 

「…あ、そういえばマグロやって無かったな」

 

「そう言えばそうですねモモンガさん、マグロやりましょうか」

 

会話がどこか投げやりなのは二人もデミウルゴスも、そして執筆している私も若干疲れと飽きが見え始めている証拠である。

貴女に出会えてよかった…彼も、そう言っていたわ。彼である最後の瞬間に。

「はぁ…まさかこんなショボショボアイテムにぶん回されるハメになるとは」

 

「ネタ自体、もう誰も付いていけなさそうなのばっかりでしたね。

寿司だけに」

 

「(虚無感の強いシュールギャグを好むランドナ様は兎も角、アインズ様がしょうもないギャグを言い出すまでに疲弊しきっている…何と恐ろしいアイテムでしょうか…!)お二方、これを最後にしてはどうでしょう?これ以上の消耗は以降の職務に障ります」

 

「全くだ。

…それじゃマグロ、ご期待ください」「もう何も期待できません」

 

うなだれる3人はキットを動かした瞬間…まるでガチャの確定演出みたいな派手派手な光を放ち始めた。

あっやべぇ、これ絶対碌な事にならない――――そう誰もが確信した時、デミウルゴスの隣に3人分の眩い光を放つ人影が現れた。

 

 

 

…それはそれぞれイエロー、レッド、ブルーの服を着た謎のゾンビだった。

その3体は息を揃えて、大声で一言。

 

「「「寿司食いねぇ!!!!」」」

 

これだけ言い残して消滅した。

 

「解散」

 

最早げんなりし切っていたアインズの一言で「お疲れ様でしたー」と仕事あがりのリーマンのような挨拶をした後各自の持ち場へと颯爽と戻って行った。

…何を考えていたのかしら。

私までスキルの影響を受けるなんて。

不思議な事もあるのね。

その一部始終を見ていたニモエルは、ただくすりと笑っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ~翌日~

 

有る時アルベドがとある階層のとある一角を訪れると、妙な看板と扉があった。

 

「?、何かしら。

えぇっと…【ドナ田食堂】?」

 

そう書かれていた看板の横には、やたら下顎が強調され、三角巾を被ったランドナの顔面のデフォルメイラストがあった。

彼女はその一角の引力に誘われるように、扉の先へと足を運んだのだった。

 

 

…数時間後、アルベドの体重は2㎏増えた。

でも楽しいわね、コレ

 

 

 

 





言ったろ?深く考えない方がいいって。
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