特にYouTube shortでテキトーな1分解説とかされるのはザラである。
という訳で今回、片手間の脳半分クオリティなので。
ある日の夕べ、すっかり空が紅く染まった頃のIS学園。
その一角…通称【男部屋】と呼ばれる、織斑一夏と不死人――――もとい佐々木潤が住む一室で、今日も他愛ない会話が繰り広げられていた。
「…そういえば一夏。
お前、所謂“エゴサ”ってやったことあるか?」
「エゴサぁ?」
「あ、エゴサってのはだな「いやエゴサぐらい知ってるよ」あぁ、そう」
何かと無知の目立つ、IS学園男組も、流石にエゴサ程度の用語は知っていたらしい。
「で、やってるのか?」
「いや…別に。
まあ、あんまり話題になると耳に入るかもな。この前の【洋ゲーパッケージ兄貴】とか」
「まだ覚えていてくれたのか…。
お前だけだよ、ラウラにさえ忘れられて」
人の噂も七十五日…なんかオマケ本編では噂は中々消えないとは言ったが、ぶっちゃけそんな事なかったかもしれない。
誰も「戦犯ちゃん」とか覚えてないでしょ?ね?
「(いや、俺も今思い出したんだが…)それで、佐々木。
そんな話題出したのって…どうせ今週のインフィニット・ストライプスのインタビュー記事の事だろ?」
「良く分かっているじゃないか」
「流石になぁ。
…で、どんなこと書かれてたんだ?」
「何だ気になるのか、お前」
「それは…この話題で引き出されたら流石に」
確かにこの流れで、結局自分がどう世間から認識されているのか…結局語られないんじゃ少々気持ち悪い気もしてくる。
「何、悪い事はあまり見当たらない。
曰く「正統派主人公」だそうだ、全くネットの人間共も適当だな…たしかにえらい大層な事は言ってたが」
「ネットが適当なのは俺もそうだと思うけど、そんな大層な事も言ってないぞ?」
「そう言うと思ったぜ。
この朴念仁」
「何?僕人参?」
「便利な難聴よな…」
この難聴を前に、数多の一夏ラバーズが撃沈してきた。
もしも、こんな天然ジゴロっぷりが世間に広まれば、果たしてどんな反応が返ってくるのだろうか?
さしずめ「【悲報】一人目の男性IS操縦者、マジの天然ジゴロと判明www」みたいな所だろう。
「そもそもだ。
何をもって正統派だ…もしや俺か?いくらブリュンヒルデの弟ったってな」
「さあ。
…っていうか、佐々木こそエゴサするんだな」
「全くだ。
今まで興味も無かったが…自分のインタビューの反応が気になりだしてから、止まらなくなってな」
それと時代の違いからくる、ちょっとした流行遅れへのコンプレックスか。
「…まあ、にしてもインタビューだってのに、言ってる事の規模以外はなんだか無難に済ませようとしてるな。
エンタメなんだ、もっと派手に言え」
「そんな、インタビューって…その人の人となりとかを掘り下げるんだろ?
嘘とか虚勢とかはダメなんじゃないのか?」
「いいんだよ、
それらを前に、真実の何が解かるって?解からんよ、だぁれも」
「んな、ラウ・ル・クルーゼみたいな」
「そりゃちょっと意識して…おい、お前一夏か?
エゴサの事と言い妙だな、こいつにそんな知識がある筈がない」
佐々木はあからさまに、一夏を怪しんだ。
「いや解かるって!
流石にガンダムSEEDくらいは知ってるからな!?ちょっとだけだけども」
「知らぬさ!
所詮人は己の知る事しか知らぬ!」
「だからクルーゼで返すな!」
ちなみに一夏がガンダムSEED…というか、ラウ・ル・クルーゼを知っている理由が「弾………俺の友人がモノマネ得意だから」との事。
さて、あれから暫く時が過ぎた。
数日前に専用機持ち達による公開演習があったばかりであり、そこにはメディア関係者も多く訪れていた。
つまり、普段佐々木らが行っている戦闘が、世に広く知られたと言う訳である。
「…で、それで佐々木。
エゴサはいいのか?この前の演習で多分色々と噂があると思うけど」
「そうは思ったが…どうせ他の生徒が言伝で色々流しているだろうに。
真新しいような反応があるとも思えんがな」
「でも、反応集まとめ?みたいなのは作られてたっぽいぜ。今日、鈴に聞いたけど」
「…んだと?
しまった、最近CoDの新作情報ばかり追ってたせいで見逃した」
一夏の発言の真相を確かめるべく、彼は動画投稿サイトを開いた。
見れば、確かに我々の知る所で言う所の田○与作ちゃんねる的な所が反応集動画を投稿している。
「おー、一夏にしては良い情報を渡す。
さて、と…今日はどんな専門家様名人様に出会えるんだか」
そして再生開始すると、いの一番の反応が『今年の一年専用機持ち、平均レベルたっけーな』だった。
別に今の二年生、三年生のレベルが劣る訳では無いし、何より二年生にはあの生徒会長がいる。
多分この反応をした誰かの、錯覚を含んだ個人的主観なのだろう。
「…まあ、それでもシャルロットとラウラはかなり別格だと思うが。
――――ほらな」
「フランスとドイツの代表候補生…ああ、そっか」
「いや、いくら何でもクラスメイトの国籍ぐらい覚えとけ」
自分を差し引いてボケまで始まったかと、佐々木は一夏を白い目で見る。
「鈴の反応、どういう事だ?
すばしっこいって意味だろうけど…真流星胡蝶剣?」
「俺も知らん…が、添付されてる画像からしてガンダムだろうな」
実際、鈴音が「天に竹林!地に少林寺!目にもの見せるは最終秘伝!」とか言ってるトコはちょっと見たい。
「なんか、前のエゴサ話にもガンダム出て無かったか?」
「あー。
確か…俺がクルーゼの似てないモノマネしてたか…」
「そうだそうだ。
――――お、箒の反応でたぞ」
「…分かってはいたが、コイツは操縦者というより機体の反応がデカいな」
「第四世代だからな…今んところ唯一の」
二人の言う通り、箒の反応は紅椿の性能に関するものが多く占めている。
一応、補足の様に『パイロットも割といい動きしてる』的なコメントもある事にはあるが、最早それが慰め程度のフォローにしかならないレベルで紅椿への注目度が高いのだ。
後、箒の家族関係(無論、束博士について)が噂話程度に触れられる程度である。
このように、箒はちょっと可哀そうな反応だったが…逆にここで、あまり目立たなそうと思われていたセシリアが会心の反応を見せる。
「お、やっぱりセシリアのカウンターは良い反応多いな」
「俺が教えた」
「あぁ。
俺も喰らった時に思ったよ…これ佐々木の技だ、って」
何があったかと言うと、公開演習のワンシーンにおいて、突撃してきた白式に対してブルーティアーズが【死角からの一撃】を叩き込んだのだ。
これには叩き込まれた一夏はおろか、セシリア本人もカウンターの成功に驚いてはいた。
しかし、そこはイギリス代表候補生としての維持を握りしめ、すかさず射撃で追撃を加えている。
「正直、後の行動も結構完璧で『化けすぎだぞセシリア』って思ったな…今回のMVPどう考えてもアイツだろ」
「そうか?
俺はその後の、佐々木がやったフェンシングも大概だと思うが」
「リカールスペシャルか?
多分見逃されてると思うが」
そんな会話を他所に、動画は一夏及び白式に対する反応へと移っていく。
初っ端の反応が『男性操縦者の機体、近接オンリーってマ?』というものだったが、また別の反応が二次移行による射撃兵装追加を説明している。
「こういう情報、一体何処からながれてるんだろうな…」
「別に二次移行やら何やらは大きく宣伝してなかった筈だが…やっぱり生徒の言伝か?」
「うーん。
そういえば黛先輩が軍事ジャーナリストかアナリストがどうって話してたっけ」
「そっち経由か…?
まあ、分析の大好きな奴らも大多数いるだろうしな」
因みに一夏もまた、白式への反応や本人の家族関係が主となり、特にこれといって技量には触れられなかった。
後の佐々木曰く「まあ最近戦い始めたペーペーが技量で注目もされんだろう」とのこと。
「お、簪の反応もいいの多いな。
一夏と違って、期待も技量もラインナップがいい」
「一時期佐々木に付きっきりで教えられてたからな…」
ちょっと簪の活躍については、本編であんまり触れてないので、今後の為にここいらでカットである。
それで、ついに佐々木の反応ではあるが。
「洋ゲーパッケージ兄貴多いな。
良かったな、皆覚えてたぞ佐々木」
「…?
あ、俺のあだ名か」
「お前忘れてたのかよ!?」
「誰も…呼ばなかったし」
やはり人の噂も七十五日であるようだ。
ともあれ『久々の洋ゲーパッケージ兄貴』『俺達の洋ゲーパッケージ兄貴』『洋ゲーパッケージ兄貴やっぱり洋ゲーパッケージ』『なんか一人だけディアブロから引き抜いた感ある』などと、件のあだ名が存分に擦られてまくっていた。
「ディアブロ?
一体悪魔がなんだ?」
「確かそんなゲーム無かったっけ?」
「あ、あぁ…あー、そういえばCoDの情報集める間に見かけたような…」
因みに洋ゲーパッケージ兄貴が初トレンド入りした直後は『ウィッチャーみたい』とか言われていた。
――――そして、やはりリカールスペシャル…正式名称【リカールの連撃】はしっかり見られていた。
対する反応も、その連撃の非現実的な速さに『何何何の、何何の、何!?』とか『ポルナレフやんけ』とか、思う存分驚かれている。
これには潜在的な承認欲求がそこそこ高い佐々木も笑みを隠せない。
「これさ、客観的にみると…右手にでっかい斧担ぎながら、しかも左手でやってたんだな。
そりゃ違和感も大きい訳だ…」
「動画と同じ事いってらぁ」
更には大弓に、魔術、呪術、奇跡とファンタジー的な要素を多く含む攻撃をこれでもかと連発していた為、やはり『なんかそういうRPG?』みたいな反応が多かった。
「見た目が派手なだけとか言われてるぞ?
…むしろ、この見た目でどこから攻めればいいか一瞬で分かるようになりてぇよ」
「まあ、本当に結晶と炎は牽制だからな…雷が削りだ。
――――特別に教えてやるが、結晶と炎はもう飛び込め…お前の速度ならそれの方がいい。雷も2発3発までなら無視しろ…出が早いのはその分火力も無い」
「ってやったって、今度はその結晶の剣とか、さっきのリカール…?何とかってフェンシングですぐ迎撃するだろ」
「インファイトのやり方なら散々教えただろ、カウンターも弾きも。
お前には時間があるんだ、思いのほか気長に鍛えられる…今はダメでもいいから飛び込んで来い」
実際、懐に飛び込んだ時のポテンシャルに関して、佐々木は可能性を感じて居た。
以前のデーモン騒ぎで、周囲の強力や自身の暴走などがあったと言えども、自分の胸を切り裂いているのだ…一夏は。
それにしたって飲み込みの速い男だ…恐ろしいくらいに。
――――とまあ、本編のややシリアス展開でやるような話はさておき、今は反応集含むネットの扱いである。
この後も大小あらゆる規模の反応集投稿者の動画を閲覧したが、大概同じ反応であった。
どうも情報収集先は皆似たり寄ったりらしい。
「…これ、情報収集先に飛び込んだ方が早いかもしれん。
成程各種SNS…いや、いつものバッテン印だけか」
「ソレは良いけど…もういい時間だぜ?俺は寝るから」
「なっ…そうだった、課題溜め込んでた」
「佐々木お前…いい加減千冬姉にぶち殺されるって」
「もう冊子の角だからな。
だが最近は提出自体なら間に合ってる…執行猶予は溜まってるさ。最悪の場合も」
毎日コツコツやっておけば良かったのに。
そう思いながらも一夏は、部屋の電気を消して眠りについたのだった。
後書きで書く内容忘れた。