エーブリスのチラ裏短編集Ζ   作:エーブリス

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サブタイ通り、ちょっくら書いてみたネタです。
どれもこれも本編及びに原作時空の遥か先の話ですので、まあ…本当にそこら辺のバランス感覚が決まらず、結局試作品と言う形に、ね?

そして試作なので、正直未完成品ばかりです。


【IS×DARKSOULS】成層圏の試作品

 


【1、IS学園卒業式編】

[概要]一夏及び佐々木(不死人)らの卒業式の話。

この話の前には、モンド・グロッソが行われており、そこで一夏と佐々木が戦った結果、一夏の超ギリギリ勝利。それに伴いまた新たに【シグルド】の称号も生まれた…という設定。それ以前にも色々事件があって、まあ色々あった…みたいな雰囲気。

そして佐々木は自身の力(=火の時代の総て)を人間社会から隔離する為、この式を最後に暫く消息を絶つというストーリー。


あの決勝戦の事は、今でも覚えていた。

一夏は今でも信じられていない…自分の前で、佐々木が力なく倒れている事に。

 

それを何より、己個人の手で成し得た事に。

 

「…佐々木。

生きてるか?」

 

「馬鹿野郎、流石にッ…死にかけだ」

 

戦う力など残っていないだろうが、それでも佐々木は余裕そうであった。

まあ…この男にとって、死など怖いものではない。

 

 

観客らは最早、大歓声等と言う次元を超えて感極まっていた。

故に静かなのだ…何せ、強大な戦士二人の前に、ISの安全神話さえ崩れ去ってしまった。

 

人で無くなった者と、人ですら無かった者。

敗者は天にその手を伸ばし…勝者は地へとその手を差し出す。

 

 

…佐々木は、差し出された手を払った。

 

「佐々木…?」

 

「もうじき、スタッフがたどり着く…今だけしか、言えん…」

 

そうして、仰向けに倒れたまま彼は語り出した。

 

「一夏、織斑…一夏…。

俺を下した、その力こそ…王の故、だ。お前が…導くんだ。お前の名を…新たな時代の風が、告げている…」

 

この言葉に、一夏は今更戸惑いもしなかった。

自身が時代の“楔”である事は、とうの昔に受け入れている…今は只、その戦旗を手に…時代の荒波へと立ち向かうのみだった。

 

そして、目の前の佐々木もまた…古い時代の楔である。

最早王では無く、覚悟の形さえ違えども、その重みは同じ。

 

 

「…お疲れ様、前の王様。

そして――――ありがとう、俺達の為に」

 

 

 

――――あの光景が、尚も脳裏に焼き付く。

卒業証書の授与が行われる、今の瞬間でさえ…燃えて消え、そして託された王座だけが意識に宿る。

 

その風格は、最早入学当初の幼い彼など…何処にも居やしなかった。

証書を手渡す山田の前には、険しく、されど落ち着いた…静かに燃ゆる目をした男一人がいたのだ。

 

奇しくも…その風格は、入学当初の【彼】(佐々木潤)とよく似ていた。

 

 

ならば…一個人としての織斑一夏は死んだのか?

彼もまた【王】となり、律の中の一部となってしまったのか?

 

それは違う。

何時までも古い価値観を語れはしないのだ…総ての在り方は、時代の風が止め処無く変えてくれる。

 

 

式が閉会した後、一夏は学友達に呼ばれた。

無論、集合写真のためだ…いつかまた、その思い出に触れる為に。

 

――――その時、彼は昔と変わらない…純粋な、満面の笑みを浮かべていた。

心からの笑顔こそ…新たなる“王”の象徴である。

 

 

 

そして、古き王の視点へと…場面が映る。

佐々木はこの集合写真の後、果ての無い海が見渡せる場所に独り立っていた。

 

別に特別な場所という訳では無いが…海自体には少し、この時代における思い入れがある。

 

 

…まあ、変な記憶が多いと言えば、否定が出来ない。

一年目でさえオサガメやらキツツキやら大変だったが、今年度と来たら…最早語るのも憚られる。

 

しかし同時に、この水平線を前にして生まれたものがある。

彼は、己が掌を見つめた…そこに宿った“懐かしい温もり”を決して忘れる事は無い。

 

 

――――今夜は、あの日の様に…月虹に見えるだろうか?

 

 

「潤…。

やっぱり、ここにいたんだね」

 

「!…シャルロット、お前」

 

どうして此処が分かった?とは言わなかった。

最早互いに、それだけの秘密など在りはしない。

 

「こういう時だと…やっぱり海の近くにいるよね。

それか海が広く見える場所」

 

「言う通りだ…自然と体が引き寄せられる」

 

「何でだろうね。

海難事故が、潤を引き寄せているみたい」

 

先の変な記憶について、彼女が言及した。

佐々木は「揶揄うな」と不機嫌そうな顔をするが…もう今更冷や冷やするような事もない。

 

「全く、そんなんだから俺はクラス全員から「学園の男は“シー”に呪われている」なんて言われるんだ…誰だよアレ最初に言ったの」

 

Sheか、Seaかの違い…と言う事である。

 

 

「それよりも…潤、あの話って本当?」

 

「ん?あぁ…。

何、本当に消える訳じゃあないんだ…只少し、今の世界を見て回りたくてなぁ」

 

全くの建前…と言う訳では無かった。

大本の理由は、自身の力を政治やら何やらの陰謀に使わせない為だが…そもそも彼自身、そういったややこしい組織や国のしがらみに組みつけられるつもりは無かった。

 

 

…そう、彼は本日を境に、その姿を眩ます事を決めていた。

 

人間として生きる以上、それは避けられないとは、担任である千冬の言葉だ。

それに対して「もう人間ではない」と冗談半分に返し、苦笑いをされたのは…比較的新しい記憶ではある。

 

何であれ、逃げる訳だ…無責任の様に思えるが、これ以上“古き時代の総て”が表に台頭するのは、何もかもにとってよろしくは無い。

 

 

「そう、か…。

でも逃げ切れるの?いつまでも」

 

「アテはある。

…実は束博士が作っていた【単独逃走演算プログラム】なるモノへのアクセス権を得ていてな。向こうにも相ッ変わらず思惑がある様で、すんなり了承してくれたよ」

 

「な、なんか思ってたよりも凄いモノが飛び出してきちゃった」

 

これにはシャルロットも苦笑い。

こういう時の佐々木は、いままで決まって「行き当たりばったりだ」で返って来るものだったので、意外だった様だ。

 

「それに、情報を取り扱う連中には仲間が多いからな…何気に、元会長ら【更識】もバックに付いていてくれる」

 

「後…潤には“サイン”もあるからね」

 

彼女の言う“サイン”とは、言わずもがな白サイン他…火の時代に使われた召喚術等である。

灰の丘と化した、輪の都にて奴隷騎士ゲールが用いて居たサインの裏技による瞬間移動…アレに似た手法で逃げ切る事も出来なくはない。

 

 

――――結論を纏めれば「準備は万端」という訳だ。

 

「あぁ。

…さて、そろそろだな」

 

「…また、会えるよね?」

 

「当たり前だろう、死ぬわけじゃあない。

何かあったらすぐ駆け付けるさ…裏から、こっそり。冠婚葬祭、全部だ」

 

「逆に、そんなに顔見せていいの?」

 

「いいさ、他に大事な事など在りゃしない。

――――それじゃあな、次に合う時まで………元気、していろよ」

 

瞬間、佐々木の身体から…徐々に白い輝きが放たれる。

本当はもう少し…語らうような事があったかもしれない、だが…一時の別れなど、そのようなものだ。

 

明日があるのなら…また会う日は、必ずやって来る。

 

 

 

――――そして、佐々木は消えた…遠い遠い、何処かの地へと。


【総評】

完成品として出すなら、もっと最後の描写を厚くするかも。

それと他のキャラクターとのやり取りもちゃんと追加する。

…え?王理の固有?んなモン効いたら不死人アカンことになるて。


 

 

 

 

 

 


【2、八年ぶりの再会編】

[概要]本編及び原作の時系列から八年後…白式と共に大きく成長した一夏の元に…な話。

ぶっちゃけ数年後の姿的なのを書きたくて書いただけ。

一夏の職は…IS学園教師でいいかな?って感じでフワフワ。


あれから数年の月日が経った。

当時の少年少女たちは逞しく、そして麗しく成長し…一人前の大人になっていた。

 

青春と戦いの中で培った経験を、今も活かし続けている者達も居れば…今や武器を置き、他に積み上げた知識と技能で生計を立てている者さえいる。

 

 

――――だが、時代の暗雲はいつか…必ず訪れる。

一度は去ったそれがまた姿を見せる時、後者は武器をまた手に――――前者は今持つ得物をより強く握りしめる。

 

そして…その時代が呼ぶのであれば、影はまた火となり、希望となる。

 

 

 

…ここは太平洋のど真ん中。

その上空50m地点にて、織斑一夏は…謎の無人機と対峙していた。

 

「ッ…(噂の対IS兵器か…そこそこの強さがある上に、数で…しかも高度な連携能力まであるのか)。

何処のだれか知らねぇがッ、まぁた厄介なブツこさえやがってッ…!」

 

そう文句は言うものの、的確に1機1機、即座に見抜いた弱点を破壊して潰している。

この淡々と戦う様は…まるで“どこかの誰かさん”そっくりである。

 

具体的には、卒業式の日にいきなり消えた馬鹿野郎の事だ。

 

 

…途中、今回のオペレーターからの通信が入った。

 

『こちらオペレーター。

聞こえますか?コードネーム【シバ】』

 

「ああ、聞こえてるッ…と、大分片付いた」

 

現在の一夏が用いる【シバ】という暗号名だが、由来はヒンドゥーのシバ神…ではなく(シバ)犬からである。

過去、このような犬を元にしたコードネームで統一した部隊に属した事があった。

 

…因みに彼の婚約者、篠ノ之箒は甲斐(カイ)犬より【カイ】だった。

 

『一段落ついた所申し訳ありませんが、現在地から東北東約200m先から敵の援軍です。

速やかな対処を』

 

「んな事だろうと思っ――――!?、オペレーター!?こちら【シバ】応答せよ!?

援軍は北東北どころの話じゃない!全方位から来てやがる!!」

 

『そんなッ…』

 

そのハズが無い…と、オペレーターはもう一度レーダーを確認した。

――――するとどうだ?続々と、レーダーの検地範囲のど真ん中に、突然夥しい数の適性反応が現れた!

 

 

『嘘でしょ…最新鋭の早期発見システムがッ…』

 

「そしたら相手は最新鋭のステルスシステムって事だろうな!

さてと…先ずはどっから取り掛かるか…ッ!」

 

『ダメです、【シバ】!

戦闘は極力避けて下さい!この数相手では、いくら貴方でも無謀です!』

 

オペレーターは必死に一時退却を進めた。

それもそうだ…今やISは、一夏が少年だった頃のような“無敵の戦神”ではないのだから…。

 

 

「どっちにしろ、囲まれている…逃げるったって、戦闘は避けられない。

それに――――ここで俺が逃げたら、こいつら次は誰を狙うんだ?」

 

『それは…』

 

「なあに、分の悪いとか…きつすぎるとか、そういう戦いはウンザリする程やってきた!

昔に比べたら、これっくらいッ!」

 

そうして一夏は…再び刀を構えた!

 

 

――――瞬間、遠くの空で“黄金”が爆ぜる。

 

「…は?」

 

これには歴戦の戦士となった彼も、思わず面食らった。

いや…確かアレは、過去に一度見たことがある。

 

 

『オペレーターから【シバ】へ報告!

たった今、南西方向の敵増援群が丸ごと“消滅”しました!』

 

「何ッ!?――――い、いや…。

アイツ…なら、やるか。その程度」

 

流石にもうそろそろ感付いていた…一夏も、いつまでも鈍感なままでは居なかったようだ。

そして一夏とオペレーターの二人に、息をつく間も無く――――出元不明の通信が割り込んで来た。

 

 

「こちら…あぁ、コードネーム…なんだったっけ、あっ…【トマークタス】、こちら【トマークタス】!

俺の知らん間に粋がっている小僧の活躍を取りに来た、今よりそちらの指揮下に回る」

 

『と、【トマークタス】!?

貴方は一体!?』

 

「あー、あの、なぁ…ソイツは…」

 

トマークタス…それは、大昔に存在したイヌ科動物の名である。

それを知っていた彼は…謎の無線が、知り合いのものである事を確信した。

 

そして尚も戸惑うオペレーターの元に、本作戦の総指揮官――――織斑千冬が声をかける。

 

 

『大丈夫だ。

その“男”は味方だ…見ない間に、命令に従うだけの常識を学んだとはな』

 

『え、え…?織斑、指令?』

 

『代わってくれ…。

こちら【ハンドラー】、コードネーム【トマークタス】応答せよ。

状況はひっ迫している…至急、【シバ】と協力し、作戦区域の敵を殲滅しろ…やり方は一任する』

 

『【トマークタス】了解。

――――だとよ、【シバ】…とっとこ取り掛かれ、俺より食えなかったら…高い酒奢って貰う』

 

「まったく、久しぶりに会ったってのに…【シバ】了解した、しっかり撃破数数えとけよッ!」

 

そして一夏は、コードネーム【トマークタス】――――否、佐々木潤との共闘を開始する!


【総評】

奥井雅美の【WOLF~FINAL,THE LAST GOLD~】が本ストーリーのモチーフ。

アニキな一夏と性能以外何も変わってない佐々木が並ぶと、キャラ性がごっちゃになるんで筆折った。

因みにワンワン隊のコードネームは、他にラウラが【ドーベルマン】って事以外何も考えてない。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【3、お墓参り編/佐々木潤の最後】

[概要]本編・原作から数百年後の時空での話

文字通りに、佐々木が家族や友人(=ISキャラ)の墓参りに行ったら…ってな感じ。

詳細は読んでのお楽しみだが、本作では本編とは逆に、佐々木(=不死人)のみに鍵括弧が使われる。

※この作品のみ佐々木の一人称視点


とても長い月日が経った。

人の世代・時代も2度や3度…いいやそれ以上に変わったものだろう。

 

ここまで言えば、態々説明するまでも無いが…嘗ての学友や恩師と言った知り合いは、全員この白い墓石の下に眠ってしまった。誰も生きていないと確信を持って言える…死ぬ間際に、皆の老けに老けた顔を拝みに行き、そして葬式も遠巻きに見ていたのだから。

 

 

…辛くは無かった、等と言えば嘘になる。

涙は流さなかったが心に穴が開くような感覚は、一人一人見送る度に痛い程に噛み締めていた。

 

そんな傷心を柄にもなく引きずって、俺は随分時代の波に乗り遅れてしまった。最後の知り合いが死んでから暫くは流行をそれとなしに追ってはいたのだが、何の意味があるのかと考えた時、ふとその意思がポッキリと折れてしまった。

 

…つまり、俺は結局この運命に負けたという訳だ。

 

 

まあ、何だかんだといえども、こうなる事はあの日の約束から覚悟していての事だった。

今日はその約束を結び直した日なのだが…どういう事だろう、地球がおかしくなったのだろうか?この時期はすっかり涼しくなってしまった、少なくともあの日の猛暑よりは。

 

何であれ、墓参りには丁度いいくらいだ…さて、先ずはあの青臭かった学友の墓標でも立ち寄るかと考えた直後――――嘘だろう?と、年甲斐もなく驚いてしまった。

 

 

あり得ない、何故だ?何故、今ここに…そう思った矢先、漸く目の前の“一夏”が単なる霊魂であることに気が付いた。

なんだ、驚かせやがって青臭坊主め。その類の妖など、貴様が生まれて来るうんと前から出会っている。

 

まあ、今のこの姿は…大体20代中盤から30代前半の頃の姿だ。この見た目になった時には、嘗ての青臭さは大分掻き消えて、俺の人生の中でも五本の指に入る程素晴らしい男に成長していた。

 

 

一夏はこちらに気が付くや否や、笑顔で手を振って来た。

 

「ったく、死んでも調子のいい…」

 

呆れ半分、しかし嬉しさ半分に呟くと、奴は最後の見舞い振りだと言って来た。どうやら死に際までの記憶があるらしい。

 

「良かったよ、会話がスムーズになりそうで。

…所で、あの時は大分耄碌としていたんで聞けなかったが…一夏、お前どうだ?年取ってみて」

 

聞きそびれた事を今こうして聞いてみて、返って来た言葉と言えば…悪くなかった、の一言だった。

何かもっとあるだろう、そう言いたいが…一夏はこういう男なのである。

 

「全くお前って野郎は。

何がどう悪くなかったってんだ、言ってみろ………まぁ、後悔は無さそうでほっとしたよ」

 

彼は、あぁ…そうだな、と晴れやかな表情で答えたので、実際後悔は無かったようだ。特に俺が“最後の評決”と呼んで、最後の最後まで茶化し続けた話についても。

 

ふと、一夏が俺に尋ねて来る。

あれからどう生きてたんだ?と…そんなもの決まっているだろうに。

 

「ちゃーんと道筋は考えてあったんだ、最初っから、お前と違ってな。

好きなように生き、時に理不尽に死に、そして好きなように――――まあ、やりたいようにやり続けたさ」

 

こう言ったらこの色ボケ野郎、つまり行き当たりばったりだったな?とか抜かしやがった。

全く、死んでもバカと生意気は治らん様で…それに実際行き当たりばったりに変わり無かった事もあって、適当に流してやったとも。

 

 

「死んで能天気に拍車が掛かったのか?

どうであれ…ほれ、貴様の墓に手向けるつもりだったが、本人が出て来てくれれば話が早い」

 

俺はどでかい花束の一部を一夏に手渡したが、どうやら霊体は現世のものに干渉する事は出来ないようで、墓の前にちゃんとお供えする事を要求された。まあ…霊魂になってしまっては、その程度なのも仕方がない。

 

 

そして奴の故国に習い、墓石の前で手を合わせていると…ふふっ、と笑いの漏れる声が聞こえた。

 

「何笑ってやがる」

 

一夏が言うには、俺が墓に手を合わせている様子がどうも可笑しいらしい。

まあ…自分自身に似つかない事をしているなとは思う。

 

と言っても、今や人がどんな行動を取ろうが…余程ルールから逸脱していない限り、何をしようが勝手だ。

 

今の人間は…かなり上手く溶け合ってくれた。

皆に言えば「夢物語も大概にしろ」と笑うだろうか?何処までも他者と競い、妬み、憎み合っていた時代を知る、死んだ友人たちは。

 

 

まあ、ひとえに人類が揺り籠を出て“自分達”以外を認識したからに過ぎないのだろうが。

寧ろそこに今の課題があるのだろう。

 

 

――――こんな事、終わった者にも…これから終わり行く者にも関係が無い。

丁度そんな事を想っていた時に尋ねられた、お前は今後どうするのかと。

 

「…一人、丁重に“葬って”やらなきゃならんヤツがいてな」

 

言葉こそ物騒だが、長年の付き合いである一夏は、本来の意味を汲み取ってくれた。

いつかは本来の自分に向き合わなければならないのだ…誰であろうと。

 

 

「それで、だ…重苦しい話で最期を迎えるのも癪だ。

楽しい楽しい昔話で締めを迎えんか?」

 

俺の提案に、こいつも賛成してくれた。

…いつの間にか、初めて会った時の――――あのバカタレ坊主の姿に戻っている。

 

「…ふっ」

 

あんまりにも懐かしい顔をしやがったもんで、思わず吹き出してしまった。

今度は一夏が何笑ってんだよと突っ込む。

 

「いやぁ、お前そういえばそんな阿保らしい顔してたなって。

――――まあ、初対面でどっちがバカだったかと言えば…クソ、俺だ」

 

もう遠い遠い昔の事を思い出す。

“お、き、ろ!”そんな口パクを目にしていながら、千冬女史が今にも必殺の冊子を振り上げていた事にも気が付かなかった自分が、正直今でも恥ずかしい。

 

…彼女の実力は、病に伏して尚も健在だった。

本来そんな状況にするべきでは無かったが…それを人が望み、人が夢見てしまった、人の業であった。

 

 

あの時、俺はもう一度英雄になってしまった。

 

我が決意よ、我が宿命よ、もう一度…己が身を薪とすることを許せ。

そんな事を口走ったか。

 

 

さて、またまた話が重くなりそうだった所で、一夏が初対面の直後の事を語ってくれた。

セシリアの事だ…あの時の尖りっぷりは、後年軽く弄っただけで参ってしまう程だった筈。

 

やめてくださいまし…と、そんな幻聴が聞こえた気がした。

まさか、彼女も来ているのか?

 

「本当に…録音していなかったのが悔やまれるよ。

アイツ、40のババァになった頃には“慈愛”の代名詞みたいな扱いで…まあ、そんな過ちがあったからこそ、だが」

 

俺に年寄り扱い等されたくないだろうが、ババァはババァだ仕方がない。

 

 

そうして俺は…旧友の亡霊と共に、墓場を練り歩く事となったのだ。


【総評】

今回は試作なので↑みたいな締め方をしたが、本来なら他のキャラの幽霊と語り合いながら墓参りをするプロット。そして最後には…。

そして本作でまたマーシレ…じゃなくて【悔やみ続ける者】が搭乗する予定。


 

 

 

 




他にも試作品が出来たら書くね。多分
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