エーブリスのチラ裏短編集Ζ   作:エーブリス

7 / 27
思いついたのは良いけど演出や謎キャラの使い道の問題、それと必要以上に頭を使う展開等で没になった展開です。
成層圏がちゃんと漢字で書いてあるのは、おとぼけゼロのシリアスだから。


【IS×DARKSOUL】成層圏にて没展開

 

   ~某国某所、とあるビルの一角…会議室にて~

 

「――――では次に、今年度IS学園にて確認されている一年次の専用機持ちについてです。次のページを」

 

進行役の男が議題を移すのと同時に、会議の椅子に座る皆が資料を1ページ捲った。

そこに記されているプロフィールは全部で7名分、【織斑一夏】【篠ノ之箒】【セシリア・オルコット】【凰鈴音】【シャルロット・デュノア】【ラウラ・ボーデヴィッヒ】【佐々木潤】…男が言及したように現在IS学園に在籍している一年生の専用機持ちの面々だ。

 

男は一夏から順番に、パイロット本人の技能等や使用する専用機の性能の客観的な評価を淡々と述べ、そしてそれぞれの評価の締めには必ず“何かの計画”において「有用」か「有用でない」かを言い加えた。

 

 

終始、彼の表情と言動共に何かを小馬鹿にするようにヘラついた態度であった…が、佐々木潤―――つまり【彼】への評価を述べ始めた時、その顔と口は幾分か険しくなる。

 

「最後に、佐々木潤…彼はただ偶々現れた二人目の特殊ケースだとしてノーマークでしたが…正直、間違いでした。

彼は異常です――――」

 

…会議室中央のプロジェクターに映像が映し出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆ 

  

  【数日前…某国波止場にて】

 

深夜の哨戒を行っていた兵士の眉間に突如、黒く塗りつぶされた矢が突き刺さる。

一瞬のうちに絶命し、その場でバタリと倒れた兵士を、矢を放った張本人である【彼】が早急に人目の付かない場所へと運ぶ。

 

多少杜撰な行動であっても【静かに眠る竜印の指輪】の力で殆ど音は発生しない…更に【霧の指輪】【幻肢の指輪】の力によって姿が物理的に消えかかる事によってより大胆な作戦行動を可能としているのだ。

 

 

…この兵士を最後に(作戦領域内の)外周における見張りの兵士は全て片付いた。

彼はそれをオペレーターへと通信経由で報告する。

 

 

『こちらメルコール。

サウロン01よくやった…想像の2倍は早く終わったな、予定の前倒しだ。サウロン01~03、次のポイントに進め』

 

指輪の力で任務を遂行する様を、サウロン(指輪王)という暗号名で表すとは何とも粋な事か。

それは兎も角、【彼】はコンテナの上によじ登り、そしてコンテナからコンテナへと…忍びの者(ホビット)ように跳んで跳んで、しかし指輪の力で一切の痕跡をも発せずに。余りにも大胆すぎる行動とは裏腹に、誰にも気付かれる事無く所定の位置に到達した。

 

【彼】は積みコンテナの頂上から真下を覗き見る…そこにはラファールの改造機と思われる三機のISが、何かを警戒するようにそれぞれ三方を監視していた…間違いなく警戒しているのは【彼】のような侵入者に他ならないのだが。

何はともあれ指輪の力が想像以上にIS(と言うより現代的な索敵装置)に対して有効だった事に対して彼は僅かに不安を覚えざるを得なかった…普通、こんなに身体を傷害物から乗り出していれば第二世代とは言えセンサー類に引っかかりかねないハズだ…もしかすると、今は運が良いだけなのかもしれない。

 

 

とは言え運が良いならそれでいい、彼は再び本部への報告を行った。

それと同時に他のチームメンバーも次々に位置への到達を知らせて行く。

 

『こちらサウロン02、目標E(エレボール)を制圧した。

システムの乗っ取りも完了…いつでも落とせる』

 

『サウロン03、全部設置した。

即、ブッ飛ばせるぜ』

 

『メルコール了解。サウロン02・03は合図を待て。

サウロン01、行けるな…?』

 

勿論だ、と【彼】は答え、コンテナ上で助走をつけ…やがてそのコンテナの天井を蹴り、3機のISのうち後方の1機目掛けて跳び出した。

そして自らの専用機【ロードオブシンダー】を展開して能力を行使、右手に武器を生成した――――が、それは高所からのより強力な質量攻撃を与える事を重視した為に余りにも…いや、それすら言葉が足りない程巨大な“鉄塊”であった。

もし生身の規格にしたとしても、かの【熔鉄鎚(でかいウンコ)】ですら2,3本束ねてようやく同じサイズとなるだろう。

 

 

『サウロン02、今だっ!』

 

――――合図の瞬間、波止場全体の照明が落ち暗闇に包まれる。

同時に妨害電波が飛び交い、作戦領域全体が軽くネットワーク上の孤島と化した。

 

警護のIS三機は咄嗟に武器を構え、周囲を警戒する――――だが、その時には既に遅く…うち一人が例の超特大鉄塊による落下攻撃の犠牲となり「ぐぇ…っ」と、最早断末魔と呼べるのかギリギリなくらいの声を出して沈黙した。恐らく絶対防御のお陰で死んではいないだろうが…まあこの際【彼】に敵の生死は関係なかった。

 

 

凄まじい爆音と、僅かな仲間の呻く声に振り向く他二人。

しかし…いや、やはりと言うべきか?【彼】は鉄塊の大欠片を槌に変えて一人の頭部を強く叩き落として大地にキスさせて、もう一人の脚を掬って転ばした後に顔面を踏み付けフェイスキャップを砕く。

 

終いには一度高く飛び上がったかと思えば単一仕様【薪の王】を発動、自身を(燃えるもの)として悉くを焼き尽くす始まりの火で包み、先ほどのコンテナからのダイビングとは比較にならないような勢いで急速落下。

 

 

地面と【彼】が激突した瞬間、大火炎が吹き荒れる嵐のようにぶわっと炎上…………その場に居たISを全て沈黙させた。

これで今回の任務は全て完了…後はサウロン03が仕掛けた爆弾に巻き込まれる前に撤退するのみである。

 

『――――早ぇ、って。

ホントに16そこらのガキかよコイツ…』

 

『サウロン03、無駄口を叩くな。

メルコール応答せよ、こちらサウロン02。サウロン03と共に既に領域外へ脱出済みだ、直ぐにナズグル(回収班)と合流する』

 

『メルコール、了解。

サウロン01…お前は残りの指輪(目標物)を回収後、直ぐに上空のベースへ帰還しろ。火は消して上がれよ』

 

 

ブツの回収はこの時既に終わらせていた。

【彼】はロードオブシンダーの大きな翼を展開し、光の様な速さで火と共に飛翔した後その姿は闇夜に溶けて消えた。

 

 ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆   ◆ ◆ ◆ 

 

 

 

 

「――――映像は以上です。

最早これ以上の言葉は必要無いかと…彼は既に“兵士”として完成されています。「有用」であると判断する他に――――」

 

「いや、保留だ」

 

口をはさんだのは、中央の席に座っている…恐らくはこの中で最も年齢も地位も高い人物であろう老人だった。

 

「議長、保留というのは…」

 

「こいつは“例の発掘現場”の事件との関係性がまだ洗い出せていない。

詳細が分かるまでは保留、という事だ」

 

ここで隣の、最高位の老人より一回り若いであろう男が「しかしな」と提言する。

 

「既に期限は迫っているのだ、ロードよ。

今、行動しなければ我々は――――」

 

「だからといって、ここで行動を早まって全てを失う訳にはいかん。

アーネスト、次の議題に映れ」

 

「は、はい――――」

 

 

ここで彼らの会議はまた別の話に移った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本当に本編でコレ使ってたら余計物語に収集つかなくなるって…。まあ元から読者の考察に任せた伏線スープレックス方式だけど。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。