【完結】コケダマですが、なにか?   作:あまみずき

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大厄災—Gigantomakhia—
大厄災 —始まり—


 ERROR——ERROR——ERROR——

 上位管理者Dの権限により、システムを再起動します。

 

 

 

 ——システムリブート。

 

 解放:女神サリエル。

 接続:翠星。

 動力経路接続、設定初期化、パラメータ再設定、セットアップ開始…………クリア。

 

 システムチェック……

 …………オールグリーン。

 

 システムの中核装置は、《女神サリエル》から《翠星》へと、正常に移行しました。 

 

 上位管理者Dから命令受信:他の全優先事項を破棄。

 

 上位管理者Dから命令受信:システム中枢区域の洗浄指示。

 実行:システム中枢区域の洗浄。

 警告:外的驚異:蜘蛛型魔物。

 対策:システム中枢区域全域に、腐蝕攻撃、破魂を発動。

 警告:魔術干渉:空間転移。

 警告:蜘蛛型魔物が空間転移にて、異空間へと退避しました。

 対策:システム中枢区域内全域に、転移妨害術式を展開。

 対策:システム中枢区域を異空間化。空間拡張、空間歪曲、次元封鎖。

 対策:システム中核装置を異空間深奥へ配置。

  ︙

 ——システム中枢区域内に存在する、外的驚異の全排除が完了しました。

 

 警告:システムに、外部からエネルギー供給を確認。

 上位管理者Dから命令受信:全人類に禁忌インストール指示。

 

 実行:ワールドアナウンス:

 《ワールドクエストシークエンス1:全人類への禁忌インストールを開始します》

 実行:スキル付与:

 《対象:全人類、 付与:禁忌LV10》

 実行:禁忌インストール:

 《対象:全人類、 閲覧レベル:禁忌》

 

 

 上位管理者Dから命令受信:大厄災プログラムのインストール及び起動指示。

 データをダウンロードしています……完了。

 解凍、展開、読込、インストール…………完了。

 

 実行:大厄災プログラム。

 全生命体抹殺精霊《翠魔》による、世界の浄化を実行します。

 

 ERROR:必要なエネルギーが不足しています。

 警告:システムに、外部からエネルギー供給を確認。

 シミュレート……最適な手段を検討中…………完了。

 再試行中……実行開始。

 

 実行:大厄災プログラム:ファンクション:絶滅機構・翠魔顕現。

 オブジェクト生成:《翠魔レルネー》

 オブジェクト生成:《翠魔ニュクス》

 オブジェクト生成:《翠魔ステュクス・カロン》

 オブジェクト生成:《翠魔ケルベロス》

 オブジェクト生成:——

  ︙

  ︙

 

 実行:全生命体を抹殺します(E x e c u t i o n)

 

 抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します、抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺します抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺抹殺殺抹抹殺殺殺抹抹殺殺殺殺殺殺殺殺————

 

  ︙

  ︙

 

 ——だれか、止めて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 突如女神サリエルが姿を現し、場の混乱が一先ずの落ち着きを見せた頃。

 

 最初は騒がしくもあったこの室内も、彼女を前にして誰もが静かに口を噤む。

 サリエルの降臨により空気が一新され殺風景で無機質な空間が、まるで彼女を讃える為に誂えた荘厳な鋼の神殿であるかのように存在感が塗り潰されていた。

 

 機械のような人間味の薄い雰囲気のサリエルと、金属の無味乾燥な重厚感との相性は、恐ろしいまでの違和感の無さであり、もしこの場所がポティマスの製造した宇宙船の中だと知らなければ、誰もが彼女こそがこの空間の主だと思うだろう。

 

 現状、誰一人としてこの事態を正確に把握しているとは言えないものの、共有出来る情報は概要をかいつまんで開示し、状況整理を終えていた。

 此処に至るまでの過程や目的、そして今まさに女神サリエルを救い出そうとしていた事。

 しかし、突如としてワールドクエストなるものが宣告され、聞こえてきた言葉に理解が及ぶ前に悍ましき闇が次元を侵蝕して発生、その闇黒に呑み込まれて大切な仲間の一人である翠星が消えてしまった事。

 

 それらの説明はほぼ全てアリエルが説き、この状況下であっても何かしらの情報を掴んでいるであろう白織は、部屋の片隅で静かに身体を丸めていた。

 時折、意識が別の場所に飛んでいるように見え、分体の操作に集中しているのかそれとも記憶の海に潜っているのか、内心は窺い知れない。

 確かなのは、とても大事そうに純白の花飾りを手の内で覆い守っている、それだけだった。

 

 そのような白織を心配そうに見詰める人は数多いが、彼女の最大の理解者が消えてしまった現状では、声を掛けるのも躊躇(ためら)う空気が生まれていた。

 それゆえ、自然と話の中心点は女神サリエルへと向く。

 

「それで……サリエル様。どういう事なのか教えてくれませんか」

「私もあの時何が発生したのか正しく理解出来ておりません。ですが、彼女から託されたのです。止めて欲しいと」

 

 滑らかに可動する蒼翼を折りたたみ、自らの身体を確かめ終えたサリエルが、鷹揚(おうよう)と頷きながら答えた。

 彼女の視点なりに何が起きたのかを語り、その説明を聞いた全員は呆然と口を開いたまま驚愕の表情を晒していた。

 

「サリエル様、それでコケちゃんは大丈夫なの?」

「おそらくですが今直ぐに危険な状態に陥る訳では無いでしょう。システム中枢に囚われるという事は、システムにおける生体演算装置としての役目と、膨大なエネルギーを個々人の魂に調整して貸し出す変換器の役目を担わされるという事です。故に、一般的な生物が接続すれば流れ込む情報量とエネルギーに耐えきれず即死する代物ですが、充分な強度を持つ神格であればそう大きな負荷ではありません」

 

 誰もが思っていた問いを、アリエルは投げかけた。

 そして、返ってきた説明にほぼ全員が瞠目し、淡々と話し続けるサリエルを見詰める。

 システムについては、つい先程まで囚われ苦役に服していた、まさに生き証人であるサリエルの言葉に疑う余地は無い。

 

「で、でもコケちゃんは、いわゆる新人神様みたいなものだし、耐えきれるの?」

「むしろ、私より余程適合性があるかと。まるで()()()()()()()()()()()()数多の術式を並列処理出来る魂魄と、個々の魂に合わせて干渉出来る特異性。——嫌味なほどあの装置に繋げる為に作られた生贄のようです」

 

 最後に小さく呟かれたのは、明らかな嫌悪の色が見える感情の籠もった声色だった。

 その発言に、サリエルをよく知る二人は驚く。

 このような悪態を、彼女は吐くような人物では無かったからで——

 悠久に等しい時間の中で、彼女も変化していたのだろうか。

 そう思ったが二人は聞くことはせず、サリエルに話の続きを促した。

 

「ですが、楽観していられる状況でもありません」

 

 堅い口調で告げられた二の句に、(にわか)に空気が騒がしくなる。

 

 入れ替わりの直後、サリエルは何かしらの命令がシステムに下っていたのを認識しており、現在微弱な繋がりとなったシステムへのアクセス権限で接続を試みたところ、平常時の稼働率から急速に出力を上昇させて何かが稼働しようとしているという情報が読み取れた事を説明した。

 

「まだ何か起こるって訳ね……あぁ、これだけでも胃もたれしそうだというのに」

「サリエルよ。今直ぐシステム中枢に行って、彼女を解放すれば良いのではないのか?」

 

 天を仰ぎ見るアリエルに代わって、ギュリエが疑問を呈した。

 しかし、そこで今まで会話に参加していなかった白織が口を挟んだ。

 

「止めておいた方が良い。現在のシステム中枢には直接転移出来ないよう、妨害を掛けられてる。それに、最低でも腐蝕無効と外道無効が無ければ——入った瞬間に死ぬよ」

 

 白織の脳裏に映るのは、ワールドクエスト発令直後システム中枢内で発動した防衛機構によって分体の退避を余儀なくされた光景である。

 本体と比べて酷く劣るスペックしかない分体では、システム中枢全域を覆った腐蝕と破魂の闇による容赦の無い排除に抗う事も出来ず、悔し涙を呑みながら闇の中に浮かぶ小さな影を前に、逃げ出すしかなかった。

 

 そのような不甲斐なさ滲む仔細を、白織は内に秘めたままで説明はしなかったが、とても悲しげに苦々しく語る様子から、無策では立ち入る事すらままならない状況というのは誰もが理解した。

 

「腐蝕はともかく破魂も使われているのか? それが常時となると、私でも防ぎ続けるのは至難の業だぞ。そちらに気を取られて他が疎かになりかねん」

 

 神格特有の超感覚で、部屋に残留した闇の痕跡を睥睨(へいげい)し、小さく呻くギュリエ。

 龍種固有の能力である魔術無効化結界であろうとも、完全無欠の守りでは無い。

 それはスキルで再現された模造品では無く、龍という神格に備わった本家本元の力ではあるが、上回る出力で結界ごと押し潰す、あるいは貫通される潜り抜けて通されるなど、意外と穴は多いのであった。

 

 その穴を埋めながらでは、行使出来る能力に限度がでる。

 しかし、その程度の無茶を乗り越えられずして何が出来ると、意思を固めた時——

 

「私が行く」

「白ちゃんが?」

「そう、私一人で——」

 

 心配そうに問うアリエルに対し、白織は闘志と決意を(みなぎ)らせていた。

 

「これは、私が迎えに行かなくちゃならない事だから」

「……手助けは?」

 

 不要であると、首を横に振る白織。

 その態度から、こりゃあ言っても聞かないなと、肩を竦めてアリエルは苦笑した。

 

「じゃあ、私たちは私たちなりに出来る事をするよ。戦後処理とか面倒事は全部こっちに任せて、白ちゃんは白ちゃんにしか出来ない事を任せたから」

「————ありがとう、魔王」

 

 そうして今後の方針が固まろうとした——その時に。

 

 

《ワールドクエストシークエンス1:全人類への禁忌インストールを開始します》

 

「む?」

「あん?」

「おっと?」

「なんだと?」

「これは……」

「——ッ」

「今度はなんだ!?」

「「「「——!?」」」」

 

 ごく普通の反応を発せられたのは、ラース、ユーゴー、アリエル、ギュリエ、サリエル、白織、そしてシュレイン。

 …………それと、アリエルの護衛として影で息を潜めていた人形蜘蛛四姉妹(パペットタラテクト・シスターズ)

 ずっと気配を殺していて、ほぼ全員から意識されずにいたが、この状況下では動揺を抑えきれず存在感を露わにしていた。

 

 それ以外の大多数は、酷い頭痛を堪えるような苦悶の表情でバタバタと倒れ伏し、呻きを上げながら次々と気絶していった。

 気絶しなかったのは、いわゆる既に禁忌を獲得している人達や、通常のシステムの対象から外れている存在、それと人類の定義には入っていない魔物は、問題無く意識を保っているのであった。

 

「まさかまさか、こう来るとはねー」

 

 アリエルは、脳内に直接聞こえてきたノイズの酷い音声と、今現実に起こっている事を一瞥し、深く嘆息しながら呟いた。 

 

 今行われたのは、全人類への禁忌をインストールするという宣告。

 神言教がスキル持ちを徹底的に弾圧して、ひた隠しにしてきた都合の悪い真実が、この世界にて生きる人類誰もが知る処となった。

 

 その事実に、アリエルは乾いた笑いを浮かべる。

 彼女の瞼の裏では、微笑が崩れ大慌てしているダスティン教皇の姿が描かれており、予め禁忌を最大まで上げている一部の人間を除いて、向こうでも殆どの人員が倒れているだろう。

 それは大人数の信者を纏めた組織力で屋台骨を支える神言教にとって、機能不全を起こしている光景が目に浮かぶようだった。

 

「シークエンス1……まだまだ、これ以降もあるって事か」

 

 気絶した仲間の様態を確認しながら、誰に向けてでもなく虚空を仰ぎ見てシュレインが呟く。

 1があれば、2や3以降も、起こり得る可能性がある。

 その不安に彼の精神が、墜落めいて暗く沈み始めようとした時——

 

「みんな。僕は外の様子を見てくるよ。急に気絶した事で、怪我人が出ているかもしれない」

「……あぁ、そうだね。確認は必要か」

 

 この場で倒れた人の介抱を一通り行ったラースは、残る皆に向けて声を掛けた。

 なるほど言われれば確かに、様々な状況が次々と浮かぶ。

 倒れた拍子に何処か打って怪我しているかもしれないし、何か大きな物を動かしていたとすれば下敷きになっていたり、水場では溺死しかけているかもしれない。

 火を扱っていた時に気絶すれば、大火傷や火災にも繋がるだろう。

 

「うん、そうだ。取り敢えず野晒しで倒れたままにする訳にもいかないし、この際だから全員運び込んじゃおう」

「運び込む、ですか?」

 

 妙案が思いついたと大きく首肯したアリエルが、悪戯っぽくおどけながら提案する。

 

「そっ。この船に、ね」

 

 ポティマスが作り上げた宇宙船。

 長い航行を見据え、居住区や生産区画まであるこの巨大宇宙船ならば、エルフの里に残っている人々を全員収容できる。

 そして、動かせるだけのエネルギーが既に充分積まれているのであれば、数万を超える大人数を一度に移動させるのも可能だろうと、アリエルは語った。

 

「であれば、一先ず私も手を貸そう。人手は多い方が良い」

「申請。私も介抱に手を貸したいと頼み込みます」

「ありがとう、助かります」

「——京也、俺も行くよ」

「しゃぁーねぇ。帝国軍(みうち)の面倒は大将(オレ)が見ないとな」

 

 彼らは共に肩を並べ、この部屋から出ていき外の野営地へと向かった。

 待機中だった人形蜘蛛たちにも指示が下され、同様に運び込みの手伝いについて行った。

 

 

 

 

 そうして——

 気絶したまま横になっている人々を除いて、残ったのはアリエルと白織の姿だけ。

 

 硬く冷たい床に直で寝かされているのを憐れに思ったのか、白織は異空間から引っ張り出した枕や毛布を、魘される人達の首の下に差し込んでいた。

 

「白ちゃん、本当に大丈夫? さっきからずっと上の空だけど」

「——多分、ね」

 

 心配するアリエルに、言葉短く白織は返答した。

 

「あの声……ノイズが酷かったけど、コケちゃんの声だ」

「そうだね。つまり……今のシステムの核は、彼女で間違いないと」

 

 小さく頷く白織。

 そして再び口を開くと、内心で煮え滾っていた想いを早口で一気にぶち撒けた。

 

「今直ぐにでも飛び出して行きたい。けど、心が乱れた状態で強引に突入すれば嫌な予感がする。先走りそうな想いと冷静さを訴える直感、それらが衝突して心が乱れて纏まらない。表面上普段の表情を取り繕っているけれど、今にも崩れそうだ。あぁ……胸が痛いよ、魔王。こんなの知らない知りたくなかった。こんなにも……こんなにも、コケちゃんの事が大切だったんだって、ようやく理解したんだよ。私は…………私は、どうしたらいいのか、心が荒れて何も分かんなくなる」

 

 返ってきた言葉に一瞬目を見開いた後、柔らかな微笑を浮かべるアリエル。

 そして、この宇宙船の操縦システムにアクセスして操作マニュアルを探し出して画面に表示し、それを熟読しながら呟く。

 

「そりゃあ誰だって、目の前で恋人を理不尽に拐われたら、怒り狂うし嘆き悲しむものよ」

「……恋人?」

「ありゃ、そこからか」

 

 心底不可解だと言わんばかりの白織の言に、頬を掻いて苦笑するアリエル。

 

「最近の白ちゃんとコケちゃん二人の様子は、付き合ってますオーラ全開だったよ? エルフの里に決着が付いた後は、もう完全にデキてたね。めっちゃ甘々……まさか自覚無かったとは」

 

 そこまで自分の本心に鈍感だったとは、予想外だーと、彼女は道化のようにぼやいた。

 長年の付き合いで、この口下手なお子様について二番目くらいには良き理解者であると自負してきたが、これではまだまだだなと内心で自嘲していた。

 

「恋人……そっか、恋人か…………あぁーっ、もう! ほんと大馬鹿だなぁ私!」

「ははっ、命短し恋せよ乙女……って神様だと寿命とくに無いんだっけ? ならちょっと違うか。何にせよ、白ちゃんが自分の恋心に気付けたようで、おばあちゃんは嬉しいよ」

 

 頭を掻き毟る白織と、それを微笑ましそうに見詰めるアリエル。

 その様子を眺め、アリエルはただ家族として背中を押そうと決めた。

 

「白ちゃん、拐われたのなら必ず取り戻さなきゃね? 大切な恋人なんでしょ?」

「——あぁそうだね、そうだともッ! 私は何も返せて無いんだ、この大きな想いも貰ってばかりの恩すらもっ!!」

 

 力強く己の意思を吠え立てた白織。

 これならひとまず安堵出来ると大きく息を吐いたアリエルは、再び操作方法を頭に叩き込むべく画面に集中する。

 

 コケちゃん——

 アリエル自身にとっても、大切な家族である翠の少女の身を案じながら、彼女の無事を祈る。

 

 コケちゃん——

 そして、愛していた大切な人なのだと自分の想いを噛み締めながら、来るべき争いの予感に魂を高めていく白織。

 

 次の宣告と争乱は、もうまもなく——




最終章を、毎週金曜日12時の週一更新にて始めていきます。
私流の作風と終わらせ方で、濃厚厨二で煌めく最高の結末を。


壊れた星を想い、嘆きの唄を奏でるがいい——大地と魂が砕けるほどに。
全ての闇を照らし尽くせ——赫怒の焔が、この贖罪と因果の糸を裁ち切らん。

さぁ、新たなる神話を紡げ——■■■■を再誕させるは、“白”と“翠”の神星なりて。
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