【完結】コケダマですが、なにか?   作:あまみずき

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我こそ冥界支配せし邪神なり

「うおおおおおおおおぉぉぉ──ッ!!」

「はああああああああぁぁぁ──ッ!!」

 

「くふふふふ、アッハハハハァァァァ──ッッ!!」

 

 ──激突し合う、神々の流星。

 想いを迸らせながら、全てを裁断する光と未知を内包する闇とが特異点に吹き荒れる。

 

 最初に語らった場は、空気と共に初撃のぶつかり合いで既に消滅している。

 私たちは宇宙空間に近い虚無を超速で飛翔しながら、宿す己の星を描いていく。

 そのたびに余波が空間を激震させ、撒き散らされたエネルギーが閃光となって宙を彩る。

 

「集束、凝縮、臨界点突破──穿てぇッ!」

 

 纏う光の帯から、幾つもの白い糸がくゆりながら束になり力を循環させる。

 糸玉のようにくるくる丸まり、霧のようにゆっくり垂れ、嵐のように力強い動きで。

 

 そして背後に公転する八つの光刃から、極光が大槍として放たれた。

 密度を極限まで高めた死滅光が闇を切り開き、逆に光へと変換しながら増幅させて駆け抜ける。

 

 アルビノである私には、致命的な悪影響しか及ぼさない光という存在。

 肌を焼き、目を眩ます──他の人にとってはなんの事も無い光が劇物と化す。

 その性質を極致まで至らせたのが、死滅光。

 因果をも裁断する破壊と創造の光を、闇を漂わせるDへ雨霰と放ち続けた。

 

 初手から常に全力。

 私の心臓が生まれ変わって構築された陽恒炉は、私たちの魂と同期して莫大なエネルギーを全身へと休みなく供給している。

 胸の鼓動が刻むたびに、陽恒炉は崩壊寸前のまま出力を捻出し、限界を幾重も打ち砕いて上限を更新し続けていく。

 

 まるで不滅の太陽のように。

 瞬く間に、無から一を生み、一は十に、十は百に、百は千にと──増幅し続ける力の波濤。

 それによって、あの絶対敵わないと思っていたDとも一応は戦闘の形になってはいるのだが──

 

「その程度ですか?」

 

 Dが闇色の細剣を振るい、八条の光線を容易く消滅させる。

 結果、一発で大陸一つ軽く蒸発させる光条弾雨(レイストーム)は、袖の端さえも焦がすことなく消え去った。

 

 これがもし、闇という反対属性で打ち消されたのなら、納得できるだろう。

 相性が最悪の、光を滅ぼす死の闇。

 そうであったのなら、どれだけ分かりやすいか。

 だが、違う──()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ふむ……どうやら私の能力の一端について何となく理解している様子。上位神でも大抵は気付けないような代物なんですがねぇ」

 

 すでに何度か、同じような攻撃を繰り返している。

 けれどどれもD本人には届かず消滅させられるのだが、その消滅方法が毎回()()()()()()()()現象で消されたのだと、相互作用操作の権能が知覚するのだ。

 

「では、これはどうです?」

 

 瞬間、私たちを襲う謎の攻撃。

 突如大火球が至近距離で炸裂した、突如絶対零度が背後より忍び寄る、突如重力場が乱れて枷を嵌めようとする。

 発生した原理も原因も不明のまま、惑星さえ破壊できるような超威力の現象が、認識よりも先に炸裂しているのだ。

 

「舐めないでっ」

 

 コケちゃんの加護により、それらの攻撃は触れた瞬間に全て掌握して、性質を変化させ私自身のエネルギーにして取り込む。

 熱量や力場、それを操り無害にする。

 発動原理が不明でも、結果である現象にはそれらの物理法則が絡む以上、私の神髄はありとあらゆる攻撃を無効化させることが出来るのだ。

 ゆえに持久戦には滅法強く、それでいて相互進化で基礎性能も際限なく向上していく。

 

「いやはや。白織、あなたの力も大概ですね。既存法則下で作用する攻撃が一切通用しませんよ。下手すれば千日手になるのではないでしょうか」

「──ははっ! 私も驚いているよ。こんなチートまがいの力が、神の最上位では当たり前だって事がなぁ!」

 

 喝破と共に輝ける大鎌で放つ、極光斬撃。

 最も出力を高く出せる大鎌は前方を埋め尽くす極大の斬閃になり、もはや津波のよう。

 

「ですから、その程度なんですか? 白織、翠星? それではこの()()を踏破できませんよ?」

 

 また、訳の分からないまま消された。

 今度も単純に見逃したとか、意識の外を突かれたとか、超速で消滅させたとかでは決して無い。

 

 私たちは二人で一人。

 思考は共有し合い、お互いに隙を補い単純な不意打ちなどは、まず受けないし見逃さない。

 あなたに報いたいと想い合う報恩(キズナ)の糸は、機転の一致や相互補助においても高度な面を見せる。

 けれど──それでもなお理解不能な現象が気付いたら起きているのだ。

 

『少しだけ……うん、少しだけ理解できた』

『コケちゃん?』

『ごめん白ちゃん。私は解析に専念するから、援護は出来なくなる。もしかしたらこれは──』

『──なるほど了解。せいぜい一秒でも長く時間を稼いでみせるよ』

 

 同調した意識下、加速する思考の中で言葉を交わす。

 その議論は現実時間では刹那にて終わらせ、私はDと相対する。

 

「さぁ、もっと愉しみましょう」

「別に構わないけどさ──、一発殴らせろやぁぁッ!」

「出来るものならッ!」

 

 爆発する意思と意地。

 攻防は激しくなる一方、けれどもお互い真芯には届かない。

 どちらも必中に等しい命中率を持ちながらも、防御を突破するには至っていないのだ。

 

 閃撃はどれも光速で飛翔し、放たれた後の死滅光も増幅拡散思いのままに制御できる。

 

 けれどDに近づけば謎の力で消し去られる。

 Dの技は未だに不明だが、攻撃が接触してからようやく認識出来るという事実に変わりはない。

 けれども手を抜いているのか、それとも長く愉しみたいからなのか、私たちの神髄の弱点である()()()()()を突いてこない。

 

 未だ予想の域だけど──

 私たちとDの神髄は、どちらも相性が良くて相性が悪いとも言える性質なのだから。

 

「有形無形自他問わずに、あらゆるエネルギーを操作する能力。言葉にすれば陳腐ですが、実際目にすれば出鱈目なものですね。なにせ何をしても変換されてしまう、そういうことなんですから」

 

 そう、それが私たちを支える力。

 感謝は繋がり別の力へと変わるという、二人の願いが具象化した権能なのだから。

 あらゆる力は私たちの手で紡ぎ直されて、新たな力へと昇華される。

 けれど──

 

「でも、それはあくまで既存法則内での能力。そして──異次元の法則や未知の力には弱い」

「づぅ、うぉぉぉ──ッ!!」

「くぅぅ!」

 

 この瞬間、初めて私たちに痛打が浴びせられた。

 干渉できないナニカの力が混じった攻撃は、力の掌握と吸収の守りを突破して傷を刻む。

 

「まだだ──ッ!!」

 

 それらが致命傷となる前に、自分自身の表面を自爆させながら吹き飛ばす。

 呼応して出力を更に三段ほど引き上げる、代償に内臓が燃えだすが無視。

 それにより皮膚は実質的に反応装甲(リアクティブアーマー)となり、攻撃が接触すれば即刻打ち消して自身への破壊力は掌握して再吸収する。

 

 私たちは存在そのものとして超密度のエネルギーだ。

 だからこそこんな無茶が出来るし、損傷も内界から迸るエネルギーですぐに修復された。

 

「思考、試行、演算、観測、検証…………解明完了(コンプリート)っ!」

 

 そこで、今まで見に徹していたコケちゃんが確信を得た声で叫んだ。

 

「行って、白ちゃん。適応したからっ」

「応ともっ」

 

 何故とは聞かない。

 繋がる意識で、Dの神髄が一体どういったものなのか真実理解したし、なにより彼女が行ってと告げたんだ、なら迷う必要などありはしない! 

 

「はあぁぁぁぁ──ッ!!」

「ッ、ぅ────くっははははははははは!! 流石です!」

 

 反撃の光刃が、今まで攻撃の通用しなかったDを斬り刻む。

 あいつを守護していた未知なる鎧、それが遂に破られたのだ。

 

 互いに一撃貰いあった関係。

 Dも受けた傷はすぐに修復され外見上では何一つ無く、一見すると振り出しに戻ったかのよう。

 けれど──これにより今後の攻撃は、より熾烈さを増して生命を奪い合う領域に突入する。

 

「答え合わせです。私の神髄とは何でしょう?」

未知の法則(ダークエネルギー)。ひいてはそれを理解していない奴に対する絶対的優位性」

「正解です」

 

 Dの神髄──分かったは良いが、やはり最悪の代物だった。

 

 未知という最果て。

 プラスもマイナスすらも、零も無限さえも越えた不確定の極致。

 未だに解明されていない宇宙を満たす謎の力、それがダークエネルギーである。

 それゆえに全ての攻撃が通用せず、また向こうの攻撃を察知も出来なかったのだ。

 

 未知の法則を纏わせた魔術や攻撃は、その未知を理解していなければ認識できないというのに、認識できないからこそ未知は未知のまま優位性を保ち続ける。

 そしてD自身に攻撃を届かせるためにも、Dが今扱っている未知の法則を解き明かさないと攻撃が当たらないという無敵化の性質も持つ。

 そういう、鶏が先か卵が先かという矛盾を突きつけたまま一方的に嬲れるのがDの神髄だった。

 

 正直言って、普通はこんなのどうやって攻略しろと思う性質だ。

 これと対峙するにはまず、世界そのものを把握できるような知覚能力がなければ始まらない。

 

 既存法則に混じる、謎の法則と力。

 それを私たちは相互作用を支配するという権能で、Dの周囲と撃たれた攻撃に未知の法則があるのを読み取り逆算して解明することで、Dの絶対優位を突き崩したのだ。

 

 ■■■■の■■■■■■による■■■■現象。

 ■■と■■、■■■■■■を用いた■■■■■■■■。

 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■と■■■■■■■■■■■■で■■■■■■、■■■■■■■されたことにより■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■であるゆえ■■■■■■■■■■■■■■■■。

 

 とてもではないが、言語化できない。

 私たち二人とも、理解こそしたがそれを説明するための言葉が見つからないのだ。

 

「一つ未知を解明されたからと言って、それで勝てるなど……思っていませんよね」

「そうだろうな。それこそ未知なんて数え切れぬほどあるだろうさ。()()()()()()()()()()

「えぇ、その通り」

 

 そう、厄介なのは一つ解明したところでは、ほぼ無意味だということ。

 

 この世界に、未だ解明されていない法則はどれだけある? 

 誰も総数や深度など、分かりやしないほど沢山あるだろう。

 既存法則ですらそのようなものである以上、異次元の法則まで好き勝手に持ち出されたら、幾ら解析しても切りがない。

 

「だから、攻撃を当てられるのは解析し終えた一瞬一度きり」

「一度解明された法則を捨てて別の未知を纏えば、また無敵に戻るのだから」

 

「大 正 解っ! 二重の花丸を上げても良いですよ」

 

 いらんわ。

 しかしこれで益々、彼女の負担が──

 

『大丈夫』

『コケちゃん……』

『解析は全て私に任せて。コツは掴んだから別の法則を次々出されてもなんとかして見せる』

『……分かった、頼んだ』

『うんっ! 頼まれた!』

 

 そうして再び始まる、流星の絢爛舞踏。

 光崩壊させる閃光の雨霰が、闇を焼き尽くす。

 見えない波打つ影や、聞こえない蠢く闇が、光を貪ろうと忍び寄る。

 そして遠距離だけではなく、一歩も引かずに大鎌と細剣が神速の剣戟を重ねていく。

 

「そういえば……この際ですし指摘しておきましょう。あなた達の罪について」

 

 ほんの世間話のように、冥王は真実を鋭く突きつけた。

 こと此処に至るまでの経緯を振り返り、覆い隠されてきた陰の部分を無遠慮に抉り始める。

 

「結果的にあなた達は星を再生させる、その最後のスイッチを押すだけのところにまで来ました。けれど……忘れてはいませんか? それが出来たのは数多の生命を奪って、ようやく辿り着けたということを。

 その救いは正しいのですか? あなた達のやっている事は、偽善では無いのですか? 星を救うためと大層なお題目を掲げて、本当は殺す事を肯定的に容認してはいないのですか? 

 救いを作るから、未来を齎すからと、一見輝かしいだけのお題目に酔ってはいませんか? 

 涙を血を、怨みを嘆きを、それを磨り潰して生贄として捧げたのは紛れもない事実でしょう? 

 あの先代の勇者のように──」

 

 あなた達が引き起こした人魔大戦で、どれだけの人間を鏖殺した? 

 辺境でひっそりと暮らしていた神話級魔物も、魔物にしてはエネルギー量が多いからと虐殺しただろう? ひいてはザトナ平原での戦争に乱入したのだって、そういう事だろうと愉しげに嘯く。

 

「──言いたいことはそれだけか?」

「そんなこと、とっくの昔に分かりきっているよ」

 

 火花を散らせながら、相手の目を見て言い返す。

 そんな言葉で揺らぐほど脆い覚悟などしていないさ、私たち二人とも。

 

「私は、そんなこと知った事かと一蹴して駆け抜けた」

「積み重ねた犠牲も、奪ってしまった生命の重さも、私はずっと前から向き合ってきた」

 

 白織と翠星、私たち二人はそれぞれ違う考えを持って計画を実行してきた。

 私は、脇目もふらずに光のように、己を曲げずに我が道を進んだ。

 彼女は、取りこぼしてきたモノを眺めながら、少しでも報いることを選んだ。

 

 相反する罪への向き合い方、けれどどちらも正しくて、どちらも間違っているのだろう。

 突き進まなければ成せないこともある、だけど見落とすかもしれない。

 振り返らなければ間違いに気付けないときもある、けど足を止めてしまうかもしれない。

 だから私たちは、共に同じ罪悪を背負いながら歩んでゆくとも。

 

「「だけど、それも全て──世界あっての事だろう!」」

 

 そう──大前提を間違えてはならない。

 星そのものが無くなれば、生命が生きるも死ぬも無いのだから。

 贖罪や継承など、まずはみんなが立つべき場所があってこその至極単純な理だろうに。

 

「罪も背負うさ、罰だって受け入れよう。けれどそれも生きる世界あってこそ」

「託すもなにも、それは私たちがやりきった先にある」

「必要なときなんだよ、この星に光がな」

「だから進む、それが私たちの始まりの誓い」

 

 苦難が待っているからといって、あの星では現状維持では駄目なんだ。

 それがどんなに痛い禁忌(しんじつ)でも、甘い逃避は許されない。

 後世に託したり保留で許されるようなライン、とっくに越えていたから夥しい罪を背負っても、あの星の救いを担うと、長い時間を掛けて決意した。

 

 常人では潰れてしまうような、その重い覚悟────見縊るなよ! 

 

「だから容認しろと? それはなんともまた傲慢な」

「それこそ、お前が言うなだろう? システムの設計者さん?」

 

 元はその星の人間の自業自得でも、あのような盤面を作ったのは──Dお前だろう。

 それを棚に上げて囀ったところで、此方としては痛くも痒くもない。

 

「此方からも指摘してやる──お前……結構人とか世界とか、そういうの好きなんじゃないのか」

「態々矮小で弱い方に基準を合わせ、自分を抑え込んでまで視点を合わせ細かく舞台を作って……そこまでするなんて人の営みが好きでなければ、とっくの昔に飽きて世界ごと壊してしまっている筈だよ」

 

 それは若葉姫色という存在がいたことが証明している。

 一時の娯楽として人間社会に紛れていたのだとしても、そもそも其処に価値があるのだと認めていなければ興味すら湧かないだろう。

 

 そして──システムの仕様として組み込まれていた支配者スキル、神性領域拡張。

 神へと至るとの文言。

 

「あれらシステムの遊びは、そういう事なんだろう?」

「神に至る存在が出ないかなと期待しながら、長いこと待っていた」

 

 ようは、程々に虐めて奇跡も悲劇も促進されるような環境を作り、半放置の状態で輝きが生まれるのを楽しむ、育成ゲームな気分だったのだろうな。

 愛や勇気が大好き、生命の輝かしさを愛している。

 そして何よりそれに魅せられている、だから見たくて欲しくて堪らない。

 ──己に届きうる、そんな輝きを。

 

「それで、適当な蜘蛛を弄くり回して放り出すのは、どうかしてると思うけどさ」

「巻き込まれた転生者側としては、本当に良い迷惑だったけどね」

「けどさ、お前本当は──」

「Dさん、あなたは──」

 

 この瞬間だからこそ、理解できたもの。

 それを微笑すら浮かべながら優しく告げた。

 

「「()()()()()()()()()()が、欲しかっただけじゃないのか?」」

 

 静謐に投げかけた問いに、Dは絶句している。

 暴かれた真実に、それこそ有り得ないとお前たちは馬鹿ではないかと冷笑している。

 

「──はははっ、何を言うかと思えば、くだらない」

 

 差し出された答えを、Dは乾いた嗤いで切り捨てる。

 その嗤いの空虚さが、裏に隠されたモノを無言で絶叫していると気付かずに。

 

「実力だけで比較するのなら、あなた達の上はごまんと居て、私と同格と呼ばれる存在もこの宇宙には複数居ますよ。

 それに必死に耐えて喰らいつくだけのその程度の力量なくせに友達? 友達ですって?? 私を笑い殺すにしても面白くない、面白く無いですよ」

 

 沸々と膨れ上がる、憎悪の念。

 今しがた戯言を言った存在に、表情の抜け落ちた顔で昏い殺意を浴びせかけた。

 

「そんな()()()()()()()でしたら、遊びを止めて殺しますよ?」

「いいや、冗談でも何でも無い」

「そうだよ、さっきので更に確信したもの」

 

 向けられる殺意にも臆さず、私たちは穏やかな声で語りかける。

 あれほどの激闘と言葉の応酬をここまで交わして、気付かないというのは無理だろう。

 

「だから──何度でも向き合ってやるさ」

「自分で言っていたでしょう? 楽しませろって。魅せてあげるとも何時までもっ」

「これが、私たちがお前に向ける、全ての因果だッ!!」

「これが、私たちがあなたにお返しする、祈りだからッ!!」

 

 そして声を合わせて、この面倒くさい捻くれ者のボッチに言ってやる。

 

「「私たちの恩返し(こたえ)を舐めるなよ!」」

「よくぞ抜かしたぁァァッ!!」

 

 ──だからこそ、想いはすれ違ったまま激しく衝突しあう。

 人の形をした星々は未知にして未曾有の局面へと突入し、魂を懸けて神髄を瞬かせる。

 

 より攻防が苛烈になる怒涛の渦中で、争いは全身全霊の短期決戦へと移行していく。

 これより先は、言葉はいらない。

 

 たった一つのことを伝えるべく、最後の舞いへと私たちは飛翔する。




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