ここ最近の忙しさは尋常じゃない!
まず分体使った諜報でしょ?
大陸各地に散らばるエルフの殲滅でしょ? それに伴う第十軍の転移でしょ?
急に帝国通る事になったから内部の問題アレコレ片付ける必要が出たでしょ?
王国の方で第三王子とかの蘇生実験でしょ?
仕事が、多い!
いやまあ、帝国の方は予想以上に優秀すぎる教皇のせいだけど、王国の事は私が首を突っ込んだ結果、増えた仕事なんだけどね。
コケちゃんが休んでいる間、少しの期間だけ山田君たちの監視を引き受けるつもりだったけど、山田君が慈悲を持っているのなら話は別。
ポティマスに寄生された王国上層部を一掃するだけだった予定を変更して、反乱騒ぎで拘束した第三王子や大島君の両親である公爵夫妻の処刑を発表させた。
そこにOHANASHIした妹ちゃんを使い、洗脳した兵士たちを用意させ準備完了。
私はヒッソリ監視の目だけ配置して、事の顛末を見守った。
当然、それを知った山田君たちは救出に乗り出した。
来て貰わないと困るのはこっちの方なので罠も何も仕掛けて無いのだから、山田君たちは順調に進んで玉座の間へ到着。
そこに山田君たちが突入したら、洗脳された兵士たちが首をスパッですよ。
山田君たちの目の前で、けど絶対に間に合わないタイミングで処刑を実行させ、第三王子、公爵夫妻、ついでにアナとクレベアっていう山田君のメイドやってたらしい二人も追加で殺害。
首が無くなった五人に山田君が急いで駆け寄り、予想通りに慈悲を使用した。
次々と、実にあっさりと、第三王子たちの蘇生を完了させていく山田君。
そして五人目を蘇生させた次の瞬間、頭を抱えてブッ倒れた。
慈悲の仕様についてはシステム調べている時に知ったから、たぶん禁忌カンストして気絶したんだろうなって思う。
あの情報インストールは、普通耐えられるものじゃないしね。
今回行った実験の目的は色々あるけど、山田君の慈悲の再確認、山田君の禁忌について、そして一番の目的はポティマスに寄生された人物を一度殺して蘇生させたらどうなるのか、だ。
結果から言うと、一回死ねばポティマスの魂を引き剥がす事が出来ると分かった。
システムの設計上、死んだ人間の魂にスキルの影響が残る事は無いって予想していた訳だけど、それが証明されただけでも充分おつりが来る。
つまりは、先生をポティマスの魔の手から救い出す手段が一つ増えたって訳だ。
そのためには一度殺さないといけないから、最終手段だけどね。
支配解除の術式はコケちゃんが開発しているから、そっちで済むのなら必要無いけれど。
それにしても、人の生き死にだっていうのに、呆気無く覆るものだわ。
神の力は、生死すら操ってみせる。
私には出来ない能力を見せ付けられているようで、なんだか落ち着かないし気に食わない。
このような機能すらも含むシステムを構築したDの途方も無い力の一端のようで、魂に特化したコケちゃんの突き抜けた異能のようで。
私の手では届かないモノが、すぐ近くにあるというのが癪に障るのだ。
私も死者蘇生が出来ない訳では無い。
だが、それはシステムというものが存在するこの世界限定での話。
全ての魂がシステムに紐付けされているからこそ、私でも蘇生が可能という限定的な力だ。
システムが無い世界では、死者の蘇生なんて私には逆立ちしたって出来っこない。
それなのに、Dは一から作り上げてしまっている。
神になる前から力の上限は見通せなかったけど、神になってからも底は見通せない。
恐ろしいものだわ。
もしかしたらコケちゃんなら、システムの無い世界での蘇生も可能なのではと思っているけど、現状確かめる事は出来ないし、今気にする事では無い。
一刻も早くシステムから解放してあげなければ、コケちゃんが次のシステムに捧げられる生贄になってしまうのだから。
システムを調べていく内に、Dの作った神仰の悪辣さを目にする事になった。
あれは本来神となった瞬間に、システム中枢に縛り付けられる事が確定しているスキルだった。
所持者である魂を、神へと至らせるように調整を施しながら強制的に成長させる、いわゆる制御装置付きの傲慢といった神仰スキル。
ただ、本来素質の無い者が神クラスまで魂を膨らませるのは非常に危険であり、保護されているからこそ魂が破裂しないものの、人格や精神には恐ろしい悪影響が出る事は確実だと思う心までは安全を保障しない、危険すぎる術式構成だった。
普通の魂の持ち主が最終段階まで進めば、魂という器を満たすエネルギーを求めて、ただ殺戮を延々と繰り返す機械のようになっていただろう。
そして最後には、呼び寄せられるままシステムに身を捧げ、新たな歯車となる。
コケちゃんに適性があったから良いものの、普通なら廃人化してもオカシクない代物だ。
ただ、それは精神面だけでの話であり、本来コケちゃんも神化した瞬間にシステムへと引き寄せられても不思議ではなかった。
それが先送りされたのは、神化した瞬間システムの影響範囲外の宇宙空間にいた事、多分だけど女神が妨害してくれたんじゃないかな。
あまり良い印象の無い女神だけど、そこだけは感謝してやる。
神になって目覚めた時、そこにコケちゃんだけ居なかったら、今の私は無かっただろうから。
自殺なんて以ての外だけど、生きる気力が大きく減っていただろうし。
力を競い合う仲間がいて、正面から私に意見をぶつけてくれる親友がいるからこそ、何も持っていなくて空っぽだった私が、本物で満たされていったのだから。
幾ら力を蓄えても、私一人だけだったらつまらない。
本音で叱ってくれるからこそ、私は人の心というものを知れる。
力と身体、勝利と成功は、自ら手に入れてきた。
でも、心だけは、感情だけは、コケちゃんから分けてもらい一緒に育んだものだ。
生まれ故に、子供のような精神のままで、神様の力を得てしまった存在が私だ。
本当はただの蜘蛛でしかなく、偽りの記憶だけしか持っていなかった私が、得られたモノ。
だから、手放したりしない、逃しはしない。
コケちゃんは私のモノだ。
何処にも行かせやしない。
だからこそ、許せない。
こんな代物コケちゃんに与えたDが、私から親友を奪おうとする世界が。
今はあのメイドさんに出荷されていったDだけど、この星のゴタゴタ全てが終わったら私の気が済むまでボコボコにしてやる。
たとえ無意味だと、勝てないと分かっていてもだ。
先生をエルフに転生させ、生徒名簿なんて厄ネタ与えた罪状もあるしね。
追加で、あいつドナドナされる最後に私に向かって、
ふざけんな! 何がお話じゃい! お前には渡さんぞ、絶対!
さて気を取り直し、この後王国は内乱状態になったけど、そこは知った事じゃない。
あわよくば山田君が王国内に足留めされればなーって思ったけど、何故かエルフの里に向かうと言い出したし。
まあ禁忌カンストしたのなら、それを知ってそうな夏目君に向かうか。
山田君たちの相手は夏目君に任せておけば魔王の方には来なそうだし、上手く行けば引き込めるかもしれないからね。
それよりも、優先してやるべき事がある。
システムを解体させる下準備、これを本格的に始めなくちゃならない。
私たちの最終目的はシステムをブッ壊し、その時に生じるエネルギーでもって、この崩れかけの世界を再生させる事だ。
そのためには入念な準備が必要で、準備にはシステムの事を細部まで知り尽くす必要があった。
世界の命運、魔王の願い、コケちゃんの命までも懸けた、絶対に失敗出来ない大勝負だからね。
だから準備段階であるにも関わらず、神経質すぎるほど慎重に慎重を重ね、システム専用の分体を作るほどリソースの大半費やしてでも、本腰入れてシステムの調査を行っていた。
軍団長のお仕事に、分体関連の開発とそれを使った諜報活動。
これらも結構忙しかったけど、第十軍の運営はコケちゃんに任せていたし、分体が調べた情報は報告書担当分体が書き上げて執務室に転送してたから、私はシステムに集中して作業を進められたという訳だ。
それでも休む暇すら無いブラック労働なのは、マジふざけんなって感じだけどね。
これも、教皇が予定に無い仕事ぶっ込んだせいだし、コケちゃんが倒れて一時抜けたせいだし、システムが難解にも程があるせいだ。
面倒な人付き合いしなくちゃならない第十軍の仕事、ほぼ全部コケちゃんにやってもらっている以上、文句なんてコケちゃんには言えないんだけどね。
まあいいや、今わかっているシステムについて説明しよう。
システムとは、Dが生み出した超巨大魔術である。
その主な効果は、この世界に生きている生物にスキルやステータスやらを付与し、死後それらを回収してエネルギーに変換して、そのエネルギーでもって世界の再生をしているという複雑怪奇で多機能な魔術である。
長い! でもこれでも要約して分かりやすくしているんだよ?
そもそも何で世界がそんなシステムに頼らざるを得なくなったのかは、禁忌に聞け。
大昔のこの世界の人間が馬鹿やらかしエネルギーを枯渇させるような事をしでかし、その穴埋めのために女神が生贄となったらしい。
それ以上の詳しいことは、私には興味が無い。
知る必要も無いと思っている。
当時を知っている魔王を筆頭にした黒や教皇を見てれば、胸糞悪い上に碌でもない事が起きたんだろうなって、察せるのだから。
過ぎ去った罪の歴史など、不要だ。
私に必要なのは、未来を手繰り寄せるための手段だけでいい。
話を戻して、システムの基本機能の他にDのお遊び機能が、ちょくちょく追加されている。
スキルとか魔物とか、ゲームチックな部分はほぼそれ。
エネルギーを回収するだけならスキルなど無くてもいい。
ただ、魔物の方は微妙なラインかな?
スキルなどがお遊び要素だとしても、それでエネルギーを溜める仕様であるのなら、戦って貰う必要がある。
その相手として用意されたのが魔物、いわゆる敵キャラだ。
ただ、システムが魔物を用意していたのは最初期だけで、あとは自然繁殖で勝手に魔物が増えていったみたい。
魔物を生み出すのにだってエネルギーが必要だし、何もしなくても増えてくれるのなら無駄遣いしなくて済むしね。
結果的に今の魔物は、システムが生み出した魔物の子孫と、元々この世界に生息していた動植物が今の環境に適応したのと、それらが混じったモノとで、もう分類不可能な感じで種類を増やしていった訳。
実際、魔物としてお前それどうなのって奴も多数いるしね。
システムが無かったら、ただの家畜みたいなのだっているし。
システムが現在魔物にしている事と言えば、本能的に人間に襲い掛かるよう刷り込んでいる事と人の手に負えなくなった神話級の魔物を人里以外に誘導させるくらいかな。
人間からしてみれば傍迷惑この上ないけど、戦わなくちゃならないんだからしょうがない。
それに、魔物も食物連鎖に組み込まれているから、今更居なくなっても困るだろう。
そして魔物以外にも、人間同士を争わせる仕様がある。
それこそが、勇者と魔王。
人族と魔族、それぞれの勢力を率いて相争わせる仕組みだ。
どちらも変わった能力が付与される特殊称号で、勇者には魔王への特効効果と勇者剣の使用許可さらに窮地で力を発揮するなんて機能も。
この魔王への特効効果が問題で、どんなに強い魔王だろうと勇者は互角に戦えちゃうんだよね。
互角にさせるために足りないエネルギーは、システムから引っ張ってくる事になる。
エネルギー溜めたい時に、そんな無駄遣いしたくない。
そもそも勇者が残っていたら、普通に魔王の身が危ない。
だからこそ、大戦の時に勇者ユリウスを抹殺し、ついでに勇者っていう仕様そのものをシステムから撤廃すべく、干渉した訳だが……
結果は、見事失敗。
システムの事をかなり調べた上で、ほぼ確実にいけるだろうと判断したのに、この体たらくではシステム関連を任せてくれたコケちゃんに合わせる顔が無い。
だが諦めずに失敗を糧にして、深く理解を進めたところ、システムを掌握するのに重要なのが、元から怪しいとは思っていたけどやはり、支配者スキルが最重要の鍵である事を突き止めた。
これらのスキルはシステムにアクセスするキーとなっている。
支配者スキルを持っていて、禁忌から知ることが出来る支配者権限の確立っていうのを行えば、様々な特典がある。
鑑定の妨害とか、システムに検索を掛けたりだとか。
ただ、そういう特典を使いすぎると魂が摩耗していくため、あまり乱用するのは推奨出来ない。
鑑定の妨害など、ほぼ消費無しなのもあるから、それは何回かお世話になったけどね。
それで、この支配者スキルをキーにして裏メニュー的なものが実行出来るのを、システムを調査している最初期の頃から、既に発見していた。
これは権限確立した時に知れる、出来る事一覧みたいなものにも載っていない事で、私みたいにシステムを詳しく調べなければ知りようが無い機能だった。
その中にあった訳ですよ、システム自壊プログラム。
やっぱりというか、あの性悪のDらしいと言えばいいのか……
ご丁寧にやり方の説明書まで付いて存在しているんだから、笑うしか無いよね。
まあ、正攻法以外にもやり方が存在していたのは、僥倖だ。
普通に表メニューでチマチマやってたら、その間にコケちゃんが生贄にさせられるのだから。
それだけは断じて認められない。
許せない、否定する、拒絶する、認めてなるものか。
だが……、それでも私一人ではどうしようもない事がある。
それが、支配者スキル持ちを増やすという事だ。
この自壊プログラム、発動させるには支配者スキル全てのキーが必要なのだ。
そう、す べ て の キ ー が 必 要 !
無理ゲーだろ、こんなの!
だって、現在支配者スキルの幾つかは空位になっているんだもん。
さらに言えば、支配者スキル持ちの中に、絶対私たちに協力するはずが無い奴も居る。
そう、ポティマスだ。
だが、諦める訳にはいかない私は必死に考えて、何とか出来ないか方法を探った。
そうして編み出したのがピッキング。
要は正規の鍵を使えないのなら、裏技的にこじ開けちゃおうという方法だ。
全部の支配者スキル持ちからキーを貰うなんて出来っこ無いし、こうでもなきゃシステム自壊の実行なんて不可能だって。
とりあえず、支配者スキルを獲得出来そうな人物に目星をつけてマーク。
既に味方側に、魔王の暴食、鬼くんの憤怒、吸血っ子の嫉妬、そしてなんとメラの忍耐がある。
メラが忍耐を獲得したのは驚いた。
だって、支配者スキルって獲得するの、メッチャハードル高いはずなんだけどな。
神化前は、四つ。
叡智も入れたら五つ支配者スキル持ってた私が言っても、その難しさが伝わらないと思うけど。
あと学園の方で、夏目君が山田君のこと逆恨みして殺害を企てた事件が発生。
まあ先生のおかげで未遂に終わり、そこで先生が支配者権限を確立させているのが判明。
持っている支配者スキルは、七美徳スキルの救恤だと思われる。
発覚の切っ掛けとなった支配者権限のスキルの消去だけど、あれは普通なら魂を大きく傷付けて自身もスキルを失ったりステータスが大幅に下がってしまうものだ。
なのに、先生が無事なのは、皮肉にもポティマスに寄生されていたからである。
支配者権限を使った代償で魂を消耗するはずだった先生だけど、その代償がまさか寄生していたポティマスの魂に行き肩代わりさせたのだった。
おかげで、先生に寄生しているポティマスの魂は大幅に弱体化し、無理矢理乗っ取るのは難しくなっただろう。
そしてこの事件は、さらに私たちにとって追い風となった。
夏目君と妹ちゃん、将来支配者スキルを獲得することになる二人を勧誘出来たのだから。
最初は洗脳でもして引き込もうとしたけど、それはコケちゃんに怒られたから止めた。
なんやかんやあって、コケちゃんから強制的に禁忌インストールされた夏目君は、自らの意思で私たちに協力してくれるようになったし、妹ちゃんの方は山田君をダシにすれば脅迫もとい説得に応じてくれたし。
そんで獲得したのが、夏目君が傲慢と強欲で、妹ちゃんが色欲と、一気に三つもの支配者スキル所持者が増えたのだった。
実にお買い得。
夏目君は、吸血っ子や鬼くんに匹敵する単騎戦力として短期間で急成長した。
成長チートとして最強スキルである、傲慢と強欲の二つを所持しているんだから、そうなるのは当然といっちゃ当然だ。
私が持ってた自身の魂を急成長させる傲慢、コケちゃんが持ってた他者の魂を取り込む強欲。
強くなるのは道理だろう。
まあ、コケちゃんが居なかったら、死んでいた可能性には目を瞑る。
たまたま治せる存在がいて、たまたま同じ陣営だったんだから、問題無し、ヨシ!
妹ちゃんが獲得したのは色欲。
その洗脳を使えば色々と悪用出来そうだったけど、コケちゃんが認める訳無く、泣く泣く封印。
まあ、色欲を獲得して効果知った途端、山田君を洗脳して既成事実作ろうとしたんだから、さもありなん。
即押し倒しに行くとか、ないわー。
妹ちゃんをこちらへ引き込む時に、山田君には手を出さないという約束に加え、支配者スキルを獲得したのならお願いを聞いてあげても良いって言ったけど、それは今のところ保留されていた。
なんか、面倒そうなお願いされるんじゃないかってヒヤヒヤしてる。
まあ、役に立ってくれたお礼に、最大限の報酬は用意しよう。
システム崩壊の余波に巻き込まれないようにするくらいは、正当な報酬だろうから。
他にも支配者スキル持ちが居ないか探ったけど、在野には居なかった。
転生者で冒険者やってる田川くんと櫛谷さんらもゲットした様子は無いし、実は教皇のところに草間くんという転生者も居たけど、そっちも持っていなかった。
残りの転生者は、エルフの里に纏めて監禁されているし、そんな境遇では支配者スキルなど獲得しようも無いのでスルーだ。
という訳で、現在判明している支配者スキル持ちはこうなる。
傲慢:夏目君。
強欲:夏目君。
暴食:魔王。
嫉妬:吸血っ子。
憤怒:鬼くん。
色欲:妹ちゃん。
怠惰:空位。
謙譲:魔王。
救恤:先生。
節制:教皇。
忍耐:メラ。
慈悲:山田君。
純潔:空位。
勤勉:ポティマス。
十四の内、八つものキーが手元に揃っていた。
空位が二つで、うち以外の陣営が所持しているのが四つ。
半数のキーを確保出来たのは大きいけど、これ以上は限界だろう。
ごく最近に知ったことだが、魔王が謙譲なんて獲得していたのは驚いた。
まあ、獲得した経緯はどうでもいい。
要はキーが増えた、それだけ分かればいいのだから。
あとはピッキングで何とかするしか無いだろう。
その難易度は、支配者スキルの状態で変わってくるようで、権限確立済み>権限未確立>空位といった順番で難易度が高くなる。
最難関なのは、勤勉と節制と救恤の三つ。
ただ、山田君が禁忌カンストさせたから慈悲も権限確立されそうなのが怖い。
そうなると、途中で難易度が上がる可能性があり、慈悲のピッキングを最初からやり直す羽目になりそうだった。
ポティマスぶっ殺して空位にさせる予定の勤勉、説得させるチャンスがありそうな先生の救恤は後回しにして、先にピッキングするのは権限が未確定な慈悲か、どうしようもなさそうな節制か。
先に節制か。
やろうとしている事を考えれば教皇が賛成するはずも無いし、味方にならないのならこじ開けるしか無い、そして空位の二つも。
これ以上粘っても、うちの陣営の誰かが取る事は無さそうだし、他のところに取られる可能性の方が高いだろうから。
それに、吸血っ子や鬼くんのような、既に支配者スキル持ちの味方が死ねば、再び支配者の座は空位になってしまう。
なら、そうなる前に今ある分だけでも、開けっ放しにしておくべきだろう。
結構長くなったから、とりあえず此処まで。
一応、コケちゃんや魔王に報連相してから、システム中枢へ作業に行くとしますか。
そして私は、エルフの里へ行軍している馬車の中に居るであろう、二人の元へ転移した。
暗躍編のラストへ。