はたらくにゃんこさま!   作:ヘルメットのお兄さん

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司令官、地下通路から脱出する

「……う…………」

 

 あらゆる光が届かない真っ暗闇の中臥龍岡 琉斗は目を覚ます。周囲を見渡し手を動かすが視界に映るのは闇のみで手に当たる感触も石や倒壊した壁などのひえた感触だけ。

 

「……ああ、思い出した。……って事は」

 

 琉斗が携帯を取り出しライト機能を使い天井を照らすとそこには白い壁が光を反射していた。

 

「お……重いにゃ~……」

 

「助かった巨神ネコ、もう大丈夫だ」

 

 白い壁ではなく巨神ネコによって支えられた天井は琉斗が下がると巨神ネコもその場を離れ天井は大きな音を立てて崩れていく、その光景を見ながら携帯を取り出すと自宅へ連絡をする。

 

「ネコ、報告」

 

『あ、無事だったにゃ! それじゃあ報告するにゃ、崩落したのは新宿駅周辺のみにゃ。それとネコマージョとネオサイキックネコが地震直前に何か波動のようなものを感じ取ったそうにゃ、やっぱり人為的なものとみて間違いないにゃ』

 

「わかった、それじゃあ戦隊ショベリンを筆頭に周辺の救助を……」

 

『待つにゃ、それとネコマージョが今進行形で魔力に近いものを感じ取ってるらしいにゃ!』

 

「何?」

 

 そう言って改めて周囲に集中する。しかし感じ取れるのはくぐもった声のような音やパラパラと落ちる小石の音がするだけだ。

 

『近くに生命反応が消えた痕跡も無いし、きっと誰かが救助してるんだとネコマージョが言ってるにゃ』

 

「誰かって言っても大分絞れそうだけどな……」

 

 琉斗は考え込む、自軍のネコ達にはこういった芸当が出来るものはそれなりにいる。だが基本的に強力な仲間達(超激レア)もそんなことはしないだろうし自分が司令官である限りさせはしない、とすると幾度となく戦ったわんこ軍団の線があがるがわんこ軍団が人助けをするのは見たことがないし意外と奴らは過剰な環境破壊なんかは行わない、するとやはり考えられるのは……

 

「助けたのは真奥か、遊佐さんか。地震を起こした側はえんていすらとか言ってたその敵対者だろうな」

 

『真奥にカメラでもつければもっと知れるのににゃ』

 

「信用落ちそうだから却下」

 

 そう言って電話を切ると周囲の瓦礫が崩れる音がする、恐らく真奥(仮定)が動き出したのだろう。見つかる前に巨神ネコと共に地下を脱出するのだった。

 

 

 

 巨神ネコを人目に付かない様帰還させ、地上へ出るとそこは無数のマスコミ車両や緊急車両によって靖国通りは封鎖されていた。琉斗が地上に出た瞬間何十人ものマスコミと救急隊員が琉斗に駆け寄る。どうにか潜り抜けようとする琉斗だったが真奥が地上に出た瞬間マスコミを振り切って真奥の元へ向かう。

 

「真奥、無事だったか」

 

「え、あ! 臥龍岡さん! どこに行っていたんですか」

 

「さっきちょっと身内(部下)に呼ばれてな、席を外れた後地震で崩れた時不思議と隙間ができたっぽいんだ」

 

「そ、そうですか。あ……でも仕事中だったんじゃ」

 

「流石に連絡して早退させてもらったよ、この腕で仕事したら異物混入とか言われるだろ」

 

 そう言いながら琉斗は軽い出血が起こっている手首を見せた。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「まあ、ひどく痛みがある訳でもないし大丈夫だろ。俺は一応病院行くけど真奥も検査とかした方がいいんじゃないか」

 

 そう言って救急隊員に呼ばれ搬送されていく琉斗、車両に乗り込み扉が閉まる寸前、視界に千穂を抱えた遊佐が地上へ出て来るのが映った。

 

 

 

 

 

 

「って訳で帰ったぞ」

 

「おかえりにゃ琉斗ー!」

 

 3時間後、医者からも特に問題無しと判断され腕に包帯を巻いた簡易的な処置だけで終わりそのまま帰宅した琉斗に真っ先にネコが飛びつく。

 

「おう、ただいま。それでそっちは何かあったか?」

 

「さっきも報告したけどこっちまで地震は届いていなかったにゃ」

 

「だよな、しかしずっとあっちから一方的に好き勝手されるのも癪だな……」

 

「ふっ、問題ないにゃ」

 

 自信満々な声が聞こえそちらを向くとゴーグルを着け浮遊する乗り物に乗ったネコスーパーハッカーが不敵に笑っていた。

 

「対策でも見つけたのか?」

 

「今までの地震の発生個所やその時の状況を整理して敵の狙いを絞ったにゃ!」

 

「おお、それで?」

 

「地震はまず佐々木千穂の家周辺で起こったにゃ、けどこれはそこまで関係ないとみていいにゃ」

 

「そうなのか」

 

「恐らく真奥か遊佐の関係者を通して本人を探そうとしていたと見ていいにゃ。そして次にネコ忍者の偵察中の地震と奇襲、この段階で真奥と遊佐のどちらか、もしくは両方が関係しているとみていいにゃ」

 

 琉斗は椅子に座りネコを膝に乗せると考え込む、ネコスーパーハッカーの言葉は現段階では琉斗でも予想できる。

 

「そして今回の地震、周りすら巻き込んでいるこの規模でも二人とも無事だった。これでも仕留められないなら次は直接関与すると思うにゃ」

 

「関与……って事は」

 

「琉斗は明日仕事はなかったにゃ?」

 

「ん?ああ、俺は休みだけど真奥は確か昼からだったか」

 

「それなら明日は真奥のとこに行くにゃ、このまま勝手に話が進まれるのも癪にゃ」

 

「癪って……、でもそうだよな」

 

 琉斗は立ち上がるとネコを降ろし自室に向かう。

 

「ここまで知って観客じゃあつまらないよな」




琉斗が真奥の魔力で助けられなかったのは出口に最も近かったのと「偶然にも」最初から隙間が出来ていたので助ける必要がないと判断した














……とかどうかなぁ…真奥もそこまで余裕がある訳でもなさそうだしでも念押しで普通に助けるのもあり得るしなぁ…
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