絶望的エロゲ世界を救え!日曜朝ヒーロー!気弱女神!エロゲオタク!   作:ルシエド

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【15】天空戦隊

 からんからんと、事務所のドアに付けられたベルが鳴る。

 

「お……お邪魔します」

 

 お客さんですよ、紫山さん。

 可愛い子ですよ、中村さん。

 

 桜色のショートヘア、切られずに伸びた前髪が目元を隠してますね。

 本物の桜の色。白っぽい色に、ほのかにピンクが混ざった色。そんな髪の色。

 童顔小顔で細身ですけどその割に身長ありますね……169cmくらい?

 薄灰色のドットワンピースに薄水色の上着、ワンピースの腰回りに飾りのスカート、一見しておしゃれの対極にある安物に見えますが、これだいぶ高い技術で作られた高位の防具みたいです。

 女の子らしくないカラーですが、濃淡はついてますし、落ち着いた印象を見せたいなら悪くないのかな。

 

 前髪切ったら服の印象も一変するかもですね。

 美少女ですし。

 以上、女神のコーデ解析でした。

 たまには女の子らしいことしないと女子力が落ちる? らしいので。

 

《お前……誰にも聞こえてないからってな……》

 

「いらっしゃいませ、どうぞこちらにお座りください」

 

 紫山がにこやかな、警戒心が薄れる笑みを浮かべて、来客を事務所のソファーに誘導する。

 

「その……ここが"プラネッタのなんでも屋"と聞いてきたのですが、従業員の方ですか?」

 

「はい、そうですよ。今お茶をいれますね」

 

「お、おおおお構いなく! ボクはお仕事をお願いしに来た立場ですので! 敬語もその!」

 

「そうかい? その方が君が気楽なら、俺もそうするけど」

 

 弱気で引っ込み思案な感じ……共感を覚えます。

 強く生きてほしいですね。

 いえ、そのままの性格で生きて幸せになってほしい気持ちもちょっとあります。

 人を前にすると緊張するんですよね……分かります。分かりますとも。

 こほん。

 

 おどおどと、女性は紫山の顔色を伺っている。

 セレナは鎧やブーツなどで小さな身体を大きく見せていたが、この女性は逆で、縮こまっておどおどとしているせいで、身長が20cmは小さく見える。

 

「ぼ、ボクは、りみゅ、リムステラクーカと言いましゅ! 言います! よろお願いします!」

 

「俺は紫山水明。

 この腕輪はナカムラ。

 今は居ないけど、ここの所長の女の子がイリス。

 よろしくね。落ち着いて、お茶でも飲んで、ゆっくりどうぞ。急かさないから」

 

《ん? こいつ若いが……いやまあいいか》

 

「ブレスレットが喋った!?」

 

《気にすんな、話を続けてくれ》

 

「は、はい。ボクはそのですね、クーカと呼ばれてますが、ええと、昨日、じゃなくて一昨日」

 

「ゆっくりでいいよ。すぐ落ち着かなくてもいいから、君のペースでね」

 

「あ、ありがとうございます……ひゃ、ひゃわ……」

 

 体はガチガチ、声は震えて、視線は逸れて、話題は右往左往。

 が、頑張って……!

 勇気を出して……!

 引っ込み思案の女の子でもやれるんだって見せつけてあげて……!

 

 紫山が出した暖かいお茶を、クーカは一気飲みした。

 思い切りはいいらしい。

 

「そ、その……先月、この王都は大変なことになったと思いますが。苦労お察しします」

 

 せ、世間話から入った! 本題は!? が、頑張ってるのは伝わる……!

 

「ああ。おかげで開設してからずっと依頼が来てるよ。王都はどこも大変だからね」

 

「その、えと、勇者ギルドから紹介されて。

 ここが独立事務所だって聞いて。

 勇者ギルドは国営だから……その、不自由があるとか。

 それで臨時的に、ここにも業務を受けて貰ってるとか、そう、ボクは聞いたのですけど」

 

「ああ。王都は今復興のためにてんてこ舞いだからね。

 なにせ、王城丸ごと吹っ飛んでしまったんだ。

 聞くところによると、増改築してたとは言え世界最古の王城だったんだろう?

 それはもう、それはもう……大変だったみたいでね……街も沢山壊れてしまった」

 

「で、でも、軍属と、性犯罪者以外の死傷者はほとんど出てないと聞いてます」

 

「そうだね。幸運だった」

 

「そ、それに関して、この事務所の人が、貢献してて、だから委託もしてる、とか」

 

「皆が頑張ったからだよ。

 避難誘導が一番貢献。

 誰も押しのけず素早く逃げた城や街の人達が二番貢献かな」

 

 あの大きな戦いから一ヶ月が経っていた。

 イリスの提案で、彼らは王都になんでも屋を構え、イリスの"なんでも屋で世界中の困ってる人達を助けたい"という夢を応援している紫山は、イリスの手伝いとして加わっていた。

 この世界に来る前には一般人・丸山丸尾に寝床を借りていて、彼のなんでも屋を手伝ってもいたためか、紫山の安定感は抜群に増しているように見えた。

 

 今日もまた一人、イリスが世界から無くしていきたい"困っている人"が、ドアを叩く。

 

「クーカちゃんがうちに来たのは、そのあたりと関係があったりするのかな?」

 

「は……はい、そうです」

 

 !

 紫山さん、メンタルが未成熟な子相手だと察しの良さが流石ですね。

 子供に好かれる才能……!

 

「ぼ、ボクは、色々あってこの土地に来たばかりなんですけど。

 聞いた話に……あ、いや、聞いた話ですけど、信頼できる人から聞いた話で!

 最近、アマリリス王国非公認の酒場がいくつか出てきてて。

 そこで見知らぬ軽薄な男性に酒を奢られて、飲んでしまうと、すぐ寝てしまうそうなんです」

 

《ま、よくあることだな。

 酒場で飲みすぎか睡眠薬で眠らされて処女散らされるエロRPG主人公は数十人居る》

 

「よくあっちゃいけないだろ。

 俺もそのへん見回っといた方がいいな……

 そうか。それで、その犯人を見つけてほしいということなのかな?」

 

「い、いえ、その……」

 

「……?」

 

「ぼ、ボクが聞いた話は、そうやって眠らされた女性が、家に帰ってないという話なんです」

 

「!」

 

 紫山の目つきが鋭くなり、中村が真面目に話を聞く姿勢に入る。

 

 紫山の目つきの変化でクーカが怯え、飛び退り、ソファーの後ろに隠れた。

 

 身長が大きめなのでまるで隠れられていない。

 

「ご、ごめんね」

 

「こ、ここここここちらこそ、反射的にだいぶ失礼を……!」

 

 いいんですよ、クーカちゃん。

 ゆっくり慣れていけばいいんですよ。

 その気持ち分かります。

 ……聞こえてないから言っても意味ないんですけど。

 

「は、話の続きです。

 それで、噂を聞いて、気になった人が居たらしいのです。

 ある日、たまたま、そう眠らされる女性を見て、後をつけたそうです。

 そうしたら、軽薄な男は女性を持ち帰って……暗がりで、馬車に女性だけ乗せて送ったと」

 

《妙な話だな。

 噂になるくらい同じ男が同じことやってんなら、事件性が無いわけねえ。

 典型的な"お持ち帰り"なら馬車に乗るにしても一緒に乗って同じ宿に行くだろ》

 

「……誘拐が目的だった、という可能性はないだろうか? クーカちゃんと中村はどう思う?」

 

「は、はい。そう思ったので、ここに。ボクは調査技能が無いので……」

 

《心当たりがいくつかあるな。もうちょっとなんかねえのか、内気女》

 

「そういえば、ひとつだけ……あと腕輪君は言葉遣いもうちょっと気を付けようね」

 

《腕輪君? お前人間相手はアレなのに無機物相手だとイキれるの? おかしくない?》

 

 中村さん、気弱な女の子を威圧してはダメですよ。

 "人見知り"って言いますし、そういう子が居てもいいじゃないですか。

 気弱な女の子の扱いをもうちょっと考え直してもいいんじゃないですか?

 気弱な女の子の扱いを。

 

《こいつ……》

 

「一つだけ、何か気になることがあったということかな?」

 

「そ、その。酔っ払いの話をボクが聞いただけなので。

 ……あんまり、あてにはならないと思うんですけど……馬車に、マークが」

 

「マーク?」

 

「断片的な情報を総合して、ボクが推測するに……鶏に巻き付いて首を咬む蛇」

 

《ほぉん。……あの男爵が男爵領の備品に刻んでる紋章だな》

 

「はい。腕輪君はよく知ってますね。ボクが褒めてあげます」

 

《うわっ鬱陶しい!》

 

 ! 男爵領、と、いうことは。

 

「男爵領……」

 

《デミア男爵だな。デミア男爵領だ》

 

「その名前、俺も聞いたことがある。……テルーテーンの親友、だったな」

 

「ぼ、ボク、それで、魔王を倒したという人達の力が必要だと思ってて……」

 

「ああ。俺も大分気になってきた。ありがとうなクーカちゃん。この報告だけで君のお手柄だ」

 

「え、えへへ、ひゃ、ひゃわ……」

 

《何言ってんのかわっかんね! ハハハ!》

 

「口には気を付けてね」

 

《無機物にだけ強気なのやめろ》

 

「ははっ、仲良いね、二人とも。俺も混ざっていかないとな」

 

《「 ……? 」》

 

 紫山がクーカに気を使わせないよう、クーカの意識の隙間を縫って彼女の椀に新しく暖かいお茶を注いでいることに、中村だけが気付いていた。

 

《事情を知らないクーカにも説明してやる。

 現状、テルーテーン派閥は解体。

 デミア男爵は知らなかったと無罪を主張。

 ま、どうだか分かったもんじゃねえがな。

 魔王だと知ってて親友になってたんなら論外。

 親友が魔王になってから入れ替わりがバレないよう工作してたならもっと論外。

 原作描写からして気付いてなかったってのはありえねえしな。

 宰相は原作と違って奇跡的に生き残ったが、まだ寄生のダメージで喋れねえからな……》

 

「ひ、ひえぇ……原作って何?」

 

「ああ、それは気にしなくていいよ、クーカちゃん。

 悪党が様子見を終え、王都の混乱に乗じて動き出し、尻尾を出した……ってところか」

 

 アマリリスは未だ、王都の大破壊から立ち直っていない。

 王国が動くのは難しいだろう。

 騎士団も皆毎日大変な肉体労働中だ。

 それを見越して動き出したのかもしれない。

 クーカがこの事務所を頼ってきたのは、大正解だったと言えるだろう。偉いですね。

 

《男爵領はやべえぞ。アマリリス屈指の世紀末だ》

 

「そんなにか……」

 

《男爵領のエロシーンのキャプチャ掲示板に貼るだけで『ぎゃーちんこもげる』の大合唱よ》

 

「そんなにか……」

 

《一チャプターだけの話なのに1500円前後のエロRPG一作分のエロがある。15時間遊べる》

 

「そんなに……!?」

 

《当然全部イリスを狙ってくるぞ、ウハハ! いやー、大変だなこりゃ!》

 

「勘弁してくれ……」

 

 紫山は眉間を揉んで、同時にこの先に待ち受けるものに対して気を揉んだ。

 

「これ、依頼料です。あ、ぼ、ボク、学園の高等部の寮に居るので、足りなかったら連絡を」

 

「……君、なんでここまでするんだい? 君には直接関係の無いことだろう」

 

「の、ノルマ、です」

 

「……ノルマ?」

 

 紫山がよくわからなそうに首を傾げて、"あああれか"と、女神と中村が唸った。

 

《もうこの時期に例のノルマあるのか……》

 

「巨悪を、五人斬ること。

 世の中を良くすること。

 何故、それを悪だと考えたのか。

 それを斬ったことで、世の中がどう良くなったのか。

 五つ、それを報告して、終わり。

 国に戻るまでにボクが果たすべきノルマ、です……はい」

 

「……それは、また……誰かに課されてるのかい?」

 

「ボクの、お、お父様からです。何か、おかしいですか?」

 

「……いや、なにもおかしくないよ。頑張ってね」

 

「は、はい! え、えへへ。これ、応援されたの初めてです。いい人ですね。シヤマさん」

 

「……うん、まあ、よく知らないで否定するのもどうかなと思うし」

 

 少々の雑談を交わし、リムステラクーカは席を立つ。

 人見知りゆえか唯一見下せる無機物のブレスレット、『ヒーローショーに来たけど緊張で話せないちっちゃな子供』のような子供と触れ合った経験が非常に多い紫山は、クーカとしても大分話しやすい相手だったようだ。

 事務所を出る時、クーカはふと勇者ギルドで聞いた話を思い出して、"この世界に他にない"この特異な小勢力に対して、ちょっとした疑問を口にする。

 

「勇者ギルドで聞いても、ボクの理解外だったんですが……結局ここ何の集まりなんですか?」

 

 紫山さんが、穏やかに微笑む。

 

 そう、ここは――

 

「俺達は正義の味方で、困ってる人の味方で、なんでも屋で、戦隊だ」

 

 ――天空戦隊ファンタスティックV異世界出張基地!

 

 ……あっ、違った!

 

《もしかして今ハモると思ってたのかこいつ》

 

 

 

 

 

 リムステラクーカが去っていった後、お茶などの後片付けをする紫山の横で、黄金のスカイクォンタムこと中村がため息を吐く。

 ため息?

 ブレスレットは呼吸してないのにため息って言うのかな……?

 ため……ため……ため撃ち……?

 

《原作にないイベントで原作キャラがここによくよく集まってくんなあ……》

 

「彼女も原作の登場人物なのか」

 

 ですね。

 

《正直、死んでてもおかしくないと思ってたわあいつ。

 魔族側が殺せるチャンス多いタイプの人生生きてるし。

 巨悪って言ってたろ?

 だから強い悪探して突っ込んで返り討ちにあったりすんだよ。

 当然その後はエロシーンだ。

 だから男爵領絡みの原作のシナリオでも当時の立場が……

 ああいや、今原作本編五年前だから王都の学園で高等部在学中なのか……?》

 

「学生? ……ああ、なんだっけ、多国籍オナホ学園だっけ」

 

 ファンタスティックバイオレットになんて単語言わせてるんですか!!!!

 

《うるせえな!》

 

「俺はこの手の単語にだいぶ寛容になってきたぞ……慣れだ慣れ」

 

 もう!

 

 クーカちゃんはシリーズの中盤あたりによく出てた子らしいですね。

 引っ込み思案だったのがシリーズを通しだんだん成長して、途中からはプレイアブルではなく、行き先の街で主人公のイリスちゃんを助けるキャラになっていった子だそうです。

 

 最初はショートヘアの気弱目隠れっ子、途中から目を出して物腰柔らかな美人、最後の立ち絵だとロングヘアで厚着しても分かるスタイルの良さの知的美人って感じでしたね。

 各立ち絵の? 人気投票?

 やってたページを見たので、立ち絵のことだけは知ってます。

 今の彼女はそのどれより幼かったみたいですけど。

 作者のデェゥスさんが再登場のたびに立ち絵やドット書き直してたらしいですよ。

 

 確か一番最後の立ち絵が一番人気あるんだったかな……?

 

《オレは最初のメカクレ版が一番好きです。あれが最強》

 

 きょ、強弁のオタク……!

 

《いやー別に成長後が嫌いってわけじゃねえんだけどよ。

 オレ、目隠れ好きなんだよな。

 ぶっちゃけどのエロゲの目隠れヒロインよりイリクロの初期クーカが好きだわ》

 

「へぇ……たとえば、他の個人制作系のエロゲだとどのヒロインが好きだったんだい?」

 

《えー? 言っても分かんねえだろ》

 

「信頼できる仲間のことは、何でも知れたら嬉しいものだよ」

 

《……チッ。

 言いなりの幼馴染のやつとか。

 魔物(スライム)の島がどうとかのやつとか。

 片目隠れの魔を討つ乙女のやつとか、まあ色々だな。目隠れなら》

 

「……まいった。どういうゲームなのか想像もできない。わからん」

 

《ハッハッハ、ま、その方がまともだろ。

 ウサミミヒロインと音楽に異様なこだわりがあるサークル。

 1が三つ並んでりゃ超大手のエロゲ製作者。

 ヨガチカ。

 卵に鍵に商業都市。

 支え合ってパワー4。

 そういうワード言われて分かるやつも居りゃ、分からんやつもいる》

 

「確かに……一つも分からないな」

 

《知らん世界のことを全部一から覚えるなんざ無駄だ無駄、オレに任せとけ》

 

「ああ、任せる」

 

 紫山さん。

 これぶっちゃけただオタクが知識マウントしてるだけですよ。

 聞いてもないことをべらべら喋って知識披露してるんですよ。

 聞き流した方が良いと思います。

 

《おい、最近調子乗ってねえか?》

 

 ひゃっ……の、乗ってないです! とりあえずごめんなさい!

 

 あ。

 

 またお客さんですよ。あと10秒くらいで店の前です。

 

「また? 流石にこれ以上案件は抱え込めないな……依頼が来ても保留か断るかしないと」

 

 あ、いえ、知ってる人ですよ。遊びに来たのかも。

 

「知ってる人……? 誰だろ」

 

「扉の前から失礼します!

 自分はアマリリス中央騎士団副団長、騎士セレナ!

 並びに、元……いや……アマリリス第一王女メルウィーウィック様!

 二名参上致しました! 御事務所へ足を踏み入れることを許可願いたい!」

 

「……なるほど」

 

 もう見なくても誰が来たのか分かるレベルだった。

 

 紫山は苦笑して、入り口のドアを開けて二人を迎え入れる。

 大荷物を剛力で抱えたセレナと、可愛らしくも普通の装いのメル姫が事務所に入ってきた。

 

 わあ、セレナちゃんとメルちゃんの普通の可愛い私服だ! いらっしゃい!

 

《ハッ、王族様がこんな場末に来るとはな?

 なんかの依頼か?

 それともトラブルか?

 ま、何にせよ今更何申し上げられても驚きませんでございますよって感じだが》

 

「王位継承権が無くなって城に居られなくなったので、住み込みで働かせていただけませんか?」

 

《なんで?》

 

 なんで?

 

《お前には定期的にあっち確認して見張ってろっつったろ!》

 

 知りませんよ!? 何かあったとしたらここ一時間か二時間で話し合って何か決まったんだと思いますー! ごめんなさいー!

 

 

 

 

 

 つまり、話をまとめるとこういう感じですね。

 

 アマリリスは昔、世界筆頭の国だった。

 けれど今、三大国家にも数えられていない。

 アマリリスが誇れるものは伝統しかない。

 だから一万年以上の歴史を持つ神器は使える使えない問わず大事なものだった。

 

 それを消し飛ばしてしまったのは、王族と言えど許されることではない。

 しかし、功績があるのも事実。

 よってメル姫とその子孫が王族を名乗る資格を剥奪する、と。

 そして姫は城に居られなくなったとか言ってるけど、セレナ曰くそんなことは全然なく、城で暮らしてても別にいいけど、姫は世直しと贖罪のため街に出ることを決めた、と。

 国と人に貢献し、国に与えた途方も無い損害を埋めるために生きますと宣誓し、周囲への示しをつけつつ、メル姫は私物を抱えて城を出て、この事務所を頼ってきた……と。

 

 メルちゃん……皆を、紫山さんを助けるために……かわいそう……なんとかしてあげたいけど……なんとかできるものじゃないようにも感じちゃう。ううっ。

 でも半分くらいしたいことしてるだけですよね?

 

《そういう話だな。原作でこんなん起こってるわけねえだろ……》

 

「腕輪様はいつも空と喋っていらっしゃいますね。ね」

 

《オレの中にはもう一人のオレがいるからな、一人相談も余裕よ》

 

「まぁ……」

 

 こうやって普段から適当な口からでまかせ言ってると、中村さんが本当に失言した時も周りの人は簡単に騙されちゃうんですよね……本当に。

 

 セレナは事務所の扉を通らないほどの大量の荷物(1tくらいありそう)を抱えてきていて、事務所の外に一時的に置いたそれを指差した。

 

「とりあえずミナアキ殿、これは姫様の私物です。

 貴族達からの贈り物が多いですが……

 高級なものゆえにそれぞれ特殊な管理と手入れが必要です。

 徹夜で全ての手入れ方法を暗記してきました。どうかお聞きください。まずは」

 

「運んでもらってるセレナに悪いから黙ってたのですが、これ全部売ろうと思っています」

 

「何故!?」

 

「フフフ、それが一番沢山城外にお金を持ち出せるからです。

 あと面倒臭いですからね。ね。

 売り払って得た売却額は全てミナアキ様にお譲りします。

 それで何かしてほしいわけではありませんよ?

 全ては善意で、厚意で、感謝の気持ちです。

 ミナアキ様のアマリリスへの貢献を見れば当然の報酬です。

 私はミナアキ様が私に優しくしてくれることを、これまでもこれからも疑いませんよ。ね?」

 

「……ありがとうね、メル姫。

 でもそんな多くのお金は受け取れないな。ここにはいつまでも居ていいよ」

 

「まあ……無欲な方ですね。私、改めて心酔してしまいそうです」

 

《この女、こういう所マジで油断できねえんだよな……恋人は一生やだが仕事仲間には欲しい》

 

「勇者登録を行い二つ名もいただいてきました。

 ふふっ、あの楽しそうな名乗り、見てて参加してみたかったんです」

 

《こ、こいつ……》

 

 わ、分からない……でもたぶん目を凝らすと見える高度な心理戦が行われてる気がする……!

 

 メル姫が口元に手を当ててくすくす笑ってるのを見ると、なんだかなんでもかんでもごまかされてしまいそうな空気がある。

 

「騎士として忠言致します。

 しかしですね、姫。

 他に選択肢もあったのでは。

 たとえば宿だっていくらでもあるわけですし。

 高級宿、ないし普通の宿でも適当に泊まれば節約にもなるしいいのでは……」

 

「治安の悪い時に女一人で宿に泊まるということは、男に体を差し出すのと同じですよセレナ」

 

「!?」

 

《こいつ……! この世界の真理を……! セレナより遥かに優れた判断力……!》

 

「!?」

 

《流石だな、確かに原作でもお前にそういうエロは無かった……

 普通に宿に泊まって眠ってる間に男に襲われ処女を失う女どもとはレベルが違う……》

 

「ふふっ。大袈裟ですよ、腕輪様」

 

「俺、ゲームやってるマルからは宿は回復施設だと聞いてたんだが……違うんだな……」

 

《宿屋の主人に襲われた女主人公マジで100人くらい居ると思うぞこのジャンル》

 

 ふにゃっと微笑んでいる姫様を、セレナはずっと心配そうに見ている。

 心配するのも当然だろう。

 たぶん、姫よりもセレナの方が危なっかしいところがあったとしても。

 

「それに、私が城を出ることには他の意味もあります。

 テルーテーンが勢力を増したのも……

 お兄様と私のどちらを押すかで貴族派閥が別れたというのがあります。

 テルーテーンは一応ですが、お兄様を支持していました。

 今私を推せば、一発逆転で次代の女王の後ろ盾筆頭になれる……

 そう思う人間も出て来ます。しばらく私は国政から離れた方がいいのです」

 

「……そっか。君も苦労してるんだな。お茶をいれるよ、まずは少し休むといい」

 

「ありがとうございます。ミナアキ様の眼差しは、いつも優しくて心地良いですね」

 

 お茶をいれている紫山の手首から、ブレスレットが姫に語りかける。

 

《……ま、正解だったんじゃねえか。お前、宮廷闘争向いてねえよ。一生苦労するだけだ》

 

「……そうでしょうか?」

 

 原作プレイヤーならではの重さを感じるコメントですね。

 

《ケッ。まあいい。セレナ、王はどんな感じだった?》

 

「自分が見る限り、姫様に感謝していたようです。

 あと、姫様が大暴れするのも予測しているように感じました。

 姫様は放っておけば色んな案件に首を突っ込む。

 そこで功績を上げれば、姫様に恩赦を出し、王女に戻すことも可能だと……」

 

《なーる。危ういが、セレナ付けとけば安心か》

 

「そうですね。……自分も今はそこまで自信はありませんが。鍛え直さないと」

 

 ぎゅっ、と、セレナは私服のズボンを強く握った。

 

《おーがんばれがんばれ》

 

「俺も付き合うよ。一人じゃ強くなれないからな。日々の鍛錬こそが強さの下地だ」

 

 コトッ、とお茶がテーブルに置かれる。

 

「あ、ありがとうございます、ミナアキ殿……あっ、暖かい……」

 

「ありがとうございます、ミナアキ様。今度は私がいれた紅茶をご馳走しますね」

 

「楽しみにしてるよ。……ん?」

 

《どした?》

 

 どうしました?

 

「いや……なんだ……勘だな。勘。何かまた来てないかな、悪の気配……みたいな」

 

「?」

「?」

 

「肌が……とにかく、何か居る気がする。俺の気のせいだといいんだけど」

 

《気配を隠してる強い魔物かなんかか? ま、すぐに分かるだろ》

 

 私がいますからね!

 視界を広げてみせます。

 どどん!

 

 ……あ、イリスちゃんだ。

 クーカちゃんもいる。

 あ、そっか、クーカちゃんは依頼人だから、雑談でそういう話題になって気付いたら、依頼人と請負人の会話になるんだ。

 イリスちゃん流石だなあ。もうクーカちゃんと仲良さそう。

 じゃあもう依頼の話は伝わってるのかな。

 あれ。

 焦点合わせるまでは気付かなかったけど、二人の会話見てると、イリスちゃん風邪気味なのかな……? クーカちゃんが心配してる。お大事に。

 

 街中にそれっぽいのはないなあ。

 依頼の酒場周り?

 ……違うか。

 ちょっと街の外まで……ん!?

 街の外! 上級の魔族が居ます! 魔王クラスではないです!

 

 隠蔽と遠視の魔法で、高台から姿を隠してこの事務所を見ています!

 

「魔族か。じゃあ、戦闘だな」

 

「!」

「!」

 

《悪いがメル姫、セレナ、ちょっと手を貸してくれ》

 

「はい!」

「是非!」

 

《ここぞという時にそつがねえな、相棒。

 前も言ったが、女神の消耗を抑える方針で行く。

 本気の戦闘の衝突エネルギーをスカイクォンタムに溜め込み、解放。

 それで巨大ロボを呼び出すシステムにした、いいな?

 つまり今回の戦闘では巨大ロボは呼び出せねえ。白兵戦で片付けろ》

 

「ああ、分かってる」

 

 それぞれが戦闘装備を装着し、事務所を飛び出した。

 

《イリスとクーカも拾って、事情を説明して参戦してもらえ!》

 

「クーカちゃんもか?」

 

《戦えるなら、ゲームシステム的にはあいつは見切り数少ない今のイリスより強えよ!》

 

「えっ、そうなのか」

 

 全力で走り、道中でイリスとクーカを拾っていく。

 軽い説明をしただけで、一も二もなく二人は頷いた。

 

「分かったよおにーちゃん! 見ててね、今日も私の大活躍!」

 

「魔族……! つ、強かったら、巨悪カウント一つ稼げますね……!」

 

「そういう動機で戦う人は俺も初めて見るな……

 ああ、そうだ。イリス、体調悪いんだろう?

 俺の上着をその白赤ローブの中に着ておくといい」

 

「? ありがとう、おにーちゃん! ふふっ、おにーちゃんの匂いがする」

 

 ……?

 

 疾走すること、五分足らず。

 

 街の郊外に出た彼らは、高台に陣取る"鋼鉄のイタチ"のような、二足歩行の魔族と接敵した。

 

「お前か? こっちを見ていた魔族は。俺達に一体何の用だ」

 

「おうおう、マジで来るとはな……

 来るとは思ってたが、僕はマジで隠れてたんだぜ?

 まったくこわいこわい……まあ、もう終わったんだがね」

 

《何? ……こいつ、原作未登場のモブ魔族か》

 

「もう終わってるんだ、ゆっくり僕と話そうぜ」

 

 紫山、イリス、セレナ、メル、クーカに睨みつけられ、魔族はなおも悠々としている。

 

 周囲に罠はない。伏兵もない。仕込みもない。それは女神の力で断言できる。

 

 何かあるとすれば、紫山らがここに来る前に、能力を発動してたなどの場合だろうか。

 

「ファンタスティックバイオレット。

 その能力は不明だが、ククッ。

 ヒントはあった。

 『全知の勇者』。

 お前のその腕輪……かの男の成れ果てとか。

 何もかも見通す恐るべき男。

 魔族にも恐れられた人間。

 真に全知ならば僕の企みなど何も通じまい。

 しかし……真に全知ならば、そもそもそんな腕輪になど成り果てていないだろうさ!」

 

《ゲッ……よく下調べしてやがる。こういう奴が一番嫌なんだよな……》

 

「その不完全な全知を利用させてもらったぜ」

 

《……!》

 

「僕の能力は説明が必要で、前か後かに当人への説明が要る。

 まあだから、もう発動してるわけだからあらゆる対処は無駄だ。

 僕の力は二択即死(デスオルタナティブ)

 他人の二択の結果を予言し、予言が当たればその人物を即死させる。

 今回の発動対象はバイオレット、お前だ。

 スーツを着てない時のお前はやや優れた人間程度の耐久しかない。

 技が優れていても、肉体は普通だ。

 そして……お前は俺の予言に沿った行動をし、これから力が即死させる」

 

「発動したら、即死……!?」

 

《あークソが! こういうのがあるからクソゲーだってんだよ! 素直にエロ能力だけ使え!》

 

「僕の能力はあんまりにも確定した事象だと効果が薄くてね。

 客観的に、どっち選ぶか分からない二択じゃないと発動しないから効果がない。

 分の悪い賭けにしとかないと殺せないんだわ。

 そこで僕は考えたのさ。

 僕はバイオレットがどう不完全全知なのか知らない。

 じゃあ、その不完全全知を前提にした二択なら、僕はお前に能力を発動できるんじゃないか」

 

「……」

 

《不完全全知を前提にした……?》

 

「僕は能力を発動した。成功したよ。

 『奴はこのイリスとクーカのどっちに上着を貸すか?』

 ってね。

 不確定だろう?

 どっちに貸すかなんて客観的に分からないだろう?

 分の悪い賭けだろう?

 だから発動した。

 でもな、僕は分かってたぜ。

 調べた限り、これまでのお前達の全知は、どっちが微妙に風邪気味かくらいは見切ってた」

 

《……!》

 

「本人に自覚症状もない時点で、見抜いて行動する。

 身体の奥まで見抜き、風邪気味の女の子に上着を貸す。

 ファンタスティックバイオレットは、二週間前にもそういうことをしてたからな。

 正義のヒーロー様は遠く離れててもそれを知り、必ず上着を貸すと思ってたわけさ」

 

 ああああ! 私の存在が与える恩恵を見切って、逆利用してくるなんて……!

 

「だから、僕の二択予言は必ず当たる。

 今回だけは絶対に。

 お前だから当たるんだ。

 他の奴相手じゃこんなに確信持って当てられないよ、僕は」

 

「……反則だな、お前は。殺されたのが仲間でなく俺で、幸運だったと思うべきか……」

 

「はっはっは、お前を殺せる以上の大当たりがあるかよ! 死ねバイオレット野郎!」

 

「おにーちゃん!」

 

 紫山さん!

 

 魔族の手が、空間が、光って、能力が発動して―――紫山さんっ!

 

 ……。

 

 あれ?

 

「……死んでないな、俺」

 

「あれ? あれ? 僕の力が……なんで?」

 

《ん?》

 

「そんな馬鹿な!

 僕の計算は完璧だったはずだ!

 お前は風邪気味のリムステラクーカに上着を……ん? あれ?」

 

「え?」

「え?」

「え?」

「え?」

 

《え?》

 

 え?

 

「おいちょっとファンタスティックバイオレット、横にどけ。

 お前が邪魔で後ろの女が見えてない。そうそうどいて。……あれ?」

 

《相棒が上着貸したのイリスだぞ》

 

「ああ」

 

「はああああああああああああ?!!?!?! 風邪気味じゃなかったろイリスは!」

 

「え……いや……俺に言われても……」

 

「私は嬉しかったから上着借りてただけだけど……」

 

《……オレはちょっと読めて来たぞ。おい、おい、聞こえてるだろ? 分かってるな?》

 

 ……すみません、なんか分かった気がするので、物凄い嫌な予感がしますけど、これまでの私の発言を掘り返してみます。

 

 

 

―――焦点合わせるまでは気付かなかったけど、二人の会話見てると、イリスちゃん風邪気味なのかな……? クーカちゃんが心配してる。お大事に。

 

 

 

 ……あっ。

 

 す、すみません! 間違えて二人を逆に言ってました!

 

 イリスちゃんがクーカちゃんで、クーカちゃんがイリスちゃんでした!

 

 私が目を凝らした時にちょっと風邪気味だと気付いたのはクーカちゃんの方です! 心配してたのがイリスちゃんです!

 

《このボケ女神があああああああああ!!!!!!》

 

 すみませんすみませんすみません!

 

《結果オーライだがな! 二度目はねえからな!》

 

 すみませーん! 一生ダメ女神名乗ってますー!

 

《成長してダメ女神やめろって言ってんだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!》

 

 ごめんなさいいいいいいいいいいいい!!!!!!

 

「ま、まあまあ、結果として俺は助かったんだし、いいだろ」

 

 し、紫山さん……! 一生推します……!

 

《何億年推すつもりだよ》

 

 いや本当にすみません。

 反省はずっとします。

 ぐすん。

 

「ありえん、ありえん……

 ありえるとしたら、僕の企みすら見抜く全知で、ずっと演技していたとしか……!」

 

《……はっはっは! その通りだ! オレ達には全知の女神の加護がある!》

 

「全知の女神の加護だとぉ!?」

 

 中村さんが凄いハッタリかましてる。

 

 これ真実分からないから本当タチ悪いですね。

 

「さて」

 

 紫山さんが、皆に声をかける。

 

「お笑いの時間は終わりだ。そろそろ、本当の戦いを始めようか」

 

 そして、皆が紫山さんの左右に並び立った。

 白赤のローブの少女。

 青髪の騎士の少女。

 金髪の魔法使いの姫。

 桜色の髪の少女。

 うん。

 やっぱり、これだ。

 人間だけで五人並んでいると、やっぱり見てて気分がいい。

 

「―――という風にやればいいんですよ、いいですね? 分からなければ自分を真似て下さい」

 

「ひゃ、ひゃわ……本日初対面の名前も知らない人が厳格に動きの指導してくるぅ……」

 

「名前は名乗れば分かります。自分も名前を名乗るので、そこで自分の名を覚えて下さい」

 

《セレナが完全に戦隊に馴染んでて後輩に名乗りの動きの指導してるのめちゃくちゃウケる》

 

「……腕輪さん。自分はそんなに気が長くないと知ってるはずですよね?」

 

《暴力はやめろ。今のオレはマジで手も足も出ないんだ》

 

 セレナとクーカと中村が声を掛け合って。

 

「ふふっ、セレナの色んな面が見れて、やっぱり外は楽しいですね。ね」

 

「そうそう! 私も田舎出てそんな経ってないけど……

 やっぱり知らない世界に出ていくのって、楽しいよね?」

 

「はい。本当にそう思います」

 

「さあ、行くよ! 楽しく勝ったるぞー!」

 

「ふふっ、そうできたらいいですね」

 

 イリスとメル姫が、ほわほわと楽しそうに話していて。

 

 セレナに詰め込まれた動きを覚えきれなかったクーカが、真ん中の紫山にぶつかる。

 

「ひゃ、ひゃわ……すみません」

 

「いや、まあ、そんな気負うほどのもんでもないと思うよ、俺は。儀礼みたいなものだから」

 

「儀礼……どんな意味の、儀礼ですか?」

 

「"正義、此処に在り"。それを世界に叫ぶんだ。それだけのものだよ。戦隊の名乗りは」

 

「……正義、此処に在り」

 

 真面目な顔になったクーカが、紫山の横に並び立つ。

 

「素敵ですね」

 

「そう思ってくれたなら、いい仲間になれるさ、俺達」

 

 五人。紫、赤、青、金、桜の変則五色の戦隊。

 

『スカイクォンタムセット!』

 

「青天霹靂!」

 

 中村が声を上げ、紫山がスカイクォンタムを太陽に重ねるように、拳を空に突き上げる。

 そして、胸の前に降ろして構え、スカイクォンタム中央のエナジーボールを擦って回した。

 回転するボールからエネルギーが迸り、その全身を天空のエネルギーが包み込む。

 一瞬で変身は完了し、天に響くは正義の名乗り。

 

「慈悲の勇者、ファンタスティックバイオレット!」

 

『全知の勇者! ガモン・ナカムラ!』

 

 勇者の女神! アルナスル・アルタイル!

 

「頑強の勇者、セレナミリエスタ・アリカリア・アフェクトゥス!」

 

「正義の勇者、イリスエイル・プラネッタ!」

 

「氷河の勇者、メルウィーウィック・エブルトゥス・アマリリス!」

 

「……あ、もしかしてボクが名乗るの待ってます!? 蛇尾の勇者、リムステラクーカ!」

 

 混乱するクーカの横で、"一番乗りです"と言わんばかりに、姫が叫ぶ。

 

「天に雲!」

 

 "負けるかー"と言わんばかりに、姫に続いてイリスが叫ぶ。

 

「地には花!」

 

 そして、誰もが譲る形で、最後の言霊を紫山が叫ぶ。

 

「この手に正義の礎を!」

 

 さあ、行け!

 

 女神が敬う、正義の光!

 

 

 

『「「「「「天空戦隊! ファンタスティックVII!」」」」」』

 

 

 

 きっと。

 

 今日も、明日も、明後日も。

 

 この天空に、正義は在る。

 

 

 




 これにて一旦完結です。
 お付き合いいただきありがとうございました。
 この作品は昔考えた作品のプロットと尺を調整して、ラノベ一巻分くらいのボミガ短編として再構成したものとなります。
 これより先はそんなにボミガ概念使ってるわけでもないので個々で終わりです。
 あくまで一旦終わりなので、気が向いたら続き書いたりするかもです。
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