ってぐらいいろんなところに行ってるわけだけど、収拾つかなくなりそう。
若干焦りつつこれからもいろんなところに連れまわす気でいる。
今回もゆっくり見ていってね!
今日は素晴らしい半日だった。
フランとのお出かけの許可を貰った俺は、いまだ紅魔館の外にほとんど出たことがないというフランをいろんな場所へと案内したのだ。フランはそれはもう楽しそうに目を輝かせていたのを覚えている。道中大ちゃん達に会って一緒に遊んだりして、特に大ちゃんとフランは初対面なのに随分と仲がよさそうだったな。というか、大ちゃんほんと物怖じしないしすげえなぁ・・・。
まあ、そんなこんなで昼過ぎまで楽しくやってたんだけどね。やっちまったよ。
油断してたんだ、妖怪の山が今、どんな状況なのかをよく知らなかったから。
すでにあの二柱がやってきていて、妖怪の山の警戒レベルが引きあがっていたことを知らなかったから。なんて言い訳にもならんけどさ。
気付いた時にはもう遅くて、無数の白狼天狗達が俺たちの逃げ道を塞いでいた。
幸いフランのお目付け役として、咲夜さんが遠くから同行していてくれたおかげでフランは逃がすことが出来た。その後すぐに俺は捕まったけど。
もしフランが捕まってたら、これから起こる事柄に大きく影響が出てしまいそうなだけに、それを避けることが出来たのは行幸と言えるだろう。
それに、外の楽しさを知ったフランに辛い思いをさせたくなかったし。
その点俺は野良の妖怪だし、軽く事情を話せばすぐに開放されるだろう・・・。
なんて甘い考えは、周りの天狗達の鬼気迫る緊張感の前ですぐに霧散した。
かくして俺は、紅魔館の客人から妖怪の山の虜囚へとクラスチェンジしたのだった。
「おや、あなたはたしか・・・。アトゥンさんでしたね」
それからしばらくして、俺の処遇が決まって、天狗の方々に連れていかれそうになっているとき、その人物は現れた。
「あや!」
以前会った取材の時とは違い、厳格な天狗の装束を纏った状態で悠然と彼女は立っていた。
周りの天狗達は一様に彼女に頭を下げている。これが妖怪の山での彼女の立場であるということは、火を見るよりも明らかだ。以前会った時とはまるで別人のような気さえしてくる。
「侵入者を捕らえたと聞いて来てみたのですが、あなたでしたか」
「うん、間違って入っちゃったんだ、ごめんなさい」
「そうですか、ふむ・・・」
文は俺の話を聞くと、腕を組み少し悩んでいるようだ。
「あや・・・?」
俺が話しかけると、文は顔を上げた。
「アトゥンさん、よろしければ客人として、私の家へ来ませんか。」
「あやの家・・・?」
そりゃあ行けるなら行きますとも!
でも何で、一応侵入者として扱われてるわけだけど、そんなことしていいのかな?
普通は牢に入れられたりするもんじゃないの?
俺の様子を読み取ったのか文が俺の耳元で囁くように言う。
「妖怪の山の牢は過ごしづらいでしょうから、あなたには取材をさせてもらった恩もありますし、どうでしょう。」
その言葉に俺は二つ返事で首を縦に振る。
助かった、正直周りの天狗達の雰囲気があまりにも不穏過ぎて、殺されっちまうんじゃないかと、内心ヒヤヒヤしてたからな。さっきの処遇を決める話し合いもよく聞こえなかったけど生かすか殺すかみたいな話してたような気がするし、ほんとフランが捕まってなくてよかった。
文の家へと着いた。さすがというべきか、景観のいい場所に文の家はあった。中に入って文に勧められるまま縁側に腰かける。
文もさきほどまでの装束から以前会った時のラフな格好に着替えてやってくる。
雰囲気も先ほどまでとは違って柔らかいものになったように感じた。
「いやあ、すみませんね。最近バタバタしてまして、アトゥンさんに悪気が無いのは分かっているのですが、しばらく、この騒動が収まるまではここにいてもらうことになると思います」
「いいよ、もともと間違って入っちゃった俺が悪いんだし。でも文がいない間に俺が出て行っちゃったりしたらどうするの?」
俺の疑問に文が少しきょとんとしてから笑って答える。
「大丈夫ですよ、ここには優秀な目がありますから、妖怪の山から逃げ出そうとするものはすぐに分かります、それに今は、山の出入り口には基本哨戒天狗がいますからね。逃げ出そうと思ってたんですか?」
「ううん、聞いてみただけ。大人しくしてるよ」
「そうですか、ではここにいる間は客人として私、射命丸文がアトゥンさんをもてなさせていただきますね」
文が丁寧に頭を下げてくるので、俺も立ち上がって文によろしくおねがいしますと頭を下げた。
思わぬ展開ではあったけどまあ結果的には、よかった、かな?
異変が解決されるまでに文と仲良くなれるといいな。