後二、三話で最終回といったな。
あれは嘘だ。
昨日中に書き終わりたかったけど30分おーばーしたので。
このままだと十月中に終わらなさそう、だったのと今日は結構調子がいい気がするので頑張りました!
今回もゆっくりみていってね!
扉から出た俺の目に飛び込んできたのは、俺の目の前で止めと言わんばかりに弾幕を放とうとする大妖精と、チルノの二人だった。
「す、すすすストーップ!!」
素っ頓狂な声を上げる俺に、二人は目を丸くして止まった。
「えっ、え?あ、アン・・・ちゃん?」
「おまえ、アンちゃんなのか!?」
「お、おう。そうだよ「アンちゃん!!」ぐぇっ」
俺が答えきる前に、二人が抱き付いてくる。俺が寝ている間に一体何があったのか。二人の頭を撫でながら、聞こうと思ったその時。目の前で、弾幕が爆発し、砂煙の中から傷だらけのフランが出てくる。
「フラン!!」
俺の声に、一瞬こっちを向いたフラン、しかし、そのせいでフランに追加の弾幕が当たってしまう。
慌てて俺は二人を置いて、フランのもとへ駆け寄り抱きかかえる。あの態勢からでも、直撃を避けたようだ、流石はフラン。
「大丈夫か!フラン!」
「アン・・?ほんとに、本物のアンなの?」
「本物って、偽物の俺とかいないでしょ」
「・・・そっか。本物のアンなんだ・・・!」
やけに本物を強調してくるな・・・まさか、本当に偽物の俺がっ!?・・・ないな。もしいたとしてもこんなバカよわっちぃ俺なんかの偽物になって何がしたいんだ・・・そいつは。
フランが俺の腕を両手できゅっと掴む。俺は掴まれてない方の腕で、フランの頭を撫でてやる。横からは大ちゃんとチルノもこちらにこようとしている。そして、砂煙の奥からやってくるのは。
や、ってくる、のは。
「おや、自分の力で目覚めたのか」
「え、っぁ・・・、!?」
砂煙が晴れ、そこにいたのは、髪色と瞳の色以外が俺にそっくりな少女が立っていた。
「お、お前誰だ!!」
「我らはディーア、神様だ」
目の前にいる少女に動揺を隠せなかった俺は少女に問いかけ、その答えに唖然とする。
「話は終わりか。ではお前にも、もうしばらく眠っててもらおう」
そう言ってディーアはスペルを発動する。あれは、レミリアの、
「「『神槍』スピアザグングニル」」
やばい、やばいやばい、この距離ではフランも俺も、それを避けられない。フランが俺の腕をぎゅっと握りしめる。チルノと大ちゃんが何かを叫びながら走ってきているのがやけにゆっくり見えた。俺はただ、呆然と目の前に、頭に入ってきた情報が口から出た、それだけだった。
しかし、ディーアのスペルが俺たちを貫くことはなく、代わりに何かが衝突し、爆風で吹き飛ばされる。
さっきまで私達と戦っていたディーアさんの分身が、急に苦しみだした。私とチルノちゃんは今がチャンスだと思って、一気に距離を詰める、そして二人合わせてスペルを唱えようとした時。
「す、すすすストーップ!!」
目を開けたディーアさんが変な声を上げた。それから、突き刺すような光が溢れていた銀色の髪が温かい金色になって、見られるだけで背筋が凍るようなドロッとした金色の中に気持ち悪い黒の螺旋が入っていた目の色も透き通った銀色に、まるでアンちゃんみたいになった。
「えっ、え?あ、アン・・・ちゃん?」
「おまえ、アンちゃんなのか!?」
「お、おう。そうだよ「アンちゃん!!」ぐぇっ」
びっくりして、私とチルノちゃんがそう聞くと、アンちゃんは頷いてくれて、本物のアンちゃんなんだって、安心して、抱き付いちゃった。アンちゃんも私とチルノちゃんの頭を撫でてくれて、とっても気持ちよくて、ほんとにアンちゃんが帰って来たんだって思った。よかった、本当に良かったっ!アンちゃんが生きてて、また会えて。だけど、アンちゃんが頭を撫でてくれる時間は長く続かなくて。
私達の近くでディーアさんの分身を相手にしてたフランちゃんが爆発と一緒に飛んできたのを見て、アンちゃんが助けに行ってしまった。私とチルノちゃんも、戦っていた分身がアンちゃんになったから、急いでフランちゃんの助けに行こうとしました。でも、遅くて、ディーアさんの分身を見た、アンちゃんが驚いた様子で何かを話しかけていて、ディーアさんの分身も少しだけ何か話した後、フランちゃんと、フランちゃんを庇おうとするアンちゃんにとどめを刺そうとしたのを見て、私達は叫んだ。
「アンちゃんっ!!」
「アン!フラン!!うわあああ!」
「「『神槍』スピアザグングニル」」
アンちゃんと、ディーアさんの分身が同じことを言ったと思ったら、二人の間に二つの槍が出てきて、ぶつかって爆発しちゃった。私とチルノちゃんは、飛んできた二人を受け止める。
何が起きたのか、二人ともよくわかってないみたいだったけど、ともかく無事でよかったと私はアンちゃんをまた抱きしめた。
厄介な相手ですね。
映姫は、目の前の自分と同じスペルか、使われると厄介だと思うような誰かのスペルばかりつかう相手にため息をついた。それだけではない、目の前にいるディーアという少女、アトゥンとこれだけ姿が似ているにも関わらず、雰囲気がまるで違う。特に映姫が厄介だと思っているのは、彼女の目だ、あの瞳は明らかに危険だと映姫の全神経が訴えている。瞳の中にあるあの螺旋状の何か、あれを使われる前に確実に倒さなければならない。それでもやはり、どこかアトゥンに似ているからか、やりづらい。
せめて本物のアトゥンの無事さえわかれば、もう少し遠慮なく戦えるのですけど。
そう考えながら、先ほどから相手の弾幕を避けることに集中している。下手に弾幕をしかけても、同じ弾幕で打ち消されるという悪魔の所業を行ってくるのだ。
弾幕勝負においてディーアは、おおよそアトゥンの上位互換的な性能をしている。とはいえ、これも分身体である以上本体はもっと面倒な能力をもっている可能性があるわけですか。妖精があの場で異様な覇気を纏って勝負を挑んでいなければもう少し情報を引き出せた可能性はありますが、いや無理ですね、あの時すでに爆発寸前だった者もいましたし、あのままいけば彼女じゃない誰かが啖呵を切っていたに違いありません。
もちろん私はそんなことしませんよ。えぇ。ただちょっと悔悟の棒を割りそうになっただけで。
いたって冷静でしたよ。
っと少し冷静さを欠いていましたか。映姫は危うく弾幕にあたりそうになるところを、ゆらりと躱し、軽く弾幕を飛ばす。ディーアはそれを軽々と避け、いい加減こちらが攻撃してこないことに嫌気がさしてきたのか、スペルを使用する。その様子に映姫は再び気を引き締め、弾幕に備える。
「「『花符』幻想郷の開花」」
「っ!?」
後ろから不意に、声が聞こえ、映姫は振り返った。
そこには行方不明になっていたはずのアトゥンが妖精と吸血鬼と共にいて、スペルを唱えていた。ディーアが放ったスペル弾幕にかぶさる様に、私がスペルを使った時と同じようにディーアのスペルがアトゥンのスペルで相殺されていく。
「映姫さん!」
アトゥンが近づいてくる。私の前まで来た、アトゥンの頭を撫でてあげる、アトゥンは少し恥ずかしそうに、でもそれ以上に嬉しそうに顔を赤らめてはにかむ。よかった、これで私も心置きなく戦える。
「あいつのスペルは全部俺が消しちまうから映姫さんは大ちゃんたちと思う存分やってくれ!」
アトゥンの言葉に頷き、映姫はディーアの分身を見る。顔色一つ変えずこちらに再びスペルを放とうとしてくるが、それもまた、アトゥンに同じスペルで打ち消される。いつも使っているキャンバスとクレヨンは使わなくてもいいみたいだけど・・・いえ、これは後で聞けばいいですね。映姫は今度こそ気持ちを切り替え、妖精たちと、息を合わせディーアの分身に弾幕を放った。
ディーアの分身は弾幕をこれ以上ないというほど喰らって負けた後、塵のようになって消えた。
結果としては一瞬で片がついたと言えるでしょう。アトゥンが相手のスペルを完封していたこともあるでしょうけど、なにより、あの三人が異常に強い。コンビネーションが出来過ぎていて、最早こちらが引くほど一方的な勝負、あれは勝負にすらなっていなかったように思う。私は三人の攻撃を後ろから援護しつつ、アトゥンの周りを警戒するだけとなった。
三人の連携を見ていたアトゥンは三人の強さにショックを受けていたようで、少し凹んでいたから「あなたもよく頑張っていますよ」と言って頭を撫でると、俯いてそれを受け入れてくれました、と言ってもアトゥンが私のなでなでを断った記憶なんてありませんが。可愛い。俯いてるけど、あからさまに嬉しそうにしているところがまた可愛い。尻尾が生えていたらきっとすごい勢いで揺れているんじゃないかってくらい嬉しそうにしてる。そんなアトゥンを眺めながら優しく頭を撫で続けていると、アトゥンの友人の大妖精と、フランが割って入ってきた。もう少し撫でていたかったですがしかたありません、私はアトゥンの後ろにつくとまだ戦っている者たちの元へと急ぐことを勧める。アトゥンはハッとなってこちらを見て、私についてきてほしいと言ってくれたので、快くそれを承諾した。