東方お絵描き転生   作:yuuyyuyuyuyuyu

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十月中に書き終わらない気がしてならない。
本当は、もっと甘いいちゃらぶ話をこの作品ではたくさん書く予定でした。
どうしてこうなったのか、俺もわからない。
これ以上の戦闘は、書くかもしれないし、書かないかもしれない。
この作品を書き終えたら、今度こそ本物のいちゃらぶ百合を書くんだぁ・・・

今回もゆっくりみていってね!


太陽と覚悟

「良い、攻撃だったぞ」

 

抱きしめ合う俺と大ちゃんは、その声のする方へ顔を向けられず、互いの顔を見合ったまま固まっていた。大ちゃんの顔が絶望に歪んでいくのが分かる。そんな大ちゃんを出来るだけ安心させようと取り繕おうとしてみるけど、たぶん俺も似たような顔してるんだろうな、うまく表情を変えられてるきがしない。

 

「だが、妖精と我が分身ではこれが限界といったところか」

 

ディーアが少しずつこちらに近づいてくる。

大ちゃんを守らなくては。

俺は大ちゃんを今より強く抱きしめ、最後の力を振り絞って一瞬のうちに創造した博麗結界を展開する。

 

「だがよい、そこな妖精のスペルは賞賛に値するものであった、故に我もとっておきを見せてやろう」

 

言うや否や俺が身構えるよりも早く、ディーアはスペルを宣言した。

一体どんな弾幕が来る・・・っ!

 

「『畏怖』調状のアトゥム」

 

 

 

太陽を見た

 

 

 

 

絶対の輝きが、そこにはあった

 

 

 

 

似た弾幕を見たことがある。お空の核熱の弾幕だ。でも、あれよりも数段濃い光を放っている。

その太陽からゆっくりと二回りほど小さな弾幕が無数に放たれる。ゆっくり、ゆっくりとそれらがこちらに近づいてくる。弾幕の熱量がひしひしと伝わってくる。

震える大ちゃんにその光景を見せないよう、胸に抱き、庇うように弾幕に背を向ける。もう俺にはこれくらいしかできない。なまじ、ゆっくりとしているせいで、恐怖心がどんどん高まっていく。

 

くるならくるで早くしてくれ!なんて意地の悪いスペルなんだ、ちくしょう!!

 

心の中で悪態をつきながら、それが来るのを待つ。じんわりと汗が浮かんでは、額を伝って流れ落ちる。時間が経てばたつほど、心臓の動きが早くなり、呼吸が乱れてくる。

 

 

まだ、まだなのか。

 

振り向く勇気はない、もし振り向いた時眼前に迫る弾幕を見たら、そんな恐ろしい光景を目にしてしまったら、二度と弾幕に触れることが出来なくなりそうだったから。

だから待つ。乱れた呼吸を正し、何度目かの深呼吸で心拍を安定させる。それから目を瞑り、歯を食いしばってその時を待つ。結界は張ってある、正直これがあるとないとでは精神を保つのに天と地の差があっただろう。とはいえこれも実際のところは気休めでしかないけど。霊力ではなく妖力で作られたこの結界は、本物のそれより、数段耐久力が劣っているのだから。

 

だが覚悟は出来た、目の前の大切な友達を守るだけの覚悟を決めるだけの時間はあった。

 

直後、背中に強い衝撃を感じる。

 

きた・・・っぁ!

 

あまりの衝撃に一瞬で意識を刈り取られ、大ちゃんを抱いたまま、前のめりに倒れる。

 

 

 

 

間に合わなかった。

 

霧雨魔理沙が周りの者たちを置いて射命丸文と共にディーア本体の元へと超特急で箒を飛ばし、アトゥンが光の弾幕に襲われるのを、遠くから視認出来た時には、すでに遅かった。隣では文がさらにスピードを上げ彼女たちを助けに行こうとするが、おそらく間に合わない。

 

光の弾幕は、アトゥンが作り出したであろう、博麗結界に直撃し、その衝撃波で二人が吹き飛ばされる。それを文が風を操りうまく二人をキャッチする。

後ろから置いてきた面々が追い付いたのか、目の前の光景を見て声を上げている。私達が呆然と立ち尽くす中、正面から、あいつが姿を現す、さっきまで戦っていた分身たちとは、明らかに違う。太陽のような弾幕が無くなり、ボロボロの映姫がチルノとフランを守るようにうずくまっている姿が目に入った。おそらく、後ろのやつらも見えただろう、小町の纏う雰囲気が一瞬にして変わった。ディーアは一番近くにいた文に何か言うと、文は複雑な表情をしながらも、アトゥンと大妖精を抱いたまま、映姫たちがいる方へ向かった。ディーアはそれを見届けると、こちらを見据える。

 

「さて、次はお前たちか」

 


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