実は本編より、外伝の方が筆の進みが良かったりするのです。
まあ、そんなことはどうでもいいね。
今回もゆっくり見ていってね!
妹はその身に余る力を制御することが出来ず、私はただ苦しむ妹を見ているしかなかった。
そんな現状を打開するために、私たちは新天地を訪れた。
ここなら、妹を御せる者に妹と友人になれる者がいるのではないかと。
そして、彼女達がやってきた。紅白の巫女と黒白の魔法使い。
彼女達は私たちにとっていい意味で変化をもたらしてくれたと思う。
ただそれでも、妹が長年にわたって背負った傷は癒えることはなかった。
悔しかった。また私には何も出来ないのかと、そう考えると只々悔しかった。もう私に出来ることはないのではないかと、そう思った。それからさらに時が過ぎ、少しづつフランとの距離も近づいてきた頃、フランに変化が訪れた。フランにそっくりの人形を大切そうに持つようになった。
聞けば紅魔館に侵入してきた妖怪に作ってもらったのだとか、最初はアリス辺りが来たのだろうかと思ったのだが、全くの別人らしい。名をアトゥンというフランより背の小さい妖怪らしい。そしてその妖怪はフランと友達になったとフランは言ったのだ。その時のフランの表情は今でも忘れられない。私もその妖怪がどんなやつなのか知りたくなった。フランが言うにはまた来るということだったが、待つのは性に合わない。私は彼女を探すことにした。
全く持って見つからない。季節が過ぎ二つの異変が起き、解決された。この間に集められた情報といえば、私たちが起こした異変の時から、常に異変の起こる場所に彼女はいる、というものだった。普段は妖精たちと湖の方で遊んで暮らしていて、弾幕勝負では何やら相手の弾幕を模倣することが出来、先日は花の妖怪と戦っている際に霊夢の使っている結界術を用いたという。
ただし本人の能力は高くなく、単体ではほとんど何も出来ないらしい。よく妖精に負けているところを目撃されているそうだ。それ以上のことは出てこなかった。
驚いたのは、これだけの月日が経ってもフランはアトゥンが来ることを待ち続けていた。その間一度も暴走するようなこともなく、ただひたすらに、アトゥンが来るのを待っていた。そんなフランの姿を見ていると、何故アトゥンはフランに会いに来ないのかと、腹が立った。
そしてついに、アトゥンを見つけたという情報が咲夜から伝えられた。私はすぐさま咲夜にアトゥンをここに連れてくるよう命を下し、フランを呼んだ。フランはアトゥンが来ることを告げると、予想に反して少し不安そうな顔をしていた。いや、少し考えれば分かる事だったか。
本当は怖かったのだろう、彼女が来ない理由を知るのが。フランにこんな表情をさせるアトゥンに苛立ちを覚えるのと同時に、フランの成長を感じていた。それがアトゥンに出会ったからだと思うと、憎み切れないのがやるせないところだった。
咲夜がアトゥンを連れてここへやってきたとき、先ほどまでの不安な表情とは一転、フランは一目散にアトゥンのもとへと駆けていった。当のアトゥン本人は驚いている様子ではあったけどフランの事をしっかり受け止めていた。
正直、想像していたより倍以上弱そうな妖怪だった。フランが少し力を出せばすぐに壊れてしまいそうな、その辺にいる有象無象共どさして変わりない妖怪に見えた。
だからこそ私は、彼女に、彼女の運命に興味が沸いたのかもしれない。私は彼女を視ることにした。人妖問わず、運命とは人によって視え方に違いがあるものだ。博麗の巫女や白黒の魔法使い、うちのメイドと幻想郷には多様で面白い運命を持っているやつらが多い。
今、目の前にいる小さな妖怪も数奇な運命を持っているに違いない。
私はそう信じて彼女の運命を視た。