「ここが……電子世界……?」
着いて初めに出た言葉であった。
「どうやらそのようだが。……なにか体に違和感を感じるのだが」
飛彩さんがおかしなことを言う。
「何が変なんですか? ……。……あれ?」
胴体の上の方……もっと言うと胸の方になにか重いものがぶら下がっていることに気づく。
「おいおいおいまさか……」
「「「俺たち「僕たち」、女になっちまったのか?!?!」」」
結果から言うと、女になってしまったのは身体だけで、人格などに影響はないらしい。
「てかよぉ、この世界っつーか街、あまりにもボロボロすぎじゃねぇか?」
大我さんが疑問を口に出す。
「あぁ」
「というかここ、日本なんですかね?」
僕たちがそんなやり取りを交わしていると……。
「ウゴォォォオオオッ」
今までいることにすら気づかなかったが、身体中が腐敗したような、フィクションの世界で言うところのゾンビのような怪物が襲いかかってきた。
(なんかかなり見た目がグロい気がするけど……)
「これがこの世界の敵ってわけか」
「……。みなさん。いきましょうッ!!」
僕たちは懐からゲーマドライバーとガシャットを取り出し、それを腰にあて、ガシャットのスイッチを押す。
《マイティアクションX!!》
「大変身!!」
《タドルクエスト》
「術式レベル2 変身」
《バンバンシューティング!》
「第二戦術 変身」
それぞれがそれぞれのガシャットをベルトのスロットに挿入し、レバーを開く。
《マイティアクション X!》
《タドルクエスト~》
《バンバンシューティング!》
姿が変わって僕はピンクの、飛彩さんはブルー、大我さんはネイビーの仮面ライダーへ変身を完了した。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!!」
僕のその掛け声とともに、戦闘が開始される。
《ジャッキーンッ!》
ガシャコンブレイカーのシステム音声が、武器の形態が変わったことを伝える。
「はッ!!」
剣は見事ゾンビの体を切り裂き、そしてゾンビの動きは停止する。
《コ・チーン!!》
「はぁ……!」
ブレイブのガシャコンソードは氷属性を纏った形態に変わり、それに切り裂かれたゾンビたちはたちまち凍ってしまい、そして。
《カ・チーン!!》
刀身が裏表逆となって火属性を纏った形態に変わり、その高温で凍ったゾンビたちを氷とともにあっという間に蒸発させる。
《ガシャコンマグナム!!》
スナイプがハンドガン形態でゾンビたちを撃ち抜き、そしてスロットにガシャットを装填しトリガーを押す。
《ガシャット!! バンバン クリティカルフィニッシュ!!》
「コイツで終わりだ!!」
周囲のゾンビたちを一掃しひと段落着いたところで三人はドライバーからガシャットを抜く。
《ガッシューン……》
「はぁ……。久しぶりでしたから、疲れましたね……」
「その通りだな。小児科医」
「まぁ、俺はゲーム病専門の医者だったおかげで慣れてるけどな」
と、僕たちが会話をしていると……。
「わぉ!! すっごいよぉぉぉおおお!!!」
とんでもない大声で三人の元へと走りよってくる女の子がいた。
「ちょっとアド!!」
その後ろから大勢の人の影が見えた。女の子の名前と思われる名前を叫びながら走ってくる。
「ねぇねぇ、今の何今の何?!」
アドさんは僕たちのゲーマドライバーを弄り回している。
「ちょっとそれは……」
僕がたじろいでいると……。
「すまないが、それは治療に必要なものなんだ。返してくれないか?」
飛彩さんがアドさんへと自然な笑みで話しかける。
◇◇◇ side サン
──────宝生さんたちは、僕たちに事情を説明してくれた。どうやらたまたまこの渚輪区に医者として来ていたら不幸にも感染爆発に巻き込まれたらしい。僕としては仲間が増えるのは嬉しいが、記憶にないことが起きるとどう動いていいかわからなくなってしまう。
「ってことは、エムッチとひいちゃんとイガッチは、医者ってことだよねっ?!」
アドはたじろぐ宝生さんに次々と質問を浴びせていった。
「は、はい。そうですけど……」
「で、これはなんなの?!」
「これはゲーマドライバーて言って、これはガシャットで……」
宝生さんは自分持っている機械について説明する。
「ふ~ん。じゃあ、これ使ったら私たちも変われるってことか?」
姫片が期待しながら問いかける。
「それは────」
宝生さんがややこしい話を始めた。
「────ってことなんで、特別な治療を受けないと使えないんですよ」
宝生さんは申し訳なさそうに頭を下げる。
「もしかして、僕たちに協力してくれるんですか?」
と、ようやく僕も口を開く。
「はい。もちろんです」
宝生さんは快く承諾してくれた。
「あぁ、そのつもりだ」
鏡さんからは百喰さんのような。
「当たり前だろ。こんな世界で三人だけとか、勘弁だしな」
花家さんからはどこか姫片と似た何かを感じる。
「はっ、言うじゃねぇか大我さんよぉ」
姫片が突っかかる。
「リッちゃんも絡まないの。じゃあ、今日は新入りの歓迎会ということで、今日は狩った鹿をひとつ残らず食い尽くすぞぉぉぉおおお!!」
アドのその声に、宝生さんたち三人と僕を除くアマゾネスたちが雄叫びを上げた。ホント、記憶にないことが起こると逆に落ち着くものだな。僕はそのパーティーが開催される屋上へと来栖崎と一緒に向かった。
「なんだ来栖崎、さっきから口数が少ないぞ? 怒ってるのか?」
「別にそんなの私の勝手でしょ。それに、別に怒ってなんてないし」
そう口では言っているが、態度は明らかに怒っているものであった。