僕たちが屋上に着くとそこは既に、動物園のような大盛況ぶりであった。
「肉じゃ肉じゃ~!!」
「あひゃひゃっ、もっとやれ!!」
そんな欲にまみれたモンスター『グリード』共を見つめながら、僕は新入りの三人に話しかける。
「いや~、こんなにも早く後輩ができるなんて思いませんでしたよ」
「これからよろしくお願いします。サンさん……でしたっけ?」
宝生さんは丁寧な態度で挨拶をしてくれた。
「それはよかったな、サン。だが、あまり深入りしすぎるなよ」
鏡さんがなにか意味ありげなことを言ってきた。
(過去に何かあったのかな……?)
「これからよろしくな。……ってか、お前不死身だそうじゃねぇか」
花家さんは僕の秘密を堂々と話した。
「あ……それもアドから聞いてたんですね……」
(アドの奴余計なことを……)
なんてアドのことを考えていると……。
「すぅぅぁぁああん、ちゃぁぁああん!!」
そして長い溜めの後。
「愛と勇気の美少女戦士、樽神名アド、只今参上!」
僕たちにとってはいつもの光景だが、初めて見る三人、特に宝生さんはかなり引いている。
「あぁ、大丈夫。コイツはいつもこんな感じだから」
「は、はぁ……」
僕が説明するも、なにか釈然としない様子の宝生さん。
「で、アド、なんの用事だ? そんなに叫んで」
「ふっふ~ん。ペトラ橋を攻略するのだ!!」
アドは自信満々にそう言い放った。
ペトラ橋ペトラ橋……。僕は記憶の波からペトラ橋についての情報を引っ張り出す。
「あのペトラ橋か?!」
「うんうんっ、丁度新しい仲間も加わって、もう百人力って感じじゃん!?」
「それで、僕の賛同が欲しいと」
「うんうん。察しが良くて助かるよ~。今日の鹿狩りでみんなの信用も得られてるしね!」
「……。……しょうがないなぁ。で、その作戦の発表はいつなんだ?」
「えーっとね……明後日だね!」
「了解した。じゃあ、それまでに作戦内容考えとくから」
「よっろしくぅー。あ、でも今日みたいな鈍器はダメだからね!」
「はいはい。わかったから」
こうして僕らの活気に満ち溢れたニクパは終わり、それぞれの部屋へと戻っていった。
夜中、僕は宝生さんたち医者のグループの部屋のドアをノックする。
「すみませんこんな夜遅くに」
「心配するな。来ると思っていたからな」
占い師みたいなことを言う鏡さん。
「で、何の用だ?」
「あなたたちの持っている力について」
僕の言葉でその場に沈黙が流れる。
「あの……何か勘違いしてるのかもしれませんが、その……グリップみたいなアイテムの持っている数について聞きたいんです。次の作戦に使えるかもと思って」
「あぁー、そういう事でしたか。僕が持っているのはこの二本だけですね。それと……まだ言ってませんでしたけぢ、これはガシャットって言うんです」
「同じく二本だけだ」
「俺もだ」
どうやら三人とも二本しかガシャットを持っていないらしい。
「僕のこれはゲキトツロボットって言って、近接攻撃に特化したフォームになれるガシャットで、飛彩さんのドレミファビートがリズムで戦う……まぁ、これはややこしいんで割愛しますね」
「それで最後は大我さんのジェットコンバットで、空中からの攻撃に特化したフォームになれるガシャットですね」
「……。……そうか。ありがとう。じゃあ僕は自分の部屋に戻るから、おやすみ」
僕は少し考えた後、部屋を出た。
(この中ではジェットコンバットって奴がかなり有用に使えそうだな)
僕は自室に戻る。
「……ケツパ、あんた何してたの?」
部屋に戻るとすぐ来栖崎に問い詰められる。どんな想像をしているのだろうか?
「あぁ、ちょっと作戦に関しての、な」
「ふぅん。そう」
来栖崎は興味無さそうに返事する。
「なんだよその返事」
それに僕は笑いながら返す。
「じゃあ、おやすみ」
「……」
返事がないのはいつもの事なので気にしないことにしている。
See you next game