「これを……突破しろというのか……?」
栗子さんはその圧倒的なゾンビの数に弱音を吐く。
「……でも、僕らがいたらいける。そう判断したんですよね? サンさんは」
「もちろんですよ。では花家さん。ジェットコンバットを頼みます」
「あぁ、わかっている。第三戦術 変身」
『ジェットコンバ~ット!』
大我さんはスナイプに変身し、キメワザスロットホルダーにガシャットを装填し、必殺技を放つ。
『キメワザ ジェットクリティカルストライク!』
両手に携えた二門のガトリングが火を吹く。
「道は開けたぞ!」
そう言って大我さんは空中からゾンビたちを撃っていく。
「花家さん!! 誤射の危険性があるのでその辺にしておいて下さい!」
サンさんは大我さんに指示を出す。
「じゃあ来栖崎、残りは、僕達で何とかするぞ……!」
「りょーかい。……って、僕達?」
「あぁ、もちろん僕も参戦する」
ひさぎさんとサンさんはその場から走り出し、ゾンビの群れの方へと駆けていく。
「私たちも、負けてられないですねっ!」
綴さんの言葉で、残りのみんなも突撃していく。
「じゃあ、僕達も行きますか……って、飛彩さん?!」
ゾンビの方を見ると既に、飛彩さんが戦っていた。つまり、残るは僕だけということだ。
「大・大・大、変身!!」
『ゲ・キ・ト・ツ・ロボッツ!!』
僕は右腕にロケットパンチを装着したエグゼイド。ロボットアクションゲーマーレベル3に変身し、戦闘を開始する。
「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜッ!」
左腕に装着したロボットアームでゾンビたちを粉砕する。そして、ロボットアームを腕から発射し、遠くにいたゾンビを橋の下へと落とす。そしてガシャットをホルダーに装填し、必殺技を放つ。
『キメワザ ゲキトツクリティカルストライク!』
左腕に溜まっていくエネルギーを、パンチに乗せてゾンビたちに当てる。そしてほんの数分で僕たちは橋の三分目まで進行した。
「橋の淵のゾンビは倒しきらずとも、橋から突き落としてください!!」
正直僕は、サンさんに対してそこまで戦える印象は持っていなかった。でもこの光景で、彼への印象は180度変わった。
「すごいな……」
思わずそう呟いてしまうほどに、彼は強かった。でも、医者として見逃せない点が1つだけあった。
「もっと自分の体を大切にしてください……」
過去の自分を見れば、お前が言うな状態だが、それでも言わずにはいられなかった。
「大丈夫っすよ……僕、不死身ですから」
親指を立ててサンさんはニコリと笑い、またもや戦地に向かってしまった。
「ちょっと待ってっ」
僕もゾンビたちに向かう。────そして、最後に待っていたのは……。
「また変異種かよ……聞いてないんだけど……」
サンさんが変異種といったそのゾンビは、ほかとは違って人としての体裁を保っていない。
「なるほど、アイツがこの橋のラスボスって訳か」
すると、僕の目の前にオレンジとブルーのツートンカラーのガシャットが落ちてきた。
でも黎斗さんは『パラドは連れていけない』と言っていたはず……。いや、今はそんなことどうでもいいな。僕はそのガシャットを手に取り、起動スイッチを押す。
『マイティブラザーズダブルエーックス!!』
独特のメロディとともにゲームエリアが周囲に形成される。
「大~~変身!!」
『ダブルガシャット! ガッチャーンガッチョーンガッチャーン ダブルアップ!』
僕はレバーを2度開く。
『俺がお前で~お前が俺で~We are! マイティマイティブラザーズ XX!!』
僕の体と人格が2つに分離する。
「え? え? え~~?!」
「永夢の奴、2人になりやがった……」
「意味がわからん……」
みんなから困惑の声が聞こえるが、気にしないでおこう。
「超協力プレイで、クリアしてやるぜっ!」
『ガシャコンキースラッシャー!』
空間から武器を取り、変異種へと向かっていく。
『ジャジャジャッキーン!』
緑色のボタンを押してソードモードとして使用する。
僕は変異種を斬り、触腕を破壊する。そしてもう1人の僕に投げてパスする。
『ズキュキュキューン!』
ガンモードに変更したもう1人の僕は、変異種の腕を切り落とす。
「フィニッシュは必殺技で決まりだッ!」
『ガチョーン キメワザ!』
僕たちは2人で跳び上がる。そして空中でレバーを開く。
『ガッチャーン マイティダブルクリティカルストライク!!』
変異種にキックを浴びせる。
「どう考えてもオーバーキルだな」
「ですね」
そしてようやく、僕たちは橋を渡りきることができた。