食材を購入することは出来ました。
これを璃月へ運べばいいわけですが、軽策荘の人たちがおっしゃっていたように宝盗団とヒルチャールが多いですね。
「ふう……」
元素スキルを使って囮を誘導し、敵を惹きつけたら氷元素を付けた弓を放つ。
私の攻撃は元素が敵にあたると、氷の粒が破裂するように展開されるので複数の敵を倒すことが出来ます。
敵が私に気づく前に、遠くから攻撃することもできますし、一人で対処できると思ったのですが……、四六時中辺りを警戒しながら動くのは疲れますね。
軽策荘の竹林を超え、馬尾が生えている沼地が見えてきました。
ここを道なりに歩けば、望舒旅館に着きます。あそこに着いたら、人がいますし荷物を奪おうなどと考える愚か者はいなくなるでしょう。
「あともう少しです……!」
望舒旅館に入ったら、ご飯を頼みましょう。
璃月までの弁当もいいですね。
……食べ物のことを考えていたらお腹が空いてきました。
「!?」
遠くから望舒旅館が見え、着いたら何をしようか想像していたので、敵の攻撃に気づくのに遅れてしまいました。
幸い、私にも荷物にも当たらなかったので良かったですが、油断してはいけませんね。
崖の上に弓を持ったヒルチャールがいます。青い身体をしているの氷元素の弓を放ってきますね。同じ元素を扱う私と相性が悪いです。
それに……。
水スライムが通った跡でしょうか。私の足元には水たまりがあります。
攻撃を当てなかったのもワザとでしょう。
きっと、私の足元にある水たまりを凍らせ、動きを封じたかったのかもしれません。
「残念でしたね!」
私は矢を放ち、ヒルチャールの顔面に命中した。
そのヒルチャールは崖から落ちて行った。
一難去ってほっとするのもつかの間、目の前に氷の冠をかぶった巨大なスライムが目の前に現れてしまいました。
「こ、これは……」
倒すのが難しいです。
このスライムは氷元素を吸収してしまうので、私ととても相性が悪いです。
しかも足元には水たまりがあります。
氷スライムが水の中に入ったら”凍結”が起こり、身動きを止められてしまいます。
相手がスライムですから、荷物を奪われることはないでしょうけど、苦戦している私を遠目から見ている方たちはどうでしょう。
今、身動きを止められたら、一斉に攻撃してくるに違いありません。
(どうしたら―ー)
元素反応を起こせそうなもの……、ダメです。近くには氷元素を発生させる霧氷花しかありません。
「てやっ!」
私がピンチに陥っていたその時です。
目の前にいた氷スライムが、一瞬にして倒されていました。
微量の雷元素の気配がします。
雷の線が一瞬見えたような気もします。
「甘雨、あんたここで何してんのよ」
「刻晴……?」
私の窮地を救ってくれたのは、刻晴でした。