リリアミラを拾った少女は、王だった。
権力を持っているわけではない。家柄が優れているわけでもない。少女は、ただ純粋な力のみで、王としてそこに在った。
「そう。彼はきっと、あなたに殺してほしかったのね」
ただし、少女が力のみの存在であったかと言えば、それもまた違った。
魔の王を名乗る者として、彼女は相応の知恵と器量を備えていた。相手の話を聞き、心を気遣い、自分の思うところを素直に述べる人間らしさがあった。
リリアミラの話を聞き終わった王は、静かに頷いて、瞳から雫を落とした。
涙だった。
「あなたの魔法は、世界を歪める力。残念ながら、今のわたしの力でも、あなたを殺してあげることはできないわ」
だから、と。リリアミラが探していた答えに、少女は解答を用意した。
「わたしが、あなたを殺せる力を手に入れるまで。あなたは、わたしに仕えなさい。リリアミラ・ギルデンスターン」
「そうすれば……あなたは、わたくしを殺してくださるのですか?」
「ええ、殺してあげるわ」
少女の華奢な手が、リリアミラの黒髪を掴んだ。
暴力を振るわれる。殴られる。そう思って体が竦んだ。
逆だった。
少女は強引に、力だけで、リリアミラの唇を奪った。
数秒の間を置いて、熱っぽい吐息が離れた。
赤い瞳が、冷たく。それでいて、どこまでも美しく、リリアミラを見ていた。
「かわいそうなリリアミラ。わたしが、あなたを愛してあげる」
この瞳の中でなら、輝けるかもしれない。そう思った。思えてしまった。
「……魔王様」
「なあに?」
しばらく、唇に残る温かさに呆然として。
彼を殺せなかった自分を思い返し、リリアミラは問いを投げた。
「殺すことは、愛なのですか?」
魔王は、即答した。
「殺すことも愛よ」
本当に、美しい微笑みだった。
「だって、あなたはそれを心の底から欲しているもの」
そして、リリアミラ・ギルデンスターンは、世界最悪の死霊術師となった。
リリアミラが部屋に戻ると、やはりというべきか。賢者と騎士が不機嫌な顔で待っていた。
「遅かったですね」
「ええ。噂の少女にも会っておきたかったので」
シャナの皮肉はさらりと流して、ガラス張りの扉を開く。当然のように、悪魔達の血の臭いが部屋の中に広がった。とはいえ、その程度のことで動じる女は、この場には一人もいない。
「うふふ。それにしても、勇者さまとお会いすると、体に活力が漲ってきますわね。やる気がぐんぐん湧いてきましたわ」
「はぁ……仲が良さそうで、なによりですよ」
「それはもう、わたくしと勇者さまの間には、切っても切れない絆がありますから」
「絆ねぇ」
アリアの何か言いたげな視線はするりと流して、リリアミラは仕事の準備に入った。
「先ほども申し上げましたが、あまり意味はないと思いますよ?」
「承知の上です。それでも、何もしないよりはマシでしょう」
「そういうこと」
「まあ、お二人がそこまで仰るのであれば、わたくしもパーティーの一員として、力を貸すのはやぶさかではありませんが」
蘇生の魔術は、複数存在する。
例えば、ゾンビ、リビングデッドと呼ばれる動く死骸。これは、脳に魔術的な刻印を埋め込むことで、電気信号の代わりとし、術者が単純な行動を命令することができる最もポピュラーなネクロマンシーである。
「……では、はじめます」
だが、リリアミラ・ギルデンスターンの魔法は、それらの魔術的な蘇生とは、根本から異なるものだ。
「ひとーつ」
彼女の指が、肉片に触れる。
「ふたーつ」
ゆっくりと。けれど確実に。物言わぬ肉塊となっていたそれに、命が戻り始める。
「みーっつ」
バラバラになっていた体の部位が繋がり、滴り落ちるだけだった血液が全身を巡り回り、停止していた脳が活動を再開し、鼓動を止めていた心の臓が軽やかなリズムを刻みはじめる。
「よーっつ」
最後に、肺が大きく膨らんで。
文字通り、ソレは息を吹き返した。
ゆっくり数えて四つ。それが、彼女の魔法が発動する合図だった。
「……あ?」
困惑極まる、といった様子で、蘇った悪魔は周囲を見回した。
つい先ほどまで死体だったものに触れていた指先を唇に添えて、リリアミラは微笑む。
「はい。おはようございます。悪魔さま」
その様子を部屋の隅で眺めていたシャナとアリアは、顔を見合わせて溜め息を吐いた。
「いつ見ても本当にえげつない魔法ですね」
「生命の倫理に反してるよね」
「あらあら。ひどい言われ様ですわ。わたくしはお二人の指示に従って、貴重な情報源を生き返らせただけですのに」
そこでようやく、自分の置かれている状況を正しく認識できたのか、悪魔はリリアミラを睨み据え、
「……一度は滅びたこの身、貴方様の神秘で蘇らせて頂き、誠に光栄です。リリアミラ・ギルデンスターン様」
「あら?」
深々と、頭を垂れた。
予想外の反応である。リリアミラは悪魔の全身を興味深げに眺めた。
「先ほどは言葉も交わさず殺してしまいましたが、わたくしのことをご存知でしたのね」
「もちろん存じ上げております。我らが王の、最も尊き四人の使徒。その第二位に、人の身でありながら座していた、稀代の魔法使いよ」
「あらあらあら! 聞きましたかお二人とも! わたくし、稀代の魔法使いですって!」
「悪魔に褒められてそんなに嬉しそうな反応するの、あなただけだと思いますよ」
「右に同意」
体をくねらせて喜ぶ死霊術師を、シャナとアリアはやはり冷めた目で見ていた。
「しかし、だからこそわからない。一度は闇の頂にまで上り詰めておきながら、あなたは何故、あの方を裏切ったのか?」
「はい?」
こてん、と。首を傾げたリリアミラの耳元で、イヤリングが揺れる。
静と動。悪魔とリリアミラの感情の熱は、どこまでもすれ違っていた。
「あなた様さえ、あなた様さえ裏切ることがなければ……混迷の時代は終わることなく、人の世は魔が支配する楽園となっていたはず! あの方も、負けることなどなかった!」
悪魔は人を騙す。悪魔は嘘を吐く。
しかし、それは嘘偽りのない、悪魔の本心。彼だけではない、彼ら全体の本心の吐露だった。
「なるほど。あなたの葛藤はよくわかります」
リリアミラは、同意した。
跪き、悪魔の肩に静かに手を置いて、目線を合わせる。
「ですが……裏切った、というのは、少し違いますね」
お互いの認識の相違を、改めるために。朱色の唇が、滑らかに言葉を紡いだ。
「わたくしは、惚れただけですわ」
シャナとアリアが、黙って頭を抱えた。
「惚れ、た?」
「ええ」
悪魔の困惑を他所に、リリアミラは胸の前で手を合わせて、思い返す。
「人生で、三人目でした」
リリアミラ・ギルデンスターンは、その生涯の中で、三人の人物を愛している。
一人目は、自分の魔法によって壊れてしまった哀れな男。
二人目は、自分の魔法によって世界を壊そうとした、魔の王。
「わたくしは、一人の男に惚れたのです。価値感が根本から変わるのは、当然のことでしょう?」
そして三人目が、世界を救おうとした勇者だった。
「惚れてしまった弱み、ですわねえ。だって、致し方ないと思いませんか? 大好きな男に影響されてしまうのは、女の本能のようなものです」
リリアミラ・ギルデンスターンは、あの裏切りを恥だと思ったことは一度もない。何故なら、リリアミラの中で、その信念と行動の指針がブレたことは、一度たりともないからだ。
「昨日まで滅ぼそうとしていた世界も、救いたくなりますわ」
「き、貴様……」
悪魔の翼が、尾が、肩が。まるで人間のようにぶるぶると震える。
「恥ずかしくないのか!? 人の身でありながら、あの方に拾ってもらった恩も忘れ、いけしゃあしゃあと生きる己を、恥じたことはないのか!?」
「ええ。これっぽちも」
悪魔は叫んだ。
「貴様ァァァァァ!」
絶叫と同時、リリアミラの首が貫かれ、切断されて、地面に落ちた。続け様に振るわれた爪がローブを引き裂き、汚れ一つないその白を血の赤に変えていく。
「恥知らずがっ! 恥知らずがっ! どこまでも浅ましい人間の、恥知らずめがっ!」
肉を裂き、骨を割る音がひとしきり響いて、ようやく悪魔は爪を振るうのをやめた。怒りを鎮め、我に返ったように、この場に残る二人の人間に問う。
「……いいのか? 仲間が殺されるところを、黙って見ていて」
「べつに」
腕を組み、その場から動く様子も見せないまま、アリアは言った。その反応を、悪魔は鼻で笑う。
「人間は、絆を重視する生き物だと思っていたが……貴様らにとってもこの女は、所詮その程度の存在でしかなかった、ということか」
「ええ、まあ。わたし、その人あんまり好きじゃないですし」
フードの間から溢れる銀髪を指先でいじながら、シャナも気のない返答をする。
「ふん。世界を救ったパーティーの実態が、こんな有様だったとはな。ならば、次は貴様らをコイツと同じ場所に送ってやろう」
「いいんですか?」
「なに?」
欠伸を噛み殺して、賢者は言葉を続けた。
それは、悪魔に向けた、純粋な警告だった。
「──もう、四秒経ちましたよ」
ゆっくり数えて四つ。それが、彼女の魔法が発動するまでの時間だ。
悪魔が振り向く前に、耳に吐息がかかった。
「おはようございます」
艶やかな黒髪が、肩に落ちる。悪魔が切り裂いた衣服はそのままであった証拠に、豊かな胸が翼に当たる気配がした。
それは、紛れもなく生の女の感触だった。
「あ?」
自分が蘇生された時と、まったく同じ種類の声が、牙の間から漏れる。
「まさか、貴様……自分自身に、ネクロマンスを?」
「前提条件が、少し違います」
死霊術師は、否定する。
「わたくしの魔法は、
彼女に触れられたものは蘇る。
彼女自身も、蘇る。
彼女の前では、命の価値そのものが書き換わる。
それは、生命を操り、魂の尊厳を意のままに弄ぶ、傲慢なる紫天。
『
この世界を救った最悪の死霊術師にして、魔法使いである。
「そんな……そんな馬鹿なことがあるか! 貴様のように志のない者が、そんな力をっ!」
「ああ……やはり魔王様は、あなたのような徳の低い悪魔とは、器が違いましたわね。あの方は、わたくしを送り出す時も、いつもと変わらぬまま、言ってくださいましたよ?」
お幸せに、と。少女は言った。
その裏に秘められた真意は、おそらくこの悪魔には一生理解できないだろう。
「わたくしの魔法のことをわかっていないくらいですから、何も知らないとは思いますが……しかし、知っていることを絞り出すために、尋問の真似事はさせていただきますね? わたくしの心強い仲間も、ちょうど二人いることですし」
「……や、やめてくれ。殺さないでくれ。もう、死にたくない……死にたくない!」
「あら、何を言っているのでしょう? あなたは死んだのですよ?」
死霊術師の左右に、賢者と騎士が、無言のまま並び立つ。
「一度死んだモノが、生き返ったらダメでしょう?」
愛とは、どこまで醜いものなのだろう。
それは乱戦の中の偶然だった。
その勇者とは幾度となく殺し合ってきたが、主戦場から外れ、他の仲間からも離れ、二人きりで対面するのは、はじめてだった。
その頃になると、勇者もリリアミラの魔法の性質を理解していたのだろう。他のモンスターを蘇生させるリリアミラを付け狙い、徹底的に潰そうとするようになっていた。
リリアミラは基本的に、戦場において前に出ることはない。戦闘は他の四天王と、操ることができる蘇生対象に任せ、後ろに下がっていることがほとんどだった。故に、その瞬間は勇者にとって、最大の好機だったのだ。
雨が、強く降っていたのを覚えている。
──覚悟しろ
リリアミラは、呆気なく勇者に押し倒された。
口の中が、砂利まみれだった。
全身がずぶ濡れで、寒くて、今すぐシャワーを浴びたいと思った。
激昂する勇者の表情を、リリアミラは降りしきる雨のように、どこか冷めた気持ちで見ていた。
それが、なによりも勇者の心を逆撫でしたのだろうか。彼の中で、何かが切れた音を、リリアミラはたしかに聞いた。
──お前さえ、お前さえっ……いなければ!
自分の身体に馬乗りになって、剣を向ける勇者の体の熱が、心の熱が、肌を通してリリアミラの体に伝わってくる。
温かい、と思った。
──殺してやる。殺してやる……絶対に、俺が殺してやる
どす黒い感情を吐き出しながら、勇者は幾度も死霊術師の体に剣を突き立てた。
腕を刺された。
足を刺された。
頭を刺された。
心臓を貫かれた。
それでも、リリアミラは死ぬことができない。勇者は、リリアミラを殺すことができない。
やがて、勇者は剣を取り落とした。
──お前さえ、お前さえ……
素手で女の細い首筋を掴み、勇者は言う。
──お前さえ、殺せれば……お前さえ、おれの味方だったら、みんなは、死なずに済んだのに……!
涙だった。
リリアミラは、見た。
殺意と憎悪と悲しみと、あらゆる感情がごちゃ混ぜになった涙の中に、世界を救うということの本質を。なによりも、自分が求めていたものを見た。
これだけの憎しみがあれば、きっとこの人は、いつか自分のことを殺してくれる。絶対に、終わらせてくれる。
だから、
──味方になって、差し上げましょうか?
その憎しみが、裏返る瞬間を見たくなった。
首を締められながら、静かに絞り出したその一言を。聞いてしまった瞬間の勇者の顔を、リリアミラ・ギルデンスターンは生涯忘れない。
だって、あんなに美しい顔を見るのは、はじめてだったから。
──条件は、何だ?
震える声で、勇者が問う。
この瞳の中でなら、死ねるかもしれない。そう思った。思えてしまった。
──簡単ですわ。いつか、わたくしを殺してください
死霊術師は答えた。
それだけだった。たったそれだけで、二人きりの契約は完了した。
だから、殺させるわけにはいかないのだ。
だって、彼に殺してもらうのは自分なのだから。
仕事を終えて、再び勇者の元へ戻ると、彼は椅子に座ってゆったりと海を眺めていた。赤髪の少女の方は、遊び疲れたのだろう。机に突っ伏して寝ている。
「お隣、よろしいですか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
リリアミラは静かに、彼の隣に腰掛けた。
「お仕事は終わった?」
「ええ。滞りなく」
「さっきのことだけど」
「さっきのこと?」
「……嫉妬がどう、ってやつ」
「ああ。お忘れください。馬鹿な女の戯言ですわ」
「忘れないよ」
リリアミラは、逸していた視線を戻した。
からん、と。彼が持つコップの中の氷が、砕けて割れた。
「おれはあの日から、きみとの約束を、片時も忘れたことはない」
勇者は、リリアミラを横目で見た。
その冷たい横顔を、リリアミラは知っている。その横顔は、リリアミラしか知らない。
「だから、安心していい」
勇者は、リリアミラに言った。
その低い声を、リリアミラは知っている。その声は、リリアミラしか知らない。
シャナも、アリアも、ムムも、誰も知らない。他の誰にも見せたことがない、勇者の表情と声音と……その心を、リリアミラだけが知っている。
「……うふふ」
ああ、そうだ。
これだけは、自分のものだ。この感情だけは、自分にしか向けられないものだ。
だから、絶対に誰にも渡さない。
「勇者さま」
「ん?」
椅子から立ち上がり、背を伸ばし、腕を広げて振り返る。
今にも溶け落ちてしまいそうな夕焼けを背に、リリアミラ・ギルデンスターンは微笑んだ。
「わたくし、やっぱり勇者さまのことが大好きですわ」
ミラさん、と。
彼に名前を呼んでもらうのが、少し恥ずかしかった。
愛とは、優しく温かなものだけではない。冷たく、残酷で、時に人を殺すものを、愛と呼ぶこともある。もしかしたらそれは、正しい愛ではないのかもしれない。
それでも、もし。人を憎み、世界を壊す気持ちに正しさがあるのなら、彼ほどの愚直さを持ってそれを為す人間を、リリアミラは知らない。
だから、愛そう。彼がいつか、自分を終わらせてくれる日まで……あの硝子細工のような激情と同じ愛を彼に注ごう。
殺してくれ、と彼は言った。
彼女は、彼を殺すことはできなかった。
故に、魔の道に堕ちた。
殺してくれ、と彼女は言った。
彼は、彼女を殺すことを誓ってくれた。
故に、世界を救う支えとなった。
嘘偽りのない、彼と彼女が交わしたたった一つの約束を、何人も否定することはできない。
愛とは、どこまで醜いものなのだろう。
そう思っていた。今は違う。
彼女は、世界を救った勇者を愛している。
彼に想い焦がれるものが多いのは知っている。
それでも、リリアミラ・ギルデンスターンは、信じている。
──わたくしの愛が、最も美しい。
今回の登場人物
・死霊術師さん
本名、リリアミラ・ギルデンスターン。黒髪巨乳死にたがり死霊術師。魔王軍の元四天王、第二位。その魔法を以てして、勇者達を苦しめた最大の要因の一つ。魔王はリリアミラの魔法を効率的に運用し、モンスターが撃破されることによる戦力の低下を防いだ。数で劣る魔王軍が、人類を苦しめ続けたのは彼女の魔法があってこそ。逆に言えば、彼女が寝返った時点で、魔王個人の討伐という根本を除いて、人間側の勝利は決定的なものになったと言える。
魔王を討ち取った際、勇者は彼女を殺すに足るだけの力を蓄えていたが、魔王が遺した呪いによって、その力は失われてしまった。リリアミラはそれを、魔王が自分に向けた嫉妬のようなものだと思っている。勇者と魔王、二つの相反する存在を愛した、おそらく唯一人の女。
・悪魔くん
ラッキースケベ
・賢者ちゃん
尋問した。
・女騎士ちゃん
尋問した。
・赤髪ちゃん
ラブロマンスの傍らで、彼女は眠る。
・勇者くん
死霊術師さんに対して、パーティーメンバーの中で最も複雑な感情を抱いている。
・魔王
唇は強引に奪うタイプのカリスマ少女。リリアミラのことを愛していた。裏切られた際は、彼女に『良い人』が見つかったことを、むしろ喜んだという。結果として、勇者との最後の決戦に望む決意が固まった。
今回の登場魔法
固有魔法『
言うまでもなく、魔法はその所有者によって使い方が異なる。善であるにしろ、悪であるにしろ、時の為政者の影には、常に魔法使い達がいたと言われている。剣技を極めようと、魔術の深淵に辿り着こうと、その先に待つ最強には、常に魔法の存在があった。
『
奇跡を謳う毒。落ちた生命を掬い上げる薬。全ての人間を幸せにも不幸せにもできる、この世に生きる命の価値に、唾を吐きかける魔法。