今年も世救をよろしくお願いします
勇者パーティーの魔法
『
世界を救った勇者の、黒の色魔法。発動条件は対象を殺害すること。殺した相手の名前と魔法を奪い取って、自分のものとする。
作中では揃えた魔法の数に関する言及はないが、とりあえずトリンキュロよりは少ない模様。コール、というキーワードで魔法と名前を引き出して、使用する。使用する際に必ずしもそれらを呼ぶ必要はないが、いくつか法則と制約が存在するらしい。なお、こういった『
いつものことながら、主人公向けの能力ではない。盗賊団の首領ポジの敵キャラとかが使ってそう。
『
勇者がジェミニから奪った悪魔法。自分自身、もしくは触れている対象を、視線の先にあるものと入れ替える。今回は勇者の本格戦闘の機会が多かったこともあって、その本領を遺憾なく発揮。死霊術師さんを入れ替えて肉壁にしたり、クソカスヒモ悪魔を肩車してインド映画やったり、ブラザーな親友と祇園精舎の鐘の声なコンビネーションを見せつけたりと、大活躍した。地味に、接触して発動するという魔法の原則を無視した性質を持つ。ジェミニが特別な悪魔だった可能性があるが、真実は闇の中である。
作劇的にも過労死枠の魔法。これからも勇者くんのメインウェポンとして息の長い活躍を見せてくれるに違いない。
『
迷宮にされた魔導師、ベリオット・シセロの魔法。自分自身と触れた相手を『幻惑』させる効果を持つ。
幻覚系の十八番として、相手を負傷させずに無力化するのがとても得意。今回の章でも殺したくない相手を無力化するのに活躍した。世界を救う前の勇者くんは『
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勇者パーティーの賢者、シャナ・グランプレの白の色魔法。自分自身と触れたものを『増殖』させる効果を持つ。
今回は戦場が地下であったために、増殖したシャナが魔術を乱射して力押しするといういつもの戦術が使えず、真価を発揮できなかった。逆に言えば戦場の選択から魔王軍四天王であるトリンキュロがメタを張る程度には、世界最強の賢者は厄介な存在だという証明でもある。事実、トリンキュロはシャナに対しては積極的な攻撃を行わず、一人に戻ったタイミングを狙って仕留めにかかった。
トリンキュロが「きみの魔法を手に入れることは、魔王様の悲願だった」と述べているように、敵味方問わず強力な魔法として認識されていた模様。やはり増えることができるのは強い。
『
勇者パーティーの騎士、アリア・リナージュ・アイアラスの、紅の色魔法。自分自身と触れたものの温度を『変化』させる効果を持つ。
今回はアリアがトリンキュロに対して全体的にいいところがなかったことに加え、純粋な破壊力に優れる魔法であるからこそ、終始きびしい戦いを強いられた。しかし戦闘中にトリンキュロが言及しているように、単純な魔法のコントロールや精度は昔よりも上がっている。
トリンキュロ・リムリリィは今回の戦いを通してアリアの心を理解したことで、この魔法を模倣。手札の一枚に、ついに念願の勇者パーティーの魔法を加えた。
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勇者パーティーの武闘家、ムム・ルセッタの、金の色魔法。自分自身と触れたものを『静止』させる効果を持つ。
相変わらず絶対的な防御性能で、戦闘におけるムムの安定感を支える。今回はババ抜きで引かれたくないババのカードを『静止』させて握り込むという、非常にクレバーで子どもっぽい使い方も披露した。さすが、師匠はロリ汚い。
トリンキュロ・リムリリィが正面から破れなかった二つの魔法として魔王の『
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勇者パーティーの死霊術師、リリアミラ・ギルデンスターンの、紫の色魔法。自分自身と触れたものを『蘇生』させる効果を持つ。
今回の章では、イトの『
その反面、決して無敵というわけではなく、間断なく攻撃を叩き込まれ続ければ蘇生が追いつかず、ムムの『静止』などの殺さない無力化に対しても弱い。リリアミラを壁にする勇者の戦術は、あえて相手にリリアミラを殺させることで、そういった無力化を防ぐ理に適ったアプローチ……といえるかもしれない。
『
ステラシルド王国第三騎士団長、イト・ユリシーズの蒼の色魔法。触れたものを『切断』……ひいては『断絶』する効果を持つ。
リリアミラの『
魔法は基本的に『自分自身と触れたもの』に効果を及ぼすのが基本だが、その性質上、触れた対象にしか効果を与えないタイプも存在する。自分自身を真っ二つにするわけにはいかないので、イトの『
『
ステラシルド王国第五騎士団団長、レオ・リーオナインの魔法。自分自身と触れたものを対象に『創作』する効果を持つ。
アリエス・フィアーの『
レオがこの魔法に目覚めたのは、騎士学校の卒業直前。時期的には、まだ魔王が存命の頃にあたる。
・『オープン・セフェル』
魔法起動の合図。使い魔のように自身の周囲を追従する一冊の本を出現させる。この本に後述のペンを用いた書き込みを行うことによって、魔法効果を発揮する。書き込む度にページ数が消費されるため、それが擬似的な魔法の残弾になっている。
・『ペン』
羽根ペンを模した形の、光の筆記用具。このペンで書き込まなければ『
・『クイック・プロット』
ペンによる執筆を挟まず、予め書き込んでおいた内容を即座に発揮する簡易記述干渉。その性質上、相手ではなく自分に効果を及ぼす内容が多い。
・『クイック・プロット・
予め記述されている文章は、
「レオ・リーオナインは華麗に敵の攻撃を回避した」
要するに緊急回避。自分が攻撃を避けた、という描写を予め創作しておくことで、あらゆる攻撃に対する当たり判定をゼロにする。絶対に攻撃が命中する状況でも「レオ・リーオナインは華麗に敵の攻撃を回避した」という結果だけが残るため、基本的にどんな攻撃も、どんな体勢からでも避けることが可能。レオが最も多用するクイック・プロット。
・『クイック・プロット・
予め記述されている文章は、
「レオ・リーオナインは素早く使い慣れた鎧と武器を身に纏った」
要するに武装の召喚。自分が鎧を着込み槍を手にしていた、という描写を予め創作しておくことで、瞬時にフル武装を展開する。たとえ勇者に合わせてパンツ一丁だった状況からでもレオ・リーオナインは素早く使い慣れた鎧と武器を身に纏った」という結果だけが残るため、どんな全裸からでも鎧を着込むことが可能。これでコンプラも安心。
・『ターゲット・キャスティング』
相手へ自身の『創作』の対象にする。詳細は不明だがトリンキュロの魔法を一時的に封じた。いくつかの使用上の制限がある模様。
『
最上級悪魔、第八の獅子、レオ・アハトの悪魔法。
魔法効果の詳細は不明だが、完全に死亡していたトリンキュロ・リムリリィを蘇生した。
『
最上級悪魔、第十二の射手にして、勇者パーティーの遊び人、サジタリウス・ツヴォルフの悪魔法。自分自身と触れたものを対象に口述で宣言した内容を『実現』する効果を持つ。
一見、万能な力に思えるが、この魔法で『実現』できる内容は、起こり得る事象のみ。たとえば、触れた相手に「お前は死ぬ」と宣言してもなんの効果もないが、病を患っている相手に「お前の病気は悪化する」と言えば、それを実現することは可能。あるいは、サジタリウスがもっと残酷な悪魔であれば、より悪辣な使われ方がされたかもしれない。
賭け事においては、最強に近い魔法。ポーカーで山からカードを引く際「オレの手札にはロイヤルストレートフラッシュが揃う」と言えばそれだけで役が成立し、ババ抜きで「オレはジョーカーを引かない」と宣言すれば絶対に引かなくなる。勇者からメダルを借りてスロットを回した時、一発で当たりを引くことができたのも、この魔法のおかげである。しかし、使いすぎるとゲームがつまらなくなるため、普段の賭け事でこの魔法を使うことはほとんどない。サジタリウスが競馬好きなのは、魔法の影響を受けずに力一杯走るお馬さんを心の底から応援できるからである。そしてだいたい負ける。
熟練の魔法使いや騎士との戦闘ではだらだらと口述している間に距離を詰められて殺されかねないため、戦闘には不向き。しかし、味方に触れてコンディションを引き上げる支援役としては、これ以上ない力を発揮する。作中でも、勇者のコンディションを全盛期に近い状態まで引き戻し、自分自身が相手に触れることをブラフとして用いたりと、要所を支える活躍を見せた。
自分の魔法、自分が紡ぐ言葉が、誰かを傷つけるためではなく、誰かを支えるためにあることを知ることができた悪魔は、やはり幸せ者なのかもしれない。
『
サジタリウス・ツヴォルフが、アリエス・フィアーから借り受けて運用していた悪魔法。自分自身と触れたものを対象に口述で宣言した内容を『禁止』する効果を持つ。
サジタリウスは他一切の魔術の使用を放棄する代わりに、相手と自分のゲームによる対決を強制する決闘魔導陣と、この魔法をセットで運用。ゲームで負かした相手の様々な行動を『禁止』することで、敗者を強制労働に従事させると同時に、彼らの命をトリンキュロから守った。
元々の所持者であるアリエスは『食事の禁止』『呼吸の禁止』など悪辣極まる使い方をしていたため、魔法の使い方が使用者によって大きく変化する一例といえるだろう。
トリンキュロ・リムリリィの魔法
◆色魔法
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魔王軍四天王第一位、トリンキュロ・リムリリィの代名詞とも言える、赫の色魔法。自分自身と触れたものを対象に『模倣』する効果を持つ。
単純に触れた相手の姿形を『模倣』する変装能力のように使うこともできるが、その本質は勇者の『
模倣とは、模して倣うこと。模倣して吸収し、技や術を身につけることは、常に模倣した本物を超えることを目指す。人の体に流れる血よりも濃い赫色には、皮肉にもそれを為せるだけの力があった。
真なる人を目指す最上級悪魔の進化は、まだ止まらない。
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トリンキュロが使う、砂の色魔法。自分自身と触れたものを対象に『同化』する効果を持つ。
周囲のものを取り込み、自身の手足のように利用する、トリンキュロの基本戦法を支える魔法の一つ。魔法効果の汎用性がかなり高く、後述する『
元々は、砂漠の国の王子が所持していた魔法。その国はモンスターの襲撃が多く、王子がこの魔法でモンスターと同化し、飼い慣らすことでなんとか被害を最小限に留めていた。しかし、生物との同化は普通の人間にとっては、リスキーな行為であり、善良な王子は次第に精神を病んでいく。そんな時に、王子の前に現れたのが、リムリリィと名乗る流れ者の踊り子だった。身分の差も気にせず、自由気ままに振る舞う少女に、王子は自然と惹かれていく。
「君と一緒になれればいいのに」
その言葉を聞いた踊り子は、フェイスベールの下で薄く微笑んだ。
「貴方になら、食べられても構いませんよ」
王子は、少女に魔法をかけた。そして、その夜。砂漠の国は一夜にして滅んだ。
トリンキュロが用いる魔法の中でも、最初期の内に入手した一つ。王子の名前を、トリンキュロはもう覚えていない。
『
トリンキュロが扱う、青の色魔法。触れたものを対象に『拡散』する効果を持つ。
奇しくも、イトの『
元々は、生まれつき病を患う少女が所持していた魔法。少女の魔法の才能を見抜いたトリンキュロは、友達として近づき、その最期を看取るまで足繁く見舞いに通い続けた。部屋の中に置かれた水瓶に触れ、様々な形の波紋を浮かべて時間を潰す。そんな彼女の癖を、トリンキュロは無意識の内に引き継ぎ、暇を持て余した時に繰り返している。窓枠の中から見上げる青空の美しさに、悪魔は価値を見いだせなかった。少女の名前を、トリンキュロはもう覚えていない。
『
トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものの温度を『変化』させる効果を持つ。
今回の戦いにおいて、トリンキュロが得ることができた明確な戦利品。『
魔法
『
トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『形成』する効果を持つ。
色魔法ではないが、それに到れる可能性があった魔法の一つ。攻防共に応用の幅が広く、周囲のものを『
元々は、女性の陶芸職人が所持していた魔法。彼女が作る陶器はその魔法効果も相まって、どれも素晴らしく美しい出来栄えだったが、彼女本人の容姿は美しいものではなかった。想い人に気持ちを伝えるか迷う彼女の前に表れたのは、男が望む可憐さをそのまま形にしたような、悪魔の少女だった。
「自分の顔、自分で作り直してみれば?」
悪魔の提案に乗ってしまった彼女は、美しく作り直した顔で想い人に会いに行くが、彼の反応は想像とは真逆のものだった。
「誰だ、お前」
彼が見てくれていたのは、自分の外見ではなく、自分の心の美しさだった。そのことに気付いた時にはもう遅く、彼女の前には契約を迫る悪魔の姿があった。稀代の名工と謳われた彼女の名前を、トリンキュロはもう覚えていない。
『
トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『強化』する効果を持つ。
自分自身の肉体を強化する他、武器などの強度を上げることも可能。トリンキュロの近接格闘の強さを支える魔法である。単純に他の魔法と組み合わせることで、魔法の出力を強化することも可能。
元々は、流れ者の傭兵が所持していた魔法。いくつもの戦場をさまよい歩いていた彼は、信じられないほど美しい悪魔の少女と出会った。そして、少女の足元には夥しい数の死体が転がっていた。
「手合わせを」
「名前とか聞かないの?」
「不要」
望むのは、強者との戦い。命を落とすその時まで自分の生き方を貫いた彼の名前を、トリンキュロはそもそも聞かなかった。
『
トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『軟化』させる効果を持つ。
触れたものを軟らかくしてクッションにする他、踏み込んだ足場を軟らかく反発させることで、即席のトランポリンのように扱うことも可能。鎧を着込んだ相手に対しては、打撃と同時に鎧を軟らかくすることで衝撃を通したりと、攻防共に隙のない優秀な魔法。
元々は、女性の道化師が所持していた魔法。誰にでも好かれる、柔らかく優しい雰囲気を持つ彼女と、トリンキュロは親交を深めていった。人間関係には恵まれていた彼女は、しかし金銭的に困っていた。
「その魔法があれば、扉とかもやわらかくできるから、どこにでも入れるね」
たった一つの悪魔の囁きは、彼女の良心を蝕むには充分だった。彼女は投獄され、己の行いを後悔しながら、悪魔に喰われた。笑顔を忘れた道化師の女性の名前を、トリンキュロはもう覚えていない。
完全に余談だが、初期勇者くんに持たせるか迷っていた魔法の一つ。大まかに覚醒したどこぞの麦わらみたいな戦い方ができる。
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トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『突進』させる効果を持つ。
単純に自分自身に魔法効果を付与して、前方へ突撃する速度を引き上げる他、相手に向けて投擲したい岩や矢などを強引に投げつけることもできる。ただし、どこぞの盗賊の魔法とは違って必ず当たるわけではないため、回避はそれなりに容易。まさに猪突猛進といったところ。
元々は、地方を守護する騎士が所持していた魔法。トリンキュロに向けて真っ直ぐに求婚した彼の在り方は実直そのもの。トリンキュロもその気持ちを受け入れ、そのまま捕食した。裏表のない好意を向けてくれた彼の名前を、トリンキュロはもう覚えていない。
『
トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『回転』させる効果を持つ。
自身の肉体に『回転』という運動エネルギーを加えることができるのが、最大のウリ。前転、バク転といったアクロバティックな動作も『回転』の概念に加えられるので、近接戦におけるトリンキュロの身のこなしは、特に読みにくいものになっている。あるいは色魔法に届き得る魔法だったが、使い手がその可能性に至る前に、トリンキュロが魔法を自分のものにしてしまった。
元々は、魔術の研究者が所持していた魔法。彼は自分の魔法と合わせて、新しい魔術の研究を行っていたが、理解者を得られずに、苦しんでいた。そんな彼に助手として近づいたのが、トリンキュロである。
「通常の魔法と色魔法の違いは、何だと思う? リムリリィ」
「なるほど。あなたは少し、知りすぎたね」
魔法の本質に迫った彼の名前をトリンキュロはもう覚えていないが、彼の研究内容は興味深かったので、記憶の片隅に残っている。
『
トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『衝撃』を与える効果を持つ。
打撃と同時に、不可視のインパクトを浴びせるのが、基本的な運用。致命打には成り得ないが、相手の防御を崩すために、トリンキュロは好んで用いている。
元々は、貴族のピアニストが所持していた魔法。トリンキュロと親交を深めた彼は、たとえ悪魔が相手でも音楽を通じてわかりあえると信じ、新しい曲を作って贈った。
「うん。きみの気持ちは嬉しいけど、やっぱりこういう芸術のことはよくわかんないや」
今際の際に自分を口汚く罵る彼の叫びは、トリンキュロの心に不協和音として残った。彼の名前をトリンキュロはもう覚えていないが、彼から贈られた曲は今でも演奏することができる。
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トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『麻痺』させる効果を持つ。
単純に相手を麻痺させて動きを封じる他、自分自身の痛覚を麻痺させて痛みをなかったことにしたりと、意外と細やかな使い方ができる魔法。『
元々は、奴隷商人が所持していた魔法。暴力と魔法で奴隷たちを一方的に虐げる彼の元に、トリンキュロは自身も売り物となって潜り込んだ。殺される前に、殺さなければならない。支配されないためには、支配するしかない。夜のベッドの中でそんな言い訳をうわ言のように繰り返していた彼の名前を、トリンキュロはもう覚えていない。
『
トリンキュロの使用する魔法の一つ。自分自身と触れたものを対象に『復元』させる効果を持つ。
非常に強力な魔法で、壊れた武器やものを復元するのはもちろん、傷ついた自分の体すら元通りに癒やしてしまう。ただし、使用には制限があり、三分間のインターバルが必要。全身が魔法という凶器の塊であるトリンキュロを三分間に二度殺すのは極めて困難だが、勇者パーティーは見事にそれを成し遂げた。
元々は、とある地方領主が所持していた魔法。魔王が殺され世界が救われた後、トリンキュロは本来の目的と並行して、勇者を殺せる魔法を探しながら、各地を彷徨い歩いていた。正体を明かしたトリンキュロを前に、領主は膝を折って即座に降伏の意を示した。
「戦おうとは思わないの?」
「思わない。あなたに勝てるとは思っていないからだ」
「死ぬのがこわくないの?」
「こわい。しかし、私が死ぬのを恐れて抵抗することで、私の民の命が失われる方が、もっと恐ろしい」
心も魔法も、あなたにすべて捧げる。だから、民の命は救ってほしい。
トリンキュロは領主と契約を交わし、彼の命と魔法だけを奪って、その土地から去っていた。領主の名前は忘れてしまったが、その土地に咲く花がとてもきれいだったことを、トリンキュロはよく覚えている。
『イミテーション・クロス』
トリンキュロが使う合体魔法。合成魔法とも呼ばれる。二つの魔法を同時に起動することにより、その魔法効果を自身、もしくは接触対象に向けて重ね掛けする。
『
遠距離攻撃を意識した合成魔法。自身の指先を弾丸のように撃ち出し(突進させ)、着弾した内部から回転させて破壊する。
『
相手の捕縛を意識した合成魔法。単純に
『
広域殲滅を意識した合成色魔法。色魔法同士の組み合わせは、通常の魔法の合成に比べて難易度が高い。
悪魔法
『
トリンキュロのもう一つの側面。最上級悪魔、第一の山羊、カプリコーン・アインが使用する悪魔法。『
その魔法効果は自分自身と触れたものを『理解』すること。トリンキュロが『
今回登場しなかった魔法
『
魔王が所持していた、光の色魔法。無色透明の力。
複数回に及ぶ戦闘を経験した勇者パーティーですら、その魔法効果の全容を把握することは叶わず、確認されているだけでも、
・傷が回復する
・海が割れる
・攻撃の軌道を捻じ曲げる
・天候を操作する
などの効果があった。
魔王が世界を滅ぼすきっかけを作った、最強の魔法。天の外より人の輝きを想う彼女の真意は、遂に明かされぬままだった。