世界救い終わったけど、記憶喪失の女の子ひろった   作:龍流

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騎士ちゃん過去編は登場人物増えたしまとめを作るか!→どうして一万字を超えているんだ……これが幻術か?


これまでの登場人物まとめ②

◆勇者くん

・あだ名 全裸 ゼンラ

・年齢 16歳

・職業 学生→無職(勇者志望)

    七光騎士第七位(エフタ・エスペランサ)

・魔法 『黒己伏霊(ジン・メラン)

    『百錬清鋼(スティクラーロ)

    『燕雁大飛(イロフリーゲン)』←NEW!

・魔術属性 炎熱・迅風

・好きなもの 人間

・嫌いなもの 魔王

・備考 パンツの柄には拘るタイプ

 

 学生生活を基本的に裸でエンジョイしていた馬鹿勇者。この頃はまだまだ若くて無鉄砲な面が目立つ少年である。存外ノリは良い方で、レオやイトが振り回しているように見えて、自分から彼らを振り回すことが多々あった。騎士学校の文化祭ではパンツ一丁で芸出しを行い、違う意味で伝説を作った。そして伝説へ……。在学中に書いた反省文は十数枚ほど。わりと問題児。

 基本的な魔力操作や剣技、体の使い方は在学中にグレアムに師事して身につけた。防御に関しては百錬清鋼(スティクラーロ)に頼り切りだったが、グレアムの教えを元に戦闘中の駆け引きや思考を磨き、より深いレベルで応用できるようになった。

 もう思い出になるくらいの時間が経過した現在でも、屋上でイトにされたことに関しては未だに恥ずかしい模様。顔を合わせたらからかわれること必至。

 

・魔法『百錬清鋼(スティクラーロ)

 名実共に彼の代名詞とも言える、メインウェポンの魔法。自分自身を鋼の硬さに変化させることで、拳を文字通りの鉄拳に変化させたり、敵の剣を腕で受けたりと、高い汎用性を誇る。とはいえ、あくまでもその硬度は鋼に準ずるレベルに留まるので、鋼を貫くような攻撃を受けた場合は防ぎきれない。魔術を併用して一撃の威力を突き詰めたレオの槍や、地味にイトの魔法も天敵中の天敵である。

 グレアムから教えを受けて魔法のイメージを広げたことにより、軟体が特徴のスライムを硬化させて動きを止めたり、本来は鋼の硬さ以上の物体の防御力を逆に()()()ような使い方をしたりと、『硬化』の性質を持つこの魔法を、より幅広く柔軟に使用できるようになった。

 

・魔法『燕雁大飛(イロフリーゲン)

 ゲドから名前と共に奪った魔法。投げたものを目標に『的中』させる……というのが基本的な使い方だが、こちらも様々な形で応用が効く便利な能力。後のエルフ族の長老との戦闘では、これがなければ間違いなく死んでいた。

 

・他の人物への矢印

アリア←自分の騎士。とても大切だし、大切にしたい

レオ←悪友で親友。なんだかんだ一番仲が良い

イト←放っておけない先輩。お願いだから無茶をしないでほしい

グレアム←戦い方を教えてくれた先生。いつか倒したいが、ちょっと強すぎる

ナイナ←厳しいけど良い担任の先生。えっちですね

ジルガ←良い先輩。ちょっとメシ奢ってください

サーシャ←良い先輩。ちょっとこわい

グラン←良い先輩。ちょっと性癖が歪んでいる

 

 

◆騎士ちゃん

・名前 アリア・リナージュ・アイアラス

・年齢 16歳

・職業 学生

    七光騎士第三位(トリス・エスペランサ)

・魔法 『紅氷求火(エリュテイア)』 

・魔術属性 なし

・好きなもの 友達 先輩 喫茶店巡り 放課後遊びに行くこと 全裸のバカ

・嫌いなもの 弱い自分

・備考 アイアラス家第三王女

 

 自己肯定感よわよわバトルつよつよプリンセスナイト。過去編のメインヒロイン。この頃の髪型は金髪ハーフアップ。明るくよく笑う現在よりもちょっと暗く、自分に自信のない性格だった。しかし、一年という時間を掛けて、心の中にあった暗い感情を克服。同時に、ずっとわからなかった自身の魔法の名を知ることにも成功した。

 作中ではあまり触れられなかったが、グレアムから習うことはしっかり習っており、彼の「なんか大剣二本持った方が強そうじゃね?」というアドバイスを元に、二刀流の技術の下地をこの頃から磨いている。後に水の聖剣を手に入れたことにより、勇者を守る騎士のスタイルは完成した。

 イトは敬愛すべき先輩であり、同時に恋のライバルでもある複雑な関係。魔王を討伐した後、約束通りイトにリボンを返しに行った際には、最もすぐ側にいたのに勇者を守れなかった後悔を先輩に対して吐き出し、泣いて泣いて泣きまくった。イトはアリアの泣き顔を一晩中眺めて慰め頭を撫で続け、翌朝には新しいリボンをプレゼントした。なので、アリアの髪型は未だにポニーテールであることが多い。揺れるリボンには、先輩への尊敬がたくさん詰まっている。それはそれとして、イトが今でも彼のことが好きなのか気になって仕方がない。

 

・魔法『紅氷求火(エリュテイア)

 アリアの固有魔法。当時、アリアは己の魔法を触れたものの温度を上げる能力として認識しており、そのような使い方しかできなかった。が、グレアムの指摘や様々な経験を得て、温度を上げるだけでなく引き下げることもできることに気付き、魔法の本質に一歩近付いた。

 能力の発現時期は魔法使いによって様々であり、最初から己の魔法名を知る人間もいれば、十数年の時間を掛けて魔法と向き合う人間もいる。術式のシステムが細かく解明されている魔術とは異なり、魔法に関しては研究の進んでいない未知の部分がまだ多い。いずれにせよ、己の魔法の名を知ることは、魔法を使いこなすために必要不可欠なプロセスであると言える。

 

・他の人物への矢印

勇者くん←隣にいたい。ただそれだけ

レオ←なんだかんだと仲が良く、手紙のやり取りが続いている

イト←尊敬する先輩であり、恋のライバル

グレアム←戦い方を教えてくれた先生。いつか倒したいが、ちょっと強すぎる

ナイナ←厳しいけど良い担任の先生。グレアム先生と早くくっつかないんですか?

ジルガ←良い先輩。素直じゃない人

サーシャ←良い先輩。イトのことが好きな人

グラン←良い先輩。事務処理の師匠。現在のアリアの領地に取引で訪れることもある

 

 

・名前 イト・ユリシーズ

・年齢 18歳

・職業 学生→王都第三騎士団団長

    騎士学校生徒会・会長 

    七光騎士第一位(ミア・エスペランサ)

・魔法 『蒼牙之士(ザン・アズル)

・魔術属性 炎熱・流水

・好きなもの 読書 昼寝 三時のおやつ 勇者

・嫌いなもの 事務作業 自己鍛錬 労働 戦闘 働くこと全般 人参 ピーマン キノコ 苦い食べ物 グレアムが脱いだ靴下 弱い自分

・備考 年下好き(お姉さんぶれるため)

 

 黒髪ロング前髪ぱっつんポニテ最強帯刀系ドジっ子生徒会長。どこからどうみても盛り過ぎな属性の先輩。

 騎士学校入学時から高過ぎる実力と抜群のカリスマを存分に発揮し、瞬く間に学生騎士の頂点に登り詰めた才女。立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花……といって差し支えないほどに外見も整っているが、実際は立てばすっ転び、座れば居眠りをし、歩けばやはりすっ転ぶほどの社会不適合者。平時は基本的に無能であるため、生徒会メンバーが全力でお世話することでなんとか普段の業務が回っている。そしてお世話されている本人も満更ではない。見かけと立場に依らず『美人』というよりも『可愛い』寄りの性格。天性の愛嬌で、人を惹き付けるタイプである。

 イトという名前は、死んだ姉のもの。過去に生まれ育った村を襲われ、その際に瀕死の重傷を負うが、ジェミニの魔法によって、心を移し替えられ、姉の身体と名前を受け継いで生きていくことになった。魔王の存在を強く憎み、魔王を倒す勇者になることに、固執していた……が、とある後輩の一言で迷いを絶ち切った。

 実際の戦闘では、軽い身のこなしで魔術用紙(スクロール)に仕込んだ魔術をばら撒きつつ、相手を撹乱。接近した後、魔法によって確実に仕留めるスタイルを取る。これは、姉の体に染み付いていた剣技と自身の本来の得意分野である魔術を組み合わせた結果。また、魔法効果との相性から、騎士にとって一般的な両刃の(ソード)ではなく、細い片刃の(ブレード)を好んで使用している。

 敗北と死への恐怖から「自分は自分らしく在れば良い」ということに気がついた後は、勇者への執着を捨てて、その称号を後輩に譲ることを選んだ。卒業後は騎士として頭角を表し、十数年ぶりの女性の騎士団長に就任。グレアムから第三騎士団を引き継ぐ形で預かっている。魔術剣士とでも呼ぶべき本人のスタイルもあってか、騎士の戦場における魔術の運用理論を積極的に記述して提出しており、シャナとは面識と交流がある。

 

・魔法『蒼牙之士(ザン・アズル)

 イトの固有魔法。イトが振るう武器に絶対的な『切断』効果を付与する。この魔法により、彼女の剣戟はその全てが必殺の斬撃と化す。キャンサーの魔法を上から斬り裂いた事実からわかる通り、その攻撃性能は数ある魔法の中でも一級品。概念的な防御すらも、断ち切ってしまう。初見殺しとしても申し分ない能力であり、イト・ユリシーズという剣士の強さを根底から支える魔法である。

 この魔法の真価はもう一つ上の段階にあり、騎士学校を卒業したイトは自身の魔法を見つめ直し、磨き上げて騎士団長に相応しい実力を得た……つまりまた強くなった。現在の勇者くんが普通にタイマンをした場合、無策ではおそらく負ける。

 

・魔眼『真紅の真珠(アル・アイン)

 イトの魔眼。魔力を色によって識別することが可能で、ある程度の範囲内であれば壁や障害物越しに索敵も行える。特に姿を隠したり変化させたりする魔術に対しては効果覿面で、キャンサーもこの魔眼によって正体を見破られ、しばらく泳がされていた。

 イトが元々持っていたものではなく、グレアムの紹介で移植されたもの。外科的な魔眼の移植は高いリスクと拒否反応を伴うため、普通の人間は拒むことが多いが、イトは平然と受け入れた。魔眼はそれそのものが高い価値を持っているため、王都に屋敷を買ってお釣りがくるほどの金額になる。ゲドが金銭目的で眼を奪い取ったため、現在のイトはこの魔眼を保有していない。

 

・他の人物への矢印

勇者くん←かわいい後輩。好き

アリア←かわいい後輩であり、ライバル。いつか決着を付けたい

魔王←殺したい。殺し損ねた

レオ←かわいい後輩。現在はおもしろい同僚

グレアム←色々な意味で恩人。足が臭い

ナイナ←厳しいけど良い先生。それはそれとしてグレアムおじさんと早くくっついてください

ジルガ←からかうとおもしろい。面倒見が良くて好き

サーシャ←仲良し。現在は頼れる副官

グラン←頼れる同級生。もっと笑えばいいのにと思っている

シャナ←うわ、この子も多分後輩くんのこと好きじゃん。黙っとこ……

 

 

・名前 レオ・リーオナイン

・年齢 16歳

・職業 学生→王都第五騎士団団長

    七光騎士第七位(エフタ・エスペランサ)

・魔法 不明(卒業後に使用するようになった)

・魔術属性 迅風・流水

・好きなもの 人との会話 かっこいい自分 執筆 家族 官能小説 勇者

・嫌いなもの 〆切 悪魔

・備考 下ネタ好き 巨乳好き

 

 金髪イケメン爽やか親友枠の槍使い。新入生次席なので、実は魔法無しでアリアに次ぐ実力を誇る秀才。ペラペラとよく喋るタイプの残念なイケメンであり、喋っているとすぐにボロが出る。

 入学してすぐに七光騎士第七位(エフタ・エスペランサ)の称号を獲得したが、全裸のバカに負けて一日で剥奪された。三日天下ならぬ一日天下。全裸のバカが追放処分になったあとは、彼から七位の肩幕を引き継ぎ、実力的にはもっと上位であるにも関わらず、卒業までその地位を守り続けた。なんだかんだと義理堅いところがある様子。

 戦闘では大型の戦槍(ランス)を使用。迅風系の魔術を併用した強烈な突きは、全裸のバカの百錬清鋼(スティクラーロ)を貫く威力を誇る。卒業した後も愚直に研鑽を積み、現在では槍の扱いで並ぶ者は居ないと称されるほど。

 副業(と趣味を兼ねる形)で小説の執筆を行っており、勇者の青春時代を回想する形で綴った『勇者秘録』はベストセラーとして大ヒットを記録。元々裕福な家の生まれだったが、騎士をしなくても遊んで暮らせるほどの財産を築き上げた。部下たちに奢ったり孤児院を建てたりして散財しながら、現在も続編を執筆中。

 余談ではあるが、調子に乗って、レオ・リーオナインとは別名義で『触手天獄〜秘する花が散る時〜』という官能小説も出版しており、そちらは見事に歴史的大爆死を記録。続刊の目処が一切立っていない。さらに余談ではあるが、全裸のバカ勇者はどちらもしっかり購入し、前者は本棚に飾り、後者はベッドの下に隠してある模様。

 

・他の人物への矢印

勇者くん←親友。心の友

アリア←良き女友達。早く親友とくっついてほしい

イト←おもしろくて良い先輩。しかし、自分は勇者×騎士派なので、親友にちょっかいはかけないでほしい

グレアム←趣味が合うおじさん

ナイナ←先生ってエッチですよね

ジルガ←妹モノですか。良いですね

サーシャ←百合ですか。良いですね

グラン←触手モノですか。良いですね

シャナ←すまない。貧乳は好みではなくて……

 

・名前 グレアム・スターフォード

・年齢 24歳

・職業 王都第三騎士団団長

    →王都第一騎士団団長

    王宮付筆頭騎士

    騎士学校実戦指導特別顧問

・魔法 不明

・魔術属性 迅風・炎熱

・好きなもの 肉 酒 筋トレ 銀髪で胸がでかい色気のあるキツそうな見た目の女

・嫌いなもの 魔王 貴族 王族

・備考 老けて見られるのが密かな悩み

 

 ヒゲ面最強マッスルナイトおじさん。王都最強との呼び声も名高い騎士団長。親しみやすい性格で部下から信頼も篤く、飲み屋に足繁く通っているので、民衆からの支持も得ている。ただし、平民出身なので貴族派閥からのウケは悪い。肩書や実績は仰々しいが、その実態は、よく食べ、よく飲み、よく笑うタイプの面倒見の良い明るいおっさんである。

 肉体の魔力強化に関して飛び抜けた才覚を持っており、繰り出す攻撃のどれもが素早く、重い。剣を振るえば斬撃一つで敵が吹き飛び、ハンマーを振るえば一撃で城壁に穴が開く。「速くて重い攻撃が最強」という勇者の戦闘における脳筋思考を形作る一因にもなった、最強の騎士。戦闘では様々な武装をシチュエーションに応じて使い分ける頭脳派な一面も。頭の良い筋肉。

 勇者パーティーのメンバーを除いて、魔王と直接対峙し、生き残った数少ない一人。彼以外の五大騎士団の団長は全員が魔法持ちであったにも関わらず無惨に殺され、全滅したが、グレアムだけは生き残った。その後は筆頭騎士として第一騎士団の団長に就任し、王都の戦力の再編に尽力する。

 教え子に魔王との決着を委ねてしまったことが、未だに心残り。

 

・他の人物への矢印

勇者くん←教え子。勇者になってくれて嬉しいが、同時に彼の現在については苦々しく思っている

アリア←教え子。関係が進展したのか気になって仕方がない

魔王←殺したい

レオ←おもしろい教え子。現在はおもしろい同僚

イト←色々な意味で娘のようなもの。ウザがられるのが最近つらい

ナイナ←幼馴染であり昔のクラスメイト。良い先生になったなと思っている。30過ぎて互いに独り身なら一緒になるか?

サーシャ←イトの副官。ちょっと仲が良すぎないか?と思っている

シャナ←騎士団長の一人を笑いながら足で踏んだと聞いて「次は俺も踏まれるんじゃないか?」とちょっと警戒している

 

 

・名前 ジルガ・ドッグベリー

・年齢 17歳

・職業 学生

    七光騎士第六位(ヘキサ・エスペランサ)

    騎士学校生徒会・書記

・魔法 なし

・魔術属性 迅風

・好きなもの 人との食事 家庭菜園 妹

・嫌いなもの 家族を蔑ろにする人間

・備考 サーシャのことがちょっと好き

 

 マイルドヤンキー世話焼きかませ犬先輩。七光騎士第六位。通称『双剣のジルガ』。二年生でありながら、七光騎士の中でも屈指のスピードを誇る二刀流の特攻隊長。よく最初に突撃してよく負ける。趣味は園芸で、生徒会室のお花を育てている。担当業務は書記で、見かけによらずかなりマメな性格。後輩からも「悪いのは口だけ」と専らの評判。

 両親とは死別しており、唯一の肉親として病気の妹がいる。騎士になったのも、妹の治療費を稼ぐためというヤンキーマンガのような理由。騎士学校に通っていた当時は治療の見込みがなかったが、騎士団長に就任したイトやレオが揃って世話を焼きまくった結果、現在は無事に回復。妹と二人で暮らせるようになった。

 

 

・名前 サーシャ・サイレンス

・年齢 18歳

・職業 学生→王都第三騎士団副団長

     七光騎士第五位(ペンテ・エスペランサ)

    騎士学校生徒会・広報

・魔法 なし

・魔術属性 流水・砂岩・迅風

・好きなもの イト 紅茶 インテリア 魔術研究

・嫌いなもの 時間を守らない人間(イトは別) だらしない人間(イトは別) 仕事ができない人間(イトは別)

・備考 イトのことが好き

 

 クレイジーサイコレズクールビューティ先輩。七光騎士第五位。通称『静寂のサーシャ』。担当業務は広報。魔術の扱いに長けた魔術騎士で、中距離から近距離まで幅広く活躍できるバランサー。趣味はイトのお世話で、朝起きたら髪を梳かすところからはじまり、大体の身支度を手伝っている。用意した最高級の茶葉を床にぶちまけられても、買い占めた最高級のティーセットを全部割られてもめげない、一途な女。ゆるユリ。

 入学当初、友達ができず、剣術でも伸び悩み一人で苦しんでいたサーシャの前に(ネコを追いかけていたらすっ転んで頭を打って気を失う形で)現れたのがイトだった。この子、一人だとダメそう……と母性本能を刺激されたサーシャは、そのままイトの強烈な強さのギャップに惚れ込み、魔術と剣を併用する彼女のスタイルを模倣。それまでのスランプがまるで嘘であったかのように、急激に腕を上げた。やがて君になる。

 卒業後も順調に騎士としてのキャリアを積み上げ、現在ではイトの右腕として、第三騎士団の副団長に就任。あまりにも緩すぎる団長に代わって、団員たちを締め上げつつ、良きパートナーとして活躍している。私の百合はお仕事です。

 

 

・名前 グラン・ロデリゴ

・年齢 18歳

・職業 学生→ロデリゴ商会代表

    七光騎士第三位(トリス・エスペランサ)

    騎士学校生徒会・会計

・魔法 なし

・魔術属性 砂岩

・好きなもの 貯金 各地の名産品 小説 官能小説

・嫌いなもの 犬(お尻を噛まれたことがある)

・備考 胸より尻派

 

 鉄面皮むっつりスケベ常識人先輩。七光騎士第三位。通称『鉄壁のグラン』。一年生の時から七光騎士の座を譲らず、守り続けてきた高い実力の持ち主……だったのだが、アリアに負けて第三位の座からは退いた。レオと同じく、実家が商家を営んでおり、趣味は貯金。担当業務が会計だったので、事務処理スキルをアリアに引き継ぐ形で容赦なく叩き込んでいる。ある意味アリアの師匠。後に彼女が領地を運営する立場になった時、グランから教わったことはとても役に立ったらしい。

 卒業後は家業を継ぐことを選択。各地の名産品の取引や、販売ルートの確立で堅実な才覚を発揮しており、同じく運送会社を営むリリアミラとも顔馴染みだったりする。この人乳デカいな、と思っていても口には出さない。余談ではあるが、レオの官能小説は三冊買ってサインも貰った。

 

 

・名前 ナイナ・ウッドヴィル

・年齢 25歳

・職業 騎士学校教員

・魔法 なし

・魔術属性 炎熱

・好きなもの 生徒 チョコレート トレーニング

・嫌いなもの ヒゲ面でデリカシーに欠ける自分より強い男

・備考 そろそろ結婚しろと実家がうるさい

 

 銀髪ロング褐色巨乳先生。真面目で優しい性格。厳しくも親切で丁寧な指導が評判で、生徒たちからの人気も高い。男子生徒に惚れられること多数。生徒からのラブコールはクールにすげなくあしらっているが、婚期については若干の焦りがある。

 学生時代は風紀委員であり、メガネをかけていて銀髪ツインテールで、現在よりもさらに融通の効かない性格だった。グレアムとは騎士学校に入学する前からの幼馴染で、疎遠になったりならなかったりしながらなんだかんだと腐れ縁が続いている。雨の日に一緒の傘に入ったり、実戦訓練で庇われてお姫様抱っこされたり、卒業式の日に二人きりになったり、たまに王都の居酒屋でサシ呑みしたりしているが、グレアムとは何もない。ないったらない。

 

 

〜魔王軍陣営〜

 

 

・名前 ゲド・アロンゾ

・年齢 29歳

・職業 盗賊・傭兵

・魔法 『燕雁大飛(イロフリーゲン)

・魔術属性 なし

・好きなもの 酒 女 金

・嫌いなもの 船 空 弟

・備考 一時期は盗賊団を率いていたが、性に合わずに個人に戻った

 

 生の実感を得たいタイプの快楽刹那主義盗賊。酒と女と金に溺れて死ねればそれで良いと思っているタイプのどうしようもない人間だが、受けた依頼に関してはかなり堅実にこなす。アリエスからもその仕事ぶりを高く評価されており、上級悪魔以上に使える人間の駒として重用されていた。

 経験に基づいた高い近接戦能力。相手の魔法の性質を見抜く鋭い判断力。不意打ちされても即座に立て直す強い精神力を合わせ持っており、対人戦においてはかなり厄介な存在。後述する魔法の応用も柔軟性に富み、本人の資質以上に磨き上げられた実力で最上級悪魔を単独で屠ったイトを完封した。が、全裸のバカの乱入によって作戦を狂わされてしまい、魔法を覚醒させたアリアの一撃で半身を焼き尽くされ、敗走。最後は勇者によってトドメを刺された。

 勇者が殺した二人目の人物。慣れるにはちょうどいい悪党で良かった、とは本人の遺言。

 

・魔法『燕雁大飛(イロフリーゲン)

 ゲドの固有魔法。基本的には投げたものを的中させる魔法として用いているが、その本質は自分自身と触れた対象を定めた目標に向けて『射出』することにある。視界の範囲内であれば、ゲドが触れたものは重力を無視し、物理法則を超えて必ず対象に的中する。毒針を回避不能の必殺として用いたり、敵の体を接触の瞬間に後方へ強制的に射出……さながらノックバックさせるように活用したりと、熟れた扱いで全裸のバカを追い詰めた。

 視線の先、見える場所までしか飛ぶことが許されない翼。盗賊の心は、勇者がその名を拾い上げて、最後に空を舞った。

 

 

・名前 アリエス・レイナルド

・年齢 28歳(外見年齢)

・職業 王国大臣

    四天王第四位

・魔法 『晨鐘牡鼓(トロンメルキラ)

・魔術属性 氷雪・流水

・好きなもの 人間の愛 コーヒー 魔王

・嫌いなもの 品のない悪魔 臭そうな人間

・備考 人間ガチ勢 魔王ガチ勢

 

 人間の愛をラブするタイプのカプ厨悪魔。第四の牡羊。アリエス・フィアー。魔王軍四天王第四位。交渉、話術などの対人スキルが異様に優れており、王都で頭角を表し、宮廷内の政治に深く食い込んでいた。当時の国王からの信頼も篤く、そのまま放置されていれば、間違いなく王国は悪魔の国になっていた。内政干渉特化型とでも言うべき恐るべき存在。位階は最低でありながら、正体を巧みに隠す立ち回りによって勇者パーティーが最後まで倒せなかった四天王の一人である。

 話術や観察眼はアリエスが元々持っていた資質ではなく、人と関わる中で独学と経験によって身につけたもの。人間との契約によって動く悪魔とは異なり、打算抜きの激しい情動を見せてくれる人間の愛に深い興味を持ち、心の底から愛している。人間を愛し、人の愛を尊ぶかなり珍しい悪魔の一柱。

 その本質は、興奮すると早口になり、筋肉を膨張させて上半身裸になるタイプのめんどくさいカプ厨オタク。魔王に対する愛情も深く、積極的に忠誠心をアピールして足で蹴られるまでがセット。もちろん彼にとってはご褒美以外の何物でもない。

 総じて強力で厄介な悪魔だったが、後にグレアム・スターフォードが単独で討伐した。

 

・魔法『晨鐘牡鼓(トロンメルキラ)

 アリエスの固有魔法。触れた相手に対して口述で宣言を行うことで、指定した行為・事象を『禁止』する。最上位の魔法は触れられた時点で勝負が決まってしまうことも多いが、晨鐘牡鼓(トロンメルキラ)もその例に漏れず、接触のみで相手を即死させることが可能な魔法の一つ。極端な例ではあるものの、例えば「呼吸を禁止」されてしまえば、どんな人間でも必ず死に至る。

 禁止する行為・事象には一切の制限がない、最上位の呪いに近い性質。話してもわからない相手や秘密を守りたい事柄に関しては、アリエスはこの魔法を積極的に使用。自身の正体を明かしながらも他者に喋ることを禁止する……といった悪辣な使い方で、邪魔な相手の精神を擦り減らしていった。でっぷりと肥えた貴族の『食事を禁止』して痩せ細っていく様を見るのも、アリエスという悪魔の密かな楽しみだった(傍から見れば自分から食事を断っているようにしか見えない。奇病や精神の病として処理された)。

 

・他の人間、悪魔への感情

魔王←ペロペロしたい

キャンサー←融通の効かないジジイ

ジェミニ←無邪気な双子

ゲド←駒として有能で好きだった

リリアミラ←推し活仲間

勇者×騎士←てぇてぇ

 

 

・名前 キャンサー・ジベン

・年齢 56歳(外見年齢)

・職業 騎士学校用務員

・魔法 『華虫解世(フロルクタム)

・魔術属性 なし

・好きなもの 自己鍛錬 卵料理 魔王

・嫌いなもの アリエス

・備考 純粋な近接戦闘では魔王軍トップクラス

 

 潜入工作型近接格闘用務員おじいちゃん悪魔。第七の蟹。将来の脅威になるであろう騎士の情報収集と、事故死に見せかけた狩りを行うために、アリエスとは別の形で王都に潜入していた。外見は髭を蓄えた初老の男性。魔法を持っているアリアを殺害しようと付け狙っていたが、イトに正体を看破され、なし崩し的に戦闘へ移行。当初は強力な魔法で圧倒しているかのように思えたが、実際は遊ばれていただけで、一方的に屠られた。死の間際でも仲間は売らないナイスミドル。

 格闘戦における実力は折り紙付きで、騎士学校に潜入する前は四天王第一位の訓練相手をよく努めていた。堅実で口うるさい性格なので、弁が立ち柔軟な思考が持ち味のアリエスとは相性が悪い。

 

・魔法『華虫解世(フロルクタム)

 キャンサーの固有魔法。彼の強さを支える唯一絶対の力。自分自身に触れる一切のものを『遮断』することができる。ただし、イトが弱点を突いたように、本人が無意識に必要だと判断している光や空気は透過してしまう。

 最上級悪魔の中でも、近接戦闘においては並ぶ者がいないほどの絶対防御。同じ魔法による攻撃以外なら、全て遮断してしまうため、蒼牙之士(ザン・アズル)のような高い攻撃性能を持つ魔法以外なら、一方的に圧倒することが可能。事実、現在の勇者パーティーにはキャンサーのこの魔法に対する有効な攻撃手段はない(勝てないわけではないが)。ともすれば、世界を救った勇者パーティーを苦しめたかもしれない、強力な魔法である。

 

・他の人間、悪魔への感情

魔王←命に代えても守りたい存在

アリエス←口先だけのヤツ

ジェミニ←手のかかる双子

リリアミラ←信用ならない女

 

 

◆魔王

・名前 不明

・年齢 13歳(推定)

・職業 魔王

・魔法 不明

・魔術属性 雷撃・炎熱

・好きなもの 部下 配下の悪魔 晴れた日の空

・嫌いなもの 人間

・備考 故人(享年は19歳と推定)

 

 人類を脅かした最強最悪の脅威。魔を統べる王という概念が、形を成して現れたもの。

 この頃から大絶賛暗躍中であり、イトの心をジェミニの魔法で入れ替えさせたり、アリエスの屋敷でメイドごっこをしたりしていた。人間の生活に紛れ込むのが好きで、暇さえあれば似たようなことをよくやっていた。そして周りの悪魔たちがとても慌てるまでがワンセット。

 自分自身の容姿が優れていることは認識しているが、かといってオシャレに興味がないわけではなく、様々な服を着るのが趣味だった。暇な時は幹部を招集してファッションショーを敢行。気に入った洋服を見せびらかして喜んでいた。ほとんどの場合リリアミラとアリエスが最前列に陣取って歓声をあげながら騒ぎ立てていたため、他の幹部はウンザリしていた模様。

 

・他の人間、悪魔への感情

アリエス←すごくキモい

キャンサー←口うるさい

ジェミニ←手のかかる双子

ゲド←如何にも人間って感じでおもしろい

リリアミラ←好き


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