男のウマ娘がトレーナーとして頑張る話   作:神領千鶴

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アンケートで取った通り書いてみました。完全な自己満ですので読んで苦手な方はブラウザバックして下さい。


第1話

[???]

「……懐かしいな此処は。」

 

皆さんどうも村雨柊斗です。今ね、トレセン学園って所にいるんですよ。

 

『トレセン学園』

正式名称は「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」。

国民的スポーツ・エンターテイメントとして位置付けられているトゥインクル・シリーズでの活躍を目指すウマ娘が集まる全寮制の中高一貫校である。東京都府中市に所在し、総生徒数は2000人弱。入学には願書を直接提出する方法のほか、地方の学園からスカウトされ籍を移すケースもある。

 

なんでこんな所にいるかってのはね、ぶっちゃけた話ここの理事長に頼まれたんだ。一応トレーナーとしての経験あるから大丈夫だと思う。そんな事を思っていると、校門に見知った人物がやってきた。

 

[???]

「お久しぶりです♪村雨柊斗さん♪」

 

[柊斗]

「久しぶりたづなさん。」

 

挨拶をしてきた人は駿川たづな。昔結構関わりがあった人で、今は理事長秘書をしている。

 

[たづな]

「理事長が部屋でお待ちですよ。ささ、行きましょう!!」

 

[柊斗]

「分かったからそう急かさない。」

 

たずなさんに連れられ理事長室へ向かう。確かそこそこ近かった筈だからすぐ着くだろ。

 

 

━━理事長室前━━

 

コンコンッ

 

[たづな]

「理事長、連れてきました。」

 

[理事長]

「うむ!!入れ!!」

 

ドアを開け中に入る。そこに居たのは……幼女だった。

 

[理事長]

「久しぶりだな!!柊斗!!」

 

[柊斗]

「久しぶりやよいちゃん。」

 

この人は理事長の秋川やよい。見た目は完全にロリ。因みに今いる3人で1番歳下。

 

[柊斗]

「で、なんで俺呼ばれたの?」

 

俺がここに来た理由、実はそれが分からないのだ。届いた紙には『至急、学園に来るように!!』としか書かれてなかった。

 

[やよい]

「うむ!!君にトレーナーをやって欲しくてな!!」

 

どうせそんなことだろうと思ったよ。

 

[柊斗]

「まあ別にいいよ。」

 

[やよい]

「恩に着る!!」

 

[たづな]

「これで断られたらどうしようかと思いましたよ。」

 

[柊斗]

「俺は走るのも好きだが教えるのも好きなんでな。」

 

[やよい]

「そうだ!!アレを忘れていた!!」

 

[たづな]

「そうでしたね!!」

 

2人は何処からかクラッカーを取り出し

 

パァンッ!!パァンッ!!

 

盛大に鳴らした。

 

[たづな/やよい]

「「凱旋門賞優勝おめでとう!!!!」」

 

[柊斗]

「ああ……ありがとう。」

 

『凱旋門賞』

簡潔に言うと世界最高峰レースの1つ。世界一を決めるレースとも言われている。

 

この事から分かるように俺もウマ娘である。ただし他とは違う所がある。それは俺が唯一の男であること。今まで男が生まれた事例がないから恐らく俺が初の男のウマ娘である。だが生まれた時、女性ホルモンが多いことから姿が女性に近い。だから早々バレることは無い。

 

[たづな]

「いや〜あのレースは忘れられませんね。なんせ"日本初の凱旋門賞優勝"ですからね。」

 

[やよい]

「ちゃんと録画してあるからね何時でも見れるぞ!!どうせなら学園でも販売してみようかな……。」

 

[柊斗]

「別に販売するのは構わないけど、もう何年も前の話だろ?」

 

[やよい]

「だが君のお陰で日本だけでなく海外の認識も変わったのだ!!本当に感謝している!!」

 

[柊斗]

「気にする事はない。それよりも、俺寮で寝るのか?」

 

[たづな]

「はい♪勿論、部屋は前と同じですよ♪」

 

[柊斗]

「ならいいや。端じゃないと落ち着かないからな。んじゃ行ってくる。」

 

そう言って扉を閉める。

 

 

 

[柊斗]

「懐かしいな〜この学園は。折角だしあの本でも読むか。」

 

向かうは図書室。実はそこに俺の秘書がある。あ、エロ本じゃないよ?『レースレコード本』っていうのがあるんだが俺はそれを見たい。以外と見る人が少ない。

 

ガラガラッ

 

図書室へ入り、目的の本がある場所を探す。……あった。見るのは皐月賞のタイム。……まだ抜かされてないか。なら良かった、結構本気で出しに行ったから怖かった。他にも色々と本を読んでいると

 

[???]

「ねえねえカイチョー!!この人凄くない!!」

 

[???]

「図書室では静かにするんだぞテイオー。まあ凄いのは認めるが。」

 

[テイオー]

「日本で初めての凱旋門賞優勝だって!!カイチョーは確か見に行ったんだっけ?」

 

[???]

「ああ。初めて見た時感動したよ。今でも思い出してしまうね。」

 

まさか見に来てたやつがこんな近場にいたのか。

 

[テイオー]

「綺麗な人だな〜。水色に黄色の目、外に出たら目立ちそう。」

 

結構気にしてんだぞ。まあ嫌ではないが。

 

[テイオー]

「この人来てくんないかな〜。」

 

[???]

「無理を言ってはダメだぞテイオー。」

 

今ここにいるぞ〜。

 

[テイオー]

「1度でも並走してみたいな〜。」

 

[???]

「私もそう思っているさ。だがこの世の中そう上手く行く訳では無い。」

 

[柊斗]

「この本いいな。さて、そろそろ行くか。」

 

立ち上がり本をしまう。

 

[生徒1]

「あの女性綺麗……。」

 

[生徒2]

「トレーナーなのかな……。」

 

[テイオー]

「ねえねえカイチョー!!あの人見て!!」

 

[???]

「何だいテイオー、っ?!」

 

あ、やべ。すげえ見られてる。チラッと見たけどあの2人にもだ。

 

さーて部屋にでも行こっと。あんな空間に行ったら何されるかわからん。逃げよ。

 

 

 

 

 

[柊斗]

「ふう……これでよしっと。」

 

今は柊斗がいるのはとある一室。昔引退した後、訳あって住んでいた場所だ。

 

[柊斗]

「こうして見ると結構走ったもんだ。」

 

ジャパンカップ、日本ダービー、天皇賞、有馬記念、宝塚記念、菊花賞、凱旋門賞、皐月賞、etc……

 

[柊斗]

「懐かしいね〜。てか今思うとよくこんだけ走れたよな。うんうん俺偉い。」

 

ピンポンパンポーン

 

[たづな]

『村雨柊斗さん村雨柊斗さん、ミーティングルームまでお越しください。』

 

[柊斗]

「そういえば自己紹介するんだっけな。なんて挨拶しよ……。」

 

考えながら扉を開けミーティングルームへ向かう。

 

 

 

ミーティングルームの傍へ来るとたづなさんが迎えてくれた。

 

[柊斗]

「ねえたづなさん、どうやって紹介したらいいと思う?」

 

[たづな]

「普通でいいんじゃないですか?いつも言ってたじゃないですか。」

 

[柊斗]

「いやまあそうだけど……。」

 

[やよい]

『では入ってくれ!!』

 

[たづな]

「ほら、呼ばれましたよ!!」

 

[柊斗]

「……しゃーない。」

 

ガチャ

 

扉を開け、トレーナーの目の前に行くとお辞儀をする。

 

[柊斗]

「初めまして。新しくトレーナーとして就任された村雨柊斗です。よろしくお願いします。」

 

パチパチ

 

[柊斗]

(今のところは上手く行ってる……。)

 

[柊斗]

「あともう一つ、こう見えても男なので間違えないでください。」

 

[トレーナー陣]

「え……。」

 

[柊斗]

(まあそういう反応するよね。まあ仕方ないこればかりはどうにか出来るような事じゃないからね。)

 

[たづな]

「誰か質問ある方はいますか?」

 

正直いらないです早く帰りたい。

 

嬉しいことに誰も上げなかった。やったぜ☆

 

[たづな]

「では次に今後の予定に移ります。」

 

言われたのは近々選抜レースをやる。

 

これだけだった。え、そんだけ?まあ帰れるならいいか。

 

部屋に戻り時間を確認する。時刻はまだ12時にもなってない。

 

……走るか。確か学園のターフは使っても大丈夫だった筈。なら早速シューズを用意する。俺が現役の頃から愛用しているものだ。流石に新品だがすべて同じように作ってある。そして軽い運動着に着替えシューズを持ち早速向かう。因みに言ってる最中にたづなさんに『楽しんできてください♪』って言われた。

 

 

 

 

 

━━2000メートルコース━━

 

[柊斗]

「懐かしいね~この芝も。久々だな。」

 

昔から変わっていないこの芝。流石は中央だ、きちんと手入れされてる。

 

[柊斗]

「よしいつものやるか。」

 

今も昔と同じメニューで毎朝走っている。まず12000メートルを適当に走る。

 

数十分後……

 

[生徒1]

「あの人いつまで走ってるんだろう……。」

 

[生徒2]

「これで6周目……どこにあんなスタミナがあるのかしら……。」

 

[柊斗]

(え~とこれで……何周目だっけ。まあいいやもう2周くらいしよ。)

 

と、これがいつもの事である。

 

[柊斗]

(てかめっちゃ見られてるな。あ、図書室に居た2人もいる。)

 

周りの人たちを見ながら2周を終える。水分補給をしながら歩いているとその2人組が来た。

 

[???]

「少しよろしいか?」

 

[柊斗]

「あ、ハイなんでしょう。」

 

ん?よくよく見たらこの子、なんか見た事あるな……。

 

[ルドルフ]

「初めまして。トレセン学園生徒会長のシンボリルドルフだ。それでこっちが……」

 

[テイオー]

「トウカイテイオーだよ!!宜しくね!!」

 

[柊斗]

「初めまして、今日からトレーナーになった村雨柊斗だ。」

 

[ルドルフ/テイオー]

「「え、トレーナー?!」」

 

[柊斗]

「そうだが……。」

 

なんで驚いてるんだ?普通に走ってただけだがなんか不味かったか?

 

[テイオー]

「カイチョー、トレーナーってあんなに長く走れるんだね。」

 

……そういう事か。俺ウマ娘だから走る距離多いんだった忘れてた。

 

[ルドルフ]

「1つ聞いてもいいか?」

 

[柊斗]

「いいぞ。」

 

もうバレてもいいやてか絶対バレてる。

 

[ルドルフ]

「柊斗さんがあの『ノヴァ』か?」

 

あ、そっちで聞くのか。ノヴァは俺が現役時代使っていた名だ。意味はラテン語で新しい。初の男のウマ娘で付けられた名だ。

 

[柊斗]

「そうだ。今は引退して村雨柊斗を名乗ってるけどな。」

 

[テイオー]

「……て事はカイチョー……」

 

[ルドルフ]

「ああ。柊斗さんこそ、日本初凱旋門賞優勝したウマ娘だ。」

 

[テイオー]

「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!」

 

[柊斗]

「うるさっ。」

 

もう正体バレましたgg.まあいいや。

 

[テイオー]

「ああああの、僕貴方のファンでした!!サイン下さい!!」

 

こいつ何処からか色紙出したし。まあ別にいいか。

 

[ルドルフ]

「私もお願いします。」

 

[柊斗]

「ハイハイ……はいどうぞ。」

 

[テイオー]

「やったあぁ!!」パアアアア!!

 

[柊斗]

「随分嬉しそうだな。」

 

[ルドルフ]

「当然でしょう。柊斗さんは日本では憧れのウマ娘ですよ。」

 

[柊斗]

「さて、走るか。」

 

[テイオー]

「ええ?!」

 

[ルドルフ]

「まだ走るのですか?」

 

[柊斗]

「休憩したからな。まあ4000でいいか。」

 

[テイオー]

「春の天皇賞より多い……。」

 

[ルドルフ]

「私達も一緒に走って良いだろうか?」

 

[テイオー]

「ええ?!カイチョー?!」

 

[柊斗]

「別に構わんぞ。」

 

[テイオー]

「ええ?!いいのぉ?!」

 

[柊斗]

「あ、でもペースはそっちに任せる。」

 

[ルドルフ]

「ありがとうございます。」

 

[柊斗]

「あと敬語もなしで。」

 

[ルドルフ]

「……分かった。」

 

そんなこんなで並走が始まった。春の天皇賞は3200メートルだが今回はそれより多い。まあいいアップにはなると思う(自分だけ)。

 

 

数分後……

 

[ルドルフ]

「はあ……はあ……。」

 

[テイオー]

「う゛う゛……疲れた〜。」

 

[柊斗]

「……大丈夫か?」

 

流石に疲れたのかルドルフは膝に手をついており、テイオーはうつ伏せで寝ている。

 

[ルドルフ]

「柊斗さんは……いつもこんなに走っているのか……。」

 

[柊斗]

「俺普段毎朝12000走ってるし、さっきはそれにプラスして2周、そんで今の2周だから20000か。」

 

[ルドルフ]

「凄いな……流石は『迅帝』と呼ばれていた実力だ。」

 

[柊斗]

「懐かしいなその名前も。とりあえずお前らは休め。ドリンク余分にあるから、ほれ。」

 

[ルドルフ]

「助かる。」

 

ルドルフとテイオーにボトルを渡す。俺特製のドリンクだ。なので販売していない。

 

[柊斗]

「はーいここでトレーナーとしての発言をしマース。はーい拍手〜」

 

シーン……

 

[柊斗]

「ハイ進みましょう。今並走してわかったことが幾つかある。まず1つ目、これは2人に共通してる事だがコーナー時に体の軸がブレてる。今のままじゃレース出た時失速するぞ。オススメは体幹トレーニング。意識することはまず脚で力を入れる部分、そしてこれはみんな疎かにしている事だが肩の位置だ。」

 

[テイオー]

「肩の位置?」

 

[柊斗]

「例えば左回りの時は少し前に出すといい。右はその逆だ。そうすることで遠心力による失速が減るぞ。」

 

[ルドルフ]

「なるほど。」

 

[柊斗]

「そして2つ目、これはテイオーだけだ。」

 

[テイオー]

「え、僕?」

 

[柊斗]

「おう。お前体柔らかいだろ。」

 

[テイオー]

「その通りだよ。」

 

[柊斗]

「今の走りは体の柔らかさを使った走り方だ。そのまま走り続けると骨折するぞ。」

 

[テイオー]

「ええ?!骨折嫌だよ!!」

 

ウマ娘にとって骨折は死と同じレベルである。場合によっては折れてから走れなくなる事だってあるからだ。

 

[柊斗]

「だからストレッチを念入りにしろ。後はマッサージも。そうすれば怪我する確率は減るぞ。」

 

[テイオー]

「分かった!!」

 

[柊斗]

「と、言うことで思った事講座しゅーりょー。おつかれ〜。」

 

[ルドルフ]

「いい勉強になった。またよろしく頼む。」

 

[柊斗]

「何時でも来な。俺は暇人だからな。」

 

[テイオー]

「そういえばトレーナー、」

 

[柊斗]

「テイオーのトレーナーになったわけじゃないぞ。んで何だ?」

 

[テイオー]

「トレーナー図書室で何してたの?」

 

[柊斗]

「ああ、『レースレコード本』って言うやつ読んでた。」

 

[ルドルフ]

「ふむ、聞いたことがないな。」

 

[柊斗]

「まあ見る人がそんなにいないからな。その本の2000のタイム見てたんだよ。」

 

[テイオー]

「なんで2000なの?」

 

[柊斗]

「……2000のタイムは、俺が真面目に走ったやつだからな。気になるんだったら見てみればいいさ。んじゃお先〜。」

 

柊斗はそのまま学園の方に走って行った。まだ走れるのかと思う2人だった。

 

[ルドルフ]

「テイオー、見に行くかい?」

 

[テイオー]

「カイチョーが行くなら行く!!」

 

その後、コースを上がると見ていた生徒達から色々聞かれた。トレーナーがウマ娘だということを上手く誤魔化し、着替え図書室へ向かう。

 

[テイオー]

「カイチョー、この本だと思うよ。」

 

[ルドルフ]

「ふむ、早速開いてみよう。」

 

パラパラとページをめくり、2000のタイムを見つける。

 

見つけたと同時に、2人は驚愕することになる。なんせそこには

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最速タイム『1分49秒98』と書かれていたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[テイオー]

「……いくらなんでも速すぎでしょ。」

 

[ルドルフ]

「ふふ……決めたよテイオー。」

 

[テイオー]

「カイチョーも決めたんだ。」

 

[テイオー/ルドルフ]

「「彼(あの人)にトレーナーになってもらおう(もらう)。」」

 

2人が口を揃え言う。どうやら考えていた事が同じだった様だ。

 

その頃本人は……

 

[柊斗]

「……うめえなこれ。」

 

食堂でご飯を食べていた。

 

[柊斗]

「俺普段自炊してたから食堂の飯食わなかったけどうめえな。」

 

テーブルは4人座れるが今は1人だけ。すると声を掛けられる。

 

[???]

「相席いいか?」

 

灰色の髪を長く伸ばし、ちょっと天然そうな女の子が話しかけてきた。

 

[柊斗]

「構わんぞ。」

 

[???]

「助かる。他の席が空いてなくてな。」

 

[柊斗]

「ウマ娘にとって食事は大事だからな。人にとっても。」

 

この子、食べる量多いな。丼物を軽く越してると思う。

 

[???]

「どうかしたのか?」

 

[柊斗]

「いい食べっぷりだね。食堂の人達が喜ぶと思うよ。」

 

[???]

「む、そうか。」

 

耳がピコピコと動く。耳がピコピコと動いたり、しっぽが揺れると大体は喜んでいる証拠。え、俺普通の事言ってるだけだよ?

 

[柊斗]

「ご馳走様っと。さて、今度のレースについてでも調べるか。」

 

[???]

「……。」モキュモキュ

 

お皿を戻し、自室へ戻る。

 

━━トレーナー室━━

 

[柊斗]

「今度のレース、テイオーも出るのか。まああの走りなら負けないと思うけどな。」

 

[柊斗]

「……俺も名前変えて選抜走ろうかな……いや辞めとこう。」

 

トントン

 

[柊斗]

「どうぞ〜。」

 

[???]

「失礼する。」

 

ノックされ、扉が開くと入ってきたのはルドルフだった。

 

[ルドルフ]

「お邪魔する、柊斗さん。」

 

[柊斗]

「いらっしゃい。そこら辺で待っててくれ、今から飲み物取ってくる。」

 

[ルドルフ]

「助かる。」

 

立ち上がり冷蔵庫から飲み物を取り出す。今時の者は人参ジュースかな?俺は好きでも嫌いでもないが。コップとジュースを持って行き、ルドルフの前に置く。

 

[柊斗]

「好きに飲んでくれ。んで、なんで来たんだ?」

 

[ルドルフ]

「実は柊斗さんに頼みがあるんだ。」

 

[柊斗]

「ん?なんだ?」

 

[ルドルフ]

「私"達"のトレーナーになって欲しいんだ。」

 

ああそう来たか。まあ今担当いないし別にいいか。ん?私達?

 

[柊斗]

「私達って、どんくらい?」

 

[ルドルフ]

「今は私とテイオーだけだ。」

 

[柊斗]

「おっけー。んじゃ契約書サインして〜。」

 

[ルドルフ]

「分かった。テイオー、入ってくれ。」

 

なんだいたのか。そう思っていたが、中々扉があかない。何かあったのか?

 

[ルドルフ]

「テイオー?」

 

ルドルフが立ち扉を開けようとする。

 

[柊斗]

「待ちたまえルドルフ君。」

 

開けさせるのを止め、耳を近づける。俺は普段帽子を被って隠しているが、この程度の距離だったら全然聞こえる。

 

[テイオー]

『やったやった!!トレーナーになってもらったよ!!』

 

[???]

『羨ましいですわ……ですがわたくしも!!』

 

なんか増えてね?え?え?

 

ガチャ

 

[ルドルフ]

「早く入りなさい。む、マックイーンもいたのか。」

 

[テイオー]

「会いに来たよ♪トレーナー♪」

 

[マックイーン]

「お邪魔しますわ。」

 

[柊斗]

「はいはーい2人分のコップ今出すね~。」

 

 

[マックイーン]

「初めまして、メジロマックイーンと申しますわ。」

 

[柊斗]

「村雨柊斗だ。よろしく。(名門メジロ家か。あいつの血筋ってことは……)」

 

[マックイーン]

「お願いがありますわ。」

 

[柊斗]

「どうぞ。」

 

スゥっと息を吸い、柊斗向かって口を開ける。

 

[マックイーン]

「わたくしのトレーナーになってはくれません?」

 

[ルドルフ/テイオー]

((やっぱりそうだよね~。))

 

[柊斗]

「あれだろ?天皇賞だろ?」

 

[マックイーン]

「知っているのですか?」

 

[柊斗]

「まあメジロ家はそこそこ知ってるからな。」

 

[マックイーン]

「なら話は早いですわ。どうかお願いします!!メジロ家としての目標を達成したいのです!!」

 

[柊斗]

「……まあ構わんぞ。」

 

[テイオ―]

「え?!いいの?!」

 

[柊斗]

「担当1人増えた程度別に問題ない。前の方がひどかったしな。」

 

[ルドルフ]

「前も別の場所でトレーナーとして働いていたのかい?」

 

[柊斗]

「いや、俺元々トレーナー志望だったんだよ。」

 

[ルドルフ/テイオー/マックイーン]

「「「え……。」」」

 

[ルドルフ/テイオー/マックイーン]

「「「ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!。」」」

 

[柊斗]

「俺走り出す前は普通にトレーナーの勉強してたから、暇さえあればいろんな奴に教えてたからな。」

 

[ルドルフ]

「それで?」

 

[柊斗]

「学園の殆どの奴が俺のとこ来たから、別に1人増える程度なんとも思わないんよ。」

 

[テイオ―]

「でもいつ頃から走り始めたの?」

 

[柊斗]

「確かいつも通り勉強してたら急に『一緒に走ろ!!』って言われて走ったんよ。」

 

[ルドルフ/テイオー/マックイーン]

「「「ふむふむ。」」」

 

[柊斗]

「んで走ったら最速レコード出したから強制的に走らされるようになった。」

 

[マックイーン]

「走らないほうがおかしいですわ。」

 

[テイオ―]

「僕もあんな感じにトロフィーを並べてみたいな~。」

 

[柊斗]

「ならトレーニングするしかない。まあ俺選抜見に行かないといけないらしいが。」

 

[ルドルフ]

「何故だい?担当がいるなら行かなくていいはずだが。テイオーも担当になったし。」

 

[柊斗]

「やよいちゃんがチーム作れってうるさいんよ。」

 

[テイオー]

「やよいちゃん?」

 

[柊斗]

「秋川やよい。理事長だ理事長。」

 

[マックイーン]

「理事長をちゃん付けですの?!」

 

[柊斗]

「許可貰ってるから大丈夫だ問題ない。」

 

[マックイーン]

「問題大有りですわ……。」

 

[ルドルフ]

「と、ともかく選抜レースに行くのだな。」

 

[柊斗]

「ああ。っともう3時か。」

 

[ルドルフ]

「何かあるのかい?」

 

[柊斗]

「いや~今からコース行こうと思ってな。」

 

その言葉を聞いた瞬間、3人の目の色が変わり、しっぽがブンブンと左右に揺れる。

 

[テイオー]

「トレーニング?!今からシューズとジャージ取ってくる!!」

 

[マックイーン]

「わたくしも用意してきますわ!!」

 

そう言い残して2人は走って行った。

 

[柊斗]

「慌ただしいな。」

 

[ルドルフ]

「では私も着替えてくるとしよう。」

 

ルドルフも部屋から出ていく。

 

[柊斗]

「んじゃ、俺も準備するか。」

 

まずはストップウォッチを用意する。これがないと計測が出来ない。そしてビデオカメラ。これは振り返ったりする時に使う。そして最後に着替えとシューズ。何故かって?俺も走るから。

 

 

 

 

━━2000コース━━

 

[柊斗]

「とりあえず最初は並走してくれ。お前らの走りを詳しく見たい。距離は……まあ2400でいいや。ルドルフ中心で走ってくれ。」

 

[ルドルフ]

「了解した。では行くぞ。」

 

3人は走り出す。今はアップとほぼ同じなのでそれほどスピードは出てない。

 

[柊斗]

「テイオーの奴、走り方少し変わったな。この短時間で出来たな。」

 

テイオーの走り方が少し違う。アップだから違うように見えるだけかもしれないが、どこか違う。

 

走り終わり、3人がやってくる。

 

[柊斗]

「テイオー走り方変えたか?」

 

[テイオー]

「勿論!!怪我したくないからね!!色んなウマ娘に聞いちゃったよ。」

 

[ルドルフ]

「私の所までやって来てね、色々と聞かれたよ。」

 

[柊斗]

「偉いなテイオー。それじゃあ次はインターバルトレーニングしようか。1分全力疾走その後30秒流す。これを1時間やろう。時間ごとに笛を鳴らすな。」

 

[マックイーン]

「わかりましたわ。」

 

意外と疎かにしやすいこのトレーニング。これはスピードの持続力を高めるトレーニングだ。こいつらには絶対必要な物だ。一見簡単そうに見えるが、実際にやってみるとかなりキツイ。

 

[ルドルフ]

(これは……かなり脚にくるなっ!!)

 

[テイオー]

(普通にランニングしてるよりっ!!)

 

[マックイーン]

(キツイですわっ!!)

 

[柊斗]

「はいそこまで!!」

 

[ルドルフ/テイオー/マックイーン]

「「「はあ……はあ……。」」」

 

[柊斗]

「3人ともこれ飲め。」

 

[マックイーン]

「これは?」

 

[柊斗]

「自家製はちみつレモン。」

 

3人に飲み物を渡し飲ませる。

 

[テイオー]

「何これ美味しい!!」

 

[ルドルフ]

「サッパリしていて飲みやすいなこれは。」

 

[マックイーン]

「これは店に出してもおかしくないですわ!!」

 

[柊斗]

「ありがとうな。んじゃちょっとうつ伏せになってくれ。マッサージする。」

 

[ルドルフ]

「こうか?」

 

[柊斗]

「そうで〜す。は〜い力入れま〜す。」

 

ギュゥゥゥ

 

[ルドルフ]

「これは……中々気持ちいい……///」

 

[テイオー]

「カイチョー顔がニヤけてる。」

 

[ルドルフ]

「ほ、本当か?!///」

 

ギュゥゥゥゥ

 

[ルドルフ]

「あ……///」

 

[テイオー]

「……。」チーン

 

[マックイーン]

「テイオー?!」

 

[柊斗]

「はい終了。んじゃ次やるぞ〜。」

 

これを残りの2人にもやる。まあお察しの通りルドルフみたいになってた。しかしその分効果もある。

 

[マックイーン]

「体が軽いですわ!!」

 

[テイオー]

「何処までも飛べそうだよ〜!!」

 

[ルドルフ]

「体が走りを求めているみたいだ!!」

 

[柊斗]

「んじゃ今からタイム測るぞ〜。距離は2400、8割で走ってくれ。」

 

んで、8割で走れって言ったんだが……どうやら体が軽くなりすぎてそれ以上なっていそうだ。まあ無理をしているわけでは無さそうだからいいか。にしても、3人とも綺麗な走りをするよな。カブラヤオーとは真反対だな。なんやかんやアイツはあれで普通だからな、何とも言えん。

 

[柊斗]

「は〜い今日はここまで〜。」

 

[ルドルフ]

「む、もうこんな時間か。」

 

[テイオー]

「ありがとうね!!トレーナー!!」

 

[マックイーン]

「またよろしくお願いしますわ。」

 

[柊斗]

「いやトレーナーだから当たり前だろ何言ってんだお前は。」

 

こんな雑談をしながら4人は戻って行った。だがこの時、何人かのウマ娘が見ていた事を、彼等は知らない。




とまあこんな感じで書きます。もう一個何しよっかな。

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