家出少女の奇妙な日常   作:アッシュクフォルダー

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第十六話 本当の共同生活

風太郎は詩織を抱きしめた。

 

「嫌だね、俺は詩織を抱いたりしない。

正直言って、すごく可愛いと思う。

女子高生にしては、肉付きや、スタイルも良いし、

家事も出来て、最高だ」

 

「ふふぇ…」

 

「でも、俺はお前に恋はしない。

俺は好きでもない、女を抱こうと思うつもりは、

一切無いし、思わない。

 

そこに、女子高生も、男子高校生も、

関係ない。俺は詩織の裸を見たいとも、

思わないし、エッチをしたいとも、

微塵にも思わない。

 

他の奴が、どうかなんて、知らない。

俺は、そういう男だ!わかったか?」

 

「うん…」

 

「あー!もう!詩織!さっさと、服を着ろ!」

 

「あっ!はいっ!」

 

「お前は俺に何も出来ないって、言ったけど、

そんなことねぇよ。

これまで、俺にとって、家は飯を食って、

風呂に入って、寝る為だけの空間だ。

 

学校も楽しいし、それでいいと思っていた。

 

でも、詩織が来てから、

俺にとっての家が変わったよ。

 

家に帰ると詩織が、

美味しい飯を用意してくれるし、

風呂も沸いているし。

詩織が笑って出迎えてくれる。

 

くだらない会話を、しながら、飯を食って、

一人じゃない部屋で寝る。

 

それだけで、ある意味、居心地の良い、

場所になった。早く学校終わんねーかな…

って、時々、思ったりするくらいだ。

 

だから、俺は詩織に、どうこうして欲しいわけじゃない。

俺は、詩織より、一個上の男子高校生だしな!」

 

最初から、そう言えば、よかった…

 

「ここに、居てくれないか、詩織」

 

詩織が泣き始めた。

 

「うぅ…うわわわわぁぁぁん!それで…いいの?」

 

 

「あぁ、もちろんずっと、なんで言わない。

お前が帰りたいって思うまで、居てもいいからさ。

無欲で、可哀想な、男子高校生だ、だろ?」

 

「ふふっ…ありがと…風太郎くん…

一緒にいてあげる!」

 

「あぁ、そうしてくれ」

 

男子高校生の俺に、女子高生は、

やっぱり、難しい。

 

ただ、女子高生の詩織にも、

きっと、俺は難しい人なんだろう。

 

 

お互いの弱点をさらけ出せた今、

ようやく、真の共同生活が始まったかもしれない。

 

 

ある日の雨の日、

傘を忘れた、風太郎は、どうしようかと悩んでいた。

 

そんな時だった。

 

「お困りですね?風太郎くん?」

 

「詩織!」

 

「傘、家に置き忘れていたから、

持ってきちゃった!」

 

「あぁ…」

 

「何か言う事は?」

 

「あ、ありがとう…」

 

ずいぶん、生意気になったな…別にいいけど。

 

「ふ、よろしい、じゃあ、帰ろうか!

恵梨香ちゃんと一緒にご飯作ったんだ!

風呂も沸いてるからね」

 

「ありがと」

 

恵梨香とは風太郎の妹である。

 

風太郎と詩織は、高坂家に帰り、

晩御飯を共にした。

 

「これらも、こんな幸せな日々が続いたらいいのに」

 

「そうだな」

 

続け。風太郎はそう思うのだった。

 

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