家出少女の奇妙な日常   作:アッシュクフォルダー

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第二十七話 楽器担当

楽器を演奏する。スタジオにて。

志歩の指導の元、

 

後藤ふたりがボーカル、花海陽菜がキーボード、

富樫夢葉がギター、日野森志歩がベース、結城龍馬がドラムで、

それぞれ自主練をしていた。

 

なお、ふたりと志歩以外は、楽器経験は無い。

 

「ストップ。龍馬。ドラムは叩けているけど、

リズムが少し走っている。

一定のテンポをキープして」

 

「おう。わかったぜ」

 

「それにしても、龍馬がドラムをやるなんて、意外だね」

 

「俺は穂波に頼まれただけだ」

 

「ギターの富樫さんは、逆に遅れているから、気を付けて」

 

「わかった」

 

「じゃあ、もう一度、頭から」

 

4人は返事した。

 

(ふたりは経験者だから、ともかく、

他の三人、龍馬や花海さん、富樫さんも、

喰らい付いている)

 

「花海さん。フレーズをごまかさないで」

 

「す、すまなかった…」

 

その後…

 

「ストップ」

 

「また、走ったのか?」

 

「ううん、以前よりは、まだマシになっている。

だけど、まだ、まとまっていない」

 

「そうか。俺もまだまだだな」

 

「龍馬は今までよりも、ちゃんと叩けているから」

 

「そうか」

 

「跳ねるのか?伸ばすのか?止めるのか、

人によって、バラバラだから、誰かに合わせたいけど…」

 

志歩は考えだす。

 

(誰かに合わせると、曲の印象が大きく変わる。

この曲の場合は、誰に…ふたりか、龍馬か…)

 

その後…倉谷桃子がやって来た。

 

「失礼します。状況を確認しに来ました」

 

「わたしは、その付き添いで…」

 

と、草薙寧々もやって来た。

 

「あ、草薙さん、倉谷さん。お疲れ様」

 

「えっと…日野森さん達のバンドチーム。順調そう?」

 

「想定よりも、良いペースで出来ている。

ただ、ちょっと曲の表現の仕方について、迷ってて。

今は、主人公が家を抜け出して、

町で遊ぶシーンの曲をやっているけど、

ここって、何を一番表現したいか、教えてもらっていい?」

 

「何を…か…そこは、主人公が様々な音楽家に出会って、

歌のことがもっと好きになるイメージだから、

胸がときめいて心境が変化する感じを表現してくれたら、

嬉しいな」

 

「ドキドキする感じか…」

 

志歩はワンフレーズだけ、ベースを弾いた。

 

「凄い…」

 

「跳ねる感じの方が良いかな?

だったら、ふたりの歌い方に合わせて、

余韻を少し残しつつ、音を短めにしてみよう。

前奏だけ、やってみよう。それじゃあ…」

 

と、ふたりの歌に合わせて、演奏した。

 

「わ…!」

 

(音が綺麗に跳ねて、ドキドキする気持ちが伝わってくる…!)

 

「よし、かなりよくなった。

でも、夢葉。逆に音が長いから、

もう少し速く指を浮かせて、演奏して」

 

「わ、わかりました!友のためにも…!」

 

「やるからには、妥協しないよ」

 

「志歩らしいな。嫌いじゃないぜ?」

 

もう少し頑張る事になった。

 

そして…

 

「おーい!みんな―!差し入れだよー!」

 

「あっ、詩織」

 

今川詩織が、握ってくれた、おにぎりを、

人数分、差し入れた。

 

それを休憩室で食べる事になった。

 

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