ニコポとナデポを要望したらボコポをもらいました。   作:胡椒こしょこしょ

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身体は暴力を求める....。

五車学園。

対魔忍を養成する為の学校。

正直、俺からしてみれば対魔忍養成とかオナホ工場と変わんねぇじゃんと思わせられるが、それはまぁ作品を見ているプレイヤーという神の視点から見て浮かんだ感想である。

彼ら自身は古より日本各地で魔と戦ってきた忍たちの末裔として誇りを持っている。

 

廊下を歩く。

すると、女子生徒の視線を感じる。

以前であれば、女子から注目されるなんて跳んで喜ぶことだが今ではまったく喜べない。

どこからともなく、彼女達の声が聞こえてくる。

 

「見て、天元突破マゾが歩いているわよ....。」

 

「脇に逸れましょ、足が当たっただけで告白されるわ。」

 

こちらを気持ち悪がるような声。

そして、横に避けて行く少女達。

まるでJKの十戒やぁ.....。(白目)

 

そうふざけてないとやっていられないような環境。

しかし、そんな中いきなり肩を掴まれる。

えっ、ちょっすげぇ痛いんだけど....!

肩外れるよこれ、何俺オーガにでも肩掴まれているの?

 

「好き!!!誰!!?!」

 

まるで気さくな挨拶と言わんばかりに口から好意を伝える言葉が勝手に出てくる。

俺は痛みを感じるようなことをされると好意を伝えてしまうのだ。

誰にやられたのか見る為に振り返って肩を掴んできた人物を確認すると言葉を失ってしまう。

 

白い髪に、勝気な目。

滅茶苦茶良いプロポーションであるにも関わらず、まったく心が躍らない。

それもそのはず、その人物が人物であるから。

そこには....。

 

「よっ♪ちょうどいい。暇だから俺と特訓だ。私の事好きなんだろ?」

 

ニヤリと恐ろしさしか感じない笑みを見せる女性。

眞田焔。

現役対魔忍であり、長らく任務に就いており沢山の魔族との戦闘をこなしてきた実力者。

そして戦闘狂であるがゆえに里に戻ってくると教師だろうが生徒だろうが誰彼構わずに特訓と称してボコり始める俺の恐ろしい先輩である。

正直狂犬だと思う。

 

しかし、俺が青ざめたのはそういうことではない。

それは、俺は一度この人にボコられたことがあること。

そしてそれによって....。

 

「ひゃ、ひゃい....❤分かりました....❤❤」

 

この人に身体がガン堕ちしてノーと言えなくなってしまっているからだ。

 

俺は転生者。

生前モテなかったが故に、楽してチーレムを築こうと神様にニコポとナデポを要求したらボコポをもらった男。

しかも惚れるのは殴られた俺の方っていうね。

何の意味もないよねっ!!

俺が惚れてどうすんだ。

 

 

 

 

 

 

「んほぉぉぉぉ❤痛みがしゅごいのほぉぉぉ❤❤ピィギィィィィィ❤❤❤」

 

演習場に連れ出されて数分。

炎を噴き出す感じの長物でボコボコ殴られながら悶えていた。

最後に至っては屠殺場の豚と見まごうかのごとく有り様。

もうね、身体中砕けるくらい痛いの。

でもね、殴られれば殴られるほどに身体が快楽にむせび、心が喜びから叫びたがってる。

胸がキュンキュンするんですわ。

悔しい...でも感じちゃう....。

どうやら俺は正しく対魔忍のようである。

 

まるで何がニコポナデポだオラ!テメェが堕ちるんだよッ!!と言わんばかり有り様。

もう一度神に会えるのであればなんでこんな特典にしやがったのか小一時間問い質したい所である。

 

「相変わらずお前、オークみたいな見た目してる癖に結構タフだよな。やりがいがあるってもんだ。」

 

「ハ、ハヒュッ...!見た目は関係ないと思いまふ、ぶふっ❤」

 

「いちいちうるせぇよ。オラ、誰も返事しろとは言ってねェだろぉ?」

 

眞田先輩は関心したように声を出すも、俺の声を聞いた瞬間またシバキ出す先輩。

理不尽なんだよなぁ.....。

くっそ~、眞田さんめぇ....(西片)

楽しそうにボコる姿見て、彼女がまともな人間性を持っているのか疑わしくなる。

でも、どこかシバかれて心躍らせている自分が居るのが恐ろしい。

これが特典の力か....人の心を変えるだなんて、ふざけるなよ!

特典なんかには絶対に負けないッ!!

 

特典だけでなく、自分の生まれ方にも文句はある。

だって考えてみ?

もうね、大体転生とかって銀髪碧眼オッドアイ的な感じで見た目整えるじゃん。

変わんねぇの、見た目もうまんま生前の通りのオークなの。

しかも嗜好は変わらないので吃音症のクソデブなんですわ...これは自業自得だな。

美男美女夫婦から俺のようなデブが生まれて来たのが普通に両親に申し訳ない。

ちなみに妹は普通に可愛いよね、普通に家庭内でも妹にいびられるに決まってるよね。

 

ただ妹にいびられているのに、足で小突かれるだけで許して仕舞える自分が居るのが恐ろしいよね。

くっそ~、妹めぇ....(西片)

転生特典のせいで俺の純情は滅茶苦茶だった。

 

「いや、でも本当お前が居てくれて助かったぜ....全力でシバキ回しても壊れねぇもんなぁ?」

 

「ヒフッ!それはサンドバックへの感想なのでは...アァン❤」

 

今まで一番言われて嬉しくなかった居てくれて助かっただった。

....嬉しくないんだから!!(ツンデレ)

殴れば好きになるとかチョロさの極限進化じゃん。

デブストリームバーサスマゾチストォォン!!

 

槍でチクチクされるどころかバキバキされて頭クラクラする。

頭をやるのはやめちくり~。

眼鏡外しててよかったって思うわけ。

アイツはこの戦いにはついて行けないだろうからな....。

 

「お前は私のサンドバックで上等だろ?なぁ....?オラ!ボコられダブルピースしろ!」

 

「はひぃぃぃ❤サンドバックで良いでしゅぅぅぅ❤ぴーしゅっっ❤❤」

 

悔しい感じちゃう....。

何故かボコられながら他の対魔忍が回想シーンでやってそうなアヘ顔ダブルピースをやっている自分が居た。

なんだろう、恫喝されて快楽を覚えている自分に驚いてんだよね。

これも全部転生特典のせいなんだよなぁ....神様は悔い改めて。

冷静に考えてクソデブのアヘ顔ダブルピースとか誰得でしょ。

 

すると、背後の演習場の扉が突然開いた。

そして、そこにはこれまた眞田先輩のように恵まれたプロポーションをした美女が立っている。

八津紫。

五車学園の教師であり、そして対魔忍アサギの主人公にして対魔忍勢力最強の存在である井河アサギのシンパ...っていうかクレイジーサイコレズだね。

これまた勝気な目で眞田さんと同じく強い女感するよね。

くそ....対魔忍どいつもこいつも強い女しかいない!

なんか柔らかな感じのほわほわ系が少ないぃ!!

しかも一番嫌なのが特典に捻じ曲げられてそういう強い女の人を見るとドキッとしてしまう自分が居ることなんだよねぇ!!

 

紫先生は俺を見て、一瞬表情を引きつらせながらもすぐに仏頂面に戻る。

まぁそりゃオーク似のクソデブがアヘ顔晒してそれを女性一人が見てると絵面として地獄ですわな。

悪夢かな?って俺が見たら思うわ。

 

「贄波、アサギ様がお呼びだ。校長室に来い。」

 

井河アサギはこの五車学園の校長でもある。

校長室に呼ばれるようなことはしていないはずだが....。

いや、なんか足が当たった人に男女問わず告白してるなぁ。

もしかしたら生徒からクレームが集中してお前、学校から降りろってアサギ校長に言われるのかもしれない。

学校辞めた対魔忍ってどうなるんだろ?

闇堕ちかな?...なんかしょぼいな。

 

「フ..フヒュ...、お、俺何かしましたか?」

 

尋ねると、八津先生が答えてくれる。

 

「お前に任務が下される。たしか...お前にとっては初任務だったか。」

 

「に、ににに...任務ですとぉ!?」

 

任務ってあの任務か!?

魔族倒したり、ヨミハラ言ったり拉致られて調教されたりするあの任務!?

それは....結構まずいのでは?

対魔忍は感度3000倍とかネタにされる要素が多いが、本来は結構シビアでモブ厳な世界である。

それこそSFサイバーパンクっぽい世界観も相まって多分簡単に人が死ぬんやわ。

そんな世界で任務とか、不安にならないわけがない。

 

「お、ついにお前も任務か。まぁタフさは私がこれまで見た連中の中でも五本指に入るくらいだし、普通にやってれば死なねぇよ。頑張れよ♪」

 

「しぇ、先輩.....。」

 

こちらに笑顔でそう言ってくる眞田さん。

凄い先輩感....さっきまで人をいたぶって喜んでいた人間と同一人物とは思えないね。

まぁタフなのは割と当然なのだ。

特典の影響もあるし.....。

ただなぁ....一緒に任務する相手が女の子だったら円滑にコミュニケーション取れる気がしないなぁ.....。

 

 

 

 

 

 

校長室。

俺は一人の少女と対面している。

 

「綴木みことですっ!電脳戦や精神戦ならお任せください!センパイ!!」

 

案の定女の子だったわ。

しかも相手は綴木みこと。

他人の恋愛は大好物な癖に警戒心が強いので、同僚とも一定の距離感を保っている子。

しかも専用のデバイスがないと、武芸や運動はからっきし。

つまりは僕のようなキモさの塊は警戒の極みってことだな!!

泣きそう。

 

ほら、心なしか綴木さんの距離が遠いもん。

あれだよ、なんか仲良くしないといけないから仲良くしてる感。

普通に傷つくアレだよ。

やめてよね....僕は普通のキモデブじゃないよ!

暴力を振るわれないと好きになんかならないんだからねっ!

普通に滅茶苦茶キモイじゃん。

キモさの極限進化じゃん。

キモストリームマゾチス(ry

 

「オフッ...!に、贄波源五郎です....よ、よろしくぅ....」

 

自分でもキモイと思うわ。

ニチャってそう。

自己紹介をしてくれた綴木さんに対して俺も自己紹介し返す。

すると、その様子を見てアサギ校長が口を開く。

 

「顔合わせは出来たわね。今回貴方たちに命じるのはとある研究施設の無力化と研究データの取得よ。この研究施設はどうにも農薬に偽造した生物兵器を製造していると噂がある。そこを.....。」

 

渡される書類に目を通る。

どうやら別動隊がわちゃわちゃしている間に、俺と綴木さんで施設に色々するらしい。

しかし、それにしても綴木さんは分かるけどなんで俺なんだろうか?

そう思いながらもある箇所に目が留まる。

 

「は、はひっぃ!」

 

「ん?どうした贄波。」

 

声を裏返しながらも頑張って手を挙げる。

するとアサギ校長は聞いてくれる。

 

「あ、あの...これ俺の役割って弾避けですか....?」

 

「違うわ。侵入時の綴木の護衛よ。」

 

「いや、弾避けじゃないですかぁ!」

 

記述には俺が彼女の代わりに攻撃を惹きつけるとある。

つまりは囮、悪く言えば弾避けだった。

今の俺の最もやりたくないタイプの仕事だ。

 

「アサギ校長はお前の継戦能力と頑丈さを買っているんだ。綴木はハッキングに秀でている物の、実際の戦闘においては懸念要素がある。彼女をうまく運用するにあたっては、お前が必要不可欠だ。」

 

いや、やりがいがあるとかどうかの話じゃなくてですね....。

俺は特典の影響でシバかれたりと傷つけられると反射的にその人が好きになってしまう。

そして彼女の壁訳。

つまりは一方的に攻撃を喰らう可能性が高いということ

これは最悪の予想ではあるが、周りのオークや戦闘員に対して告白し散らかす俺という異常な光景が戦場で広がる可能性があるのだ。

少なくとも男に告白はしたくない。

 

「ねっ!お願い!あなた以外に実戦に耐えうるほどに頑丈な子ってそうそう居ないのよ!その...受けてくれたら有難いな~って。」

 

そう橙色の髪の女性が頼んでくる。

彼女は五車学園の教師であり、アサギ校長の妹である井河さくらである。

親しみやすく、ファンも多い彼女だがアサギ先生や紫先生と同じく滅茶苦茶強い。

影から出てくるもん。

そんなん、出来へんやん普通!

ホンマこいつら半端ないって!!

....正直対魔忍勢力はこの人たちがすごいインフレしていると思う。

それで恐ろしいのはそのインフレに魔族側とかもついて行っているって点だな。

 

周りの人たちはめっちゃ俺を見てくる。

やめろ...そんな目で俺を見るな!!(ATM)

まるでここまで言ったんだから受けてくれるやろみたいな空気。

無言での強要は一番醜いってそれ一番言われてるぞ!

絶対に断ってやる...口に出して嫌ですって言ってやる!

絶対に同調圧力なんかには負けないッ!!

 

「は...は...ハヒュ...、う、受けましゅぅ....。」

 

同調圧力には勝てなかったよ....。(即堕ち2コマ)

ほら、普通に考えて吃音クソデブがこんな強そうな人たちの申し出断れるわけないよ。

だってさくら先生とか普通に命令じゃなくて頼み込んでたんだよ?断りづらいわっ!!

俺は弱い....そもそも特典とか関係なくメンタルクソカスやん.....。

 

「そう言ってもらえて助かるわ。それでは再度後日集めるのでそのつもりで....退室して構わないわよ。」

 

アサギ先生は俺の答えを聞いて満足げに微笑むと部屋から出るように言ってくる。

すると隣の綴木さんはそそくさと部屋から出て行った。

こんなコミュ力ないデブがああいう活発系な女の子と二人で任務とか俺の胃を破壊しに来ているでしょ。

はぁ...憂鬱だ。

俺も溜息を吐きながら部屋から出た。




女子生徒A:あれ魔神ブーじゃね?
女子生徒B:あっ、本当だ。

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