どうやら俺はたくさんの世界に転生するらしい【完結】   作:夜紫希

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作者から一言。


―――「めちゃ可愛いベルファストって知ってる?」



試験対戦で絶対に動揺してはいけない24時!

見事?任務に成功した慶吾には大樹特製デザートの一品。幻のチーズケーキが贈呈された。

 

三ツ星シェフが発狂するレベルの美味しさ、世界が認める至福の味、チーズケーキの次元を超えたチーズケーキ。

 

高級食材で調理されたケーキの価格は推定一千万円。大樹シェフは「一般人は手を出してはいけない。廃人になるからな」と震えた声でコメントした。

 

 

「ッ—————」

 

 

慶吾はそれを口にした瞬間、涙をこぼした。

 

 

「世界を、救おう」

 

 

「ぶっ壊れた!?」

 

 

「俺の料理なら当たり前の反応だが、ここまでとは予想できなかったぜ!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

三人が尻を更に痛めて騒ぎ出す。そんな騒動がバスの中で数十分起きていた。

 

 

________________________

 

 

 

「———続いて文月学園に到着です。皆様、お疲れのご様子ですが、まだまだ続きますよ?」

 

 

「聞きたくなかった」

 

 

リィラの口から聞かされた残酷な真実に大樹は顔に手を当てて涙を流すしかない。原田と慶吾の目は既に死んでいた。死んだ魚の目に限りなく近い。

 

案内されたのは文月学園のFクラス。今はAクラスに連れて行かれても喜べる気がしない。待っている地獄は変わらないのだから。

 

見える。扉から邪気が溢れているのが。ああ、こんなにも(おぞ)ましい教室だったのか。

 

 

「今からこの教室で———」

 

 

「あー開きたくない! 武偵高と同じ展開が予想されている! 今度は死人がさっきより倍は出る!」

 

 

「ギリギリ死人はいなかったけどな」

 

 

リィラの説明に耳を塞ぐ大樹。死人は出ていないと原田は言うが、意識不明者が出たことは口から言わない。

 

 

「大丈夫です大樹様。今回はもっともっと簡単。少しだけ特殊なだけで———『安全な』学力テストを行って貰います」

 

 

「「「嘘だぁ!!!」」」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

ひぐ〇しネタってまだ通じる? いや、そんなことより俺は信じない。この俺、楢原 大樹の直感が言っている。『おいおいおい』『アイツ死ぬわ』みたいな感じで俺を見捨てやがる! 自分の直感に見捨てられるとか新し過ぎて……もう別に驚かないわ。

 

 

「一応聞いておくが、今回は何を罰ゲームを賭けるんだ? 慶吾の手に入れた菓子は、ある意味毒物だったぞ」

 

 

「忘れろ」

 

 

「そうだそうだ。黒幕が世界を救うとかどんな急展開だよ。主人公交代かと思ってビビったぞ」

 

 

「忘れろ」

 

 

「次は宮川様の様な失態を見せるような物を賭けるわけではありません」

 

 

「わ・す・れ・()

 

 

「最後の文字に殺意込め過ぎ。分かったからやめろやめろ。オールバックの髪を前後に擦らないで」

 

 

あのヘヴン状態から今の慶吾に戻すのにどれだけ苦労したか。ただでさえ信用できるのは己だけなので、これ以上敵を作るわけにはいかない。素直に忘れる。はい忘れた忘れた。完全記憶能力? 知らないことにしておいて。

 

 

「次のゲームを有利に進める為の布石と言いましょうか。特に大樹さんは一位を取らないと後悔しそうです」

 

 

「むむ、むむむむむ、これは次も危険だと言っていますねぇ」

 

 

「……何のモノマネだ」

 

 

「いや俺に聞くなよ。大樹に直接聞けよ。大体……宮川は俺と大樹の関係を何だと思っている」

 

 

「……………ホ」

 

 

「言うな殺すぞ」

 

 

「お前らどっちも殺意高過ぎぃ! あと古畑〇三郎を知らないとかゆとりかよぉ!」

 

 

大樹がツッコミを入れると、慶吾は真顔で答える。

 

 

「相〇派だ」

 

 

「〇棒は別にきのこの山とたけのこの里みたいに対立してねぇよ? 俺も見たけど」

 

 

「太〇にほえろ!派は俺だけか?」

 

 

「原田!? お前何歳だ!?」

 

 

ここの奴らはズレている! 俺しかまともな奴はいねぇのか!

 

 

「おい。今自分はまともな人間とか思っただろ」

 

 

「お、思ってねぇし!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「どれだけの付き合いだと思っている。顔に出てんだよ……あと尻」

 

 

「出てねぇよ!」

 

 

「いや顔の形を手で変えようとしている時点でバレバレだろ……」

 

 

「———話がかなり脱線しているので戻しますね。では教室の中に入ってください」

 

 

リィラの不思議な力で無理矢理教室の中へと入れられる。何だこの神の力でも抗えない力は!?

 

 

「……というか動揺しないなお前たち」

 

 

「結構慣れた証拠だろ。今の会話でケツロケット食らったか宮川?」

 

 

「……いや」

 

 

「戦争か? デッド、アンド、デッド?」

 

 

「アホ。今の状態なら二対一でお前が不利だぞ」

 

 

馬鹿な会話を繰り広げながら教室の中を見渡す。古びた畳にヒビの入った壁。

 

しかし、そこには誰も居ない。武偵高のような不良問題動物は見えない。

 

 

「ちゃぶ台……懐かしいな」

 

 

「これで勉強とかビックリだよな」

 

 

「……………」

 

 

三つ横に並んだちゃぶ台に窓側の左から大樹、原田、慶吾の順に座る。黒板には何も書かれていないが、待っていれば始まるだろう。

 

それまで暇なので動揺しない遊び、しりとりで遊んだ。まぁ俺の完全記憶能力を利用して原田に『ぷ』で全部返したがな。ワンチャン動揺してくれると思ったが、時間が来てしまった。

 

 

ガララララッ

 

 

ノックも無しに突如開けられたドア。そこから顔をのぞかせたのは、

 

 

「バァ」

 

 

人体模型を抱きかかえ、幽霊のような美人の医者―――室戸(むろと) (すみれ)が登場した。

 

 

「「ギィヤァアアアアアアアァァァ!!!」」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

恐怖で絶叫したのは大樹と原田。特に大樹は酷く、窓を開けてリバース。思いっ切り昼に食べた物を吐いていた。

 

 

「は?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

慶吾は大樹の異常な怯え方に動揺。原田はガクガクと震えながら教室の後ろまで逃げていた。

 

 

「解剖されるぅ! 解剖されるぅ! ガストレアにされるぅ!」

 

 

「お、おげぇ――――――――――――――!」

 

 

「素晴らしいリアクションをありがとう。あとはこれが人体模型じゃなく、エリザベスだったら私は満足だったのだがね」

 

 

ニコニコの笑みを見せる室戸は初めて会う慶吾に近づいては挨拶をする。

 

 

「初めまして室戸 菫だ。死体になる時は歓迎するからいつでも言ってくれたまえ」

 

 

「なるほど、狂人か」

 

 

「狂人の方がまだマシだ! そいつは平気な顔で死体から出て来た食べ物を俺たちに渡すような変態だ!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

口元を拭きながら叫ぶ大樹。さすがの慶吾も動揺する伝説に引いていた。

 

 

「でもロリ太郎君はアレから三回は口にしたよ?」

 

 

「安らかに眠れロリ見」

 

 

「酷い言われようだな。被害者可哀想だと思わ―――思わないよな。思わないからこんな非道できるもんな」

 

 

「何一人で納得しているロリ田」

 

 

「おいやめろ。お前もロリ原だから?」

 

 

「それwwwお前のことwwwじゃねぇかwwwダブルロリの原田www」

 

 

「さぁ戦争だ」

 

 

ガチギレするなよ。二割くらいの冗談だろ。

 

 

「さて、交流も仲も深め、そのまま死体魅惑まで深めたいがそろそろゲームの時間だ」

 

 

「ぜひそのまま全て深めないで良いですよ先生」

 

 

「ちなみに私は君の死体に一番興味がある」

 

 

「死ぬまで聞きたくなかった」

 

 

大樹が酷く落ち込んでいるが、教卓から室戸が取り出したのはプロジェクター。黒板に映されたのはクイズ番組でも始まるかのような場所だった。

 

赤、青、緑の三つの席に大樹たちは何となく察する。最初に声を出したのは原田。

 

 

「もしかして、あそこに座って問題を答えるのか?」

 

 

「甘いな原田。それなら俺たちはここに連れて来る意味は無い。恐らく……」

 

 

「あの席に誰かが座る。俺たちは何かしらの予想をする」

 

 

「ふむふむ。これだけ賢いと脳の解剖は必須だな……」

 

 

「「「……………」」」

 

 

すぐに黙り出す三人。大樹は逃れる為に馬鹿を演じる。

 

 

「ぱぱいや」

 

 

「やめろ。そのあたまのわるいひとの顔はやめろ」

 

 

はい、すいません。

 

反省していると室戸が説明を始める。

 

 

「今から赤、青、緑の三色にそれぞれ二人の生徒が座る。どの色が一番正解数が多いのか予想してもらうのだよ」

 

 

「先生。個人的に黄色が好きなので赤の代わりにお願いします」

 

 

「いや緑にしとけよ……何で一番赤を―――」

 

 

その時、プチッと映像が暗転する。数秒後にはまた同じ光景が映し出されるが、赤色の席が黄色に変わっていた。

 

 

「仕事早ッ」

 

 

「大樹君は黄色。じゃあ二人は何色かね?」

 

 

「原田が消そうとした緑」

 

 

「何でわざわざ俺のこと言う。別に青でいいが……」

 

 

ブツブツと文句を言いながら色を選ぶ原田。特に揉めることなく決まった。

 

 

「早くて助かる。では生徒の登場だ……そうそう、言い忘れていたけれど君たちが動揺する毎にポイントがマイナスされるから注意したまえ」

 

 

「「「え?」」」

 

 

パンパカパーン、パンパカパンパカパン、パパーン!

 

 

最後の最後に嫌なことを告げた室戸。それについて問いただす前にクイズ番組のように軽快な音楽が鳴り出した。

司会者席のような場所に立ったのはなんとあのロリコン。

 

 

『えー、このゲームの司会をするのはって誰だロリコンってテロップ出した奴は!?』

 

 

ロリコン―――もとい里見(さとみ) 蓮太郎(れんたろう)だった。

 

ちなみ俺たち三人は小馬鹿にするように指を指して笑っていた。あの慶吾ですら鼻で嘲笑うレベル。

 

 

『ったく、早く終わらせねぇとな。じゃあ黄色チームからの紹介だ』

 

 

「頼む! まともな奴! 真面目な奴! とにかくサイコパス要素が無ければいいです!」

 

 

大樹の祈りは果たして届くのか!?

 

 

『黄色チーム、一人目はAクラスの秀才美女! 何故か弟の方が人気のある木下 優子だ!』

 

 

『その紹介はやめてくれる!?』

 

 

「よっしゃあああああああああ―――!!!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

文月学園の制服に身を包み、頬を赤くした優子の登場に大樹は全身で喜びを表現した。とりあえず尻で分かる。

 

 

『そして二人目は男を駄目にするメイドナンバーワン! 愛するご主人様の為に来た、リサ・アヴェ・デュ・アンク!』

 

 

「———あああああああああんんんん!?!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「面白い反応ばかりすんな。こっちまで食らうわ」

 

 

この数秒でケツロケットを二度も食らう大樹。混乱状態に陥っていた。

 

 

『旦那様……いえ、大樹様の為にリサは参りましたよ!』

 

 

「やべぇよこれ……優子にいろいろとバレて芋づる式に全員知れ渡るパターンだ……弁当の件もあるのに、どうしよ……」

 

 

「さっきまで喜んでいた奴に見えないよな」

 

 

頭を抱えてちゃぶ台に汗をボタボタ流す大樹に原田は苦笑。すると優子がこちらに手を振っていた。

 

 

『大樹君、見てる? 黄色を選んだわよね? ちゃんと分かっているわよ!』

 

 

「超見てる! 世界の命運より優子のこと見てるから!」

 

 

「「おい」」

 

 

『———弁当の件も、アリアから聞いたから後でね!』

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「……………」

 

 

「「くっ……!」」

 

 

突然満面の笑みから無言の真顔で黙り出す大樹に原田と慶吾は必死に笑いを堪えている。ケツロケットを気にしているわけではない。

 

理由はすぐに判明する。言い辛そうな雰囲気で蓮太郎が説明してくれるからだ。

 

 

『……悪い知らせだ。今の紹介だけで選んだ奴が三回も動揺したせいでマイナス3ポイントからゲームが始まることになる』

 

 

『『えぇ!?』』

 

 

「あッ、やばッ」

 

 

そう、ポイントがマイナスされることだ。勝つ為には動揺しないことが大事だと原田と慶吾は察したのだ。

 

 

『まぁその人らしいと言えばその人らしいな。馬鹿な意味で』

 

 

「あのロリコン覚えてろよ」

 

 

『次は青チームの紹介だ』

 

 

「大樹が結構良いチームを引いたから……嫌な予感が……」

 

 

唇を噛みながら祈る原田に蓮太郎は紹介を続ける。

 

 

『青チーム、一人目はこんなにいじる予定じゃなかった! 作者がちょっぴり好きだったポニー! 別名、西城(さいじょう) レオンハルト!』

 

 

『違ぇ!! 別名違うからな!? 本名だからなそれ!?』

 

 

文月学園の制服を着た魔法科高校の生徒がここで乱入! 原田選手は微妙な顔で何も言えないぞぉ!

 

というか蓮太郎、ノリノリの自己紹介だな。ちょっと楽しそう。

 

 

『二人目は悲劇のヒロイン!? 明かされなかった別れ際、しかし夫は死んだみたいだぞ、七罪(なつみ)!』

 

 

『やめてええええええェェェ!!!』

「やめろおおおおおおォォォ!!!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

同時に頭を抱え出す悲劇の二人。同じ反応で同じ動きをするもんだから笑いそうになる。というか紹介が結構えぐい。

 

 

『まぁ落ち着け。人生のスタートは知らないが、黄色よりポイントは減点されていない。ゲームは良いスタートを切れそうだぞ』

 

 

―――アイツ鬼か。

 

いや、違う。野郎、楽しんでいやがるな。……何かストレスでも溜まっているのか?

 

次は慶吾の紹介。ここまで良い流れが来ている。つまり、だ。

 

 

「「さてと、オチ担当の番か」」

 

 

「撲殺するぞ」

 

 

何故か自分たちが最初に来たおかげか安心できた。武偵高の経験で分かる。とびっきりのオチが。

 

 

『最後は緑チームの紹介だ』

 

 

「勝ったな」

 

 

「貰ったな」

 

 

「お前ら……何でそこまで自信を持てるのか理解できん」

 

 

ドヤ顔で勝利を確信していると、慶吾は額を抑えながら呆れていた。

 

 

『緑チーム、一人目! 何度も出て恥ずかしくないんですか? シャーロック・ホームズ!』

 

 

「「な、何ぃいいいいいいいいい!!??」」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

激しく動揺する大樹と原田。ちゃぶ台の上に乗った慶吾は高らかに右手を空に向かって掲げていた。

 

 

「馬鹿な!? 奴は死んだはずだぞ!?」

 

 

「完全に白目剥いていたはず……ゾウすら殺せる兵器に耐えたというのか……!?」

 

 

『ふむ……恐らく二人は私に対して疑問に持っていると推理できる。ならば答えよう』

 

 

名探偵はクスリッと笑みを見せながら推理を教えるのだ。

 

 

『とある美人の医者に助けられた……そこまで言えば分かるんじゃないかな?』

 

 

「「目の前に居るマッドサイエンティスト(医者)ことか!?」」

 

 

「ハッハッハッ、死体にしちゃうぞ☆」

 

 

思わぬ伏兵に大樹と原田は汗を流した。このクイズ番組みたいなゲームに参加してはいけない奴ランキングでナンバーワンに輝く奴だぞ。

 

まさか助かっていたとは……相変わらずしぶとい奴め。

 

 

『まぁ、まさか死体の胃袋から取り出したサラダを御馳走されるとは推理できなかったけどね』

 

 

『……ドンマイ』

「それはドンマイ」

 

 

経験者の蓮太郎と大樹の声が重なる。それだけは同情する。ホント。

 

 

『それと私は少ししか力を貸せない。大樹君のように全てを片付けれるような最強っぷりには期待しないでくれたまえ。もう一人に期待してくれたほうがいい』

 

 

「さりげなく俺を人外扱いするのやめてくれる?」

 

 

『っと二人目の紹介に移るぞ』

 

 

大樹の声が届くわけでもなく、紹介は再開される。

 

 

『ここで登場するのか!? 複雑な関係のままなのに!? いいの!? 本当にいいの!?』

 

 

緑チームの二人目に、大樹と慶吾は目玉が飛び出るくらい仰天した。

 

文月学園の女子制服を身に纏った、あの方の登場に!

 

 

『———阿佐雪(あさゆき) 双葉(ふたば)!』

 

 

『あははっ……い、いえーい?』

 

 

「「&%(}*+L‘>sk!!?:?」」

 

 

「二人揃って言語崩壊!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

三人が同時にケツロケットを食らうが、大樹と慶吾の動揺は計り知れない。

 

 

『かなり複雑な関係の間に居るよな。結局、どっちが好きなんだ?』

 

 

『えぇ!? そ、そんな直球で来るの!?』

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「何だこの二人。どんどん減点してやがる。これは勝てるな」

 

 

顔を赤くする双葉に少し考える素振りを見せる。その姿に大樹と慶吾は同時に座る。

 

 

「「考えるまでもなく俺だな――――あぁん?」」

 

 

「ッ……油断したら笑うわこれ」

 

 

同じ発言で同じ反応をする二人。間に挟まれているからなお辛い原田。

 

どんな答えを出すのか双葉を待っていると、人差し指を口に当てて、

 

 

『ひ、秘密?』

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「無理だッ……この二人、面白過ぎるだろッ……!」

 

 

心臓に激痛が走ったかのような胸を抑える大樹と慶吾。ケツロケットまで食らう姿を見たら原田も噴き出してしまう。室戸医師はゲラゲラと腹を抱えて笑っている。

 

 

『あー、全チームに悪い知らせだ。青チームの減点が4、緑チームの減点は3点。黄色が……7点の減点』

 

 

『大樹君!?』

『大樹様!?』

 

 

「ごめん。本当にごめん」

 

 

両手を合わせて謝る。差が開き過ぎて申し訳ない気持ちで一杯です。向うでは俺だと言われていないのに、完全にバレていた。

 

 

『とりあえず分かりやすいように青チームは-1、緑チームは0、黄色チームを-4とする。まぁ頑張れ』

 

 

適当に見えてしっかりと進行する司会者。次はルール説明に移る。

 

 

『これから出される問題の数はたったの3つだ。それぞれ3つの解答をすることができるが、全部正解しても1ポイントしか手に入らない。逆に3つの解答の中で一つでも正解すればいいというわけだ』

 

 

「……え? 全問正解しても届かないじゃね? これって負けが決まった感じ? 俺、動揺し過ぎて終わった?」

 

 

大樹が泣きそうな顔で原田と慶吾の顔を見ている。二人は当然「ざまぁ」と言った感じで大樹を無視して映像を見ていた。

 

 

『とにかく問題を聞いた方が早く理解できるだろう。というわけで第1問!』

 

 

ババンッ!と出されたキラキラのパネル。そこには問題内容が書かれている。

 

 

【誰がチームを選んだのか予想を当てよ!】

 

 

「そういうことか」

 

 

問題内容を見て納得する原田。

 

 

「つまりこの問題の正解は黄色が大樹、緑が宮川、青が俺というわけで、一人でも当てればいいのか」

 

 

「そういうことだな」

 

 

慶吾が同意して頷く。だが、大樹の表情だけは違う。

 

———このゲームが下位の大逆転と上位の大転落を秘めているのか。察したのだ。

 

 

『黄色は確実に当てれるからラッキー問題だな。あとの二人を当てても、ポイントの増加は変わらない』

 

 

司会者の言う通り、()()()()()()()()()()()()()。だから痛い目を見ることになるのだ。

 

一分という短い時間の中、三つのチームは答えを書き終える。

 

 

『そこまで。黄色チームの解答からだ』

 

 

「ふぅ、これは大樹の負けだな。ホッとするぜ」

 

 

原田がニヤニヤと悪い顔で煽るが、大樹の表情は落ち着いていた。

 

まるで、ここからでも勝つ事ができるとでも言いたげな。

 

 

『まずは黄色チームの予想は誰だ?』

 

 

『当然、大樹よ』

 

 

優子の答えは正解。祝福のファンファーレが鳴り響き、マルだということを教える。

 

 

『正解だ。それじゃあ次は青の予想は誰だ?』

 

 

『はい。これは少し考えましたが、リサは答えに辿り着きました』

 

 

そして、このゲームの恐ろしさが顕現する。リサは笑顔でとんでもない答えを口にするのだ。

 

 

『青チームは、巨乳が大好きな坊主頭さんです!』

 

 

「はぁあああああああああああ!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

リサの嘘適当の解答に原田は立ち上がり動揺してしまった。その瞬間、ポイントは変動する。

 

 

『始まったか……青チームが動揺で-1ポイントだ』

 

 

「し、しまった!? これって……!?」

 

 

「遅かったな? やっとこのゲームの本当の恐ろしさに気付いたか」

 

 

ゴゴゴゴゴッ……!と圧倒的な威圧感で話す大樹。原田は生唾を飲み込んだ。

 

 

「ポイントの増加は1ポイントだけだ。だがな、減点だけは無限にされる……動揺し続ければな?」

 

 

「クソッ! べ、弁明の余地はないのか!」

 

 

原田が焦る理由は全員が分かっている。七罪の表情がかなり不機嫌になっているからだ。

 

ここでの会話は向うには届かない。今度は大樹がざまぁという顔をしていた。

 

 

『最後に緑チームの予想だ』

 

 

次に動揺するのは慶吾の番なのかもしれない。下唇を噛んで動揺しないように耐えていた。

 

するとリサが申し訳なさそうな顔で手を小さく上げる。

 

 

『緑チームの解答なのですが……口にするのも生理的に嫌で、答える価値もないのでパスでお願いします』

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

貫いた! 慶吾の心をブレイク! 凄いぞあの毒舌メイド!

 

 

『緑チームも動揺で減点だ。この問題が理解したか、青チーム?』

 

 

『『うっ』』

 

 

蓮太郎が青チームに視線を移すと、気まずい表情になるレオと七罪。

 

 

「おいおい、まさか……?」

 

 

『青チームは全問正解。真面目に解答していたから飛ばすぞ』

 

 

原田は顔を手に当てて複雑な表情になる。レオと七罪は苦笑いで言い訳する。

 

 

『ま、まぁとりあえずポイントは入ったからな。動揺しなければポイントが増加していたけどな!』

 

 

『巨乳好きが悪いのよ。私たちは全然悪くないわ』

 

 

「……………」

 

 

何だこの淀んだ空気。別々の部屋だというのに感じ悪い。

 

 

『最後に緑チームの解答だ』

 

 

『私たちの答えはシンプル。緑は宮川君、黄色は大樹君だね』

 

 

「ん? 俺のいじりはいらないのか?」

 

 

意外にも俺の解答も正解させてしまう緑チームのシャーロック。最後に青チームの予想を言おうとするが、ここは双葉が笑顔で言うのだ。

 

 

『———青チームは大きなおっぱいが好きな人!』

 

 

「もうやめてくれぇ!!!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

集中狙いされる原田。更に緑チームが減点される。どんだけ胸の話でいじられてんだよ。

 

 

『不正解だ。何だ何だ? 青チームを選んだ奴はそんなに胸が好きなのか?』

 

 

『リサは大樹様にしっかりと聞いたので間違いありません』

 

 

『私も大樹君からちゃんと聞いたら間違いありません』

 

 

「嘘つけ!? メイドに関しては大樹を信じ過ぎ! 双葉に関しては絶対におかしいだろ!?」

 

 

「「気安く名前を呼ぶなおっぱい星人」」

 

 

「ホントやめろよぉ!!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

尻を抑えながら叫ぶ原田。目には涙が溜まっていた。そして減点されるポイントに大樹と慶吾は口元を緩めていた。室戸医師は遠慮なく大笑いだ。

 

 

『一問目から中々凄まじいな。青チームは-3、緑チームは0、黄色チームは-3となった。もう同列じゃねぇか』

 

 

「くっ、動揺するな動揺するな」

 

 

「そうだ、揺れるのはおっぱいだけ」

 

 

「うるせぇ黙れ主人公やめちまえ」

 

 

酷い言われよう。俺より強い主人公っているのかな? 鬼畜お兄様居たわ。

 

 

『二問目だ。どのチームも逆転と最下位になれるチャンスはあるから頑張れよ』

 

 

最下位は遠慮したいな。

 

ババンッ!と再び出されたキラキラのパネル。

 

 

【三人が最近買った高額商品】

 

 

「これは……当てにくいだろうな」

 

 

大樹の感想に原田と慶吾も同じことを思っていた。

 

 

「というか時系列―――いや、あまり触れない方が良いな。俺は漫画本の大人買いくらいか」

 

 

原田が急いで首を横に振った。触れると面倒だから。そして高額商品を教え合う。

 

 

「大樹は?」

 

 

(かま)

 

 

「は?」

 

 

「本格ピザとか作りたいから上質なレンガとかで作ってたんだよ窯を」

 

 

「……値段は?」

 

 

「四千万円」

 

 

「ピザに本気出し過ぎじゃねぇ!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

『……あー、解答の記入中に悪いが、青チーム減点だ』

 

 

『『何してんの!?』』

 

 

レオと七罪が顔を上げてビックリしていた。

 

些細な小話でも減点を狙う大樹。その被害を受ける前に慶吾はすぐに会話を終わらせる前に先手を打つ。

 

 

「ガル〇ンとまど〇ギの円盤」

 

 

「「お前そんな趣味あったの!?」」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

『黄色、青、減点』

 

 

『あっちで何が起きてんだよ……』

 

 

呆れるようにレオが呟いていた。すいません。

 

 

『時間切れだ。途中何故か減点があったが、解答の時間だ。今度は緑チームから解答』

 

 

『緑は簡単、ガ〇パンとま〇マギの円盤』

 

 

サラッと正解してしまう双葉に他のチームは驚愕していた。そりゃビックリするわ。

 

 

『だ、大樹君たちが驚いてたのはこれなのね』

 

 

苦笑いで優子は納得する。でしょ? 仕方ないでしょ?

 

 

『青チームの解答はシャーロックさんが答えます』

 

 

『世の中、推理通りにいかないことも多い。でも意図して外すことも優しさだと思っている』

 

 

シャーロックの前置きに複雑な表情をする原田。動揺しないように警戒していた。

 

 

『だから答えは———エロ本を一冊ということにしよう』

 

 

「え゛」

 

 

本というワードしか合ってない。もちろん不正解だと蓮太郎は言うが、シャーロックは無理をした顔で告げるのだ。

 

 

『不正解で良い。半分正解でも、半分が不正解なら、それは間違っているのだから』

 

 

「ちょっと待て!? まるで俺が大量のエロ本を購入したみたいな感じになっているんだけど!? 本という概念しか合っていないんですけど!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

『……あー、青チームが減点した』

 

 

『図星ってことなの……?』

 

 

「待ってくれ七罪!? 勘違いしないでくれ!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

『……減点だ』

 

 

『……そう。分かったわ』

 

 

「もう早く終われよこのクソゲーム!!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

一気に三回も減点される青チーム。えぐい。やり方がえぐい。おっぱいの下りからここまでやられるとか。

 

 

『最後は黄色チームだが、阿佐雪君に任せるよ。正解を知っているみたいだからね』

 

 

「ちょっと? こっちまで流れ弾が来るの? 先に青チーム潰そうよ?」

 

 

大樹が首を横に振って嫌がっているが、双葉は解答するのだ。何故か頬を赤く染めて。

 

 

『実はね、大樹君にお願いしたんだ。誰の為じゃなく、私だけの為に作ってって……』

 

 

『『え?』』

 

 

「え?」

 

 

黄色チームの優子とリサの表情が固まる。俺の表情も萌え要素が一切ないくらいあわわわわってなってるからね。

 

 

『料理なんだけど……ピザが欲しいって頼んだら———窯までわざわざ作っちゃったの。だからね、黄色チームの答えは窯、だよね?』

 

 

「ええええええェェェ!!??」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

まさかの正解だった。内容は全くの嘘だが、窯という答えは合っている。

 

一体どうやって当てたのか考えて見るのだが、すぐに分かる。

 

 

『ピース』

 

 

「しゃああああああああろぉっくうううううう!!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

ピースする名探偵に大樹は大声を出していた。シャーロックが答えを出して、双葉に偽りの出来事を足したのだ。なんて悪質! そこらの詐欺より性格が悪いぞ!

 

対して優子とリサの表情が怖い。説教で済むレベルじゃなくなってますね! 何であんな黒いオーラが出せるんですか!

 

 

『正解だ。それと黄色チームは-2ポイント』

 

 

正解だということが尚更不味くなっている。どうやら二問目は先に解答した方がかなり有利だったらしい。

 

弁明も良い訳も、ピザのことまで話せないなんて。原田の気持ちがすっごい分かる。

 

 

『次は黄色チームの解答の番だ。まだ青チームの正解は出ていないから頑張れよ』

 

 

「今からでもここを飛び出して正解を言いに行きたい」

 

 

「気持ちは分かるが落ち着け。無理に決まっている」

 

 

原田の肩を叩く大樹。人類最強ですら不可能だと遠回しに言われているようだった。

 

 

「……というか黄色チームは大樹が窯を買ったことを知ら無さそうだったぞ? 高額商品なのに。大丈夫か?」

 

 

「いや……大丈夫も何も、通帳の残高は———」

 

 

「あっ(察し)」

 

 

「その顔やめろ」

 

 

(あわ)れむような、可哀想な奴を見る顔にイラッとする。

 

 

「それに大丈夫。俺と優子は心が通じ合う程、お互いに好きなんだから間違うわけ———」

 

 

『ごめんなさい。大樹君なら惑星を買っていると思っていたわ』

 

 

「———優子さぁん!? 俺のことなんだと思っているの!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

大樹に対する認識が、かなり大変なことになっていた。

 

黄色チームの解答途中だというのに減点される黄色チーム。他のチームは大笑いだ。

 

 

『ちなみにメイドの答えも個人的に気になるな』

 

 

蓮太郎の言葉にリサは申し訳なさそうな顔で答える。

 

 

『世界、でしたので不正解です……』

 

 

「大して変わんねぇ! 何でそんなにズレてんだよ!? 確かにあの時は世界と戦ったようなモノだったけど……あんまりだろ!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

蓮太郎が黄色チームの減点について話すと優子とリサは可愛くテヘッと詫びていたが、優子は超許すがメイドは許さん。罰としてお仕置き―――とか喜びそうだからやめとこ。

 

 

『自分のチームの答えを当てれないのはピンチだな。青と緑の解答で頑張ってくれ』

 

 

『いえ、他のチームに関してはリサが完璧に当てていますのでご安心を』

 

 

「え? ウチのメイドがエロ本とアニメ円盤とか当てれるの? マジかよ」

 

 

「漫画本って言ってんだろ」

 

 

リサの自信に半信半疑だが、彼女はズバリと言い当てるのだ。

 

 

『原田様は漫画本の大量購入と言った所ではないでしょうか』

 

 

『お見事、正解だ』

 

 

蓮太郎が素直に称賛する。のだが……リサの様子がおかしいです。

 

 

『内容は過激ですので……言わなくてもいいですよねっ?』

 

 

「だからまるで俺がエロ本購入したみたいな流れやめてくれますぅ!?」

 

 

うがぁー!っと頭を掻いて動揺する原田。もちろんスパアアアアアァァァン!!!っとケツロケットを受けている。

 

 

「ちなみに何を買った?」

 

 

「ToLO〇Eる、ゆらぎ荘の幽〇さん」

 

 

「よくそれで弁明できると思ったなエロ坊主」

 

 

駄目だコイツ。手遅れだ。

 

 

『そして緑チームの円盤も合っています』

 

 

『……………え?』

 

 

おぉっとここで司会者、顔面蒼白。一体何を見たのでしょうか。

 

 

『いや、違う……だろ?』

 

 

『同じです』

 

 

何だ何だ。蓮太郎が首を横に振っているのにリサは自信満々に肯定している。

 

 

『えぇ……じゃ、じゃあとりあえず……答え……言わなくてもいい……言わない方がいいかもしれない』

 

 

どんだけ歯切れが悪いんだよ。一体どんな解答をした。円盤だからUFOってオチはないよな?

 

 

 

 

 

『リサは答えます———オ〇ニーグッズだと!』

 

 

 

 

 

―――とんでもねぇ下ネタぶち込んで来たぞあのメイド。

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

当然慶吾は戦慄していた。ポカーンと口を開けながら真っ青な顔。人ってこんな表情もできるのか。

 

 

『『『違うよね!?』』』

 

 

会場全体からの全否定。その気持ちは我々も同じです。だが「いいえ」とメイドはそれを否定する。

 

 

『そんなわけありません! 優子様と七罪様はまだ(けが)れを知らない女性だから男の性欲を理解していのです!』

 

 

「……優子はちょっとイケない方向で穢れているけどな」

 

 

ボソッと呟いた大樹の声は二人には届いていない。

 

 

「詳しく」

 

 

「黙れクソ医者」

 

 

一番いらない奴の耳には届いていた。

 

 

『待て待て!? 同じ男で同年代の俺が言うが、あんまり過ぎやしねぇか!?』

 

 

レオの反論に慶吾が何度も頷いていた。

 

 

『? ……ポニー様は、ポニー様ですから関係は全くないのでは?』

 

 

『どういうことだよ!? 本当に何!? 俺のポニーってどんなカテゴリに属しているんだよ!?』

 

 

ポニーはポニーだろ(適当)。

 

 

『アニメの円盤をそんな風に言うのは失礼じゃないのか? というか正解したんだから素直に引いてくれてもいいじゃないか?』

 

 

『あっいえ、緑チームの方がそういう人なのでそう答えています。青チームがそう言う解答をしていたら素直に下がりますよ』

 

 

『えっと、つまり……緑チームを選んだ奴が変態だと?』

 

 

勿論(もちろん)です』

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「あのメイド、絶対に殺してやる……」

 

 

「そうやってリサの手の平の上で踊らされているんだよお前は」

 

 

何百人と殺せてしまうくらいの殺気をバンバン出しているが、室戸医師は平気そうな顔をしているので放置する。

 

 

『……話がヤバイ方向に行きそうだから解答終了! 次だ!』

 

 

さすが蓮太郎。危うく収拾不可能な領域まで足を踏み込む所で話を無理矢理曲げた。

 

その声に応えるように元気よく立ちあがったのはレオ。グッと拳を握りながら答えた。

 

 

『黄色と緑は当然外したが、青チーム自身の解答は自信あるぜ! ズバリ、漫画本の大人買い!』

 

 

「ポニィーッ!」

 

 

両手を挙げて喜ぶ原田。喜びを全身で表していた。

 

 

『正解! どうして分かったんだ? 趣味の話でもしたことがあるのか?』

 

 

『実は前にい〇ご100%を貸したことがあってな。漫画好きだからな、アイツは』

 

 

『『『『『……………』』』』』

 

 

―――軽い沈黙に包まれているぞ会場。

 

ドヤ顔で語っているレオだが、こちらの空気も冷めていた。

 

 

「お前はジャンプのエロ枠を抑えなきゃならない使命感でもあるのか?」

 

 

「そんなわけないだろ」

 

 

「……もし乳首描写禁止になったらどうする」

 

 

「編集者を皆殺し」

 

 

「狂気のサイコパス変態だよお前」

 

 

「別にいいだろ! 思春期の男なら当然の反応だ! むしろお前はどうなんだよ!」

 

 

「逆ギレかよ。いや、俺はコンビニで堂々とエロ本買える男だから……」

 

 

「何でそこは恥ずかしがらない!? ふざけるな〇〇〇野郎!!」

 

 

「リサの下ネタを越えた発言はやめろ」

 

 

俺たちの会話に室戸医師は大爆笑。腹筋が死にそうになっているが、無視無視。

 

会場はどうなったのか気になる。蓮太郎が上手い切り返しできていればいいが……

 

 

『待て。いち〇100%は神作だと俺も思う。責めないでやってくれ』

 

 

「「お前も流れに乗るのか!?」」スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「激しく同意」

 

 

大樹と慶吾にはケツロケット。原田は力強く頷いていた。何だコイツらの団結力。蓮太郎も変態になるぞ。というかまたマイナス点だちきしょう。

 

 

『これ以上の追及はなしにする。馬鹿な事を言った奴は司会者権限でマイナス10する』

 

 

『『『『『横暴だ!?』』』』』

 

 

いや力でねじ伏せるなよ。どんだけ好きなんだよ。俺も好きな作品はあるが、そこまでするのか。

 

 

『解答の続きをしてくれ青チーム。間違いでも続けて構わない』

 

 

『ああ、大樹のとこだろ。黄色チームは無難にゴムと考えてた』

 

 

「無難って言葉を辞書で調べろゴラァ!! 童貞に何てことを言い出してんだ!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

サラリと最低最悪なレオの発言に俺は立ち上がった。クソッ、優子とリサの反応は———ん、意外と薄い?

 

 

『大樹君にそれは……ないわよ』

 

 

『さすがにリサもないと……』

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

それはそれで酷いと思いませんか? 俺の事をよく分かっているのは伝わりましたが、あんまりでしょ。

 

しかし、それはこのゲームで最大の悲劇を生む引き金となった。

 

 

 

 

 

『———確かに、大樹のファーストキスはッ……私だから……きゃっ!』

 

 

 

 

 

「「「ブフォ!!!!!????」」」

 

 

『『『『『!!?!?!!?』』』』』

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

双葉の発言で三人の男は噴き出した。ケツロケットも見事に受けているが、見事にとんでもないことになろうとしていた。

 

優子とリサの表情はもう言葉で表現できないくらい怒っている。大樹は頭を抱えながら叫んでいた。

 

 

「本編でも一番言っちゃいけないことを言いやがったぁ!!」

 

 

「不味いだろ!? 大樹が女の子たちと破局する未来が少し見え―――!」

 

 

「やめてくれぇ!!!!!」

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

大樹と原田が大声を上げながら二度目のケツロケットを受ける中、慶吾もケツロケットを受けていた。

 

 

「そうだ———分子レベルまで切り刻んでやる」

 

 

ただし―――おっそろしぃ呪詛を吐きながら近づいて来た。

 

 

「待て待て待て! アレは感動シーンだろ!? 許せるキスという奴で別に浮気とか―――!」

 

 

「大樹! 普通に言い訳が苦しいぞ!」

 

 

「うるせぇ死人! 童貞確定のお前に何が分かる! 悔しかったらおっぱいの一つでも揉んで見せろ!」

 

 

「はい戦争! よし宮川! 俺もコイツを殺す! 分子レベルじゃ温い! 概念存在が消えるまで切り刻むぞ!」

 

 

「双葉に手を出した罪、お前らの命で償え!!」

 

 

「大樹じゃなくて、何か俺も巻き込まれたぁ!?」

 

 

スパアアアアアァァァン!!! スパアアアアアァァァン!!! スパアアアアアァァァン!!!

 

 

何度もケツロケットが炸裂する中、会場でも騒ぎが起きている。

 

 

『どうして大樹君はいつもいつもいつも! 一緒にお風呂まで入ったのに、どうしてあんなに奥手なのかしら!? 大事にしたいならもっと強引に―――!』

 

 

『酷いです! リサもお情けが欲しいというのに、先に他の女性に手を出すなんて……リサは、リサは……!』

 

 

『お、落ち着いて!? 大樹君はその……ヘタレだから! その時になればきっと―――!』

 

 

「ってほとんど俺のことじゃねぇか! あああヘタレな俺を許してぇ!」スパアアアアアァァァン!!!

 

 

________________________

 

 

 

 

『……あのさ』

 

 

蓮太郎が呟いた。

 

 

『減点の限度にも、普通さ、あるだろ?』

 

 

黄色チーム -85点

 

青チーム  -60点

 

緑チーム  -57点

 

 

『『『『『すみません』』』』』

 

 

「「「……………」」」

 

 

会場は全員が腰を90度に曲げて謝罪。大樹たちは尻から煙が出る程の重傷を負っている。

 

あの騒動だけで彼らの尻は燃える様に力尽きていた。

 

 

『……とりあえず騒動が起きる前の点数に戻す。無茶苦茶になり過ぎだ』

 

 

『『『『『すみません』』』』』

 

 

「「「……………」」」

 

 

無論、室戸医師は笑い過ぎて死にそうになっている。

 

 

黄色チーム -13点

 

青チーム  -10点

 

緑チーム   -4点

 

 

おいおい嘘だろ。今の騒動で72回もケツロケット食らったの? ヤバいだろ。

 

 

『ここで確認したいことがある。大樹、生きてるか?』

 

 

「命の危険がある罰ゲームってかなりヤバイよな。生きてる生きてる」

 

 

その時、原田と慶吾は目を疑った。とんでもない光景を目の当たりにしたのだ。

 

 

スパアアアアアァァァン!!!

 

 

「は? どうしたお前ら?」

 

 

「だ、大樹……本当に大丈夫、なのか?」

 

 

「……無理はするな」

 

 

いきなり心配されて怖いんですけど。

 

会場のモニターも戦慄していることに気付いた。どうやら俺の姿が一時的に映されているようだが、異変に気付いた。

 

 

「え」

 

 

―――尻から大量の血を流している自分の姿を見て。

 

 

『あー……大樹? 生きているよな?』

 

 

蓮太郎の顔は真っ青。尻に手を当てると生暖かい感触と―――もうやめよう。

 

思考放棄した俺は高らかに叫ぶ。

 

 

「【神の加護(ディバイン・プロテクション)】!!」

 

 

一瞬で尻の怪我を回復する。そして血に濡れた服を脱ぎ捨てると同時に、

 

 

「【創造生成(ゴッド・クリエイト)】!!」

 

 

神の力で服を創り出す。文月学園の制服に早着替えした。

 

 

「心配するな! ちょっとウ〇コを漏らした程度だ!」

 

 

「いや真っ赤だけど……想像を絶する赤さだけど」

 

 

震える程ドン引きしている原田。脱いだ服はモザイクをかけなくてはいけないレベル。すぐに【神刀姫】を取り出して焼却した。

 

会場は静まり返っている。まるで葬式でもあったかのような雰囲気だ。

 

 

「……いつものように規格外な俺を見て笑えよ」

 

 

『そう、だな……そうだよな』

 

 

歯切れの悪い返事はやめなさい里見君。無理している感じ出さないで。同情の眼差しでこっちを見ないでぇ!

 

とりあえず尻から血がブッシャー事件は閉幕。席に着いてゲームを再開する。

 

 

『青チームが緑の解答をするんだよな』

 

 

『悪いが俺たちは疲れた。パスで良い』

 

 

レオたちは首を横に振りながら解答を投げる。蓮太郎もそれには納得していた。

 

 

『黄色と同じでゴムって書いている時点で答える気ないだろ』

 

 

『大樹より線はあると見ている』

 

 

「アイツも殺すべきだな」

 

 

動揺はしなかったものの、慶吾の怒りは買っているようだ。さすがポニー。

 

次で最後の問題となる。最下位はもちろん俺。いやもちろんじゃないから。ヤバいって。負けたくない。

 

 

『最後の問題は特別に正解すれば3点。まぁこれだけ差があるなら問題無いから……大樹頑張れよ』

 

 

「俺の尻を思い出すな尻を」

 

 

(ケツ)だけに?」

 

 

「原田。殴るぞ」

 

 

『問題はこれだ!』

 

 

蓮太郎の呼びかけと共に現れる問題内容。だが突如、画面が暗転した。

 

機械の故障かと疑っていると、室戸医師が立ち上がった。

 

 

「ここから、君ッ……たちにもッ……参加するゲームッ……くふッ……!」

 

 

「「「笑ってんじゃねぇよ」」」

 

 

恐らくこのゲームで一番楽しんでいるのは彼女だろう。人の不幸を笑いやがって。

 

 

「今からこの学校内にある問題を探して来て貰う。制限時間もあるから注意したまえ」

 

 

「ッ! なるほど、多く探して多く見つけて、多く答えることができたら逆転を狙えるのか!」

 

 

大樹の言葉に室戸医師は頷き、原田たちは渋い顔をした。大樹でも逆転できる可能性があることに嫌だと思うのは当然。

 

 

「それと朗報だ」

 

 

―――室戸医師の一言。それは三人の殺気を爆発させるのに十分だった。

 

 

「暴力は有りだそうだ」

 

 

「【神刀姫】」

 

 

「【天照大神(アマテラスオオミカミ)の剣】」

 

 

「【冥銃ペルセフィネ】」

 

 

ゲーム開始一秒後には血を流す争いが始まろうとしていた。

 

大樹は両手だけじゃなく背後にも【神刀姫】を大量に展開している。原田も黄金色の輝きを放ちながら威嚇している。慶吾は禍々しい片手銃を握り絞めている。

 

 

「冗談だ」

 

 

「「「チッ」」」

 

 

この学校どころか世界が大変になるような喧嘩をさせるわけがない。三人は舌打ちしながら武器を直した。

 

 

「さて、ゲームを開始するのだが……問題が発生した」

 

 

「あ? 何だよ」

 

 

「次回に続く」

 

 

「えー」

 

 

―――『次回! 大樹、爆散! お楽しみに!』

 

 

「変な予告出してんじゃねぇよ」

 

 

「お前も俺に対してやっただろ」

 

 

 





現在のケツロケット回数

楢原 大樹 137回

原田 亮良 116回

宮川 慶吾  90回


「「「狂ってやがる」」」


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