Infinite Stratos Another   作:来迎 秋良

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第一話です。

入学&関係者登場。


01:クラスメイトはほとんど女性

IS学園入学当日。

女子の中で視線を浴びながら入学した僕らは、

同じ一年一組に所属する事になった。

 

◇

 

「聡里と同じクラスで良かったぜ……」

「僕も一夏と同じでよかった……女の子ばっかりの中だと、さすがに緊張するよ」

周りのほぼ全員が女子という、とんでもない状況に放り込まれればそれは疲れる。

一夏と同じクラスになったのは、本気で神サマに感謝、だね。

 

「ねぇ、あれが噂の『ISを動かした男の子』たち?」

「けっこうかっこいいじゃない!ねぇ、声掛けてきなさいよ!」

「抜け駆けはダメよ?」

周りの女子のそんな会話を聞いて、僕は一夏に話しかける。

 

「……一夏。一つ言っていい?」

「奇遇だな聡里。俺も一つ言いたい事がある」

「「視線が痛い」」

クラスメイトどころか廊下にまでいっぱいいる。どうしたものか。

などと考えていると先生が来て、僕ら一組の生徒は自己紹介する事になった。

 

◇

 

「次、織斑くん、自己紹介お願いね」

「え……あ、はい!」

紹介が始まってすぐ、一夏は自己紹介することになった。

慌てて立ち上がった一夏は自己紹介する。

 

「えー……織斑一夏です」

一夏はここまで言ったけど、まだみんなは聞きたそう。

普通は趣味とかを言うものだし……。

 

「その……以上です!」

うおい!クラスメイト全員コケちゃってるじゃん!

そして僕のチョップと同時に一夏の脳天にゲンコツを入れた女性が。

 

「いってぇ……げ、千冬姉!」

「千冬さん!?」

その女性は織斑千冬さん。一夏のお姉さんだった。

そしてもう一発一夏の頭と、僕の頭にもなぜかゲンコツが直撃。

 

「うがっ!」

「はうっ!?」

僕ら二人は頭を押さえてうずくまる。

 

「学校では織斑先生だ」

そんな理由ですか、殴ったのは。でも、ここに居るって事は……まさか。

僕らを殴った後、千冬さんは教卓の所に立って言う。

 

「諸君!私が担任の織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物にするのが仕事だ」

そう千冬さんが言ったとき、教室の中が爆発した。

……というか、女子たちの黄色い声が爆発した。

 

「きゃぁ~~~!!」

「千冬様!本物の千冬様よ!!」

「私、お姉さまのためなら死ねますぅ!!」

とりあえず、千冬さんが物凄い人気だっていう事だけはわかった。

 

「はぁ。毎年よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。

 私のクラスにだけ集中させてるのか?」

千冬さんは頭を抑えて言う。まぁ、これではね……。

 

「お姉様~!もっと叱って罵って~!」

「そしてつけあがらないように躾して!!!」

うおい、なんか聞き捨てならない言葉が飛び出してきたぞ!?

 

「千冬姉が俺の担任?」

そう一夏が呟いたとき、千冬さんが拳を握り一夏に向き直る。

 

「で、挨拶も満足にできんのか、お前は?」

「いや、千冬姉、俺は……がっ!」

千冬さんに机にねじ伏せられる一夏。

さすがに、これはやりすぎなんじゃないかなぁ。怖いから言わないけど。

 

「織斑先生と呼べ」

「はい、織斑先生……」

その返事を聞いて満足したのか、教壇へ戻る千冬さん。

ちなみにクラスメイトたちは、

 

「え?織斑君って、あの千冬様の弟?」

「それじゃ、男の子でISを使えるっていうのも、それが関係してるのかな」

「じゃああっちの聡里くんはどうなるの?」

「うーん、どうなんだろう」

などと言っていたけど、あえて聞き流した。

 

「静かに!」

と、千冬さんのその一言で一斉に静かになる女子たち。さすがのカリスマだ。

 

「では、自己紹介を続けろ」

その一言で自己紹介の続きが始まる。

で何人かが自己紹介をすると、僕の番が来た。

 

「初めまして。僕は篠ノ之聡里です。

 趣味は読書。特技は声真似ですね。

 女子しかいない中に、僕らだけが入るという事で迷惑をかけたり、

 トラブルを起こしてしまうかもしれませんが、

 これからよろしくお願いします」

僕の挨拶はみんなに満足してもらえたらしく、拍手を貰った。

 

そして全員の自己紹介のあと、千冬さんから説明があった。

「諸君らにはこれから半年でISについての基礎知識を覚えてもらう。

 その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。

 いいか?いいなら返事をしろ!良くなくても返事をしろ!」

「「「はい!」」」

 

「「……」」

僕と一夏、呆然。そりゃあいきなり良く知っている人が担任っていわれれば、ね。

全然仕事の事は知らなかったし。

と、まあそんなこんなで諸事項を聞いた後、授業になったんだけど……

 

「うあぁ……」

一夏はサッパリ内容が判ってないみたい。

 

「一夏、どうしたのさ。ここなら参考書に書いてあったじゃん」

「ああ、あれ、か。実は……あれなら、捨てちまった」

「……へ?」

「だから捨てちまったんだよ!電話帳と間違えて!」

「アホ一夏!」

さすがに抜けてるにも程がある。

僕は小声で叫ぶと言う荒業を成功させた後、一夏に参考書を手渡した。

 

「ああ、もう……しょうがないなぁ。はい、これ。僕は覚えちゃったから」

「ああ、お前昔っから物覚え良かったからな」

というか、もう最近は一度見た物忘れられない。

瞬間記憶能力、だっけ。さして訓練もしてないのに身に付いてしまってる。

 

「でも、貸しっぱなしにはできないから、あとでちゃんと再発行してもらうこと」

「へいへい、わかってますよっと」

ちなみに、その後で一夏がこっぴどく叱られて『一週間で覚えろ!』と言われたのは、

また別の話。

 

◇

 

授業のあと。僕が一夏と話していると、声が掛けられた。

 

「一夏、聡里。ちょっといいか?」

「ん、いいぜ」

「いいよ、箒『姉さん』。僕もしばらく会ってなかったよね。ご一緒するよ」

僕らは箒姉さんに連れられ、屋上へ行った。

その後ろで女子が『箒姉さん!?』『何なに?篠ノ之くんが弟なの!?』

とか騒いでいたけど、スルーした。

 

「で、何の用なんだ?」

一夏が箒姉さんに聞く。

 

「六年ぶりにあったんだ、何か言いたい事でもあるんだろ?」

それでも黙ってる箒姉さんに、一夏は言う。

 

「久しぶり。六年ぶりだけど、箒ってすぐ判ったぞ! ほら、髪型一緒だし」

と言われ、箒姉さんは顔を輝かせ、ついでに赤くなる。

やっぱりまだ一夏にぞっこんなんだ。

 

それからしばらく姉さんと一夏が話しているとチャイムが鳴って、

僕らは教室へ戻る事になった。

 

◇

 

授業も終わり、放課後。僕と一夏は一人の女子に話しかけられた。

 

「ちょっとよろしくて?」

「ん?」

「あれ、オルコットさん?どうしたんですか?」

そう、彼女はセシリア・オルコット。イギリスの代表候補生だ。

 

「おい聡里」

「なに、一夏?」

一夏が声を掛けてきたので、僕は対応する。

 

「こいつ、誰だ?」

「「「「「え゛」」」」」

どーして一夏はそこまで知らないかなぁ。

というか自己紹介……は聞いてなかったな?

 

「彼女はセシリア・オルコットさん。イギリスの代表候補生だよ。

 代表候補生はわかる?」

「いや?全然」

「だーめだこりゃ」

僕らの会話を聞いて、オルコットさんは少々憤慨したようだった。

 

「信じられませんわ!日本の男性というのは、

 このように知識に乏しいものが多いのかしら!」

「あ、訂正。ここまでひどいのは、一夏くらいだよ」

「おい聡里!?」

一夏が睨んでくるけど、事実だしね。

 

「はぁ……一夏。

 代表候補生ってのは、国家代表IS操縦者に選出される段階の候補のこと。

 IS操縦者の中でもエリートに分類される人たちだよ」

「そう、エリートなのですわ!」

僕の解説にオリコットさんも満足したようだった。

 

「本来なら、わたくしのような選ばれた人間とクラスを同じくするだけでも奇跡!

 幸運なのよ!その現実をもう少し理解していただける?」

「そうか、それはラッキーだ」

「だね」

あれー、ぼくらのはんのうではふまんみたいだぞー(棒読み)

 

「馬鹿にしていますの?」

「お前が幸運だって言ったんじゃないか」

「ね。それに、よく考えたら代表候補生ってこの学校、案外いるんだよね」

僕の指摘に、少々怯むオルコットさん。

 

「う……だ、大体、何も知らないでよくこの学園に入学できましたわね。

 ただ二人のISを操縦できる男性と聞いていましたけれお、期待はずれでしたわ」

どうにか体勢を立て直そうと、彼女は言葉を重ねる。

 

「俺に何かを期待されても困るんだが……」

「僕だって。いきなり入学させられて何がなんだかわかったものじゃないし」

僕らのいう事は聞かず、オルコットさんは教室の前側に行く。

 

「ですが私はエリートですから、教えて欲しい事があれば、

 まあ泣いて頼まれれば教えない事もございませんわよ?」

む、だんだん態度が鼻についてきたな。

 

「なにせ私は、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから」

ん?唯一?

 

「それなら、俺も倒したぞ」

「僕はギリギリ負けちゃったよ。 やっぱり千冬さんは強いや」

僕らの言葉で、オルコットさんは驚愕した。

 

「はっ!?」

「倒したって言うか……

 いきなり突っ込んできたのをかわしたら壁にぶつかって、動かなくなったんだけど」

「僕の方は、ただひたすら斬撃をかわして、じわじわ銃撃してたんだけどね。

 結局日本刀で叩き落されちゃったよ。 でもシールドを二桁まで削れたけどね」

あ、オルコットさんちょっと固まってる。

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが……」

「女子の中で、ってことじゃない?」

僕の言葉でわれに返ったか、いきなり大声を上げるオルコットさん。

 

「あ、貴方がたも教官を倒したって言いますの!?」

「えーっと、落ち着けよ。な」

一夏は言うけれど、オルコットさんはさらに慌てる。

 

「これが落ち着いていられ[キーンコーンカーン]

チャイム、ナイスタイミング!

そしてそのままオルコットさんは捨て台詞を残し自分の席に戻っていった。

 

「「何だったんだ、あれ?」」

心底そう思うよ。

 

続く。

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