Infinite Stratos Another   作:来迎 秋良

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今回、かなり濃いスパロボ成分があります。
それらに抵抗を示す方のために警告を。

……なんか最近どんどんウチの主人公が人間じゃなくなってきた。
まあ人間じゃないんですが……ううむ……


30:入部試験。 そして、人間を超えた力

「それにしても驚いたよ、壱……じゃなかった、聡留。

 まさか居なくなった君たちが、このIS学園に入学してくるなんて」

 

壱改め『篠ノ之聡留』をはじめとする七人が転校してきた日の放課後。

聡里は彼らにあてがわれた空き教室に来て話していた。

 

「俺が一番驚いてる……。 っつかあのウサギ博士も来てるぞ。

 今は学園と委員会のトップが俺達の処遇をどうするか決めかねてるとこだとさ」

聡留の台詞に苦笑するしかない聡里。

 

「まあ、束姉さんだししょうがないでしょ……。

 あの人を止めるくらいなら、落ちてくる隕石を地上に安全に着陸させる方が簡単だよ」

聡里の台詞に、一夏以下六人が大きく頷く。

 

「だな。 そういや、俺ってどこの部に所属すりゃ良いんだ?

 この間から凄ぇ数の部活に誘われてるんだが」

壱は心底疲れたように言う。

実際、聡里たちが話している部屋の外でも多数の女子が目を光らせていた。

 

「あ、その事なんだけどね。 いい加減、会長への提言が通ったんだ。

 聡留、僕が設立する部活に加入してくれないかな?」

「あん? お前が部活? 一体、どんなだ?」

「IS研究会。 僕ら自身半分ISだし、戦術面でも聡留が居たら大分助かるし。

 それに、一応所属や力の問題もあるしさ」

開発中に戦闘教育をドロップアウトした聡里と違って、聡留は戦術教育を完全に

学習させられている。 聡里はその経験を使おうと言うのだ。

 

「へぇ……面白そうだな。 つっても、部活の立ち上げからだろ?

 時間掛かるんじゃねーのか?」

「ああ、その点なら大丈夫。 以前から、会長に提案(と根回し)はしてたから」

その話を聞き、野次馬の女子達が騒ぎ出す。

それを見て、聡里はわざと外に聞こえるように声を大きくして言う。

 

「他の女子たちも、試験に合格したら入部してもいいんだけどなー」

「「「えっ!?」」」

そして女子たちは勢いづいて、三々五々散って行った。

 

「……なあ、何なんだあいつら」

「僕らが数少ない男子だから、珍しいんだよ。 で、受けてくれる?」

「ああ、良いぜ。 お前らも参加だよな、唯?」

聡留は唯たち六人に聞く。

 

「私はそれでいいよ、聡留。 みんなもそれでいい?」

唯の質問に、疾風たちも頷く。

 

「決まりだな。 コイツらが良いなら俺もいいぜ。

 ……思いっきり無間を振り回せそうだしな」

にやりと笑う聡留。 彼に、聡里も笑い返す。

 

「聡里、ボクも入部して良い? お手伝いとかするから」

「勿論。 というか、シャルには僕から補佐を頼みたかったんだ。

 それと、一夏たちも入部しない? コーチとか、いろいろ手伝うよ」

その条件を示され、一夏たちも賛成。

聡里は笑い、入部の条件などを考え始めた。

 

「それじゃ、試験の準備をしとかないとね。 フフフ……」

にやりと笑う聡里の黒い笑みに、聡里以外の全員は多少引いた。

 

 

翌日。

聡里が以前から楯無に根回ししておいたおかげで、書類申請と同時に部室が支給された。

部室といっても、長机やパイプ椅子などの置き場として使われていた開き教室を

片付けてあけただけだが。

 

「で、一般部員の試験のチラシを張ったら、こんだけの人数が来た、と」

聡里が部室の前でちらりと見ただけで、軽く一学年分くらいの人数が

部室の前には集まってしまっていた。

 

「あー、うん。 それじゃ、この場で試験内容を説明します。

 試験内容は、ISを君達が装備し僕が趣味で作ったパワードスーツで戦闘して、

 僕に勝てたら入部、という条件になります。

 皆さん、それでいいですね?」

聡里の質問に、異議を唱えるものは居なかった。

そして一時間後、試験を開始することになったのだが……。

 

 

「おーい、聡里ー。 入部希望者の整理終わった……なんだそれ!?」

聡里が整備中に入ってきた一夏は、聡里が整備している装備を見て驚く。

 

「ん? 僕のパワードスーツ。 ゲームの機体を作ってみた。

 ドイツ語で『幽霊』って意味の機体のMkⅡでスーパー系の性能なんだけど、

 ISが使えないときのためにと、後は冗談で作ったんだ」

「冗談って……」

呆れる一夏を他所に、聡里はその青色の機体を装備する。

そして腕のプラズマステークを確かめるように動かし、

機体を装備したままで、満足げに頷く。

 

「……よし、これならいけるかな。

 一夏、僕はグラウンドに出るから、一人ずつ入れてくれないかな」

聡里の台詞に一夏は肩をすくめ、諦めたように退室した。

 

 

「それじゃ、最初の君は……」

「私はアリーナ・カリエールだ」

「ん、よろしく。 ……それじゃ、やりますか。

 メインターム、アクセス。 モード・アクティブ。 コール・ゲシュペンスト!!」

聡里が叫ぶと同時に、ハンガーに待機していたパワードスーツ

『ゲシュペンストMkⅡ』が起動し、聡里の後ろから接近。

前面の装甲を展開し、その展開された部分に聡里が後ろ向きに飛び込む。

 

「ふむ、面白い装備だな。

 しかし、私はお前に勝ってラウラお姉さまと同じ部に入る!」

「へぇ……! でも僕も、負ける気は……ないッ!」

聡里は言い、切りかかってきたアリーナのナイフをプラズマステークで受け止める。

 

「そんでもって……そりゃっ!」

聡里はそのままナイフをもぎ取り、アリーナを蹴り飛ばす。

 

「きゃあっ!?」

「まだまだ甘い! 行くぞ、ジェェェェェット・マグナムッ!」

プラズマステークに電流を流し、したたかに殴りつける。

 

「かはっ……さすがに、強いな」

そういって仰向けに倒れ、アリーナのISは展開解除された。

 

「お疲れ様。 歩けるかい?」

「ああ。 さすがはお姉さまが認めた男性だけのことはあるな」

「そんなことを言われるほどじゃないさ。 でも、動きは良かった。

 後は、経験と慣れ、それと、機体を信用してあげるようにね」

「了解です、聡里お兄様!」

「お、お兄様っ!?」

 

 

このような感じでかなりの数の生徒を相手にして、

残っているのは専用機を持っている生徒だけになった。

しかし、その中に一人、見覚えのある少女が居た。

 

「あれ、サーノちゃん? 君も入部希望?」

「はいですっ! 私も聡里さんたちと一緒にこの子(IS)の勉強をしたいんです!」

サーノ・シエロ。 イタリアの代表候補生で、試験実用モデルの

『テンペスタⅡ』の登録パイロットでもある少女。

そんな彼女の熱意篭った瞳を見て、聡里も頷く。

 

「そ、そう。 それじゃ、試験を始めるよ!」

「はいっ! お手合わせお願いしますです! 行きますよ、テンペスタ!」

二人は同時に身構え、駆け出す。 しかし、サーノの方が明らかに早い。

 

「やっぱ早いな、テンペスタ型は!」

「はいっ! この子は高機動型のISですから!」

サーノはそのまま聡里の傍を駆け抜け、すれ違いざまにボード型装備

『オンダ・カヴァルカーレ』の側面でゲシュペンストの装甲を斬りつけていく。

そのボード側面のエッジで斬られた部分には、大きな傷が入っていた。

 

(へぇ……。 高速機動用のボードが、そのまま大型のブレードになってるのか。

 これは、僕のゲシュペンストでは追い切れないかな?

 でも、あくまで基本はヒット&アウェイ!)

聡里は攻撃を受け続けながら、その攻撃と戦法を分析する。

そして聡里は離れたサーノに向き直る。

 

「避けても追いつかれるなら……迎撃する!」

「私も負けないですよ~っ!」

サーノはボードを腕部分に接続し、先端を聡里に向け突き出し、

聡里もそれに応えるようにプラズマステークを起動、身構える。

 

「コイツで決める!」

「私が勝ちます!」

 

そして双方が加速し、相手に向かい突進する。

 

「喰らえ、ジェェェットマグナムッ!」

「決めるです、オンダ・カヴァルカーレ!」

二人の攻撃は互いに決まり、お互いに背を向けて立った状態になった。

 

が、しかし。 ゲシュペンストの腕は見事に切り裂かれ、攻撃不能に陥っていた。

 

「いやあ、負けちゃったよ。 強いね、サーノちゃん」

「はいっ! 伊達に専用機を使ってるわけじゃないんです!」

『えっへん』とばかりに胸を張るサーノに、聡里も笑いかける。

 

「それじゃ、条件は守らないとね。

 サーノ・シエロ。 君は今から『IS研究会』の一員だ」

「ありがとうございます! やったぁっ!」

両手を挙げて喜ぶサーノを、聡里たちは微笑ましく見つめていた。

 

 

「んじゃ、次は一応、一夏たちの実力検査テストだね」

聡里のその台詞に、見学していた一夏は驚く。

 

「うぇっ!? 俺たちもか!?」

「当たり前だろ、じゃないと不公平だし。 まあ、勝っても負けても入れるけど。

 みんなもそれでいいよね?」

聡里の台詞に、箒以下他のメンバーは全員頷く。

 

「勿論だ。 お前の相手も久しぶりだな」

「わたくしも大丈夫ですわ!」

「ま、アタシならそんな機体には負けないけど?」

「普通の状態の聡里と戦うの、久しぶりだなあ」

「兄さん、手加減はなしで行くぞ!」

と、一夏を除いた学園組の台詞、

 

「今度はガチでやらせてもらうぞ」

「私たちは遠慮しておくね、聡留。 聡留や聡里さんたちには勝てないと思うし」

聡留も肯定的で、一夏も諦めたように言う。

ちなみに疾風たち五人は、それぞれ専用機持ちたちと話していた。

 

「判ったよ……。 でも、やるからには負けないぞ、聡里!」

「ははっ、その意気だ! っても、僕はこの『SRシリーズ』で戦うからね?

 ……あ、聡留は別だけど」

その台詞に、聡留を除く全員が一斉に言う。

 

「「「そうじゃないと戦えないだろう(でしょ)」」」

 

 

「最初は一夏か。 一応言っとくけど、手加減しないよ?」

「お手柔らかにな……」

アリーナ中央で向き合うゲシュペンストと白式。

ちなみに、サーノにダメージを受けたゲシュの腕は速攻で取替え修理してある。

 

「「いざ……勝負!」」

二人の掛け声と共に、雪片とプラズマステークが正面から打ち合う。

一夏は雪片に電流が流される前に聡里のゲシュペンストに蹴りを入れ

その反動で急速離脱した。

 

(一夏も今までの試合を見て学んだって事か。 うかうかしてらんないな)

 

そう考えながら、聡里も体制を整えなおす。

そしてゲシュペンストの腕を体の前で素振りし、両手を打ち合わす。

 

「んじゃ、見せてあげるよ。 ゲシュペンストの必殺技!」

その台詞と共にバック宙をし、大きく上空へ飛び上がる。

 

「あ、あの動きは!」

「知ってるの、ラウラ?」

「ああ。 兄さんがあの装備を開発中に訓練していた必殺奥義、その名も……!」

ラウラがシャルに説明している間に、高く飛び上がった聡里は姿勢を整えた。

 

「ここで叫ぶのはやぶさかじゃない!」

聡里が体を縮めためた瞬間、ゲシュペンスト内のモニターに『Shout Now!!』の文字が。

 

「究極ゥ! ゲシュペンスト・キィィィィィック!」

その叫びがアリーナに響き渡り、聡里の放った蹴りが一夏の白式に直撃した。

その時、見ていたシャルたちからは筆文字で『究極!ゲシュペンストキック!』と

書かれた文字が見えたとかそうじゃないとか。

 

そして、その攻撃をまともに喰らった一夏は白式ごと吹き飛ばされ、

白式の展開が解除された。

 

 

「さて、一人目の一夏を倒した事だし、次は誰が来る? 聡留、やるか?」

「いや、俺はラストな。 その方が楽しそうだ」

「という事なら、わたくしが。 生まれ変わったブルー・ティアーズのダンス、

 見せて差し上げますわ!」

聡留の後にセシリアが言い、聡里も了承する。

 

「それじゃセシリア、セットアップは大丈夫?」

「勿論ですわ! ですが、聡里さんもその機体でするのですか?

 宵闇を使ったほうがよろしいのでは?」

その質問には首を横に振り否定し、聡里は身構える。

 

「そんな気遣いはいらないさ。 さぁ、セシリア。 ティアーズのダンスを見せてくれ!」

聡里は言い、マシンガンを構えセシリアを撃つ。

セシリアはそれをバック宙でかわし、ブルーティアーズを射出。

四機射出されたそれは、セシリアが動いているにも関わらず正確な動きで

ゲシュペンストを狙ってくる。

 

「動きながらBTを使えるようになったのか!」

「ええ! わたくしもいつまでも入学当初のままでは無いのです!」

そのまま正確無比な射撃をBT兵器と『スターライトMkⅢ』から打ち続けるセシリアの攻撃を

側転でかわし続け、ウルトラCでふたたび立ち直す。

 

「となると……決めるか!」

聡里はそのまま飛び上がり、BT兵器を踏み台に大跳躍。

そして再びタメる。

 

「その技は、先ほど見切りましたわ!」

聡里の攻撃をキックと見て、セシリアは足を攻撃してくる。

しかし、聡里はそのまま上体を下に腕を突き出し降ってくる。

 

「ええっ!?」

「甘いよ、セシリア! 必・殺! ゲシュペンスト・パァァァァンチ!」

聡里はそのまま、セシリアの機体の肩にパンチを叩き込み、

重ねてアッパーをもう片方の肩に当てる。

さたにジェットマグナムを叩き込もうとするが、それはティアーズの近接ブレード『インターセプター』に阻まれる。

 

「そちらこそ甘いですわ!」

そして聡里は蹴り飛ばされ、ゼロ距離に近い至近距離でレーザーライフルを叩き込まれ、

ゲシュペンストの手足を撃ち抜かれて敗北した。

 

 

「やっぱセシリアも腕上げてるな、反射的に近接攻撃できるようになってたし。

 じゃ、次は違う機体で行かせてもらおうか」

聡里は言うと、ふらつきながらも飛行しピットへ移動する。

しばらくして出てきた彼は、違う機体を装備していた。

 

「さ、聡里……。 これ……」

「えらくゴツい機体ね……」

シャルと鈴がその赤く、重装甲でツノがついた機体を見て呆然とする。

 

「コイツはアルトアイゼン。 さっき僕が使ってた機体の後継機ってとこ。

 と言っても、運用思想が違うからさっきのとはほとんど別物なんだけど」

言って機体を動かし、感覚を確かめる。

 

「聡里、お前一体、何機作ったんだよ……」

「ん? とりあえず、たくさん? この間のギガントの駆動系試作と、この学園の警備用も兼ねて」

言いつつ機体のチェックが終わった聡里は、次の相手を手招きする。

 

「じゃ、次は誰来る? ラウラ、君の母国語の名が付いた機体、相手してみる?」

「ふむ。 『古の鉄』という意味だな。 しかし、良いのか?

 その重装甲では、ISに追いつけないのでは……」

「心配はいらないさ。 さあ、模擬戦準備!」

聡里が身構え、ラウラもプラズマ手刀を起動する。

 

「手加減はしないぞ、兄さん!」

「全力でおいで、ラウラ。 シャル、カウントお願い」

「え? う、うん! それじゃ、3!」

カウントが始まり、両機共にブーストの用意をする。

 

「2!」

互いに力を溜め、ラウラは両手を、聡里は右腕を構える。

 

「1!」

姿勢を前傾に、いつでもブースターが開放できる姿勢へ移行する。そして。

 

「0ッ!」

シャルの声と共にラウラは一旦右側へとびだし、横からアルトを攻撃しようとする。

しかし、ラウラが狙いをつけた場所には、すでにアルトアイゼンは居なかった。

 

「何処に……ッ!」

反射的にその場から飛びのくと、そこに赤い塊……アルトアイゼンが降ってきた。

 

「戦闘速度機動は初めてだったから、自分でもビックリだ。

 でも、もうクセはつかめたかな!」

上から突き下ろした事で地面に突き刺さったステークを引き抜き、

三連マシンキャノンで牽制する。

しかしラウラはそれを回避し、遠距離からレールガンを打ち込む。

いかに装甲の硬いアルトでも、ISとそうでない機体では性能の差が著しく、

機体各所に結構な大きさの凹みができた。

 

「ヤバいやばい、宵闇のヒヒイロノカネの感覚で行ったら落ちるな。

 ……けど、この機体の基本戦法は!」

聡里は言い、アルトの驚異的な推力を利用して一気に距離を詰める。

 

「何も考えず、ただ打ち貫くのみ! リボルビング・バンカァーッ!」

叫びながら、右腕のリボルバーパイルバンカー『リボルビングバンカー』で

レーゲンの肩と武装を攻撃し、武装は潰す。

 

「甘いな、兄さん! 貰った!!」

しかし距離を詰めすぎたことと、肩部分を壊しきれなかった事で、

ラウラのプラズマ手刀でアルトの両腕が切断され、

模擬戦闘は終了した。

 

 

「あっちゃあ、ハデに腕がもげたなあ……。 これじゃ継続使用は無理か。

 しょうがない、いっそ全機出しちゃえ、えいっ」

聡里がエア・ディスプレイのコンソールを操作すると、ピットから多数のメカが飛んできた。

 

「うわー、凄い!」

「ほんと、アンタ一体何機作ってるのよ……」

感動するシャルと呆れる鈴を横目に、聡里は機体を選定。

 

「それじゃ、僕はこの『ガンレオン』で行こうかな。

 ……って言っても、どれもこれも通常武器じゃISには対抗できないんだけど」

聡里は言って、オレンジ色の全身装甲を持つ機体を身にまとう。

そして横のウェポンラックから、ドでかいレンチを取り外す。

 

「す、凄い装備、だな?」

「まあ、コイツはゲームでは作業用メカって意味合いが強い機体だから。

 この『ライアット・ジャレンチ』も、本来戦艦の整備作業用レンチなんだ」

箒はそれを聞いていよいよ驚く。

そして聡里もガンレオンのサーボをチェックし、戦闘モードへ。

 

「んじゃ、そうだな……。 鈴! コイツとやってみようよ。

 ちょっと試してみたい武装もあったし」

聡里は言って手招き。

鈴も不敵に笑い、甲龍を展開する。

 

「今まで負け続きなんだし、そろそろ宵闇を使ったら?」

「いや、これはあくまでテストでしょ?

 というか、ISじゃないこの装備の僕に負けた一夏がおかしいんだって」

聡里の台詞に一夏は頭を押さえて落ち込み、箒、セシリアが必死でフォローしているのが見えた。

 

「そう? じゃ、こっちも遠慮なく行くわよ!」

「応、来い!」

「それじゃカウントするね。 3、2、1……」

鈴は青龍刀を、聡里は『デッカー・スパナ』を取り出し戦闘態勢。

 

「0!」

「先手必勝!」

鈴はカウント0と同時に青龍刀で斬りかかる。

聡里はその刀をスパナで受け止め、スパナの握り部分を接続する。

 

「という訳で、ビーター殺法・ブンブンスパナ!」

「どういう訳よ! アンタその装備があるからそれでアタシを相手したの!?

 それとビーターって誰よ!」

レンチ同士を接続したヌンチャク状の武器『ブンマー・スパナ』を振り回し、

それで甲龍を攻撃するが、やはりISのシールドは抜けない。

 

「そんな攻撃、なんでもないわよ!」

「まだまだぁっ!」

聡里はブンマースパナを投げつけると両肩に装備してあるチェーンソー

『チェイン・デカッター』を展開して装備。

甲龍の青龍刀を受け止め、切り裂く。

 

「凄い切れ味ね、聡里!」

「こんくらいできないと作業用になんか使えないさ!」

無理な姿勢でチェインデカッターを振り装甲も斬りにかかるが、距離を取られてしまう。

 

「でも、アンタの機体ロクな遠距離攻撃手段無いわよね!

 それじゃ喰らいなさい、龍砲!」

鈴は無理な動作を取り硬直してしまっているガンレオンに向け衝撃砲を発射。

そしてガンレオンはセイフティが働き、戦闘動作を停止させた。

 

「ま、何てこと無いわね」

「さすが鈴。 そういや、僕のヌンチャクはどうだった?」

「まあまあだったわよ。 というか、上手いわね」

 

 

「それじゃ、次はどれで行こうか……よし! コイツだ!」

聡里が選んだ機体は、一本の刀を持つ大型の機体『ダイゼンガー』だった。

 

「ふむ、この機体も刀が武装なのだな」

「そうだよ、箒姉さん。 ……そうだ、姉さん。 手合わせしてみる?」

「剣での戦いか。 望むところだ、聡里!」

箒は赤椿を展開し、二本の刀を構える。

そして聡里も頭部を展開、装備したのはいいのだが。

 

「我が名は聡里! 悪を断つ剣なり!! いざ、尋常に勝負!」

ヘッドパーツを展開した瞬間聡里は人が変わったように

芝居がかった口調で剣を構え、それを見た全員(聡留以外)は呆れる。

 

「さ、聡里? どうしたの?」

「ああ、なんでもウサギ博士がこの機体群のプログラムに悪戯をして、

 このうち数機に乗ると性格が豹変するようにされたらしい。

 本当に変なところでガキっぽいよな、あいつは」

聡留の返答を聞き、全員さらに脱力。 箒も気を取り直し、刀を構えなおす。

 

「う、うむ! 行くぞ!」

箒が二本の刀で切りかかってくるのを、聡里は『斬艦刀』で受け止める。

 

そのまま力任せに刀を押し返し斬艦刀を振り回し赤椿に叩きつけ、

衝撃で吹き飛ばされた赤椿を横目にダイゼンガーは

背部バーニアを開放・点火し飛び上がる。

 

「届け! 雲燿の速さまで!」

高く飛び上がり、高い上空で大上段に斬艦刀を構え、そのまま重力を加え振り下ろす!

 

「はぁぁぁぁっ!」

機体を急降下させ、その剣を紅椿に叩きつけ装甲を切り裂く!

 

「チェストォォォォォォォォ!」

「くううっ……!」

箒は反射的に天月と空割で受け止めるもへし折られ、

首筋に斬艦刀を当てられる。

 

「我が斬艦刀に、断てぬ物無し」

聡里は言い、斬艦刀を空中で一振りし日本刀型に戻し、格納する。

 

 

「束姉さんの悪戯にも困ったもんだ……。 さて、と。 次はシャルだね」

「うん。 聡里、手加減はしないよ!」

「その意気だ。 じゃ、僕はコイツだ」

聡里が言って選択したのは、グレーで銃を持ち、背中に羽根のある機体。

 

「聡里、その機体は?」

「この機体は『ブラスタ』。 ちょっと変わってるよ?

 それじゃ、ラウラ。カウントお願いね」

「うむ、任せてくれ」

快く返事したラウラに頷き、聡里はフェイスアーマーを展開。

そして銃を構え、同じくアサルトカノン『ガルム』を構えたシャルに向き合う。

 

「3……」

聡里、シャル双方武装を相手に向け、バーニアを起動。

 

「2……」

二人は互いの顔を見て、笑い合う。と言っても、聡里の顔はシャルには見えないが。

 

「1……」

バーニアに火を入れ、それを無理やり機体の力で押さえつける。

そして。

 

「0!」

「「行けッ!」」

二人はサイドブーストをかけながら、互いの機体に銃弾を撃ち込む。

そして二人とも同時に肩に被弾し、横向きに回転して同時に体勢を立て直す。

 

「やるね、シャル!」

「聡里も、ISでもない機体で凄いよ!」

互いに銃撃をし合う二人。

その機動はサークル・ロンドだが、ありえないほどの高速になっている。

 

「当たれっ、ガルム!」

「こっちもだ、EAGLEショットォ!」

互いに撃ち合い、互いにかわす。

そのうち業を煮やした聡里が、隙を突きネット弾でシャルを絡めとる。

 

「しまった!」

「行くよ……シャル! とっておきのコンバットパターンだ!」

聡里はそのままグレネードを撃ち、シャルを怯ませる。

 

「円の動きで追い込み、そこへ集中砲火!」

リヴァイブの足元に『バンカー』を叩き込み周囲を旋回、

EAGLEを通常弾・グレネード弾まとめて連射する。

 

「シメは……真ん中をブチ抜く!!」

巻き起こった土ぼこりの中心へ格闘武装であるビームの槍を展開、突撃。

そして手ごたえはあった。しかし。

 

「……ッ!」

「危ないあぶない。 もうちょっとで当たってたよ」

そこに居たのは、防御用パッケージ『ガーデンカーテン』を展開したシャル。

シャルは聡里直伝の『高速換装(ラピッドパッケージ)』で装備を展開、

砲撃を耐え切ったのだ。

 

「このレンジなら!」

「くっ……!」

聡里は緊急離脱しようとするが、すでに遅かった。

 

「甘いよ! 当たれっ、グレースケール!」

シャルが盾表面をパージしグレースケール、通称『盾殺し』をブラスタに押し付け、

連続で攻撃を叩き込む。

リボルバー式の炸薬を使い切る頃には、ブラスタの機能は停止していた。

 

「今回はボクの勝ちだよ、聡里!」

 

 

「さて、と。 これで全員相手はした訳だけど」

聡里は一夏と箒を見て、にやりと笑う。

 

「箒姉さん、一夏。 今度は二人で、僕とシャルを相手してみてくれない?」

その台詞で、一夏と箒、シャルは驚いていた。

 

「なんでだ?」

「聡里、敗者に情けをかけるなど……」

箒が言いかけたのを手で制し、聡里は言う。

 

「そもそも白式と紅椿は、同時に使うことを目的に作られたと思うんだ。

 だから、その二機のコンビネーションを試してみたいと思ってさ」

平然と言う聡里だが、シャルに腕を引かれそちらを向く。

 

「ね、ねえ聡里。 ボク、この機体の操縦方法知らないんだけど……」

「あ、それなら大丈夫。 基本操作はISのを流用してるし、支援AIもある。

 試してみたい機体、ある?」

言われたシャルはそこにある機体を見回し、ふと一機に目を留める。

 

「あ、この機体……。 前聡里がゲームしてたときに出てた機体」

シャルが目を留めたのは、白と青を基調に大型のライフルを持った機体。

 

「それ? それは『ヴァイスリッター』。

 高い機動力と高威力の遠距離武器が特徴の機体だけど」

シャルは説明を聞き、頷く。

 

「それじゃ、ボクはこの機体を使ってみたいな」

「ん、わかった。 それじゃこっちはまた、アルトを使おうか。

 丁度腕部ユニットの交換修理も終わったし」

聡里もアルトの装甲を『コンコン』と叩き、笑い返す。

 

そして二人で機体を装着。

するとヴァイスの砲の機体内部のモニターに、女性の顔が浮かび上がった。

 

『初めまして、になるのよね。 あなたがシャルロットちゃん?』

「えっ!? あなたは?」

『あら~、サトリくんったら教えてないの? 私はエクセレン・ブロウニング。

 このヴァイスリッター型パワードスーツの支援AIよん♪』

そう言う女性の勢いにシャルは押され、その時通信画面が開く。

 

「シャル、システムはどう?」

『あら、サトリくん。 シャルロットちゃんに問題がなければいつでもいいわ』

シャルを置いて聡里とエクセレンが会話する。

 

「あ、あの……ボクはどうすれば……」

「あっと、ごめんシャル。 エクセ姐さん、そろそろ」

『あっと、ゴメンなさいねシャルロットちゃん。

 それじゃ、操縦教えてあげるから、ちょっと飛んでみましょうか』

「はい!」

 

 

「聡里、そろそろ良いか? こっちも作戦会議終わったし」

「だってさ、シャル。 どう?」

「大丈夫だよ、聡里。 もう扱いはだいたいわかったし」

『そうよ~。 シャルロットちゃんって凄く飲み込みが良いんだから。

 で、そっちはキョウスケは起きてる?』

『言われなくても起動している。 エクセレン、ふざけすぎるなよ?』

『わかってるわよ!』

その会話を聞き、聡里を除くメンツは呆然。

 

「聡里、その人(?)は?」

『俺はアルトアイゼンの支援AI搭載の擬似人格、キョウスケ・ナンブだ。

 ……そろそろ開始するのではなかったのか?』

その台詞で全員我に返り、聡里も器用にアルトで肩をすくめる。

 

「それじゃ、箒姉さんに一夏。 僕らはいいよ」

「では、また私がカウントしよう」

ラウラの台詞に、全員が所定の位置についた。

 

「3……2……1……」

カウントにあわせ、四人は身構える。

 

「0!」

その声にあわせ突っ込んでくる一夏と箒を、聡里とシャルは散開してかわす。

 

「聡里、このヴァイスリッターって凄いね!

 速度だけなら、ラファールにもついてこられそう!」

『ん~、でもISコアが無い分、出力や汎用性では負けるのよね~』

そんな会話をしつつ、シャルは一夏に向けオクスタンライフルを構え、打ち込む。

 

「エクセレンさん、オクスタンBモード!」

『りょうか~い! カチャっとな!』

エクセレンの操作で『オクスタンライフル』を実弾モードにし、箒を射撃。

 

「キョウスケさん! こっちもクレイモアを!」

『了解! スクエア・クレイモア、セット!』

聡里も突進してくる一夏に向けベアリング弾を一斉発射し牽制、勢いを削る。

しかし一夏の前に箒が飛び出し盾となる。

その装甲には金色の光が纏われ、シールドエネルギーが回復していた。

 

「『絢爛舞踏』……。 自由に使いこなされると、これだけ厄介な物も無いね」

「どうするの、聡里?」

「決まってるさ。 ですよね、キョウスケさん」

『ああ』

 

「『ただ何も考えずに、打ち貫くのみ!』」

聡里とキョウスケの台詞を聞き、シャルは頷く。

 

「それじゃ、ボクたちはカバーリングするね。

 行きます、エクセレンさん!」

『フォローはまかせときなさい!』

アルトとヴァイスが頷きあい、ヴァイスは空へ舞い上がり、アルトは身構える。

 

それを隙とばかりに一夏が『零落白夜』で切り裂こうとするが、

上空からエネルギー弾と実弾の混合射撃が打ち込まれる。

 

「聡里を攻撃はさせないよ!」

『オクスタンは[槍]って意味なのよん! 勉強になるでしょ~』

ノーマルのヴァイスだが、高速で動き回りながら正確に射撃してくるため、

まるでライン・ヴァイスリッターの弾幕のような広範囲射撃になっている。

その勢いに、白式や紅椿の装甲と出力でも押し切る事ができなかった。

 

「聡里!」『キョウスケ!』

「『判っている! 全弾持って行け、クレイモア&マシンキャノン!』」

アルトから発射される多数の実弾に、空中のヴァイスばかり警戒していた一夏と箒はかなりの数を被弾する。

そして気付いた時には、一夏と箒は背中合わせに、一箇所に集められていた。

 

「シャル、決めるぞ!」『エクセレン、こちらに合わせろ!』

「わかったよ、聡里!」『ああ、ラブラブアタックね♪』

「「ちょっ!?」」

エクセレンの台詞に聡里とシャルは顔を赤くしつつ並んで突撃し、

アルトがクレイモアの残弾全てを発射し、その上からヴァイスがライフルを打ち込む。

そして攻撃を耐えている白式と紅椿を挟み込むように移動し、

白式にアルトがステークを、紅椿にヴァイスがライフルをつきつけ、一気に叩き込む!

所謂『ゴースト・ランページ』というコンビネーションモーションだ。

 

「うわぁぁぁぁぁっ!?」

「くあぁぁぁぁぁっ!!」

一夏と箒はその圧力に挟まれ、大きなダメージを受ける。しかし。

 

「ダメだ、倒しきれなかった! シャル、全速離脱!」

『やはりあの回復能力は厄介だな……』

「聡里、危ない! 後ろッ!」

『狙われてるわよ!』

 

シャルとエクセレンの声に慌てて振り向いたアルトの眼前には

零落白夜を発動した雪片弐式が迫っており、

胴体部の装甲を真っ二つに切り裂かれ、アルトは撃墜。

それに気を取られていたシャルのヴァイスもまた、

足元から打ち込まれた紅椿の『穿千』の攻撃で地に落とされた。

 

「やったな、箒!」

「ああ! 私たちの勝利だ、一夏!」

 

 

「それじゃ、一応この場に居る全員とは戦い終えたから、っと。

 聡留、そろそろ良い?」

「それはこっちの台詞だ。 待ちくたびれたぞ」

聡留は早速アリーナで無間を展開。

聡里もようやく宵闇を展開し、向き直る。

 

「みんな、観客席じゃなくて外から、モニターで見てくれないかな?」

聡里の台詞に、聡留を除く全員が表情に疑問を浮かべる。

 

「僕らがガチでやりあったら……多分、アリーナのシールド抜けるから」

言う聡里の瞳は、両眼とも金色に。

聡留の左目も白黒逆転していて、その事で全員が、聡里たちは『普通ではない』ことを思い出した。

 

「……わかった。 じゃあボクたちは控え室で見てるね」

「お願い。 それじゃ、聡留。 来い」

「俺はいつでもいいっての。 行くぜ」

シャルたちが離れたのを見計らい、聡里は無間を戦闘出力まで上げる。

無間もそもそもから戦闘出力で、双方用意はできている。

 

「カウントするぞ。 3,2,1……Go!」

聡里の合図で二人は切り結ぶ。

初撃から装甲を狙う無間の刀を宵闇の銃剣『秘刀』で受け止め、

すぐさまレーザーライフル『雫星』を展開し最大出力で発射。

それはもはや、射撃を通り越して砲撃だった。

 

そのレーザーはアリーナのシールドにブチあたり、

シールドを貫通して客席を焼いた。

 

「マジで手加減は無しか。 んじゃ、こっちもおふざけは無しだ。

 がっつりガチで行かせてもらうぜ」

聡里は『五剣解放』により五本の剣のうち、二本を抜き出す。

 

「二刀流、だね。 ……厄介な」

「ま、コレが俺だからな。 行くぜ!」

聡留がわざと二本をまとめて斬って来たのをライフルを犠牲に受け止め、

高速換装で格闘用パッケージのスサノオを展開、刀と脇差を構える。

 

「くっ……」

「俺の出力が勝ってんだ、お前に勝てるワケないだろ」

聡里の持っている刀を叩き切り、聡里の腕を切ってくる。

宵闇は深い切り傷を付けられ、剣は二本とも折れた。

その衝撃で聡里はアリーナのエネルギーバリアに叩きつけられ、貫通する。

 

「おい、どうしたよ。 お前、そんなに弱かったか?

 ……だったら、生きてる価値も無いだろ。 兵士として作られたんだからな」

聡留は言い、聡里の腕へ刀を突きつけ、肩口からぶった切る(・・・・・)

 

「ぐあぁぁぁぁっ!」

 

 

「酷い……」

シャルたちは聡里たちの戦いを見て、苦い表情をする。

 

「聡里さん……あんなに弱かったかな……」

その台詞を聞きとがめ、鈴が食って掛かる。

 

「何よ! あんた、聡里が弱いからあんなにされてるって言うの!?」

「ち、違うの。 聡里さん、私たちと訓練してた時は、私たちの誰よりも強かった。

 それこそ聡留と戦っても同じ性能の装備なら対等に戦えていたし。

 でも、今はまるで聡里さんがわざと手出ししてないみたい……」

その台詞を聞き、その場の全員がモニターを見る。

そこでは、聡里が左腕を肩口から斬りおとされていた……。

 

「さとりぃ~っ!」

 

 

「……」

「やっぱ、それで終わりか? 昔は俺と善戦できてたのにな」

「……てよ」

「ん?」

聡留が振り向くと、そこには切断された左腕部が接続していく聡里の姿があった。

 

「待てって言ってンだろーがァッ!!」

「うおっ!?」

聡里が修復された左手で狙撃銃・カナメを持ち、かなりの近距離から無間に叩き込む。

そして、左手に見慣れないユニットを装備し、それを起動。

 

「な、何だその装備!?」

「……シールドエネルギー生成機関『伊邪那美(イザナミ)』……。

 そして、コイツだ」

聡里はさらに新たな武装を展開。 それは、大きな金槌の片側が尖り、

片側に巨大なバーニアが付いたようなウォーハンマーだった。

 

「何だそれ!?」

「IS用大型ウォーハンマー『戦槌(いくさづち)』。

 宵闇、戦槌・スパイラルブーストモード」

聡里の叫びに呼応し、戦槌の尖ったほうにシールドエネルギーのドリルが構成され、

もう片側のバーニアパーツが展開、作動。

それと同時に、宵闇の両腕以外の部分の装甲が展開、

全身の展開装甲を加速形態にし、無間へ突っ込む。

 

「ああ、忘れてた事を思い出させてくれてありがとな、『壱』!」

そのままドリルで無間を一撃。

無間は初撃を『クトネシリカ』で発生させた龍型エネルギー体と

九尾狐型エネルギー体で防ぐが、一撃で吹き飛ばされる。

 

「僕が『人間』じゃないって事をさァッ!!」

 

腕が切り取られ、それをその場で修復する事など人間には不可能。

そして唯や、聡留ですらそんなことは不可能。

それができるのは、モルモットとして多数の回復用ナノマシンを使用された

聡里くらいの物である。

実際『零』だった時代に戦闘能力に勝る『壱』に勝ったのも、身体緊急防御を手足から外し、

手足を何度斬り落とされても撃ち抜かれても、それでも倒したからだった。

 

「がぁぁぁぁっ!?」

「ははっ……どう、だ……『壱』は殺した……ぜ……」

ハンマーで吹っ飛ばされた聡留は地面に叩きつけられ展開が解け、

身体の修復で心臓である生体ISコアが疲弊した聡里も地上に墜落、

その直後に展開が解除され、聡里は気を失いボロボロになったアリーナで倒れた。

 

その後二人がシャルと唯により医務室に連れて行かれたのも、

仕方が無いことだと言える。

 

続く。

 

 

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