Infinite Stratos Another   作:来迎 秋良

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05:聡里の『黒』の初登場

「篠ノ之聡里、今日、授業開始前にピットへ来い」

 

一夏がセシリアに勝った数日後。

僕が食堂に出てくると、織斑先生に呼び止められた。

 

「なんですか?今日は確か、ISの操縦訓練でしたよね」

と言うと、先生は頷き用件を言う。

 

「お前の専用機が届いた。白式を優先させたが、それも完成したからな」

「どんなISなんですか?」

その僕の質問は、「自分で確かめろ」とはぐらかされた。

 

そして授業の直前。僕が一夏と同じタイプのISスーツに着替えピットへ行くと、

白式が入っていたものと同型のコンテナが鎮座していた。

 

「このコンテナの中身がそうだ。開けるぞ」

と、織斑先生がスイッチを押しコンテナのハッチが開き、

中から西洋のプレートアーマーのような漆黒の機体が姿を表した。

 

「これが、僕の専用IS、ですか」

「ああ。機体名は『宵闇』。 大事に使ってやれ」

と言われ、僕はISに触れてみる。

 

「あれ……?」

量産機とかの感覚と、違う。

自分に自然になじむ感じがする。

 

「何をしている。早くしろ」

織斑先生にせかされ、僕は慌てて装着する。

 

「フォーマットとフィッティングは、そのうち終わるだろう。では、行くぞ」

「先に言っていてください。僕はもうちょっと設定してから行きます」

 

 

~一夏Side~

「遅いな、聡里と千冬姉」

俺が言ったとき、また脳天に出席簿が直撃。

 

「お前は何度言っても聞かんな。織斑先生だ」

「お、織斑先生。聡里はどうしたんですか?」

「ああ、篠ノ之聡里なら……来たぞ」

千冬姉が言った瞬間、ピットから『漆黒』が飛び出してきた。

 

「お待たせしました、織斑先生。篠ノ之聡里、そして宵闇。参りました」

 

 

~聡里Side~

「設定は済んだのか?」

僕は言われ、首肯で答える。

 

「では、授業を始める。今回は基本的な飛行操縦を実践してもらう。

 織斑、篠ノ之聡里、オルコット。試しに飛んで見せろ」

言われ、セシリアは一瞬で、一夏はもたつきながらISを展開する。

 

「よし、飛べ!」

 

言われて、僕とセシリアは同時に飛び立った。

一夏も一瞬遅れて着いて来るけれど、やっぱり少し遅かった。

 

「何をやっている。スペック上のスピードは白式の方が上だぞ!」

と、早速おしかりを受けている一夏。

 

「って言ってもな。自分の前に角錐って、どういうことだ?」

「ふふっ、一夏さん。イメージは所詮イメージ。

 自分でわかりやすい形を考えた方がよろしくてよ?」

セシリア、本当に楽しそうだね。

 

「うん、セシリアの言うとおりだよ。

 ちなみに、僕の場合は自分を飛行機として考える、かな。

 そんな感じのあやふやでも良いんだってさ」

それでなんとなく理解できたのか、一夏が僕らに追いついてきた。

 

「っと、こんな感じか」

と、そんな会話をしていると再び織斑先生から通信が入った。

 

「織斑、オルコット、篠ノ之聡里、急降下と完全停止をやって見せろ。

 目標は地上から10センチだ」

と言われ、セシリアが返事をする。

 

「了解です。ではお二人とも、お先に」

セシリアは急降下し、ぴたっと地上で止まった。

 

「それじゃ、次は僕が行くよ。いいよね、一夏?」

「ああ、手本として見せてもらうぜ」

と言われ、僕は頷き急降下を始める

 

「うん、風が気持ちいい。っと、サン、ニ、イチ、ここ!」

と僕は停止する。停止高度は丁度10センチ。

 

「よし、よくやった。だが、急降下時の姿勢制御が甘い」

さすがに手厳しいな、織斑先生は。

そして、次に一夏がすることになったんだけど……

 

――ギュンッ、ズンッ!

 

「馬鹿者、誰が墜落しろと言った」

「それに、なんでよりによって僕の頭上に降ってくるのさ……」

状況を説明すると、一夏は停止できず、ついでに姿勢も崩して僕の方へ降ってきた。

で、僕がなんとかキャッチした、ってわけ。

 

「まったく、篠ノ之聡里が居たから良かったが、居なければ大穴を開ける所だったな。

 ……うむ、いい加減面倒だ。今度から聡里と呼ぶとしよう」

あ、やっぱ面倒だったのか。

 

「情けないぞ、一夏。昨日私が教えてやっただろう」

と、箒姉さんが横から一夏に話しかける。

でも、あの説明ではね……

ぐっという感じとか、どかーんって具合とかじゃ判らないでしょ。

 

「箒、お前の説明は判りづらいんだよ……」

「なんだと!?」

「ごめん姉さん、フォローできない」

こればかりは、ね。姉さんは少々口下手だからなぁ。

とか言ってると、もう一人横から来た。

 

「一夏さん大丈夫ですか?お怪我は無くて?」

セシリアだ。

 

「あ、ああ。大丈夫だけど……」

「良かった!それは何よりですわ」

と一夏に微笑むセシリア。

こないだ撃墜してからベタベタだなぁ。

 

「……ISを装備していて怪我などする訳無いだろう」

で、こっちでは箒姉さんのスイッチ(嫉妬モード)が入ってるし。

それを聞きつけたセシリアさんと口論になるのも、もう見慣れたよ。

で、いい加減業を煮やしたのか織斑先生が二人を押しのけて授業を進める。

 

「お前らは邪魔だ、口喧嘩なら他所でやれ。

 では織斑。武装を展開しろ。それくらいは自在にできるようになっただろう」

と言われ、一夏は実体刀……雪片弐型を取り出した。

お、確実に出せるようになったのか。

 

「遅い、0.5秒で展開できるようになれ」

織斑先生は情け容赦ないけどね。

 

「では次、オルコット。展開してみろ」

「はい」

そういいセシリアも一瞬で武装を展開。

腕を横に伸ばして横向きにスターライトMkⅢを展開する。

 

「うわっ、こっちに銃口を向けないでくれるかな、セシリア」

「あ、あら。ごめんなさい」

僕はセシリアの丁度横に居たから、銃口がぴたり僕の方に向いていた。

で、僕が両手を挙げて言ったのを聞き慌ててセシリアが銃をそらす。

 

「オルコット、今のような状況になりかねんだろう。

 銃は正面を向いて展開できるようになっておけ」

「は、はい……」

あちゃー、セシリアがへこんじゃった。

 

「では次、聡里。お前は二種類の装備を同時展開してみろ」

「はい」

僕は返事をし、ISのバススロットに格納されている装備の一覧を呼び出す。

 

「とりあえず、これでいいかな。じゃ、行きます!

 来い、シールドユニット、疾風(はやて)!」

そういい、僕は正面に人が居ないことを確認し、右手を前に向け突き出し、

左手は体を防御するような姿勢で構える。。

すると、左腕の側面に初期装備のエネルギーシールド発生装置(名称未設定)が、

右手には僕が拡張領域に追加した銃剣付きのライフル『疾風』が展開された。

 

「完了です」

「よし、聡里のように同時展開することが出来れば、

 戦闘時に多様な戦術が考えられる。出来れば習得しておけ」

そう言われ、その日の授業は終了した。

 

続く

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