家庭教師ヒットマンREBORN!in転生者(仮題) 凍結 作:腹黒めがね
気が付いたらいつのまにか真っ白い空間にいた。
ここに来るまでの記憶は曖昧でどうにも思い出すことが出来ない。
周りを見渡してもただ空間が広がっているだけでその他に私以外の存在を感じる事ができなかった。
疑問に思っていると不意に後ろから声が聞こえた。
「ようこそ、死後の世界へ」
不意に現れた中性的な顔の人物がそう言った。
「死後の世界?」
「そうだよ、君は死んだんだ。」
目の前の人物が言ったことの意味がわからない。だが不思議と心のどこかで真実なのだと理解することが出来た。
「だとするなら、なぜ私はここに居るの?」
そう、仮にこの人物が言っていることが本当だとしてもなぜここに居るのか、それが疑問だった。
「それは君に頼みたいことがあるから、僕がここに呼び寄せたんだ」
「これから君にはとある世界に転生してもらう。申し訳ないがこれは決定事項で覆る事はない」
なるほど、すぐに納得する事は難しいが理解はできた。出来たのだがまたひとつ疑問が浮かび上がった。
「なぜ私なのかって感じだね」
…、なんとなく考えが読まれているような気がする。
「心が読めない訳ではないけど今その力は使ってないからね」
解せぬ。
「説明を続けるよ。転生する場所は家庭教師ヒットマンREBORNの世界だ。そこに転生してほしい。」
うん、急に訳がわからなくなってきた。百歩譲って漫画の世界に転生できるのは良しとしよう。でも何の為に私が転生するの?
「それは僕の気紛れでかな?」
…は?
「最近天界で下界の人間を転生させるのが流行っていてね、僕もやってみたいと思ってね」
成る程、ただの外道の類だったのか。
「何でそうなるの!?転生できるの嬉しくないの!?」
自分がやってみたいというだけで徒に人の一生をどうこうしようとするのだから、それはもう外道だと思うのはなにもおかしくはないと思うのだが?
「君が死んだことに関しては僕はノータッチだからね!?君の死は運命によって決められてた事だからそれを覆すほどの力は僕にはないんだよ!?」
ん?では私が死んだのは天寿を全うした結果だということなのか?
「当たり前だよ!流石に生きている人間を無理やり殺してまでやってみたいとは思わないよ。」
うむ、それは申し訳なかったな。私もそうだがあなたも大概言葉足らずだからこういうことが起こるんだぞ?報告・連絡・相談は大人の基本だろう?
「それは本当にごめんさい、っじゃなくて!」
「説明に戻るよ、さっきは僕がやりたかったからって言ったけどなにもそれだけが理由じゃないんだよ。」
最初からそっちの理由を言えば誤解されることもなかったのでは?
「うぐっ、それは」
それにちゃんとした理由だけを言っていればこうしたことを未然に防げたのでは?
「すみませんでした」
全く、それでそのもう一つの理由とは何なのですか?
「そうだった、もう一つの理由はね君に人生を謳歌してほしいと思ったんだ」
なんだそれ?あたかも私が人生を謳歌していなかったかのような発言は。
「君は気づいていないかも知れないけどね、毎日休みもなく夜遅くまで働いて自分の時間なんてまるで最初から存在しないかのような生活は世間一般では人生を謳歌していないどころか普通ですらないんだよ」
なん…だと…!?
「逆になんであんな生活で満足できたのか知りたいよ」
た、確かにほとんど仕事漬けの毎日ではあったが、普通でないと言われるほどではないと思うのだかな。私の先輩なんて入社して以来有給を使ったことがないどころかその存在すら忘れているほどだったからな。それに比べれば私なんてまだまだ普通だと思うぞ?
「それは周りもその会社も普通じゃないの、所謂ブラック企業ってやつだよ!」
なんと、あれが普通の会社ではなかったのか。どうりで学生時代の友人達が頻繁に飲みに誘っては悩みはないかと聞いてきたのか。漸く得心がいったな。
「もういいや、これから転生するに際してやることを言うからちゃんと聞いてね」
注意事項でもあるのか?
「その認識で合ってるよ。さっきも言ったけどこれから君がいく世界は家庭教師ヒットマンREBORNの世界、その世界でなにをするかは特にこちらから言う事はないよ。強いて言うなら今度こそ誰が聞いても納得するような人生を送ってほしいってことだね、それといくつかの特典を君に送ることが出来る。」
特典?なんだでそんなものがあるんだ?
「こちらの都合で本来なら輪廻の輪に行く魂を別の世界に行かせようとしている訳だからね、お詫びも兼ねているんだ」
申し訳なく思うならそのまま輪廻の輪とやらに行かせてもらいたいものだが、今更それを言っても仕方のないことだとは何となくわかる。
「そう言ってもらえると助かるよ」
それで、特典とやらはどんなものが貰えるのだ?
「基本的には制限はないけど、物によってはこちらからストップをかけさせてもらうこともある」
ふむ、例えば不老不死は無理だが生命力が強く死ににくくなる事はできると言った感じか?
「そんな感じで合ってるよ、因みに他の漫画だったりアニメ作品から能力を持ってくることも出来るよ。勿論それでもさっき言ったことは変わらないけどね」
なるほどな、少し考える時間を貰っても?
「勿論、君の納得出来るまで考えてくれ」
そうだな、どうせなら生前好きだった鋼の錬金術師の錬金術でも貰おうか。それも真理の扉を開けた状態
でもらえば一々錬成陣を準備しなくてもいいしな。後は発火布製の手袋も欲しいな。
「決まった」
「何にするんだい?」
「鋼の錬金術師から錬金術を手のひら錬成ができる状態で欲しい、それと発火布製の手袋も欲しいな」
「たった二つでいいのかい?」
正直この二つだけでも過剰だと思うのだが
「過去に別の世界に送られた人はもっとたくさん貰ってたしその位ならまだあげられるよ」
いや、これ以上貰っても使いこなせずに宝の持ち腐れになりそうだからな
「そうか、君が納得しているならいいんだ」
「では、これから君を転生させるけど心の準備はいいかい?」
心の準備?なぜに心の準備をするのだ?
「ま、出来ていようがいまいが関係ないんだけどね」
ガチャン!
「??」
謎の音がした瞬間に私が立っていた床が抜けてそのまま私は落ちてしまった。
あやつめ、次にあったら覚えておけよ!?