014
「く、球磨川さんッ!」
『はは...悪いけど、僕はもう無理みたいだぜ...』『冠石野、ちゃん...最期のお願いだよ、僕に、僕に君のパンツを見せてくれ...』
「マジで見捨ててやろうか」
もちろん冗談だ。
が、そんな冗談を言い合っている(球磨川に関しては本気かもしれなかったが)間にも血がドクドク流れ、床を
明らかに致命傷。———だが、彼女はそれを「無かったこと」に出来る。
不思議なことに。
『よっしゃ球磨川禊世紀の大復活!』『て言うわけでどうもありがと、冠石野ちゃん。』『ま、でもこんな攻撃「無かったこと」にするまでも無かったんだぜ?』『何せ、君の前にいるのはかつて「最恐」と謳われた僕なんだからね』
「死ね。...嘘です。死んでください。」
『距離が遠くなった!?』
球磨川は立ち上がり、少年と向き合った。そして、冠石野は魘夢に向かい合い、結果的に球磨川と冠石野は背中合わせになった。
『おいおい...これは僕の大好きな構図じゃないか...週刊少年ジャンプ読者としては堪らないぜ。』
「おいおい、何イチャイチャしてんだよ。俺はさながら恋のキューピットってか?」
と、先程
彼が放つのは、弓矢ではなく、弾丸だ。
『じゃ、冠石野ちゃんにはあっちの男の子を任せるよ。僕は
「そうやって煽った挙句負けるんですよね、球磨川さんって。」
『おいおい』『泣くぜ?』
「ごめんなさい」
その謝罪を合図に———2人は向き合い、互いの顔を見て
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<サイド冠石野>
「俺は
「そうですね、私は先輩ですよ、人生の。さぁ敬ってください。」
「ま、そうだな。俺なんか負け組だしよ」
「?どう言うことです?」
「あーいや、言って良いかなこれ...まぁいっか。どうせ勝つし。俺血鬼術使えないんだわ。皆にいつもいつもバカにされてきたもんだ。...でも、この前
「あの人、と言うのは教えてくれそうに無いよね。...で、それが、球磨川さんの「
「ピンポーン!」豪國は嬉しそうに答える。
「
「
「...なーるほど、確かに驚異だね」『私以外には』と、冠石野は括弧つけてみせる。
「虚勢ならいらねぇよ。そこで自分の無力さに向き合っとけ。」そう言うと、彼は10の銃口をこちらに向けた。
———ので、私も
10個。
「ハッ...!?」
「おー、面白い焦りようだね。良い様だ。剣呑剣呑。」
...多分使い方は間違えているが、面倒なので生涯改めようとしたことはない。
別に生きる上で障害になることはないしね。
「いやぁ、10個出たのはほんと奇跡だよ。何せ、私の
「私の
他人を、真似る能力だよ。
『そうそう、だからこんなこともできるし。』冠石野は括弧つけ、
『こんなこともできるって訳よ』一発撃った。
玉が豪國の右足に当たる。
その瞬間、撃たれた箇所がジュワッと溶ける。
「痛い...なんだよそれ...なんだよそれえええええええ!!!!!!」
豪國は怒りに身を任せ、銃をぶっ放した。
———が。
『ざーんねん。全部「無かったこと」にしちゃったよ。』
『コピーしておける能力が一つだけだと思った?』
『思ったよね、思っちゃったよねぇ』
『「痛い」っていうか、「痛々しい」って感じだよね』
『あは、』
『ほんと、「挑発」に乗るとろくなことが起きないよね。気をつけた方が良いよ?』と、冠石野は舌をぺろっと出す。
そこには、「挑」の文字。
「な...んだよそれ?」
『あー、これ?うーん、あとで球磨川さんにも説明しないといけないし、作者の苦労が増すからしなくて良い?』
「死ねよほんと...」豪國が本当に嫌そうな顔をした。が、撃っても「無かったこと」にされるので動けない。
この均衡状態が、奇跡的に会話をする機会を与えていた。
『ごめんごめん———って、私は悪くないけどさー。いいよ、折角だから教えてあげる。』
『
言葉。
『さしづめ私は
もしくは、挑発のスペシャリスト。
『イラッときたのがねー、これ、未来では別の人が作ったことになってるんだよね』
『フクロウさん、だっけ』
『私がちゃんと
『まぁいいや。』
『どうせ君ともすぐにさよなら———』
「———隙ありッ!」
豪國の指が、
『!?』
「あっぶー。これが一つ目の能力「
『———じゃ、それを「無かったこと」にした。』
「は...なんで!なんで何だよ!」
『おやおや、そんなことも分からないんですか?』
『まだまだ甘ちゃんですねー、かわいいよ、坊や。』
『過負荷なんですから、そんなの、とっくに狂ってるに決まってるじゃ無いですか。』
勝負、あり。
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<サイド球磨川>
『やぁ魘夢ちゃん。』『僕だよ』
「うん、よろしくね?ミソギ。」と、馴れ馴れしく球磨川の名前を呼んだ。
『さっきはあんな素晴らしい夢を見せてくれてありがとう。『とんでもない悪夢だったぜ。』
「へぇ、もしかして怒ってる?」
『怒らないわけないだろ?』『
「———全力で止めに来たよね。」
全員が。
めだかちゃんも。
善吉ちゃんも。
喜界島さんも。
阿久根ちゃんも。
余すとこなく全員が助けにきた。
『そ。おかげで全員螺子伏せないといけなくなったんだぜ?』『まったくもう』『———とんでもなく、苦しかった。』
「...あれは、君の未来だよ。君は、いずれ幸せになるんだ。おめでとう」
『へぇ...どうせ食べるのに。優しいんだねぇ。魘夢ちゃんは。』『ま、どうでも良いや』『次、君の過負荷について教えてくれない?魘夢ちゃん』と不気味な笑みを浮かべる。
「うん、いいよ。僕は今機嫌がいいからね。でもその前に———」
球磨川の眼前に、肉の触手が現れる。そしてそこには。
目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目目。
「死んでもらおうかな。」
———
『(まっずい...これは、睡眠の血鬼術——)』
そして、球磨川は眠った。
倒れそうになる———
が。
ダンと大きな音を立て、力を振り絞って立ったままを維持した。
『....よッとおはよう!良い朝だね!』『生憎、僕には
...だ!』『おっと眠っ...ちゃった。』すぐに起床し、そしてまた目が合い、血鬼術が発動する。
「ふふ。これはまだ僕の本気じゃないよ。ほらほら、早くこっちにおいでよ。」
『あ、クソっ...あいつ逃げや...がった!!...まぁあれ倒して...本体じゃ無い...んだけどさ...』
駄目だ。
それに、「
全く。
親はどういう教育してるんだろうね?
っと。またギャグ方面に流れるとこだった。危ない危ない。
閑話休題。
どうにかして目を閉じて起きれないものか...
『いや...これ無理じゃ...っとうわ!あっぶね!?』
目が覚めた瞬間、目の前に触手が突撃してきていた。
こっわ!
ずるいよそれは!
にしても、だ。
何か。
何か一つきっかけがあれば。
———瞬殺できる。
『思いつけ...思いつけ...』『働け灰色の脳細胞』『そうそう、いい細胞分裂だ...』『よっし閃いた!』
飛び道具は、他人の目に放つよりも
それなら間に合う。
自分の目をつぶせば———もう見えない。鬼の目も、何もかも。
そして血鬼術で、眠ることもない。
よし、次起きたら決行だ。
.....
...........
.................
———起きたッ!
目が覚めたのち、コンマ数秒のスピードで球磨川は、自らの眼にネジを刺した。
グニャリ、と眼球の独特な感触が指に伝わってくる。
め...
めちゃくちゃ痛い。
血がドバドバと溢れ出る———
が、
人生で初めての勝ちを目前として。
人生で初めての価値を目前として。
『あはは』『僕の、勝ちだ。』球磨川は、笑いを堪えられなかった。
勝負、あり。
はい、と言うわけで次回は後日談です。とりあえず一区切りですね。ここまでおありがとうございました。これからもよろしくお願いしてくだせ。
ちなみに豪國が冠石野に銃をコピーされて焦っていたのは、その弾丸が日輪刀の素材でできているからなんですが、これは周りの鬼に「血鬼術を持っていないから」といじめられていたため自分の身は自分で守るためにした行動でした。
それが自分に返ってくるとは思いもしなかっただろうなぁ。
クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?
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ない
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ちょっとある
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めっちゃある