過負荷の刃   作:角刈りツインテール

19 / 39
タイトルからわかると思いますが(わからねぇよ)、遊郭編スタートです
あ、それとお気に入り30件突破しました。本当にありがとうございます。

ま、舞台設定的に仕方がありませんが直接的ではないにしても微量の下ネタはあります。ご注意を。


遊郭編
019 全開浴衣先輩


不健全?

三代欲求に従ってるだけなんだから健全だろ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

019

 

満月が闇の中で美しく光る深夜。

季節は夏真っ盛りであり、こんな夜ですら暑さを感じる。

嫌な時期だ、全く。

そんな夜の、冠石野ちゃんが深い睡眠に入った頃(ノンレム睡眠って言うんだっけ?レム睡眠?どっちだったかな)のこと。

『あー、もうほんと嫌だなぁ。生きていけねー。お嫁に行けねー。』

僕こと球磨川禊は珍しく凹んでいた。

そして善逸ちゃんはそれを慰めているという、かなり滑稽な状況になっていた。

「いや、そこまでのことではねぇだろ...?あとどっちみちお前はお嫁には行けないから」

『いやいや...あの決め台詞を忘れるを忘れるということはね、善逸ちゃん』『僕のアイデンティティの喪失を意味するんだぜ』

「そんなとんでもない台詞だったのか、あれ。えっと...何だっけ」

 

『———「また勝てなかった」、だよ。』

 

一体全体いつの話をしているのかといえば、記憶に新しい、無限列車での話である。

魘夢に逃げられたとき、疲労感などが唐突に襲ってきて、うっかり言うのを忘れてしまっていた。

『しかも、煉獄さんの行方について一ミリも描写しなかったし...』『語り部としてどうなんだ、僕は...』

「そっちは結構な大問題だったな...」

『まぁそれはどうだっていいけどさ』

「良くない良くない。どっちかっていうとそっちのほうが大問題だわ」

そうかなぁ。

あ、ちなみに煉獄さんは普通に無傷で乗客全員を守り切っていたよ。

いつもの笑顔で眠っている善逸ちゃんを担いでいたんだけどさ。

全て終わった後にあの笑顔を見ると少し狂気を感じたぜ。

家に帰るときまでずっと笑顔だったから尚更、ね。

僕らと別れた途端泣いてたりしないかな———もしそうだったら、ちょっとオチがついて面白いんだけど。

『あー、まじでやっちまった。』『これじゃあ僕が勝てたみたいな印象を読者に与えてしまうぜ』

「いや、それは無い」

と、善逸ちゃんは言ったが、おそらく球磨川の弱者ぶりをしっかり理解しているものは一体どれほどいるのだろうか。

ちょっと気になるな。

是非ともZ◯Pとかで街角インタビューして欲しい。

『はぁ……ほんと辛たん……』

「お前ほんとキャラブレっブレだな」

『まじガン萎えだぜ』『この辛さは()()に行かなければ消えないだろうなぁ』

「?あれってなんだよ。またナシゴレンか?」

『おいおい』『こんな夜更けにナシゴレンを食べるだなんて』『馬鹿としか言いようがないぜ、善逸ちゃん?』

「ド早朝に作り始めた馬鹿はどこのどいつだ」

『いや、ドイツじゃなくてインドネシア及びマレーシアだ』

「失せろ」

失せろって言われた……。

いやキャラがブレまくっているのは一体どっちだよ。どっちもか。どっちもだな、うん。

 

閑話休題。

「で?あれって何だよ」

『お、気になっちゃう!?善逸ちゃん、気になってるのかな!?』

「……(怒りを堪える表情)」

『あれ?善逸ちゃんどうして「怒りを堪える表情」だなんて言っているんだい?』

「空気の読めない球磨川が俺の思いに気付くためだよ」

『思い……』『想いじゃなくて?』『はは、全くもう善逸ちゃんは』『君のことは何でも、言わなくても分かってるからさ』

「重いわ」

『おいおい』『この時代にいるからには行かなければならない場所があるだろう?』『同じ()()()()()分からないとは言わせないぜ』

「同じ、男子としてって……え、いやいや、まさかだよな?」

『そのまさかだぜ』

そう言って、僕は目にも留まらぬ速さで(目に留められていないだけかもしれないけど)寝巻きから学ランへと着替えた。

そしてこう告げる。

 

     『———遊郭、だよ』

 

今の台詞、括弧つけずに話そうかと一瞬迷い、ギリギリで思い止まった僕を誰か褒めてほしい。

 

♦︎♦︎♦︎

 

遊郭とは何か。

名前の響きがとてつもなくカッコいいから、誤解のないように言っておくが。

 

まぁ、要するに風俗である。

 

『現代よりも規制法律が整っていないこの時代!』『きっと学生の僕でも行けるはずだ!』『なら、行かないという選択肢は無いぜ!』

そう。

実はこのプラン、僕が過去へいったと分かった瞬間から練っていた。

……いや、それは言い過ぎたが、でもその日の夜には既に思いついていた。

我ながら思考回路が狂っているぜ。

「そうかよ……俺は行かねぇぞ。今日はもう眠ぃんだ。あと日輪刀持っていくの忘れんなよ」

『オッケー、持って行っとくぜ。じゃあ明日感想伝えるね』

「誰がお前の、せ……あー、淫らなあれの話を聞くか馬鹿。」

『いや、あれって……』『善逸ちゃんって、女の子好きな割にピュアだよね?』

電車でも可愛い女の子がいる度にニヤニヤしながら「ねぇ今の子すっごい可愛くなかった???」なんて言ってくるしさぁ。

やっぱりこういうキャラ、僕の世界線にはいないな。

1人くらいいても良さそうだけど……

 

閑話休題。

『ったく、しょうがないなぁ善逸ちゃんは』『僕は一人で全開浴衣を楽しんで来るぜ』

「あ?全開浴衣ってなんだよ」

『あぁ、僕の最近のトレンドさ』『浴衣の下に何も着ていないっていうことなんだけどね』『清楚の代名詞とも言える浴衣を着た女の子が、その下には何も着ていないというギャップに、僕の中に来るものがあるんだよね』

「お前に来るものは警察だ」

辛辣だなぁ。

前々から思ってたけど、意外と善逸ちゃんって毒舌なんだよね。

いつか、どっかのタイミングでめちゃくちゃ暴言吐くキャラになるのが楽しみだ。

『分かったよ。』『じゃ、行ってくるぜ』『13歳くらいの女の子を探しに』

「おう、いってらっしゃ……」

 

「13歳?」

 

♦︎♦︎♦︎

 

ちなみに13歳というのはもちろん冗談である。

しっかり訂正しておかないと、最近は都条例が厳しいからね。

ロリコンには息苦しい社会だぜ。ちなみに僕は違う。

ま、ストライクゾーンは広いけどね。

前も言ったけど、僕は惚れやすい性格をしているんだ。...惚れられたことは無いけど。

だから僕に彼女はいた事がない。

……ていうか、片っ端から螺子伏せてたから男女問わず人が寄り付かないだけなんだけどね。

ま、でも僕は悪くないぜ。

僕の冗談を笑うだなんて最低な人間は、螺子伏せられて当然だろう?

 

———なんて、一人で考えながら歩いていると、ようやくそれらの建物が並ぶ場所にたどり着いた。

うん。

現代とは違って目に毒じゃなくていいね。

やっぱりそれくらい、楽しみの少ない大正時代には日常に寄り添うものだったってことかな?

いや、単純に技術不足か。

ネオンなんてある訳ないし。

 

『さてと、何処に行こうかなっと……』

物件探しのお時間だ。

ということでぶらぶらと歩き回ったのだが。

…..まぁ、どこが良いか、だなんて純情な僕には全く分からないため、結局は一番大きいところを選んだ。

名前は「吉原」だと思う。

達筆すぎて読みづらかったから多分だけど……。

いや、もしかしてここら辺一帯が全部「吉原」っていう遊郭地なのかな?

だとしたら幕府公認って恐ろしすぎるぜ...?

入ってみると、そこは現代の高級旅館のように美しい内装だった。

すげぇ、と純粋に思う。

儲かってるんだろうなぁ。

日本のビル・ゲイツって感じかな。

「いらっしゃいませ」と、勝手にあちこち見て回っていると、凛とした女性が現れた。

美人すぎるくらい美人だった。

……あれ?今のところ僕、美人にしか会ってなくない?

ラッキースケベの下位互換...いや、上位互換みたいなものかな?

もしかすると安心院(あんしんいん)さんがこっそり()()()()スキルを僕に使ってくれていたのかもしれない。

たまには良いところあるなぁ、安心院さんも!君のそういうのが大好きなんだぜ、僕は。

……っと、そんなこと言っていたら次に死んだ時にまた色々言われてしまう。やめておこう。

あー、いや、違った。

僕、もう「大嘘憑き(オールフィクション)」持ってないんだった。

つーことは生き返れないから...安心院さんと会えないのかな?どうなんだろう。元の時間軸に戻れる可能性も無きにしも非ずだけど。

ま、いいや。

とりあえず、もしそうなんだとすればToLOVEる(トラブル)展開を期待せずにはいられないぜ。

と、そんなやましい事やらなんやらの考え事をしながら

『どうもどうも!僕の名前は球磨川禊です!よろしく仲良くしてください!』『そうだね...とりあえずお金はたっぷりあるから、ここで一番可愛い子を紹介してくれるかな?』と、爽やかに言ってみせた。

ちなみにお金は善逸ちゃんのものである?

許可?

あぁ、うん。どうだったかな。

忘れちった。……ま、今はそんなことどうでもいい。

とにかく全開浴衣を鑑賞したいのだ。

「一番美人の花魁ですね。えぇ、大変別嬪なのがいますよ。」

蕨姫(わらびひめ)、と大声で呼んだ。

 

すると、15秒もかからずにひとりの女の子が来た。

 

清楚で———それでいて少女のような可愛さも持ち合わせる、完璧な女性だった。

 

♦︎♦︎♦︎

 

「球磨川様でございますね。本日はこの私、蕨姫が()()()させていただきますので、何かとよろしゅうお願いします」

『うん、こちらこそだぜ、かわい子ちゃん』『こんなところまできたんだから』『今日は是非とも夢にまで見た全開浴衣をやってもらいたいものだ!』

「ぜ、全開浴衣ですか……いいですよ」

なんで知ってるんだよ。

……に、しても。

うーん、すっごい美しい。

胡桃ちゃんのような無垢そうな女の子も良いが、こういう「大人の女性」もまた堪らない。

ホストに貢ぐ女性の気持ちが理解できる気がするぜ。

()()()()、人間の気持ちが。

『じゃ、早速……ていうかまず最初ってどうしたらいいんだっけ』『ほら、僕って純情だからさ』

「……うふふ、面白いことをおっしゃりますね。ですがご安心ください、球磨川様。球磨川様は私に身を委ねていただければ———」

 

球磨川は、すっかり油断してしまっていた。

だからこそ———

言わなくてもよかったことを言ってしまった。

気づかなくてもよかったことを気付いてしまった。

またしても敗北に、近づいてしまった。

 

『———あれ?』『今気付いたけど』『君ってもしかして』

 

 

『.... × × × × × × ×?』

 

 

 

 

その日、混沌より這い寄る過負荷(マイナス)、球磨川禊は失踪した。

 

満月が、綺麗な夜だった——————

 

 

 




ちなみに冒頭のやつは完全に僕のミスですね。煉獄兄貴のこと一ミリも覚えていませんでした(
大変申し訳ないです。

遊郭編。どうなる球磨川。
まぁ負けるんだろうけど。

クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?

  • ない
  • ちょっとある
  • めっちゃある
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。