過負荷の刃   作:角刈りツインテール

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そういえばタイトルって「かふかの刃」なのか「マイナスの刃」なのか..僕は原作寄りの名前なので「かふかの刃」って呼んでいますが、まぁ皆さんにお任せします。


020 サバサバ系蛇

020

 

「...起きます。おはよう。」

さーて問題。

私は誰でしょう。ヒントは冠石野胡桃です。

シンキングターイム。チックタック、チックタック。

 

はい、流石にもうお分かりになったでしょうかね。

えぇ、私は冠石野胡桃です。

正解した方、おめでとうございまーす。景品は何も無いけどね。

...朝からちょっとテンションがおかしかった。

そういえば「おかしい」って漢字で「可笑しい」って書くみたいなんだけど、これってちょっと面白くないかな?

おかしすぎて笑えてきちゃうぜ、みたいな感じなのかな。

まぁいいや。

とりあえず、体を起こす。

そして背伸び。

オビワン・セノービ。

...いや、誰だそいつは。

そしていつもならこの後、習慣になっている滝行をするのだが(嘘)、今日はちょっと体が重いのでパスする事にした。

ナイスパスだね。

なんというか、その、凄く、嫌な予感がするのだ。

ちなみに私の嫌な予感レーダー的中率は87%だよ。

機械ならポンコツなのかもしれないけれど、人間でこの的中率はもう完璧といっても過言ではないと思う。

最近なら球磨川さんに出会ったときとか。

私、ヘタレだから普段言えないけどさ。アイツ、かなりヤバいよね。

性格といい、動きといい、武器といい———だって、螺子だよ?螺子。

螺子伏せる、だなんて洒落た事言ってさぁ。

おかしいよね、ほんと。

笑えてきちゃう。

でも、それでも憎めないのはどうしてなんだろうね。

彼の秘められた魅力なのか、はたまた私がまたしてもお人好しを発動しているだけなのか。

 

閑話休題。

時計を見ると、既に10時。

ほぼ頭の真上で、日が燦々(さんさん)と光り輝いていた。

あっぶねー。

今日が修行の日じゃなくて助かった。

でもこの時間帯、屋敷のどこかをフラフラしている球磨川さんならともかく、我妻さんはここにいるはずなんだけど...

あれ?今更だけど、どうして男女で部屋同じなんだよ。

部屋が足りなかったのかな。うん、なら仕方ないね。

「...いや、そんな事ないけど。まぁ、一回我妻さん捜索しましょうかねぇ。どうせ暇...」

 

バァァン!!

 

と、私が独り言を言い終える前に、大きな音でそのセリフは遮られた。

なんの音だ、と思ったら部屋の扉の音だった。

びっくりしたー。

音量大きすぎて銃声かと思っちゃった。

そして、その扉を開けた主が酷く焦燥しきっていることを確認して、私は二度驚いた。

お買い得だね。

で、その大音量の犯人は———

 

「冠石野ちゃん、やばい」

 

「———球磨川が、いない。」

 

我妻さんだった。

今何て言った?

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

球磨川さんが失踪した。

最初はそう聞いても何の不安も抱かなかった。

が、我妻さんによる、「屋敷の人が総動員で屋敷内と辺り一帯を探し回ったがいなかった」という事実のプレゼン(チグハグだった)を聞き、事の重大さに気づいた。

以前、我妻さんが「球磨川、事情は教えてくれねぇが帰る場所が無いんだとよ」と言っていたのを思い出す。

どこにも帰らない———帰れない。

なら、()()()()()()

 

「我妻さん、心当たりってあるかな?」

「いや、心当たりっつても、アイツ自分の事あんまり教えてくれなかったし...」

「ふむ...じゃあ昨日、何か不自然なところはありました?」

「冠石野ちゃん、敬語とタメ口を使い分けるのってどうしてなのかな...いや、特に変なところはなかったけ」

あ。

我妻さんがそう言った。

何かを思い出した時の顔だ———早急に教えて欲しいのだが、顔を真っ赤にするばかりで教えてくれそうもない。

なのでもう自分から問いただす。

「あいつぁ今何処にいるんだ?あぁ?」

「なんで取り調べ風なんだよ。いやまぁ、その、あのー、うん。」

銃版(テンプレート)

「あー何何何!ごめんってば頼むから銃口を向けないで!遊郭!遊郭に行ったんだよはいこれで満足ですか!」

「...ッ!?ゆ、遊郭って...」

()()()()()()

「...」

「...」

 

静寂。

 

...うっそだー球磨川さん。

そういう事だけはしないと思ってたよ。

「ふぅん...じゃ、今現在、球磨川さんは酒池肉林状態である可能性もある訳ですね。というかその可能性しか無いですね。よし、今からその店に殴り込みに行くぞ」

「いや、流石にそんなことは...第一、アイツは確か一文なしだった筈だからお金なんて持ってねぇ———あれ?」

と、ポケットに手を突っ込んだのち、驚愕の表情をこちらに見せた。

そして自身のありとあらゆる場所、そしてこの部屋も隈なく調べる我妻さん。

そして「無い...」と一言。

何が無いんだ。

「?どうしたの、我妻さん」

「やばいやばいやばいやばい何処だ何処だ何処だ何処だ...」と呪文の様に唱えている。

本当にどうしたんだ。

気でも触れたのかなぁ。

そう思い始めた時、つまりは全て探し終わったのち———俯きながら我妻さんはこう言った。

 

「...財布が、無い。」

 

さてと。

殴り込みに行こうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「全く、あんな場所へ行くなんて球磨川さんの品性が知れます。」

「んもう何なのあのバッカ野郎!あームカついてきた!絶対一発殴ってやる」

遊郭へ行く道中、私たちは大いに切れていた。

通行人が二度見するレヴェルだった。

待ってろ球磨川。

そんな感じで歩いていると、注意散漫だった(私が言える立場ではないが)我妻さんが人の肩にぶつかり

「ヒャ!ご、ごめんなさささささい!!」と、ヘタレを発動していた。

この人面白いなぁ、本当。

そして、肝心の相手は

「.........気をつけろ」とこちらを一瞥することもなく私たちが行く方向へ歩いて行った。

たったの五文字だったが、かなり苛立っていたのがうかがえる。

おもしれー。

私の挑発がどれくらい通じるかな?

「...なぁ、おいちょっと今ぶつかった人見ろよ」と、さっきまでビビりちらしていた我妻さんが指さした。」

「え?どうしました?凄く怖かったという話なら———」

 

日輪刀を持っていた。

とっても特徴的で、刃が蛇のようにグニョグニョと曲がっている。

 

...って。

いや、鬼殺隊かーい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「俺は伊黒だ」と、その男は端的に言った。

うーむ、サバサバ系ですかぁ。

カッコいいと思ってるのかなぁ、そういうスタンス。

それと、型に掛かっている蛇(蛇!?)が物凄く怖い。

なんでそんなに懐いているんだ...しっかり肩の動きに合わせた動きをしている。

目の色が異様なのも気になる。

左目が青緑、右目が黄...こういうのをなんて言うんだっけ...いつだったか、安心院(あんしんいん)さんに聞いたんだけどな...

あ、そうそう。厨二病だ。

と思っていたら、横で我妻さんが

「え、伊黒さんってまさか、蛇柱の...?」と言っていた。

 

...

柱かーい。

いやぁ、普通にエリートだったね。失敬失敬。

厨二病とか言っちゃった。

 

閑話休題(皆これ使ってるけど、どういう意味なんですかね?)

「...ほう、鬼殺隊の仲間の1人が行方不明になった、か」

「はい、そうなんです。宜しければ捜査の協力を———」

「断る」

我妻さんの頼みは一瞬にして断られた。

おーいおいおい。嘘だろぅ。

一瞬ノリツッコミしそうになるぐらいの勢いだった。危ない危ない。

「夜道を歩き回り、挙げ句の果てに失踪。———これを注意散漫の馬鹿という他にあるか?大体だな...」

おぉう。

思ったよりネチネチ言ってくるなぁ。

ついに本人を知らない人からも罵声を浴びせられるようになってしまった。

可哀想な球磨川さん。

「...まぁ、遊郭は今から討伐へ向かう場所だから、その馬鹿を助けたければ勝手について来い」

「え!?また鬼絡みなのぉ!?今回は日常パートだろおぉぉぉ!?」

...まぁ。

いつもの我妻さんヘタレはさておいて。

伊黒さんの今の発言は少し好感度上がりましたね。

これが噂のツンデレってやつですか。...違うかな。

「依頼では、若い花魁が事あるごとに消えているそうだ———何の前触れもなく。かなりの人数が食われているらしい。」

というわけで男二名、女一名は超有名な遊郭「吉原」へ向かうこととなった。

改めて読むと凄い文面ですねぇ。

一体何をしに行くんだって感じ。

死地に行くっていうんなら合ってるかもだけど。

ま、伊黒さんがいるから安心だね。

まさかこんな所に上弦の鬼が出てくる訳なんてあるまいしさ。

はっはっは。

 

...上弦がいた場合に怖いので今の発言は訂正するね。

 

てなわけで作戦会議だー。

いえーい。

「当初の計画であれば俺単独での夜の奇襲がメインだったわけだが、これでは一般人への被害の拡大という問題点が残されていた」

「まぁ、そうですね」単独で、という恐ろしいワードが聞こえたが、ツッコミのタイミングでは無さそうなので無視。

またネチネチされたら嫌だしね。

「が、そこにお前らが現れた」

「そうですね。現れちゃいましたよ、私たち。」

「...。それによって、被害を最小限に抑える事ができる最善の案を見出す事ができた」

「ほうほう、それは一体?」

 

   「———冠石野、潜入捜査をしろ」

 

ミッションインポッシボー。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「いやいやいや!無理ですよ私経験無いですし!2つの意味で!」

感情があまり表に出ないことで有名な(有名?)私が、珍しく大きな声で拒否をした。

あとから恥ずかしくなりそう———だけど、今回は今叫ばなければもっと恥ずかしい思いをする。

それは嫌だなー。

「安心しろ、今回は1つの意味の方だけでいい」

「...それは、ちょっと、困る、っていうか」

「いや絶対にそっちじゃないだろ」と、予想外にも我妻さんの方からツッコミが来た。

伊黒さんに至っては真面目に聞かない私にイライラし始めている。

ごめんごめん。冗談だってばよ。

ネチネチは御免だよ。

「なるほど、あくまで下働き、っていうことですね?」

「そういうことだ」伊黒さんが小さく頷く。

蛇の方が感情表現が上手そうだな、とか考えてみたりしていたら通じてしまったのか伊黒さんがギロ、と睨んできた。おぉ怖い怖い。

「それなら大丈夫ですよ、実は私、雑巾掛けと愛想笑いはプロなんです」

「嫌な人間だな、それ」

うろさいなぁ、我妻さん。

「上出来だ。...よし、なら本日から働いてもらうこととしよう。まぁ、鬼に喰われないよう精々頑張ることだな」

もうちょっとやる気の出る言い方は無いのか。

 

うーん。

にしても、帰りが遅くなったわんぱく球磨川さんを連れて帰るだけだったはずなのに、ちょっと壮大な感じになってしまった。

 

待ってろ球磨川。

 

別に好きなだけ負けても良いけど、私たちが来るまでは我慢してね。

 

 

 




原作にて活躍の場面が少なかった伊黒さんを召喚。
活躍してくれよー。

クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?

  • ない
  • ちょっとある
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