022
「我妻さん!?大丈夫ですか!?」
私は野次馬をかき分け我妻さんの元へ駆け寄り、脈を取った。
前試したら、「
流石粗悪コピーですね。不便です。
トク、トク、トク、と———血が流れる音がした。つまり。
あー、良かった。
生きてた。
いやでも、生きてたにしてもかなり重傷。
とんでもない威力で殴られないとこうはならないだろう。
それこそ、鬼塚教師か鬼くらい...
「え、じゃあこれ、一体誰が...」我妻さんに「
考えていると。
後ろから人影。
...おっと。
これはこれは...
ゾッとした。
冷や汗が頬をつたる。
私、やっぱり根はヘタレなんだなぁ...
うん。
このプレッシャー、間違いない。
恐る恐る振り返ると、そこには———
「悪いね。新入りにキツく当たりすぎちゃった。」
笑顔で立っている花魁がいた。
美しい笑顔。
だが、それはしのぶさんが球磨川さんによく見せる笑顔と似ていて。
半端ではない怒りが込められていた———多分。
ごめん、ちょっと適当なこと言った...
美人ってことしか分からなかったです、はい。すみません。
そして彼女は過ぎ去る。
姿勢いいなぁ。
...あれ、もしかして私って結構やばい?
そろそろふざけるのも止めたほうがいいかな...
「うっ...いっててて...」
「あ、我妻はん!大丈夫どすえ!?」
止めれなかった。
「心配のあまりキャラがおかしく...なってるとこ悪い...けど、痛いから...肩揺さぶらないで...」
「おっとそれは申し訳ない」
「...冠石野ちゃん、本当に心配してた?」
「まぁ正直そんなにしてませんでしたよ」
「おい」
「だってほら———ちゃんと受身取ってるじゃないですか」
我妻さんが。あの我妻さんがしっかり受身を取れている。
つまりは、しのぶ邸での訓練がしっかり身についている、ということだ。
我妻さん、結構頑張ってたからねぇ。
みんなが眠った後、夜中に一人ですぶったり(すぶったり?素振りをしたりかな)腕立て伏せしたり、呼吸の練習をしたり。
多分、一人だけ爺ちゃんに助けてもらっているのが嫌だったんじゃないかな?
良いとこあるじゃないか。
嫌いじゃないよ、そういうスポ根。
「ま、今日は一旦退いた方が良いかもな...」
「そうだね。我妻さんが失態を犯しましたし、捜査は明日に回しましょうか。我妻さんが失態を犯しましたし。はい、起き上がってください失態を犯した我妻さん。手を貸しますから、ほら」
「本当に心配してないんだね...いや1人で立てるよ...あぁまじで怖かった...もうやだよ...」
そう言いながら自分で起き上がった我妻さん。
...そういうときは手使ってもらったほうがいいんですけどねぇ。
まぁいいや。
そういうわけで今日は。
「「ちょっと下痢と副鼻腔炎と肺がんと中耳炎とインフルエンザなので今日は休みます」」
二人揃って体調不良ということで早期退社した。
なんで許可してくれたんだ、女将さん。
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「今日の夜、遊郭を攻める」と伊黒さんが言った。
...。
え、まじで?
「冗談じゃなくて?」
「冗談で言うわけがないだろ殺すぞ。...我妻の失態で此方のことがバレているのは確定だ。だから急がなければならない」
最悪、遊郭で働いている人全滅、なんてこともあり得るぞ
そう言った。
「それは...不味いですね」と我妻さん。凄く申し訳なさそうな顔をしている。
ちょっと面白い。
頬っぺた突いてみたいなぁ。
「というわけだ。夜までは時間があるから休め」
「あれ?伊黒さんそんな優しい人でしたっけ?」と言ってみたら立ち上がりながら伊黒さんにジロっと睨まれた。
こわっ。
最悪漏らすぞおい。
殴られるかな———と思ったが。
「...俺だって常にネチネチしているわけではない」と、不機嫌そうに言いながら扉の向こうへ行った。
あれ。どうしたんだろうか。
私の覇王色に怖気付いたかな。
はっはっは、ようやく見込みのある人間を見つけたよ。
「...伊黒さん、甘露寺さんのこと大好きだよなぁ...」
「あぁ、分かる分かる。...嘘だよ。え、そんな感じあった?いつ?」
「そっか、俺しか見てないのか。俺が甘露寺さんに女装させられたって話しただろ?そのときふと伊黒さんの方向いたら、めっちゃ睨まれててさぁ!終わった後凄い勢いで駆け寄ってきて甘露寺と話し始めて!甘露寺が次の任務に向かうってなったときも『...頑張れよ』だってさぁもう幸せ者だよなぁ伊黒さん!」
「だからなんで女たらしの癖にピュアなの...?はぁ、なるほどね。甘露寺さんが心配でネチネチする暇がないんだ」
なんだっけ、そういうの何て言うんだっけ。
えーっと、あー、なんだっけ。モヤモヤする...
ツ...つ...TU...
まぁ良いや。
何気にコアな話のできる球磨川さんに聞いてみよう。
———現在行方不明の、球磨川禊に。
じゃあ、私の快適な睡眠のためにも早く助けないとね。
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「怖い怖い怖い...どうするのどうするの...あぁ怖いぃ...とうとう俺も死ぬんだ...ひぃ...」
深夜0時。私たちは再び遊郭に訪れていた。
私はクルッと後ろを向き、ヘタレな我妻さんに対して教授のように人差し指を上にあげて言った。
「寝込みを襲うんだよ」
「それは何か違くないか?」
襲う———寝ている鬼を。
寝ているフリをしている鬼を切る。
流石伊黒さんだ。
戦略も意地汚いね。
まぁけど人間が大勢いる遊郭で被害を最小限に減らすためにはそれしかないんだけれども..
「球磨川さん、大丈夫かなー。」
「お前の本心が分からないよ、俺。まぁでもアイツなら大丈夫だろ。なんとかなるさ。問題は、俺なんだよ...」
そうだよね。
服も黒いしね。
「じゃあ、行こっか。いやぁ私が地図をこっそり盗んでて良かったですねぇ。我妻さんと違って良い仕事をしましたよ」
「本当にありがとうございます冠石野様」我妻さんが土下座しそうな勢いで謝ってきた。
冗談なんだけどね...
ちょっと可哀想だな。
あ、そうだ。
「ねぇ、善逸って呼んでもいい?」
「え!?あ、えっと、その、あー...うん、えっと。いい、ぜ?」少しずつ顔を真っ赤にしながらそう答えた。
下から上へ。真っ赤になっていく。
さながら林檎だ。
...ちょっと可愛い。
ていうか、前々から思ってたけど「我妻さん」って呼ぶの少し面倒なんだよね。特に寝起きは。
まぁそこは内緒だね。まずは我つ...善逸の機嫌を回復しなければ。
「よっ、男の中の男!漢!」
「えへへ...そうかな...」
「カッコいいよぉ善逸!広い背中が頼もしいわ!」
「よっしゃ存分に俺の背中眺めとけ!」
ズン、ズンとさっきまでのヘタレが嘘かのように遊郭へ突き進んでいった。
いやいやいや...
単純すぎない...?
まぁ結果良ければ全て良し、なんだけどさ。
というわけで私たちはようやく遊郭のなかへ侵入した。
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どーも。引き続き語り部は冠石野です、よろしく。
ただいま階段の裏に隠れているんですが...
はい、さっき一つ重大なミスを見つけました。
今思うとどうして皆気づかなかったのか不思議で仕方ないんだけどさ。
「...なぁ冠石野ちゃん。ここでしてるのって何だっけ?」
「えっと...うん、“夜の営み”だね...」
夜の。
夜の。
夜の。
夜の。
.......
いや、
馬鹿なのかな?
私も善逸も伊黒さんも。
さっきから卑猥な声が襖の向こうから聞こえて気まずいんだけど...
「あー、これじゃあ、鬼にバレたらいけない作戦が、
「うん...あの、場所が場所だから『いけない』とか言わないでくれる?」
「え?何で?」
「...何でもない」
え、何だろう...まぁ下ネタなんだろうけど...
私が無知なだけか、善逸が変態なだけか。
多分後者かな。いや絶対そうだ。
閑話休題。
「じゃ、とりあえず優秀な冠石野ちゃんが奪った部屋割りに書いてある「蕨姫寝室」に行くか?」
そう尋ねてきた。
が、生憎私は球磨川さんと同じ捻くれ者だ。
別の場所から探したくなるのが
「...いや、寝室じゃない。そこには球磨川さんはいないだろうし———人間を隠すとしたら、何処だと思う?善逸」
「やっぱ名前呼び、恥ずかしいな...えっと、何処だろう。トイレとか?」
「なんで...?ま、これはあくまで憶測だけどさ」
地下、とかありそうじゃない?
私は親指で下を指差しながらそう言った。
善逸が戦慄した。
あ、ごめん指間違えた...
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「それは...ありそうだ。だけどさ冠石野ちゃん。そんなの地図には無いぞ?」
「うん、だから———鬼が作った地下があるんじゃないかって」
「お、鬼が...」
秘密のアジト。
それ以外に、この大人数の従業員の目から逃れて人間を隠せる場所が思いつかない。
だから、問題はそこじゃなくて。
どうやって、地下に行くか。
大きい音を立てれば、騒ぎになるし———あ、そうだ。
良いこと思いついた———と、私は少しニヤッとする。
何を思いついたかって?
なぁに、ちょっとした
というわけで私は、スッと地面の木目に指を当てて、こう善逸に忠告した。
「...受身、取ってね」
「え、何す——————」
「
この辺りの床を
無かったことにした。
あれっ冠石野ちゃん、善逸のこと好...え、冠石野ちゃん???そんな感じの022話です。如何だったでしょうか?
まぁどうせ冠石野ちゃんのことだから適当でしょうけどね。うん。そうだと信じたい。
そろそろ球磨川を書かないと禁断症状が...手が震えます...早く続き書きますね...
どうでもいいけど022(おにいに)ですね。炭治郎今頃何し(ry
クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?
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ない
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ちょっとある
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めっちゃある