過負荷の刃   作:角刈りツインテール

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遊郭編、ついに戦闘開始ですいぇい。
冠石野ちゃんの動向が最近心配なんですよね。僕の書き方ってどちらかというと登場人物に勝手に動いてもらうみたいな感じなので...頑張れよ善逸も...


024 How ジャンプ展開 it is!

『———どうせ、勝つし』

 

胡桃ちゃんが、括弧つけてそう言った。

そして。そんな彼女をいつも通り ニヤニヤしながら眺めている僕は誰なのでしょうか。

はいそうです!

やぁ皆、久しぶり。最近出番の無かった球磨川禊だぜっ!

いえーい、ぴーすぴーす!皆見てるー?

いやはや。実に暇で暇で仕方がなかった。孤独死するときの気持ちがよく分かった。これからは老人を僕なりに労ることにしよう。

3話くらいかな?ずっと出番無かった訳だしね...これでも一応この物語の主人公だったはずなんだけど。

言うならば「グットルーザー球磨川害伝」って感じな筈なんだけど...

あ、でも隣の女の子———徳ちゃんって言ったかな?あれはねぇ。いやぁ可愛かったね。

全開浴衣もしてくれたし、もう思い残すことは無いぜ、ほんと。

...あ、でもなぁ。

どうしてか分からないけど、さっきから胡桃ちゃんが僕に怒ってるんだよね。どうしたんだろうか。

気になるなぁ。それが聞けないのだけが悔いだな、うん。

まぁいいや。それはともかく、だ。目の前では———

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

『...ッ!キリが無いよね...嘘だよ.....余裕余裕。弱いね、君.......ッ!』

「ははっ、アンタなかなか可愛いじゃないの。私に食べられる気はない?」

『ごめんなさい、私...百合はあまり好きじゃない......ッ!』

 

 

...いや、絶対にそういう意味ではないと思うんだけど。なんだろう。遊郭に来てから下ネタのボーダーラインが曖昧になってきているのかな。

まぁそれもまた置いておいて。

胡桃ちゃんが、僕を拘束した鬼と戦っていた。強さは互角くらいで、両者ともに必殺の間合いに入れない状況が続いていた。

胡桃ちゃんが銃版(テンプレート)で弾丸を放ち。鬼が帯でそれを受け止める。

その繰り返しで、埒があかない。それに、ここは地下だから日の出(タイムアップ)をねらうこともできない。

『...あはは』『いいねぇ、この感じ』『僕にピッタリの状況じゃないか』

 

『———面白い!』

 

と、鬼の元へ駆け出す。

そして全力で踏み込み———ジャンプ。

 

『てめぇの罪を———数えろッ!』

螺子伏せた。

 

 

僕の始まりの過負荷———「却本作り(ブックメーカー)」。

 

 

久しぶりに使う気がするので説明しておこう。

これを受けたものは、僕と同じ強さになる。

否、()()()()()()()と言った方が良いだろう。

そして、鬼の髪の毛は白色に——

 

「...へぇ、アンタの得物は螺子かい。なかなか面白いじゃないか」

『あれ?おかしいな...』

ならなかった。

胡桃ちゃんの弾丸と同じように、僕の螺子もしっかり帯に包まれていた。

危険を感じ、後方へ一時撤退する。

『ふむふむ、なるほどぇ』『上弦レヴェルになると、僕の攻撃なんてすっかり読めるんだ...』『あはは、今回もまた負けたかなぁ』

最初に客として出会った時とは打って変わって、人の悪そうな笑みをこぼした。

それを見て、僕もニヤッと笑う。

———これは、なかなかの過負荷(マイナス)だぜ。

魘夢のような出来損ないの過負荷ではない。彼女は。

本物の、

純正の、

骨の髄までの過負荷。

 

この世界で初めて出会ったそんな存在に、僕は興奮せずにはいられなかった。

あ、いや性欲とかじゃなくてね...あぁ余計なこと言っちゃった。締まらないなぁ。

『締まらないついでに言うけどさ』『「制欲」って制服着た女の子への性欲って意味だと思ってた仲間はいないか———うわっと!』

「はっ、いるわけないだろうが馬鹿め」

こえー。

攻撃ついでに口撃された。当たり前だ。これは猛省しなければならないね。

『俺...この戦いが終わったら謝罪会見開くん「お願いだからもうフラグを立てないでくださいよッ!」

帯を避けながら胡桃ちゃんにガチギレされた。

...あれ、僕いつフラグ立てたっけ。立ててないよね?

まぁいいか。

折角だから解説しておくけど、今回の戦いでの問題は実は力量の差ではないんだよね。

それだけならまだこちら側にも勝算がある。

何が問題かって、それは体力の差だ。RPG風に言うならHP...あぁいや、スタミナかな?

鬼は底なしの体力を持っている———が。

僕ら2人だっていつかは疲れる。

胡桃ちゃんが疲労を「無かったこと」にするにしても、彼女曰く弱体化されているらしいため一瞬の隙を突かれたらゲームオーバーだ。

あちらには弱点があり、こちらには弱点がある。

ただでさえこっちには僕がいるというのに。可哀想な胡桃ちゃんだ。

だが。

『へい、そこの鬼』『君の名前は何だい?』

「私かい?私はわらびひ———あ、もうこの名前で名乗らなくていいんだった。私はねぇ」

 

  堕姫(だき)さ。

 

『へーぇ。「堕ちる姫」かぁ』『うんうん、いい名前だ』『僕と———実に似ているよ』『恵まれない人生だったんだろ?あはは、可哀想に』『そんな堕姫ちゃんにはさぁ———』

 

『強キャラの思考なんて、これっぽっちも読めないだろうね?』

ス———と音もせず。

「———え?」

突然堕姫ちゃんの首に一本の、跡が現れる。

まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()切れ跡。

———そう。もしそこに突然、()()()()()()()()()

欠点(マイナス)長所(プラス)にできるぐらいの強い味方がやってきたら。

どうなるだろうか。

 

「......悪い、遅れた」

堕姫ちゃんの首が、その声から少し遅れてポトッと地面に落ちる。

 

その声の主は———小芭内(おばない)伊黒。

蛇柱である。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「嘘...」

その声の主は僕ではなく、善逸ちゃんでも胡桃ちゃんでも、勿論伊黒さんでもなかった。

切られた張本人、堕姫ちゃんである。

『ま、そりゃあそうだよねぇ』『訳もわからず突然切られたってんだからさ』『あはは、堕姫ちゃんかーわいそっ!』

「...お前、性格最悪だな」

伊黒さんまでそんなことを言い始めた。そんなにクズなのかな、僕。

自分からすると普通なんだけどな。ほんと、どうしてなんだろうね?

「なぁ冠石野。この鬼、本当に上弦の鬼なのか?」

『え?どういうことですか?』括弧つけながら聞く胡桃ちゃん———いや、今は普通に話していいと思うんだけどね。

キャラ被りが凄いんだよ。冠石野(かぶしの)だけにね。

と、その時。

「う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!」

 

「———コイツ、()()()()んだよ。雑魚にも程がある」

堕姫が大声で泣き始め———そのせいで伊黒さんの声がよく聞こえなかったから———いや、普通に聞いていても、聞き間違えかと思うだろう。

へぇ...こいつが———弱いだって?

まぁ、僕より弱いっていうことは無いだろうけど。僕以外の人から見て、「弱い」と思う事があるのだろうか。

 

これが、柱の実力ってことか。

煉獄さんのときは別行動だったからあまり見れていなかったけど、やっぱ凄かったのかな。

もっと乗客そっちのけでちゃんと見ておけば良かった。

いや、でもそれにしても———たしかに弱い気がする。下弦だって柱が二人もいてあれだけ時間がかかったのだ。

なのに上弦を、たった一人で一瞬で。

どういうことなんだろうか。

ていうか。

「うわあああああああん!!私まだ本気出せてないのに!!あああああ!嫌だ死にたくない!!うわあああああ!!嫌だ嫌だ嫌だ!助けて!」

泣き声がうるさい...どうせもう死ぬんだから最期くらい自分の人生を振り返った方がいいんじゃないのかな。

どうしてこんなに意味のない行動に時間を費やすのだろうか———そう思っていて周囲を見渡したら。

女性を全員上へ運び終えた善逸ちゃんと。

胡桃ちゃんと。

伊黒さん。

全員が、奇妙なものを見る目で見ていた。

もちろん見ているのは僕ではなくて———鬼。

何か、おかしいことあるかな?...って、あれ?

 

 

こいつ、()()()()()()()()()()()()()

 

 

一向に身体が崩れる気配がなく、ただただ胴体から離れた顔が泣きじゃくっている光景。

流石の僕でも、不気味に思えて———まぁ、来ないけど。

あいにく僕は空気が読めないからね。仕方ない仕方ない。

「気をつけろ、嫌な予感が、する」伊黒さんが刀を構える。

それに倣い、胡桃ちゃんと善逸ちゃんもそれぞれに構える。

———ま、いっか。僕の隠し玉を試すチャンスだ。そう思い、僕も刀を構える。

「ああああああああああ!助けて!助けてよぅ!!まだ死にたくないよ!!!ねぇお願いだから助けて!!」

堕姫の号哭が洞窟に。

響く。

響く。響く。

響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。響く。

響く。響く。響く。

響く。響く。

響く。

そして———

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

パラパラと、突如壁が崩れ始める。

『...あれ』『なぁ皆』『なんかここ、揺れてない?』

「ひっ!ほ、ほんとだ...あ、ここここここれ、やばいん、じゃ...?」

『これは、あの泣き声で揺れて...?』

「...!ここは危ない!一旦上に出るぞ!」

最後の、伊黒さんのその声は、今までで一際大きい叫び声でかき消された。

 

 

———お兄ちゃああん!!

 

 

そして爆風が吹き、僕らの視界は砂嵐で真っ暗になった。

それとほぼ同じタイミングで、強い衝撃と、重力感———

 

なにが、起きているんだ?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そして、僕らが次に目を開ける事ができたその時。

 

そこに鬼は居らず———眼前には、久しぶりの遊郭通りがあった。

つまり。

『...なるほどね』

多分、というか絶対善逸ちゃんだろう。

危険を察知した彼が、文字通り光の速さで、僕らを地上へ引き戻したということ。

『善逸ちゃんも、なかなかの男前になったじゃないか!』『最高だよ、ほん———あれ?善逸ちゃん?』

何処にもいなかった。

善逸ちゃんどころか、胡桃ちゃんも、伊黒さんも。そもそも、街の人居ない。

『まぁ、街の人は善逸ちゃんが避難させたにしても...』『もしかして僕、気絶してた?』『いやいやまさかねぇ』『僕に限ってそんなことがあるはずがないだろう』『だから僕は悪くない』『...さてと、探してみようかな』

と、長い独り言を終え、ようやく捜索する気分になった僕はとりあえずトボトボ歩いてみた。

そして特に用心することなく曲がり角を曲がる。

すると、そこには驚きの光景があった。

右の建物の瓦の上では善逸ちゃんと伊黒さんが堕姫ちゃんと。

左の建物の瓦の上では胡桃ちゃんが———え?

誰、あの鬼。

なんというか、凄くイカつい顔をしているけれど...こわっ。

任侠ドラマでしか見たことないよ、あんなゴワゴワのヤンキー。

ていうか、一つ凄いことに気付いてしまった。

 

強い味方と共に、訓練を活かして更に強い敵と戦う。

 

これは。

『これは...そう!』『友情・努力・勝利!』『圧倒的()()()()()()じゃないか!』『ははっ、これで熱くならない僕じゃないぜ』『舐められちゃあ困る』『さて、と』

 

『———救っちゃいますか、世界。』

 

僕はいつも通り括弧付けてそう言った。

その小声に気づいたのか、僕の高貴なオーラに気づいたのか、どちらか全く分からないが、胡桃ちゃんがこちらを向いた。

「くまがっ...球磨川さん!早く来てください!」

もはや、括弧つけるのを止めている———つまり。

彼は、この鬼はかなりの強敵ということだ。

だがしかしそれは。今の僕にとっては「都合がいい」としか思えなかった。

週刊少年ジャンプらしくなる、素材の一つ。

それが彼だ。それ以上でもそれ以下でもない。

と、いうわけで。

友情・努力———

 

『———勝利っ!』血気術 飛び血鎌『うわぁいってぇええええええええええ!』

突如現れた、緋い鎌。球磨川はそれに切られ、鬼の背後へぶっ倒れた。

...はは、めっちゃいてぇや。

「あぁん?なんだこのガキ。ヘラヘラしてて、腹立つなぁ。さぞかし()()()なんだろうなぁ。妬ましいなぁ殺しちゃおうかなぁ」

「...あ、妓夫太郎(ぎゅうたろう)さんそれNGワードです」

「はぁ?なんだそ「もう遅いよ」

ハッと、何かに気がついた鬼が後ろを向く。

そこには———もちろん球磨川がいた。

 

ボキ。

ボキボキボキボキ。

...

ボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボキボボキボキボキボキキボキボキボキボキボキボキ。

 

 

球磨川が身体中の骨を折りつつ、ブリッジもような体制で立ち上がっていた。

『あーあ、すっごく痛いなぁ!』『これは多分肋骨折れたなぁ』『後遺症になっちゃうかもね?あはは』『やべー、まだ死にたくないなぁ!』『あ、そういえば。ところで君さぁ、さっき———』「僕のことを幸せ者、とか言ったっけ?」「馬鹿かよ、お前」「僕が君より幸福だなんて———ある訳ないじゃない」『大体さぁこの状況を見ても同じことを言えるのかい?』

妓夫太郎はそんな球磨川を見てゾッとした。

ヘラヘラしていたと思ったら唐突にキレたり、またヘラヘラしたり。

これではまるで、向こうのほうが化け物だとさえ思ってしまった。

が。

「...俺の苦労も知らないで、酷いなぁ。死んだ方がいいなぁ」と、すぐさま体制を立て直す。

『あはは、いいねぇ』『週刊少年ジャンプっぽくなってきたぜ』『じゃ、そろそろ———』

 

 

本気の6割、出しちゃおっかな。

僕も勝ちに———価値に拘らなくちゃね。

 

 




どうだったでしょうか!!次回から本格的に戦います!球磨川の隠し球とは一体何なんでしょうか!暇な人は考えてみてね!!!!
あ、感想評価アンケートなども暇だったらよろしくお願いします〜。

クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?

  • ない
  • ちょっとある
  • めっちゃある
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