「じゃ、ルール説明しようか」
と、私———冠石野胡桃へ爽やかに提案したこいつの名前は。
…名前は。
あれ?
誰だっけ、こいつ。
まぁ実を言うと前回私が語り部になっていた時の投稿からかなり時間が空いてしまっているので記憶が無いに等しいのだ。
だが安心してくれ。
二人が戦っている中、私だけみかんを食べなからスマ◯ラをしていた訳ではないのだ。
信じてくれ。
私はそこまでクズ野郎ではない。
で、だ。
「名前何だっけ?」
「
爽やか———そして可愛い!
保護欲をそそられてしまう…これが彼の
なんて恐ろしいんだ。
「…で、本題に入るよ?」
「あ、うん」
どうやら雑談パートは終了のようだった。
説明してくれるのならば、ここはしっかり聞こう。
貰えるものは貰っとけ。
私の座右の銘である。
「僕たちが今から行う競技は———きゅうぎさ」そう言いながら弓月は自身が椅子にしていたかなり大きめの箱を広げた。
「だからどうして漢字で———て、あれ。それって…」
そこにあったのは、球、そして弓だった。
弓…?
球技だったはずでは?
「…って、まさか…」
「うん、そのまさかだよ。これは球技であり———そして」
弓技でもあるのさ。
そうドヤ顔で言った。
あー、だからさっきから『きゅうぎ』って平仮名で喋っていたのか…。
なるほどね。
…まぁ、うん。
確かに意表を突かれたといえば突かれているのだが…。
一体それに何の意味があったのかな。
それにルール説明の時に意表を突くんだったら勝負において何の影響も出ないだろう。
当たり前だ。
自明の理だ。
もしくはもっと何かの策があるのか…。そう思って彼の顔を見てみたのだが、その自慢げな表情には一切の曇りがなく、ただこれがしたかっただけなのだろうということが容易に判明した。
なんだか少し可哀想になってきた。
まぁいいや。
あいにく私は空気が読めない性分なもんでね。
私にとって空気っていうのは読むものじゃなくて吸うものなのさ。…いや、皆そうだったね。あはは。
…こういうところが禊に『安心院さんに似ている』と言われる所以なのだろうか?
「で、ルールは?」
「え?あ、うん。ルールはね…」と、弓月は『もう少し感想が欲しかった感』のある顔で説明を始めた。
「今から行うのは…球技でもあり弓技でもあるんだ。ルールは至って簡単さ。…とその前に、そこの弓矢を取ってもらってもいいかなー」と言って弓月は箱の中の弓矢を指差した。
そして特に逆らう理由もないので私は言われた通りにそれらを取り出す。
ふむ。
使ったことがなかったが、想像していたより重い。…いや、私が非力なだけかもしれないが。
これは流石に実戦では使えないな。
準備している間に殺されてしまいそうだ。
それにこんなものがなくとも
「じゃ、いい加減ルールせつめ———え?」
そろそろこちら側も『はやくしてくれ』と苛立ち始めたその時、彼は突然喋りを中断して自身の腹部を見た。
そこは———血。
血で赤く、紅く染まっていた。
そして弓矢が深々と刺さっている。
と、いうか…。
私が刺した。
この今私が手に持っている弓を使って。
引いて。
撃った。
どさり、と倒れる弓月。
「がっ…!おま…お前…!ひ、きょ……!」と唸り声にも似た言葉を発して彼は意識を無くした。
先程実戦では使い物にならないと言ったが。
流石にこの距離でなら、確実に当てられる。
相手が死ぬ場所にも、死なない場所にも。
今回刺さったのは勿論後者である。読者のみんな、安心して欲しい。
…。
死んでないよね?
なんだか唐突に心配になってきたので(度々言っているが私はこう見えてヘタレなのだ)、一応首に指を当てて脈動を確認する。
うん、生きてる。
…。
あれ、これ結構ゲスいことしてるな…。
と一つ解決すると再び別のことが心配になってきた。
血で染まった床。
そして倒れている男。
大丈夫かな、これ…。
まさに大惨事だ———第三次世界大戦に繋がりかねない。
ということで彼の傷はしっかりと『
久しぶりにこの能力使ったなぁなんて思いつつ扉の鍵を開ける———扉の雰囲気からして階段が続いているのだろうと思い込んでいたのでエレベーターが続いていて驚いた。
思い込みっていけないね。
と、いうわけで。
私は2人より一足先に3階へ辿り着いたのだった。
やれやれ。
世界救っちゃったぜ。
♦︎♦︎♦︎
やぁ読者諸君。
久しぶりだね。まさか僕のことを忘れてはいないだろうね?
いないよね。
そうそう、安心院なじみだ。それと、僕のことは親しみを込めて
———で、だ。
今回、どうして誰も死んでいないのにわざわざ現れたのかというと——— 1京2858兆0519億6763万3865個分の1のスキル『
時間移動のスキルをね。
ま、なんだ。
ちょっとした作者の事情さ。あまり気にしないでおくれよ。
…ん?
おやこの説明では納得できないのかい?ふむ、それは困ったな。
君、見かけによらず(失礼)なかなかやるね。僕を困らせることができる人間なんて君が初めてかもしれないよ。
なんてね。
あはは。
じゃあ建前の方の理由説明を始めよう———
ん、普通順番が逆じゃないのかって———おいおい。
おーいおいおいおい、しっかりしてくれよ君。説明の順番なんてどちらでもいいだろう?
事実を言おうと建前を言おうと。
運命なんて、そんなどうでもいいことでは何も変わりはしないのだからさ。
じゃ、続けるよ。
君たちは『
おや、知らないか。
まぁ知らなくてもルビの下の文字が全てを語っているのだけれどね。
知らなくても当然———何故なら、その理論はほとんど無名に等しい
ここで一つ具体例を挙げようか。
そうだねぇ…恐らくここにいる読者は既に鬼滅の刃を見ているであろうから、鬼滅の刃で説明しようかな。
アニメと原作では必ず一部に違いが表れるだろう?
尺の都合である程度カットされる場面があるはずだ。
なんなら登場すべきキャラクターが現れない場合もある。
もしくは、原作には無かった話が追加されているかもしれない。
第二期の最初で全くその通りの話を放送するそうじゃないか?確か、煉獄杏寿郎が———本作では生存しているが原作では死んでいる、悲しき男、煉獄杏寿郎が無限列車に向かう前日譚だそうだ。
原作派の僕は見ようかどうか迷っているところなんだが———っていうのは冗談なんだけど、良かったら君たちも見てね。
この場を借りて宣伝させてもらうが、結構面白かったよ。
———おっと、話が逸れていたね。失礼失礼。
閑話休題といこうか。
ともあれ、アニメと原作ではごく僅かに違いが出る。
当たり前だよね?
だがそれでも———『妹が鬼になったがために竈門炭治郎が鬼殺隊へ入り、最終的には鬼舞辻無惨を倒す話』という大筋は寸分たりとも変わらない。
分かってきたかな?
そう、これが———バックノズル理論さ。
その道中で何が起きたとしても。
誰が死んだとしても。
結局は同じ結果に至る。
冒頭と終結は堅い糸で結ばれている。
そういうことだ。
これがどうしたのか、と言う疑問も持った人もいるかもしれないが、まぁ一度落ち着いて茶でも飲んで、ここで最初の議題を思い出してほしい。
何故僕が『
そうそう、そういうことだ。
ここでの勝敗は———物語に一切影響を与えない。だから。
我妻善逸はルソー、モンテスキューと戦って勝ち。
冠石野胡桃は
球磨川禊は
そして最上階———5階へと到着した。
その概要は、今回はカットすることにしたのさ。
あぁ、心配してくれなくても大丈夫。完結後に番外編みたいな形で投稿するつもりだからさ。安心してくれ(安心院さんだけに)。
…まぁそういうことだ。
悪かったね、突然物語に割り込んできちゃって。僕が想像するにここからまだまだ面白くなりそうだから、もう少しばかり僕も観察するとしようかな...。無惨ちゃんが球磨川くん相手にどう行動に出るのかも気になるしねぇ。
僕を殺しうるスキルホルダーは果たして過去に存在するのか。
君たちもよければ、球磨川くん達のこのくだらない冒険を見届けておくれよ。
という訳で。
カミングスーン。神だけに。
♦︎♦︎♦︎
5階へ昇るエレベーターの中。
私は服や身体への被害を『無かったこと』にしていた。
おそらく最後のゲームはあと少しで死んでいた———本当に私に相性の悪いゲームだった。
これも計算のうちだろうか。
他の二人はどうなったのだろうか。
心配だ、と。そう思っているとどうやら到着したらしくガクンと動きが止まった。
そして扉が開く。そして一番最初に目に入ったのは、真っ白な部屋。そして一つの扉。
二番目に目に入ったのは———
『おや胡桃ちゃんじゃないか。』『あは、さっきぶりだね』そう言って片手をポケットに突っ込んだまま気怠そうにこちらに歩み寄ってきたのは———だなんて、素でこんな喋り口調なのは世界で彼一人なのでわざわざ言う必要は皆無だと思うが———球磨川禊だった。
こちらの苦労を知りもせず(まぁカットされているのだから当然か)、爽やかな笑顔だった。
腹立たしいくらいに。
いや、ていうかなんでカットしてるんだよ?
おかしくないか、普通に。
ゲームが思いつかなかったとかだろどーせ。覚えとけよツインテール。
角刈りツインテールめ。
もうちょっといい名前無かったのかコンニャロ。
…とまぁ作者への文句はここら辺でやめておいて。
私は素直に「うん、さっきぶり」と返した。
「ぜぬっ…善逸は?」
『よくこの言いやすい名前で噛んだね…』そう呆れてから『まだ来てないみたいだよ』と返した。
まじか。
いや大丈夫だろうな…?
まさかどこかで敗退していたりとか…あぁすごくありそうだ。急に心配になってきた。
ヘタレはつどー。
いぇーい、ぴーすぴーす。
じゃなくて。
「本当に大丈夫なのかな…」
『正直、あまり信用は出来ないけどね…』『ま、主人公補正の力を信じようぜ』『ほら僕たちジャンプ連載なんだしさ』
「ジャンプ…?」
なんのことだろうか。…まぁ球磨川のことだ。多分本当にどうでもいいことなのだと思う(最近区別がやっと分かってきたのだ)。あまり深く考えてはいけない。
5分。
私が5階へ到着してから経過した時間である———だが、一向に目の前のエレベーターが動く気配がしない。
やはり、善逸は負けて———と。
そう思ったその時。
ギィィィィィイ
「あ」
『お?』
目の前の———というのは嘘で、別に正面に立っていたわけでは無いのだが———一人でに扉が開いた。
怪しい音をたてながら。
ポルターガイスト、という西洋の言葉が思い浮かぶ。
えぇ…。
まさかここにきてホラー展開?
などと怯える私。扉の向こうの暗闇で何かが黒いウニョウニョ動いている気がするのは気のせいだろうか…。
気のせいか。気のせいだな、うん。
よし、帰ろう。
うんそれがベス『もしかすると善逸ちゃんもここにいるかもしれないし行ってみない?』
「わっばっかお前…!」
球磨川が言ってはならないことを口にした。
そのせいでお前とか言ってしまった。いけないいけない、つい本性が。
折角帰ろうとしたのに…第一、善逸に一人でここに入る勇気はないはずだ。もし善逸がこの階に到着しているのであれば、きっとこの中には入らず部屋の隅でぶるぶると震えているはずだ。故にこの先に進む意味は微塵もない。
だからさ、うん。
帰ろうぜ?
『じゃ、おっじゃましま〜す!』
「あーおいおい待ってよ〜!!!」
『え、何何なんなの…?』
「いや…禊は…善逸が…ここに一人で入れると思う…?」
『さぁ?』『でもまぁ———』『信じる気持ちは大事だろ!』
———何言ってんだこいつ!
馬鹿なのか!?あぁ馬鹿なんだな!
今やっと分かったよ!
あとお前が信じるなんて言葉を使うな!価値が薄れる!○ね!
…いや最後だけちょっと失礼だったかもしれない。
まぁいいや。
私は先に中へ入ろうとした、というかもう既に入っていた球磨川を見て、流石に一人は嫌だったのでついて行くことにした。
動く理由すらもヘタレだった。なんかもう自分が嫌になってくるね。冗談だけど。
あいらぶみー。
わんふぉーわん、おーるふぉーわん。
というわけで。
どうか私、死なないでね。
「私は死なないわ。あなたが守る者」
「間違ってるけど同音異議だし意味も通ってる…』『あ、けどけど、言ってることは人間として大いに間違ってるからね?』『そこんとこよろしく頼むぜ、胡桃ちゃん』
球磨川に諭されてしまった…。
なんという不覚。深く猛省しよう。
日本語が今少しおかしかった気もするが、まぁ。
なんとか———なる、よね?
うん、なるね。超なる。
どうせ勝つし。
そう思っていたら。
バタンッ!
と先程とは違う勢いのついた音で扉が閉まって。
当然のことながら私はパニックになった。
「何何何何何何何何どうしたのこれ何!?!?!?待ってやばいやばいやややばいってててて足打った球磨川の馬鹿!!!死ぬよ私たち!!どうしたらいいのねぇ!!!なんか喋ってよ!!!おーい!!!辞世の句読んだほうがいいかな!?読むよいくよ!?!?!?『ええいああ 君から もらい泣き』あぁやばいやばい!!!!泣きそうてかもう泣いてる!!!!咽び泣いてる!!!!!これはもうぴえん通り越してぱおんだわ!!!」
『…胡桃ちゃん、もしかしてふざけてる?』『それともそれが普通の狂人なの?』
多分後者だった。
悲しいことに。
恐ろしいことに。
「…はー、ほんと災難だなぁ…」とため息をつく私。
なんて可愛いのだろうか。
そして次回は『私たちが扉の中へ入って最初に目にしたものは』という全く捻りのない言葉から始まりそうです。仕方ない。怖いんだもの。
ふぅ…
覚悟決めるかぁ。
じゃ、また次の話で。
お互い生きてたら会おうぜ。
ちなみに僕のテストは死んでいました。特に古典がエグかったです。実にどうでもいいですね。
んでまぁ大事なのはついに親玉登場か?といったところですかね?まぁ、なんと言いますか。
次回、球磨川死す!デュエルスタンバイ!(2回目)
というわけで次回もよろしくお願いします!そして感想・評価などよろしければ!
クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?
-
ない
-
ちょっとある
-
めっちゃある