過負荷の刃   作:角刈りツインテール

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ひっさしぶりの投稿になりましたごめんなさい!!それと最近別作品と同時進行になっているのでペース上げるために一話を短くしようと思います!


038 されど限界へ。

そこからは泥試合が続いた。負の感情を「無かったこと」にしている冠石野による無慈悲な攻撃、そして彼女をサポートする善逸。その二人の阿吽の呼吸と言って過言ではない攻撃を真正面から受け止める芥川。

はっきり言ってアウェイであった。

「…ッ!キリがねぇ!」

 

  雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 神速

 

善逸は個の数日で編み出した自分の中で現時点において最強の技を喰らわせようとする。だがその刃も芥川には届かず、断絶された空間によって遮断されてしまう。

 

つまり、だ。現状最も芥川を倒せる可能性の高い人物は消去法で芥川の血鬼術をコピーしている冠石野ということになる。だが、芥川の血鬼術『羅生門』は冠石野の持つ『銃版(テンプレート)』のようにオートではない。刃、そして龍は全て自分の意思で動かさなければならないのだ。故に彼女の羅生門は精度が低く、完成された状態である芥川とは雲泥の差。誰がどう見ても圧倒的に押されてしまっている。

「芥川さん、いつから鬼だったんです?」

ギリギリの戦いの中、冠石野は余裕ぶって尋ねる。

「覚えていない。だが———貴様らと遊郭で会ッた時にはすでに鬼だッた」

芥川も、それに応じる。こちらは空元気でなく、本当に余裕そうな表情を見せている。

「せめて球磨川が生きていたら…いや、そんな変わらないか」

球磨川禊は先程無駄死にと言って過言ではないような死に方をした。今頃は安心院(あんしんいん)さんと会っているのだろうな、と冠石野は想像する。生涯無勝のあの男が生きていても状況を掻き乱してくるだけであって、価値につなげる行動は一つたりともしないはずだ。故に冠石野は球磨川の蘇生を考慮するよりも戦いに徹した。

(銃版(テンプレート)も使えたらいいんだけど…意識が分散しちゃって羅生門のクオリティが下がるからメリットとしては弱いんだよねぇ…)

さて、どうするかと冠石野は考えていた。代入大嘘憑き(サブフィクション)では相手の刀、龍の一部しか削れないし、すぐに再生されてしまう。なら応用の効く羅生門に力を注ぐのがこの戦闘においての最善策だろうというのが結局の結論。

そして開始10分ほどのこと、初めて赤色が宙に飛び散った。

それは———

「!?お、おい大丈夫か胡桃ちゃん!切られたのか!」

だが、彼女のどこにも切られた跡は伺えず———口から血が流れているだけだった。

「え?…いや…なんだろ、これ…けほ、けほ…」と、咳が出るたびに冠石野は顔を歪ます。

冠石野にさえも意味が分かっておらず、さらに驚くべきことに芥川でさえも目を見開いて、攻撃が止まっていた。

(痛い痛い痛い…なんなのこれ…)

冠石野の体から生えて蠢いていた黒い影は消滅し、それに乗って宙に浮かんでいた冠石野は当然のことながら勢いよく落下した。

「ガハッ…!」

「胡桃まじでどうした!!!」

「へぇ、よそ見してる暇があるんだね」

「———ッ!」

「はぁ…はぁ…ゲホ…ご、めん……」

善逸は善逸で弓月君也との戦いで必死になっており冠石野の下へ駆け寄ることができずにいた。

ヤバい、と2人同時に呟く。

球磨川禊はまだ、目を覚さない。

 

♦︎♦︎♦︎

 

「わかったぞ、お前の能力」善逸は弓月を指差しながら言った。「お前の能力は———スキルを入れ替える能力」

「ご名答♪なんでわかったのかな」

彼は当てられても焦りを見せることなく爽やかに笑ってみせた。ぞ、とする。

スキル入れ替え。一見して冠石野の下位互換のような能力だがそうとも言い難い。胡桃ちゃんの場合、それはあくまで劣化複製版であり、それ故にその能力をあまりに使いこなせすぎている人物やその能力が強すぎる場合、勝つことが難しくなる。

だがこのスキルは別だ。恐ろしくて考えたくもないが、例えば彼ば服の裏に死んだ人間の指を大量に潜ませていたら?

 

善逸は彼の中に球磨川のような過負荷性を見出し、それに当てられ喋る気が失せるが、気を持ち直して続ける。

「まず、お前がルール作りの能力者だとすれば疑問点がある。どうしてわざわざ胡桃と戦ったのか、ってことだ

「この城の核になるような能力だろうがそんなもん。なのにお前は最前線に立ってた。それは何故か———ルールだからだ。

「多分、初代のその能力の持ち主は死んでいるんだろう。そしてお前は相手が死んでなければ能力を入れ替えることができない。

「じゃなかったら、玄理ちゃんの強いスキルを今まで使わなかった理由がわからないからな。

「そしてこの場所でのルール、それは『3人と戦う』だ。そこまでは想像がつく。

「あとは…そう、ここまで強いスキルなんだ。必ずどこかに欠点(マイナス)があるはず、俺はそう考えたんだ。

「たとえば———()()()()()()()()()()()()()

「これで十分だろ?」

善逸は律儀に何もかもを話した。それを聞いた弓月はうんうん、と顔を縦に振って「いいんじゃないかな」と拍手した。いちいち、彼の振る舞いが苛立たしい、と善逸は息が荒くなった。

だが———そうなら話は簡単だ。

「で、わかったから何?どうするつもりだい?」

「あぁ…どうすることもできねぇんだよ。何なら球磨川の能力を奪われたら俺たちはおしまいだ」

「———!ふふ、自分で自分の首を絞めたね。そっか、不死身の彼とはいえ今は死んでいる判定なんだ」

「あ」

そしてさらに高笑いを上げた。

気高く。

美しく。

爽やかに。

甚だしく。

笑顔で。

雄叫びを部屋中に響かせた。

 

まずい。

完全にやってしまったああああああ!!!!

終わった!!!!!まじで終わったってこれ死ぬじゃん!!!!

「じゃあ使わせてもらうよ」

「ヒェぇぇェェェエ!!!!ごめんなさいごめんなさいさっきから高圧的な態度ばっか取っててごめんなさい許してくださいいぃぃぃぃぃい!!!!!」

 

それを見て彼は性格の悪い笑みを浮かべた。

「んー…どうしようかなぁ…」

「…ゴクリ……」

「許して欲しい?」

「うんうん!!!」

「死にたくない??』

「うんうんうんうん!!———ん?」

今一瞬、聴き慣れた喋り方が聞こえたような気が———

 

 

大嘘憑き(オールフィクション)

あ、死んだ。




次回、頑張れ善逸くん!

クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?

  • ない
  • ちょっとある
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