005
『へぇ、これが無限列車か!』『蒸気機関は動いてないのは見たことあるけど、やっぱり動いてると迫力が違うぜ。』『な、善逸ちゃん?』
「お前、意外と田舎っ子なのか...?俺は都会育ちだから見慣れてるけど。」
『ま、そういう事にしといてやるよ。君は1人で裕福な都会人であることに優越感に浸ってな』
「俺そんな性根腐った台詞言った覚えはないんだけど...?」
『覚えてないだけだろ?』
「黙れよもう...」
球磨川と善逸は、意外と仲良さげなこの2人は豪華蒸気機関車(現在で言うSL)に来ていた。
球磨川は今回、鬼殺隊員としては初の鬼退治だ。
で、あるのに彼の中に恐怖は微塵も、ミジンコほども無かった。
余談ではあるが、西尾維新のある物語にて、四国の魔法少女グループ「ウィンター」は、恐怖を、痛みを魔法で消してデスゲームを乗り切ろうとしたそうだ。
「なんか嫌だ」と拒絶した馬鹿な魔法少女だけが生き残り。
残りは苦しむことなく、安らかに死んだ。
恐らくは、球磨川も————死ぬのだろう。
そう、いつもみたいに。
♦︎♦︎♦︎
「でさ、どうやら俺たちと一緒に
『ま、そうだよね。チームワークって大事だし。チームで動いたことなんてないから憶測だけどな。ちなみに柱ってめっちゃ強い人の集まりってことで良いんだよね?』
「凄い悲しい話が一瞬聞こえたけど聞かなかったことにするよ...で、柱はまぁそんな感じかな。俺のじいちゃんも、元は柱だったんだぜ。」
『へぇ、道理であんなに強い訳だ』『僕は言わずもがなだけど』『君にも到底届きそうも無いね』『ほんと、甘ちゃんだぜ、君は』
「言うなよそんなやる気なくすこと...分かってるよ。んなもん。」
善逸ちゃんが不貞腐れた。
おっとっと。
僕は悪くない。ので、ここは少し褒めてみる。
『が、その甘さ』『嫌いじゃないぜ』
「全然嬉しくねぇよ....」
あう。
失敗失敗。次があるさ。
と、雑談をしていると列車が動き始めた。
『おー、良いね、この揺れ具合』『母親のお腹の中を思い出すぜ』
「どんだけ動いてんだ。お前の母親、格闘技でもやってたのかよ」
やってない。
ていうか見たことないから知らない。
ずっと昔、僕が、彼女の「存在」と「記憶」を「なかったこと」にしたのだ。
ま、若気の至りってことだ。悪意は全く無かったんだぜ?ほんとほんと。お笑い芸人風に言うならリアルガチってやつだ。
でもまさか、ちょっと
母は剛、だろう?
違った。強しだ。誰だよ剛って。
つまるところ、要するに。
『僕は悪くないよね?善逸ちゃん。』
「あ?どうした急に」
最後だけ口に出したから善逸ちゃんに変な目で見られちゃった。
いやん。
そんなこんなで(どんなこんなだ?)僕たちは次の車両に入ったのだが、防音がしっかりしているのだろう。扉を開けた途端、びっくりするくらい大きな声が聞こえた。一瞬かなり混雑しているのかと思ったがーーー
「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」
一人だった。
...そんなに美味しいのかな、その駅弁。
そして何が怖いかって、リズムが一定すぎるのだ。
さながらメトロノームって感じ。
『....僕を超えるキワモノって、こういう人のことを言うんだろうね。』
「うん...食に熱中しすぎててどうも話しかけずら『どうもこんにちは僕は球磨川禊でっす!同じ週刊少年ジャンプの人間として仲良くしてください!』
「お前時々すごいことするよな!?」
『え?そうかい?』
「美味い!」「あのー...」「美味い!」「美味い!」「美味い!」『おーい煉獄さーん?』「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「あー、あの、煉獄さん?あの?」「美味い!」『美味い!』「美味い!」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「煉獄さんですよね?」「美味い!」「美味い!」「美味い!」「あれ、違った?」「美味い!」「美味い!」「人違いかな...」「美味い!」「美味い!」『美味い!』「美味い!」
『「美味い!」』
「いや、お前も乗っかるなよ」
バレた。
閑話休題。
「うむ、君たちが我妻隊員に球磨川隊員だな!よろしく頼む!」
「はい、よろしくお願いします...で、俺たちは今からどこで鬼と戦うんですか?」
「ここだが。聞いていないのか?」
「え!?これ鬼が出る場所への移動手段じゃないの!?ここォ!?ここに出るの!?わかりました!嫌です!俺降ります!今から俺降りまああああああああす!!!」と善逸が騒ぎ立てる。
他の乗客が白い目で見てきたが、ここにはそんなことを気にする人物はいない。
ラッキーなことに、というべきか悲しいことに、というべきか。
『なんでちゃんとカラスの言ってたこと聞いてないんだよ...』『あ、僕が驚いて印象に残ってるだけかな?』『「うわっカラスが喋った!」って』『普通そこまでちゃんと聞かないもんなんですかね?』
「いや、細部までしっかりと聞くのが常識というものだな!」
『ですよね』
「いやアンタに言われたかないわ!俺の話聞かねぇだろお前さァーーー!もうやだあああああああ!!」
その叫び声を聞いて、球磨川はようやく善逸が本調子を取り戻したことを感じた。
先程までのツッコミが比較的静かだったことからもわかるように、善逸はかなり疲れていた。
スキルの代償。
疲労感。
善逸はスキルを使い慣れていなかったため、かなり精神力を削っていた。
...というのには結構前から気づいていたのだが、球磨川はあることに気づいていなかった。
————
以前、水槽学園においての元同級生である
もっとも、その時は頭痛だったが。
その時も安心院さんに出会ったことがきっかけで体調不良になったのだ。
学ばない男、球磨川禊。
先週アニメが最終回を迎えた美少年探偵団団長の美学を見習って欲しいものである。
これでは無学の禊だ。
閑話休題。
『で、どれくらいの規模なんです?実際の被害って。』カチッ カチッ
「もう既に何百人もの人が殺されている。かなり強い鬼と思われるため、こうして俺が来た。」
『へぇ、さながら英雄ですね。』 カチッカチッ
「そんな大それたものではない。これまで何度も助けを求める人を救うことができなかったしな。だがな。」
少なくとも正義の味方ではある。 ピカ ピカン
『僕にとっちゃ、それもかなり大それた存在ですけどね...でも、本当に出るんですか?』
「あぁ。今まであの鬼は3日に一回浮上している。今日が前回から三日目だ。気を引き締めろ。」 カチッ
「あぁやだやだヤダヤダ死にたく無いいいいいいいいい」 ピカン
ついに善逸ちゃんがブリッジをし始めた。ううむ。実に綺麗なブリッジだ。 カチッ
『ったくもう、昨日鬼殺隊に所属した人間がこうも冷静にしているのに、先輩である善逸ちゃんはそんなポーズをとってて大丈夫なのかい?』『あ、でも君は悪く無いよ!』『人によって向き不向きは違うもんね!』 カチッ
「だぁぁもううっさいなぁ分かりましたよやりますよ...てか先輩って言うならもっと敬ってほしいものだな。」
『それで、煉獄さん』と球磨川が善逸を無視して煉獄に質問しようとした矢先。
ダンッ!
唐突に大きな音がした後、列車の電気が全て消えた。
時刻は真夜中であるため、ほぼ何も見えない状態。
『あれ?おーい皆大丈夫?』
.......................静寂。
ガタン、ゴトン、という。列車の音のみが響き渡る。
まるで、世界に自分1人しかいないような。独りで海を揺蕩っているような、そんな感覚。
フワフワ、フワフワと。
違和感。————球磨川でなければ、「不気味」とも称したと思われる空気感。
そして、列車が進む向きも。
自分の居場所も。
自分の声も。
何もかも分からなくなってくる。
いつからだろう。
もしくは、いつから
僕が、眠りについていたのは。
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「...ねんねんころり、ねんころり。」
「幸せな、夢を————」
はい、眠っちゃいました。誰かさんの貸したスキルで、一体全体、魘夢の血気術はどれほどの進化を遂げるのでしょうか。
そしてその能力は球磨川に「幸せ」を見せることができるのか。乞うご期待です。
クロスオーバー作品としてそれぞれのキャラに違和感はありますか?
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ない
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ちょっとある
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めっちゃある