一夏「はっ!ふっ!」
セシリアとの模擬戦が決まって放課後、一夏はIS学園で用意してもらったトレーニングルームでイチガンバスターを用いて射撃訓練していた。飛んでくる弾を躱したり撃ち消したりしていた。
一夏「ふぅ。」
千冬「精が出てるな。」
一夏「千冬姉。」
そこに千冬がスポーツドリンクとタオルを持ってやって来た。
千冬「黒木司令官から聞いたが、桜田達と一緒に戦えるようになったようだな。」
一夏「ああ、束さんが俺専用のバスタースーツを作ってもらって。」
千冬「私も束が特命部に入っていることを聞いた時は驚いたぞ。全くこっちの気も知らずに!」
一夏「まあ、束さんらしいといえば束さんらしいか。」
一夏は千冬からスポーツドリンクとタオルを受け取り、休憩に入る。
一夏「そういえばどうしてここに?」
千冬「実はお前の安全を考慮して学生寮で暮らすこととなったのだ。それを伝えようと思ってな。」
一夏「やっぱそうなったか。」
千冬「エネルギー管理局からお前とマドカの荷物が用意されている。」
一夏「司令官用意してくれたんだ。ところで部屋ってマドカと一緒?」
千冬「いや、相部屋ではあるが別々だ。」
一夏「そっか。」
千冬「安心しろ、篠ノ之ではないが私やお前の知っている奴がルームメイトとなっている。」
一夏「俺達が知っている奴?」
千冬「後に分かる。遅くならないうちに寮に帰るのだぞ。」
一夏にそう注意して千冬は去って行くのだった。
一夏「・・・さて、俺ももう少し訓練したら戻るとするか。」
それから一夏は日が暮れるまで訓練を続けた。
一夏「今日はここまでにするか・・・それにしても。」
一夏は近くの物陰に向かって言葉を放つ。
一夏「さっきから誰なんだ、こそこそしているのは?」
???「ご、ごめんなさい!」
眼鏡を掛け、水色の髪が内側に跳ねた少女が素早く出てきた。
一夏「君は?」
???「一夏だよね?」
一夏「え、何で俺の名前を?」
???「やっぱり!あの、覚えてないかな?」
一夏は少女をしばらく見つめると昔の友達を思い出した。
一夏「もしかして、簪か!?」
簪「うん、そうだよ!」
一夏「久しぶりだな!」
簪「一夏ーー!」
一夏「おわっ!?」
会えたのか嬉しかったのか少女ーーー更識簪は一夏に抱き付いた。
一夏「本当に久しぶりだな。」
簪「うん、私も会いたかった。あの事件以来だね。」
一夏「待てよ。簪がここにいるってことはもしかして・・・。」
簪「お姉ちゃんもいるよ。」
一夏「やっぱり。」
一夏は若干苦笑いするが内心は嬉しく思っている。
一夏「でも何でIS学園に?」
簪「実は私、日本の代表候補生なの。」
一夏「そうだったのか。」
簪「そういえば一夏も特命部に入ったんだよね?」
一夏「ああ。大切なものを取り戻すために。」
簪「そっか。私達もできる限り手伝うよ。」
一夏「ありがとう。」
簪「ところでヒロム達元気だった?」
一夏「ああ、相変わらずだった。」
簪「そうなんだ、安心した。」
一夏「おっと、寮に向かわないと。」
簪「じゃあ一緒に行こう。」
一夏「ああ。」
一夏は簪と共に寮に向かって歩き出した。その時簪は顔を赤くして一夏と腕を組んで歩いていた。
一夏は簪の部屋まで付き添うことにしてから自分の部屋に向かうことにした。
一夏「簪、昔より可愛くなったんじゃないか?」
簪「そ、そうかな?///」
一夏「ああ、見違えるほど。」
簪「ありがとう/// あ、ここが私の部屋だよ。」
いつの間にか簪の部屋に着いていた。同部屋の者がいるか確認のためノックするとすぐに返事が返ってきて扉が開くと、なんとマドカが出てきた。
マドカ「あ、兄さん。と誰?」
一夏「マドカ。簪と相部屋はマドカだったのか。」
マドカ「え、簪?」
簪「うん。久しぶりだねマドカ。」
マドカ「そうだったんだ。ごめん気づかなくて。」
簪「ううん、マドカにまた会えたから気にしてないよ。」
一夏「じゃあ俺は隣の部屋みたいだからまた明日な。」
マドカ「うん、お休み兄さん。」
簪「また明日。」
一夏は部屋番号を確認してから鍵を開けてドアを開ける。
ガチャ
???「おかえりなさい。ご飯にします?お風呂にします?それともわ・た・し?」
マドカ・簪「「え?」」
一夏「・・・。」
パタン
一夏はゆっくりドアを閉めて気持ちを整理しようとした。部屋に入ろうとしたマドカと簪も気になってきた。
マドカ「兄さん、今の声・・・。」
簪「もしかして・・・。」
一夏「・・・。」
もう一度ゆっくりドアを開けて確認する。
???「おかえりなさい。ご飯にします?お風呂にします?それともわ・た・し?」
一夏・マドカ・簪「「「・・・。」」」
よく見ると水着の上にエプロンを付け、外側にはねた青い髪の毛の少女がいた。
???「久しぶりね、一夏君、マドカちゃん♪」
簪「お姉ちゃん!?」
一夏「え?ということは・・・。」
一夏・マドカ「「楯無さん!?」」
楯無「正解♪」
彼女の名前は更識楯無。簪の実の姉であり、一夏達とは旧知の仲だ。
楯無「サプライズ大成功♪」
簪「なんて格好してるのお姉ちゃん!?」
楯無「だって久しぶりに一夏君に会えるのに普通にお出迎えしてもつまらないでしょ?」
一夏「俺は普通で良かったんだけどな。」
マドカ「それで、何で兄さんの部屋に?」
楯無「一夏君の相部屋が私だから。」
簪「お姉ちゃんが?」
一夏「そうだったんだ。」
楯無「これからよろしくね♪」
一夏「あ、はい。」
簪「一夏、お姉ちゃんが変なことしたら言ってね。」
一夏「あ、ああ。分かった。」
楯無「ちょっとひどくない簪ちゃん?」
簪「だってお姉ちゃん時々やり過ぎることがあるから。」
マドカ「確かに。」
一夏「否定はできないな。」
楯無「もうみんなして~!」プク–ッ
楯無は頬を膨らませて不機嫌になる。
一夏「それより早く寝ませんか?今日はもう遅いし。」
楯無「そうね。」
マドカ「じゃあね兄さん。」
簪「お休み。」
今度こそそれぞれ部屋に入っていった。
一夏「まさか簪だけじゃなくて楯無さんにも会えるだなんて。」
楯無「一夏君。」
一夏「はい?」
楯無「二人っきりの時は何だったかしら?」
一夏「あ、そうでしたね、刀奈さん。」
楯無→刀奈「よろしい♪」
そう、彼女の本名は更識刀奈。楯無というのはとある一家の当主の名前だ。
刀奈「それと私はロシアの代表候補生と学園の生徒会長もやってるわ。」
一夏「簪も日本の代表候補生になったって言ってたけど姉妹そろって凄いな~。」
刀奈「うふふ。ねえ一夏君。」
一夏「はい?うおっと!?」ガバッ!!
刀奈は突然一夏に抱き付いた。
一夏「か、刀奈さん?」
刀奈「ごめんね。でも、一夏君が特命部に入ったって聞いた時は胸が張り裂けそうだった。一夏君が決めたことだから責めないけど、私と簪ちゃんも一夏君の力になるから1人で抱え込まないでね。」
刀奈は一夏の胸に顔を埋めると上目遣いで一夏の顔を見上げる。
一夏「・・・分かりました。ヒロム達と無理せずに頑張ります。」
刀奈「うん。・・・一夏君。」
一夏「ん?なん・・・っ!」
刀奈「ん・・・。」
刀奈は一夏の名前を呼ぶと一夏が返事した瞬間刀奈は一夏の唇を奪った。1分近くキスをして刀奈は漸く一夏から離れる。
刀奈「大好きよ、一夏君。」
一夏「・・・いいんですか、俺で?」
刀奈「ええ。簪ちゃんやフランスの”あの子”もね。」
一夏「そうですか。」
刀奈「安心して。」
一夏「え?」
刀奈「一夏君が私達の中から1人を選ぶ必要はないから。」
一夏「どういうことですか?」
刀奈「実はね、一夏君がISを動かしたことで『男性IS操縦者重婚法』が夏休みの時期に可決されることになったの。」
一夏「マジですか?」
刀奈「ええ、千冬さんにも私達なら大丈夫って認めてもらっているわ。だから全部終わったら、皆で幸せになりましょう。」
一夏「はい、皆で一緒に。」
刀奈「さ、もう寝ましょう。」
一夏「はい。お休みなさい、刀奈さん。」
刀奈「お休み、一夏君。」
一夏達はそのまま布団に入り眠りについたのだった。
翌日
一夏「ん~、?」
ガバッ
一夏は目を覚ますと胸辺りに違和感を感じ布団をめくる。
刀奈「うぅん・・・。スゥー、スゥー。」
刀奈が一夏の布団に入り込んで彼に抱き付いていた。一夏は驚いて声が出そうになったが慌てて口を押さえる。当の本人は一夏の胸に顔をうずめて安眠状態だった。数分して一夏は落ち着き、昨日の刀奈の告白を受けたのをきっかけに愛おしく思い始め刀奈の頭を優しく撫でた。
刀奈「んん~・・・ん・・・いちか・・・くん?」
一夏「あ、起こしちゃいましたか?」
刀奈「ううん、一夏君に頭撫でてもらうの、好きよ。」
一夏「そうですか。」ナデナデ
刀奈「うふふ♡」スリスリ
更に撫で続けると嬉しそうに目を細めて頬を一夏の胸に擦り付ける。一夏が見つめ続けていると視線に気づいたのか刀奈も一夏を見つめる。そしてお互い顔を近づけて唇を重ねる。
一夏「ん、おはようございます、刀奈さん。」
刀奈「おはよう、一夏君♪」
朝の挨拶をして2人はそのまま制服に着替えると部屋を出た。丁度隣のマドカと簪も部屋から出てきた。一夏が簪に昨夜の話をして彼女の想いを受け入れると伝えたら簪は嬉し涙を流して一夏に抱きつきそれを了承した。そしてマドカが見ているのにも関わらず2人はキスをして、残りの2人も微笑ましく見ていた。その後全員で食堂に向かい、朝食を摂った。
それから数日後セシリアとの模擬戦の日がやって来た。一夏はその間もゴーバスターズの訓練も楯無達の立会いのもと欠かさず行っていた。
マドカ「いよいよだね、兄さん。」
一夏「ああ。」
千冬「だが油断するな。オルコットは強いぞ。」
楯無「でも一夏君なら大丈夫よ。」
簪「絶対イケる!」
一夏「ああ!」
モーフィンブレス(一夏)『It's morphin time!』
一夏「Let's morphin!」
一夏はタイガーバスターに変身するとアリーナに飛び出していった。
タイガーバスター「タイガーバスター!」
セシリア「い、一夏さん!貴方ゴーバスターズだったんですか!?」
タイガーバスター「まあな。」
セシリアもタイガーバスターとなった一夏に驚きを隠せずいた。観戦していた生徒達も目を見開いていたが観客席にいた箒は千冬や束から事情を聞いていたため平然としていた。
『それでは試合を開始してください。』
タイガーバスター「バスターズ レディーゴー!」
タイガーバスターの掛け声と同時に試合が開始されるのだった。