そこは見知らぬ世界でした……なのorz 作:dslprojecter
ミュウは暇つぶしがてら美少女に付いていく事にしたのだが、まぁ対戦とか言っていたので怪我をしないように気をつけつつ、自分の今迄の鍛錬の成果がどの程度なのかを識るためにも楽しむ事にした。
「……着いたよ」
「うわぁ、おっきい建物なの〜」
「凄っ、どんだけ稼いだら建てれるのよ、コレ」
金髪美少女に案内された建物は広さも高さもミュウ達の居る廃教会の数倍はあった。ミュウは普通に感嘆し、優花は金銭面で驚いていた。そこへ黒髪、褐色肌の美少女が一人、こちらへと走り寄ってきた。
「アイズー、お帰りー」
金髪美少女の名前だろうか、大声で叫びながら満面の笑みを浮かべ金髪美少女に抱きついた。アイズと呼ばれた金髪美少女(以後、アイズ)は戸惑いつつも、いつもの事なのか静かに対応した。
「ただいま、ティオナ」
アイズはティオナという黒髪美少女(以後、ティオナ)に告げる。ティオナはアイズに抱きついた後、アイズとミュウ達を見比べ不思議そうに尋ねる。
「アイズ、この子達どーしたの?」
「……対戦してみたくなったから連れてきた」
「えっ?ダメダメ、アイズ、こんな小さい子イジメちゃ可哀想だよ。って、よく見たらこないだの子じゃん」ビクッ
「お姉さん、ミュウのこと小さいって言ったの。このお姉さんと対戦した後でどっちが上か分からせるの、覚悟するの」
「えっ?」
いきなりのミュウからの宣戦布告であった。
「あちゃー」
優花はやっちゃったという顔を隠さず、ティオナはアイズとミュウ達を見比べ、アイズを引き止めようとしたが双方ともヤル気になっているらしく、とりあえず団長であるフィン達を呼んで見守る事にした。
☆☆☆☆☆
アイズとミュウは10メドルほど離れて向き合っていた。周囲にはティオナに呼ばれたフィン、リヴェリア、ガレス、ティオナの姉であるティオネ達、他にもロキファミリアの主だった団員が集まって来ていた。総勢20人は下らないだろう。
「二人とも聞いてくれ。最初に言っておく事がある。ひとつ、どちらかが勝とうが負けようが一切の蟠りを以降に持ち越さない。ふたつ、ミュウちゃん、キミの護衛達(?)は、この対戦では使わないで欲しい。みっつ、ティオナの事は私がミュウちゃんに謝罪するので対戦はナシにしてくれ。以上が守られなければ、この対戦はナシだ。良いだろうか?」
「……分かった」
「〜〜。分かったなの」
アイズは容易に同意し、ミュウは自分の腕を試したい事もあり渋々同意した。
(くっ、策士なの。アイズお姉さんを倒してからと言った手前、アイズお姉さんと対戦しないとあの女と闘えないの、失敗したなの)
「では、双方とも用意は良いかい。それでははじめ」
フィンから開始の合図がかかり、アイズは愛剣デスペレートを抜き放ち右手から打ち下ろしてきた。対してミュウは左手にしゅらーくぅ、右手にどんなぁーを構え二丁拳銃で対抗していた。
アイズの剣戟に対して二丁拳銃、中・長距離ではミュウに分があるが、接近戦ではアイズに若干の分があった。ミュウは懐に入れまいとアイズが少しでも離れたら容赦なく弾幕を張り、アイズは弾幕を回避しつつ接近し斬撃を繰り出し、ミュウは斬撃を受けるため二丁拳銃の十字交差で受け流す。
(これでは勝負はつかないの。なら……)
ミュウはアイズが離れた瞬間を狙い後方へと下がる。アイズとミュウの距離が大幅に離れる結果となった、その距離、約30メドル。
ミュウはおもむろに腰へ手をやり、宝玉を人指と中指の間に挟め前方へ突きだす。
「オーダー!!シビル……」
「ミュウちゃん、それダメーーー」
大声で優花からストップが掛かった。熱くなった対戦を一気に冷やした優花に全員の視線が向いた。優花は恥ずかしい思いをしながらもミュウに諭す。
「ミュウちゃん、流石にソレはダメだから、対戦でしょ?」
「分かったなの、コレは使わないで違うの使うの」
優花が必死で止めた攻撃がどの程度の威力なのか、集まっていた団員には分からなかったが、かなりヤバい攻撃だとは理解出来ていた。フィンですら親指の震えが止まらないらしい。
ミュウはどんなぁー・しゅらーくぅを仕舞い両手に二本の黒剣、むぅらまさ、こてつぅを握った。
「今度はコレでヤルの。お姉さんだけが剣術を使える訳じゃないの」
「……面白そう」
両者は再び対峙し、辺りを静寂が漂う。一枚の木の葉がミュウの目の前を過る。アイズがミュウの視界から一瞬だが消えた。
木の葉の影に隠れアイズはミュウに仕掛けた。タイミングはバッチリだった。木の葉が流れた一瞬を付いた突きであった。ミュウは回避が遅れたが咄嗟に右手のむぅらまさを打ち下ろす。
(……勝った)
アイズはそれが普通の対戦であれば勝てただろう。だが今の相手は異世界人、しかも異世界をも飛び越えられる魔王(魔神)の娘であった。
「あっ」
ポキン、乾いた音がした。アイズは目の前の光景を凝視する。ミュウもちょっと吃驚していた。周囲の団員に至ってはアゴが外れていた。