そこは見知らぬ世界でした……なのorz 作:dslprojecter
【オラリア上空、高度50万メドル】
ーArrived,please give me instructions.ー
「不可視化及びバリア発動後、待機しろ」
ーRoger,invisibility,all range barrier activate.wait at the standby positionー
「ちょっと様子を見てくるから、とりあえずユエ達は呼ぶまで待っててくれ。安全を確認したら呼ぶから」
「………わかった、待ってる」
「危なくなったら呼んで下さい。どんな相手だろうが、一撃ですぅ」
「シア、お主が言うと洒落にならんのじゃが、フラグを立てるでない」
「うん、早くね」
「気をつけて行ってきて」
「あなた、ミュウをお願いします」
ミュウは召喚で呼ばれている。勇者でも無いミュウが神か人か何かに呼ばれている。現在の状況が判らないハジメは、ミュウの居場所を羅針盤で確認した後、オラリオ近郊の林の中にゲートを開く。
「それじゃ、行ってくる」
「「「「「行ってらしゃい」」」」」
☆☆☆☆☆
「すいません、ミュウちゃんが遊び疲れたようで、一旦、帰りますね。用があればヘスティア様のところに居ますから」
優花はミュウの事も心配であったが、ロキに対して居た堪れない気持ちが大きくなり、にっこりとリヴェリアに告げる。何故、リヴェリアなのかは言うまでも無いだろう。ロキファミリアの良心はリヴェリアだからだ。フィンさん?たしか団長でしたね、それがナニカ?
「こちらこそ、色々と迷惑を掛けたようですまない。そのうちお邪魔させてもらおう」
「お待ちしてます」
そうしてロキファミリアを後にした優花達、ミュウは優花におぶわれて眠っていた。見慣れない街中ではあったがヘスティアファミリアへ帰るのは塔を目指せば帰りに迷う事は無かった。次第に塔へと近づいていくにつれ、人の往来は激しくなっていく。
「お願いします、ボクをファミリアに入れて下さい」
「悪いがお前では無理だ、諦めろ」
よく見ると背のあまり高くない少年がファミリアの門番に素気なく袖にされているのが見えた。少年は項垂れ、とぼとぼと門番から離れ、宛もなく彷徨うところであった。優花は少年を見かね声を掛ける。
「キミ、もし良かったらウチに来ない?」
優花は自然だった。今までの優花であれば目を背けていただろう。だがトータスに行ってからは男女を超えた友情や助け合いを経験し、ハジメに対して恋慕を懐くようになっていた。そんな優花であるから少年の哀しみを感じたのだろう、笑顔で少年に声を掛けたのだ。
「……お、お姉さんお願いしますぅ。うぁぁん」(ノД`)シクシク
少年はどれだけ感動したのだろう。その場で静かに泣き始めた。
流石に、子供を泣かした様に見えるのは跋が悪かったので、優花は急ぎホームへと少年を促す。
「大丈夫だから一緒についてきて」
「はい」
優花はそう言い少年の手を取り、人混みを避けつつも迷わないように一緒に歩く。少年は優花から離れないように気を付けながらついていく。
「あった、ならこっちね」
お目当ての目印を見付けたのだろう、優花達は裏路地へと入って行く。そうして少年が辿り着いた先は、今にも崩れ落ちそうな廃墟同然の教会であった。少年の顔は不安そうに青褪めていた。
折しも、ソレはハジメ達が到着する八日前の事である。
☆☆☆☆☆
「ようこそ、ヘスティアファミリアへ」
満面の笑みを浮かべヘスティア様が両手を拡げている。単純に団員が増えた事が嬉しいのが見てとれる。
「宜しくお願いします、神ヘスティア」
きっちりお辞儀をして神を敬うベル・クラネルと名乗った少年。
私達の場合は最初の神がアレだったので、ここまで敬う事が出来ない。其処ら辺は私達とこの世界の人々との意識の違いなんだろう、と思ってしまう。
「ベル君、とりあえず
「私達は外へ出てますね」
ミュウちゃんを連れ私達は部屋の外へ出る。少年は多少、恥ずかしがっていた様に見えたが、コレはこの世界では最初にしなければいけない事だ。
ミュウちゃんを横に寝かしつけ今後の事を考える。どうにか団員は3人になった。今はまだベル少年のレベルは低いだろうが、それもダンジョンに潜り続けていればなんとかなる。ダンジョンがどのくらい深いのかは解らないが、助け合えば結構良いトコロまでは行けるだろう。しかもそのうちに南雲達が来れば万事解決しそうな感じでもある。日々の生活費を稼いで、安全にダンジョンを踏破しつつ南雲達が来るのを期待する。コレが最善だろうか。
そんな事を考えている間にファルナを刻み終わったようだ。
「優花さん、ありがとう御座いました。コレから一緒に頑張ります」
「もう少ししたら夕飯の買い出しに行くから、それまでヘスティアと休んでて、ダンジョン探索は明日からにしよう」
「はい」
ミュウちゃんを柔らかく撫でつつ、夕飯何が良いかなと考える。少年はこれから頑張るんだからガッツリ系かな、と思わず自分が子供を産んだ時の事を考え優花は悶えるのだった。誰のとは聞くだけ野暮である。