そこは見知らぬ世界でした……なのorz 作:dslprojecter
ミュウは今、オラリオの中心近くにある大衆酒場≪豊饒の女主人≫で一人、黙々とデザート(?)を食べていた。
周囲には店員さんと見られるメイドさん数人、パパや愁おじいちゃんが見たら狂喜乱舞するだろうなぁ、と思いつつ目の前にあるモノを食べる。
じゃが丸くん、と呼ばれるこの世界ではそこらの出店に売られているモノが、この店独自のアレンジが加えられ高級感が出されているのだが……。
所詮、地球のデザートを食べまくっていたミュウにとっては、ただのジャガ芋をまるまる一つ揚げたものでしかなく、高級感(?)どこら辺が?と超ブルーの気分を隠しつつも、おそらくは接待されているのだと思い文句の一つも言わず食べるのだった。
何故、そんなことになっているのかと言えば、あれからガネーシャ及びヘファイストス二神揃っての緊急の
議題は「異世界から少女が一人キタ」である。
当然、珍しいものが好きなこの世界の神々は我も我もと、今までで最高の参加者を有する
そんな事になっているとは露知らず、ミュウには、とりあえず此処で待っていてくれる?何か食べたいなら店員に言えば出してくれるから、と半ば放置されたのだ。
ミュウも異世界とあって、地球とは違う美味しいモノを期待して二つ返事で了承した。
それが目の前のじゃが丸くん(高級感だしてますよバージョン)である。ブルーになるのも当然である。
シャク、シャク、シャク
うん、どこを食べてもジャガ芋の味しかしない。ミュウはとりあえずジュースで誤魔化す事にした。
「店員さ〜ん、何かジュースはありますか?なの」
「少々、お待ち下さい。今、持ってまいります」
ミュウを奇異の目で見ていた店員ではあるが、すぐさま仕事と割り切り対応をする、それもそのはず未だにミュウはさ〜ちゃんから降りる事はしなかったのである。流石の一言である。
エルフの店員と思われるクールな美人がキッチンへと向かい、ジュースを持ってきた。
「どうぞ」
差し出されたジュースはオレンジジュースっぽかった。見た目はオレンジ、されど飲んだら違うモノでした、と更にブルーになるかも知れないと、恐る恐る飲んでみた。
結果、地球やトータスで飲んでいたオレンジジュースより、甘みと清々しさが格別だったのである。じゃが丸くんが出されたからミュウ自身の期待値が下がっていた。その下げて上げる効果は出ていたのかも知れない。
ミュウの表情は一変し、花の咲く様な笑みを浮かべ店員に告げる。
「このオレンジジュース、もの凄く美味しいの〜、ありがとうなの」
「ありがとうございます」
ミュウの笑顔で店員も安堵し、待機へと戻っていく。再び、オレンジジュースを片手に目の前のじゃが丸くんを黙々と食べ続けるミュウだった。
「こんにちは〜、今日はオススメはあるかい?」
一人の女性が入ってきた。ミュウは最初に胸を見て、シアお姉ちゃんに負けてないの、と不躾な事を考えてしまっていた。しかも衣服の上からなんだか知らないが紐で胸を支えている様だ。ナンダコレ?意味が無い紐って要らないよね、等とその人物のコーディネートにダメ出しすらしていた。
背丈はミュウより高く、あからさまなツインテール、シアお姉ちゃんに負けない胸、シアお姉ちゃん並みのヤバい服装、意味の無い紐コーディネート、この世界コレでも良いの?と様々に不躾な視線で見ていた。
その視線で気づいたのだろうか、ツインテ女性が近寄ってきて、右手をミュウに差出してきた。
「そこのキミ、ボクの眷属にならないかい?」
「眷属?」
突然、何を言われたのか解らなかったミュウ。眷属とはなんぞや?とりあえずオハナシから始めようと、会話してみる。
「眷属って何ですか?なの」
この一言で目の前の女性は動揺したらしく、え?眷属知らないの?と店員さん達を見廻す。さもありなん、と店員さんは呆れ女性に説明、ミュウはそのやり取りをただ見守っていた。
「素晴らしいよ、キミ。異世界からの転移で来たなんて、唯一無二の存在だ。是非ともボクの眷属にならないかい?今なら団長として迎えてあげるよ」
目の前の女性は興奮を隠そうとせず捲し立てる。ミュウにしてもこの世界の一端を知れると思い、女性に先を続けさせた。
「とりあえず眷属ってのを教えて下さいなの」
「そうだね。簡単に言えばキミはボクを主神と崇め、ボクはキミに
ミュウは内心、RPG世界キタ~、と喜びウンウンと頷く。女性もミュウがその気になってきたと知ると饒舌になり、更に勧誘を強める。意気投合したミュウと女性、周囲の店員が呆然と見守るのもなんのその、二人は手を繋いて店を去っていく。後に残されるのは只今、緊急で