博麗家の姉として   作:てへぺろん

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続きでございます。


姉と妹との出会いの回です。


それでは……


本編どうぞ!




姉となったあの日

 「しっかり反省してね?これは罰……わかってる姉さん?」

 

 「うん……わかってるけど……」

 

 「……けど、なに?」

 

 「は、はずかしい……」

 

 

 同じ巫女装束でも体格は私の方が背も高いし、筋力のついた体……胸は何故か妹の方が大きい。霊夢ちゃんに膝枕されている。優しく頭を撫でられて巫女装束のスカートから見える生足が密着した頬には妹の温もりが感じられて何と言うか……恥ずかしい。

 

 

 博麗神社から出て行こうとした私を力ずくで阻止した霊夢ちゃん、どうあがいても私じゃ抵抗しても無力で呆気なく逃亡することを諦める。本当は霊夢ちゃんの殺し文句に負けちゃっただけなんだけれどもね。それで一つ目の罰として朝食を一人で作る羽目になった。基本いつもは霊夢ちゃんと二人で作るのだけど罰だから仕方なかった。味も見た目も普通で私自身を象徴する朝食だった。霊夢ちゃんが作れば見た目は普通、味は美味い……私は料理にまでも負けていた。それを知っていても霊夢ちゃんは私に作ってほしかったみたい。罰なのにちょっとこそばゆかった。

 朝食を済ませて食器を片づけた後は二つ目の罰を言い渡された。それが膝枕だった。私が膝枕をする側ではなく、される側に回された。昔はする側だったのに……抵抗したがこれも力ずくで倒され、現在の状況になった。

 

 

 「ふふ、恥ずかしいの?可愛い姉さん♪」

 

 

 嬉しそうな霊夢ちゃん……罰になっていないと言いたかったし、恥ずかしいのでもう止めてとも伝えたかったが、もう少しこのままがいいと思えてくる。

 

 

 人肌の温もりを感じながらそんなことを思っていると不意に眠気に襲われた。

 

 

 「ふわぁ……」

 

 「姉さん眠たいの?」

 

 「昨日色々と考えていたから……どう霊夢ちゃんに別れを告げようかとか」

 

 「……もう二度とそんなこと考えないで……ね?」

 

 「わ、わかった」

 

 

 声色が変わって瞳に映る私の姿が赤く見えたのは怒っていた証だろう。この話はもうお終いにしよう……

 

 

 「よろしい、姉さんこのまま寝てていいわよ」

 

 「うん……わかった」

 

 

 霊夢ちゃんに甘えて私は睡眠を取ろうと思う。けれどもその前に一言だけ伝えておかないといけない。

 

 

 「霊夢ちゃん……ごめんね」

 

 「……うん、おやすみなさい」

 

 

 妹に甘えてしまうのと出て行こうとしたことを謝っておく。迷惑をかけて心配をかけてしまったことへの私からの謝罪だ。

 

 

 それからすぐに私は眠ってしまったのだろう。そして私が目を覚ますまで夢の中で懐かしい思い出と遭遇していた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「霊璃、今日も頑張って修行しましょう!」

 

 「はい、かあさま!」

 

 

 私は母様に拾われた。それは今から10年程前の話で、私が5歳の時だった。

 

 

 当時の私は母様と同じ博麗の巫女になる為の修行をするために早起きをした。そんな私の姿に感化されたのか母様も一緒に起きて毎朝早くから共に修行をすることが日課となっていた。

 

 

 博麗の巫女としてまず初めにすることは集中すること……集中力を鍛えて自分のものにするための修行だ。基本中の基本らしい……これぐらいならば私にだって楽勝だ。

 

 

 「いい?要らぬことは考えちゃダメよ?今日の料理はなんだろうなとか明日の修行はなんだろうなとか……」

 

 「かあさま、はやくやりましょう!じかんがもったいないです!」

 

 「ごめんごめん、それじゃ……始めましょう」

 

 

 楽勝だと思っていた。けれどもやってみるとこれが難しい……季節は夏だったと思う。太陽に照らされて日差しが強いと蒸し暑く、耳の周りを飛び回る虫の羽音が気持ち悪い。子供だった私ならば尚更だ。飛び回る虫に「あっちいけ」と怒ったこともあったっけ……それに暑いし喉が渇く。そして極めつけが座禅だ。集中力を高める為に座禅をして精神統一をするのだが、子供の私が我慢できるわけもなく足が痺れて結局最後まで集中できずに終わったことが多々あった。そんな私と比べて母様はずっと静かだった。時々いびきみたいな音が聞こえてきたような気もしたけど……きっと気のせいだったに違いない。

 

 

 「大丈夫よ、その内に気にならなくなるわ。霊璃ならきっとできる」

 

 「……ほんとう?」

 

 「ええ、本当よ。だって私の娘なんだから!」

 

 「えへへ」

 

 

 母様が私を元気づけてくれた。優しくて嬉しかった……私なんかを娘と言って誇らしげに胸を張ってくれる母様が大好きだった。

 

 

 それから私は頑張った。人里から遠く離れた場所に位置する博麗神社に住む私には時間が山ほどあった。今の私ごろの歳では同じ同世代の子供と駒で遊んだり、花札をやったりと楽しんでいたと思う。けれども私は違った……私は母様のような博麗の巫女になりたかった。子供の頃、直接見たことはなかったが母様は凄い人物だったと聞かされていた。時々スキマから現れる妖怪、博麗神社にひょっこりと突如として顔を出す紫さん。紫さんは幻想郷を創った凄い方で母様とお友達なんだとか……子供の頃であってもビックリした記憶がある。

 紫さんから多くの事を聞かされた。母様は数多くの悪い妖怪をやっつけて人々を守って来た幻想郷の守護者なんだって。母様は呆れていたけど、私が「かあさまかっこいいです!」と褒めたら抱きしめて頭を撫でられた。とても温かかったと今でも憶えている。それと紫さんには式と呼ばれる従者がいることを知る。名前は八雲藍、九尾の狐で藍さんも大妖怪で凄い方だった。それにあの尻尾が子供の私には魅力的で抱き着いてモフモフしてそのまま眠ってしまったこともしばしば……目が覚めたら藍さんに笑われて母様や紫さんにも笑われて恥ずかしかった。

 

 

 季節が変わり、暑さも失せ、涼しい風が吹く秋の季節となり集中力の修行もようやくまともにできるようになった。秋は暑くもなく寒くもない絶好の修行日和だった。当然集中力以外の修行も取り組み始め、母様と一緒に頑張る日々が続いていた。

 

 

 「うぅ……ぐすっ」

 

 「ほらほら、泣かないの」

 

 「だって……」

 

 「霊璃は頑張っているんだからきっと報われるわ。私が霊璃ぐらいの歳だった時は修行なんて辛くてグチグチ言いながら仕方なくやってたんだもん。でも霊璃は自分から進んで修行している。私よりも頑張っているんだし、霊璃はお利口さんだから大丈夫!!」

 

 

 私は泣いていた。集中力を高める修行はクリアできたが、博麗の巫女となる為にはそれだけではダメだった。巫女の仕事は悪さをした妖怪退治や異変解決だけじゃない。結界の管理も仕事の一つだった。

 

 

 『博麗大結界』

 幻想郷全体を覆う巨大な結界で、外の世界と幻想郷の行き来をほぼ不可能にしており、幻想郷の内部で妖怪が権勢を保っていられるのはこの結界のおかげである。論理的な結界だが非常に強力で、妖怪でも簡単には通ることはできない。ただし抜け道がまったくないわけではなく、事にもよるが行き来が可能であり、意思の無いものは無差別に通過できるため、無生物はもちろん、生物も気絶などして意識がなければ通過できる。

 博麗の巫女と八雲紫、またはその眷属が代々管理しているが、博麗の巫女は妖怪退治などの仕事があるため、主に八雲紫またはその式神が管理している。

 

 

 博麗の巫女になる為には力が必要……修行もそのためだ。妖怪退治に挑んで返り討ちになったのでは話にならない。力を付ける為に母様から教えてもらった修行を私はこなそうとした。

 朝早くから晩までぶっ通しで修行に明け暮れた日々もあった。母様が心配して止めようとしてくれた。けれども私が拒んで不安そうに見守る母様、仕事で外出している時も怠らなかった。けれども私が身に付けたのは集中力と体力程度で、肝心な妖怪を倒せるだけの力、結界を管理するための知識は手に入ったが、管理できる程の能力は手に入らなかった。紫さんや藍さんも見守ってくれていたし、手伝ってくれた時もあったが、結果はその程度だけだ。申し訳なさを感じつつもう少し大人になればきっと努力が実を結び、手に入れられるはずだと疑わなかった。けれども現在……疑い始めていた。だから私には無理なんじゃないかと泣いた。でも母様はそんな私を勇気づけて褒めてくれた。

 

 

 「かあさま……うん!わたしがんばる!」

 

 「そうよ、頑張って!」

 

 

 頑張ったが……結局できなかった。その日の夜は母様と一緒の布団で泣きながら子守唄を聞いたっけな。

 

 

 そうしている内に何年か過ぎてもあまり上達することのない日々を送っていた。けれどもその度に母様が慰めてくれて落ち込んだとしても辛いとは思わなかった。母様がいたから……母様がいるから頑張れた。

 

 

 そして……私に新たな運命の出会いがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「母様、おかえりな……その子は?」

 

 「この子は霊夢、あなたの妹よ」

 

 

 初めは母様の言っていることがわからなかった。母様の腕に中で静かに眠っている赤子が私の妹だと言う……順に説明されると理解出来た。その女の子は捨て子だった。しかも私と同じ場所に捨てられていたんだとか……まさに運命だと感じた。私と同じ道を歩んだ女の子、ずっと修行に力を入れ、人里に行っても特に意味もなく友達も作らなかったし、欲しいとも思わなかったことで友達なんかいなかった私に初めて同胞ができたような感じだった。

 その子は霊夢と名付けられ、血の繋がりはないけれど母様の娘になるのだから私の妹になる。この時、私が生まれて既に10年の歳月が流れていた。修行ばかり力を入れていて、母様や紫さん達が一人でいる私を気にかけていたのを知っている。この歳で誰一人友達もいなかった私を不憫に思ったのか神様が与えてくれた子ではないかとも大げさに思ったりした。

 

 

 「私の……妹?ほんとうに?」

 

 「ええ、可愛いでしょう」

 

 「妹……霊夢」

 

 

 初めて赤子を見る私は戸惑っていたと思う。母様の腕の中で眠っている赤子に手を伸ばそうとして引っ込めた……もしも触れて壊れてしまったらどうしようと考えたのかもね。母様に「怖がらないで」と言われて「怖がってない!」と強がりを言ってしまった。実際は怖かったのに……

 恐る恐る今度こそと手を伸ばした。指で妹の頬をつつくと柔らかかった。その感触がくせになって何度もつついていると目を覚ましてしまい怖くなって引っ込めようとしたけど、妹はその指を掴んで離さなかった。

 

 

 「母様!ど、どうしよう……!」

 

 「落ち着いて、きっと霊夢はお姉ちゃんに挨拶がしたいのよ」

 

 「……挨拶?」

 

 「ええ……お姉ちゃんこんにちわ。私は霊夢、お姉ちゃんの妹よってね」

 

 

 母様が私を落ち着かせようとしてくれた。おかげで少し余裕ができて掴まれていない方の手で優しく頭を撫でてあげるとキャッキャと笑ってくれた。

 

 

 「あう~!」

 

 「ふ、ふへへ……私の妹……霊夢!」

 

 「あうあ~う!」

 

 「霊夢も霊璃がお姉ちゃんで喜んでいるみたい」

 

 「ありがとう……霊夢」

 

 

 私は嬉しかった。妹ができたことに飛び上がってその日は修行もそっちのけではしゃいだ。

 

 

 その日から私は霊夢の姉として生きることになった。仕事で多忙な母様に変わり私が霊夢の世話をする。修行以外にやることが出来た。それにこの世話はとても楽しく赤子言葉しか返って来ないにもかかわらず毎日霊夢に語り掛けた。修行を頑張ったが成果はなかったとか母様の料理の手伝いをしようとして皿を割ってしまったとか愚痴と変わらなかったが楽しんでいた。妹の存在が私の癒しとなり、心に余裕を持たせてくれてたんだと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「霊夢凄いじゃない!一発でできちゃうなんて!!」

 

 「えへへ♪もっとほめて!」

 

 「偉い偉い!霊夢は凄いわ」

 

 「えへへ、おねえちゃんもほめて」

 

 「霊夢ちゃん……凄いわね」

 

 「えっへん!」

 

 

 私は姉だから霊夢をちゃん付けで呼んで自分の方が偉いんだぞ!と主張するような子供的な発想だったのではないか?そこはよく憶えていないが、霊夢をちゃん付けで呼ぶことにしたのはこの頃だったはずだ。でも霊夢ちゃんには驚かされた。既に5歳となった霊夢ちゃんがもう私を超えていた。

 修行の一つで霊力を込めた小さめの弾を作り出す。霊力を込めた弾を撃ち出す基本的な攻撃の修行だった。後で知ったことだが、私には霊力がほとんどなかったのだ。そのため霊力を込めた弾を作り出すことも困難であり、何度か成功したが、とても小さくて米粒程度の弾で威力も蚊ほどしかなかった。霊力も仕方によっては増加するはずだと聞いたので今でも修行は欠かさずに訓練していた。そんな時、霊夢ちゃんもやりたいと言い出し、母様と私が見守る中やってみると一発で成功してしまう。それも私よりも何倍も何十倍もでかい弾……普通の手のひらに収まるサイズらしい。それをたった5歳の少女が成功してしまったのだ。驚く私と褒める母様に自慢げに胸を張る妹……私が5歳の時とは大違い……

 

 

 この話を紫さん達に話すとすぐに霊夢ちゃんを呼び出して話を聞く。自信満々で自慢するように語る妹の姿を避けるように視界に入れなかった私だったがまたも驚かされた。この歳でここまで霊力を扱えた巫女はそう居ないのだとか、母様達は元々妹には素質があると見抜いていたらしく次世代の巫女として期待されているようだ。そしてこの話に疑問を感じて……

 

 

 「私は……次世代の巫女には選ばれないの?」

 

 

 ボソリと呟いてしまっていた。その言葉を聞き逃さなかった紫さんと藍さん、そして母様の表情が硬くなる。何となくわかっていた。私はもう15歳で、博麗の巫女として十分に役割を果たせる歳だ。だが今だ巫女ではない……巫女としての力量がなかったのだ。そのことを母様達はわかっていた……それをあえて口にすることはなかっただけである。きっと私のことを思ってのことなのだろう……

 

 

 「霊璃……辛いかも知れないけど現実は厳しいの。あなたでは巫女になれない……ハッキリ言うと相応しい力がない。結界も管理できないし、妖怪と戦ってもきっと負ける」

 

 「そんなこと……やってみないとわからない!」

 

 

 ムキになった。ハッキリと言われて自分自身でもわかっていた。けれども認めたくなかった……母様に憧れ私は博麗の巫女になれると信じていたから。

 この苛立ちを紫さんにぶつけてしまっていた。文句も言うどころか率先して修行に取り組み今まで滅多なことでは怒りもしなかった私が声を荒げたことに驚いている様子だった。母様もそうだった……傍にいた妹は私を怖がって母様の背後に隠れてしまう。沈黙が続くのに耐えられなかった私は逃げるように家を出た。

 

 

 しかし人里に行くにしても誰も頼る相手がいない私はどこにも行く当てもない。仕方なく博麗神社の裏手でひっそりと物陰に身を隠していると妹が私を発見した。

 

 

 「おねえちゃん……だいじょうぶ?」

 

 

 妹の優しさが辛く涙腺に響いてくるが我慢した。

 

 

 「別に……問題ない。それよりも母様達のところに戻ったら?」

 

 

 気丈に振舞う私は子供だったと認識させられる。自分は姉だから妹には弱い部分を見せないようにしていたのだ。

 

 

 「ううん、おねえちゃんのとなりにいる」

 

 

 そう言ってちょこんと私の隣に寄り添う妹……ますますその行動が涙腺を刺激し、我慢するのが大変だった。

 

 

 「……おねえちゃん?」

 

 「……なに?」

 

 「……おねえちゃんがおこったの……れいむのせいだよね?」

 

 「……えっ?」

 

 

 この子は何を言っているんだ?とその時は思った。

 

 

 「れいむが……わるいことをしたから……」

 

 「悪いことなんてしてないじゃないのよ……どうしてそう思うの?」

 

 「れいむが……じまんしたから……おねえちゃん……おこったんでしょ?おねえちゃんのほうがすごいのに……まいにちがんばってしゅぎょうしているのに……」

 

 

 たった5歳の妹に心配され、気を使わせてしまった。それも自分のせいで怒ってしまったと責任をこの歳で感じていた。

 

 

 「……ごめんなさい……おねえちゃん……」

 

 「――ッ霊夢!!」

 

 

 我慢できなかった。事実を突き付けられて紫さんに当たってしまい妹を怖がらせて……その妹に謝られて……ダメな姉だ。罪悪感に囚われ縮み込む妹を抱きしめて泣いた。霊夢ちゃんのせいでも紫さんのせいでもない……私自身のせいで悪いのは私なのにこの子はそれでも心配してくれた。何故泣いているのかわからない私をまた心配してくれる妹に更に涙腺を崩壊させて困らせた。しまいには訳もわからなく不安になった妹も一緒に泣いたのはお互いに恥ずかしい思い出となった。その後、しっかりと紫さんに謝って現実を受け入れることにし、私なりに母様のような博麗の巫女になるために今よりもっと頑張ればいいだけのことだと伝えると笑顔で母様に抱きしめられた。やっぱり母様の胸の中はとても落ち着く……妹は「おねえちゃんだけずるい!」と私と母様の間に割り込んで家族3人で抱きしめ合った。

 

 

 母様がいて、妹がいて……私がいる。

 

 

 憧れの母様が笑顔で抱きしめてくれる、可愛い妹は私を姉だと後をついてきて甘えてくれる。

 

 

 私は母様のようになりたいし、妹の手本となるような姉になりたい。

 

 

 博麗の巫女になる夢があり、母様と妹がおかえりと言ってくれる居場所がある。

 

 

 捨て子だった私には素晴らしい家族がいる……私はなんて幸せ者なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……その日からすぐのことだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……母様がこの世を去ったのは……

 

 

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