風になる   作:猫タクシー

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この前サメが水面からジャンプして鳥を食べるって動画を見たんですけど、あんなにジャンプするもんなんですね…怖い。

少し彼らのPROFILEを修正したので、良ければそちらも読んで見てください。






第13話

 

 

 

「この調子ならいけるな」

「うん、あと2点とるよ」

 

 馬狼、千切、凪たちの三人の作戦は単純明快。あの11番()相手にマークを集中させること。悔しいが、彼相手に一人では対応しきれないという見解は三人とも一致していた。

 

 二人以上でマークするのにはもちろんリスクもあることにはあるが、幸い残りの二人が上手く機能しておらず、結果的に三人はある程度のDFの技術で敵チームを抑え込むことに成功していた。

 

「ほざけ。俺が10点とって終わりだ」

「口だけは達者になったよね、王様(キング)

 

「つかこれ5点先取だし」「あ!?」とキレた馬狼と睨み合う凪を、千切がまぁまぁ、と止めに入る。しかし、千切は内心この二人が同じチームで良かったと安心する。

 凪のトラップの上手さには相変わらず舌を巻くし、馬狼の突破力とロングシュートは凄まじい脅威だ。

 もちろん、俺だって俊足(2人に無いモノ)を持っているし、同じチームだからといって負けるつもりはさらさらない。

 

 おふざけは終わりにして、配置につく三人。キックオフは相手ボールからのスタート。

 

 このとき、馬狼のみがナニカを感じ取った。

 それは───言葉にしきれない不安感。

 チリッ、と肌がヒリつくような焦燥感。

 臆病して(チキって)いるのか?この俺が?

 

「ハッ」

 

 内から湧き上がってきた雑念を、馬狼は振り払うかのように笑い飛ばす。

 関係ねぇ。どんなことをしてこようが、真正面から叩き潰す。

 

 チームWHITEから再開(キックオフ)。迅が相変わらずボールを持っている。と、いきなりボールを77番(広海)に預け、疾走(ダッシュ)

 突然のプレーだったが、馬狼は難なくついて行き、千切も広海に即座にDFで対応する。

 11番()にパスは出させない。ここで、俺がカットしてそのままゴールまで持っていく。

 

 広海は千切の早い寄せにも全く動じず、ボールを保持。ドリブルを開始する。

 

「(コイツ(広海)、普通に上手いじゃねぇかよ…!?)」

 

 驚いたのは千切。なぜ前半まで迅に頼りきっていたのかと思うほどの技術とボール保持。まるで先程までとは別人、いややっと実力を出したのか。

 なぜ今になってと疑問に思うと同時に、中々ボールを取り切れないことに苛立つ千切。少しづつだが、着実に自陣に攻め入られる。

 

「当たり前だよ。こちとら何年CBやったと思ってるんだ」

 

 実は広海はFWよりDF歴の方が長かった。FWになったのは、最近のこと。

 その中でも彼が受け持っていたのはCB(センター・バック)。GKというポジションを除けば、それより後ろに立つものはいない。言わば、『最後の砦』。

 彼らは、常に落ち着いてプレーできる精神力(メンタリティ)と、正確にパスを繋ぐ技術力(コントロール)が必要とされる。

 それに加え、彼はここ最近FWとして必要な技術も叩き込んでいる。

 

 故に、千切が彼からボールを奪えないのもまた必然であった。

 

「この!」

 

 千切を振り切った広海は一時的に自由(フリー)となる。11番から馬狼を外すのは愚策と判断した凪は、89番(鮫貝)のマークを外して自分がプレスに行くことを決意。

 

「ッ!ヤバっ」

 

 こいつも長距離蹴弾(ロングシュート)持ち…!

 予備動作(シュートモーション)に入った広海を見て、凪はギアを上げる。打たせまいと突っ込んで来ようとしたところで、広海は凪を引き付けてパスを出した。

 

「ナイス、鯱」

 

 ボールを受けとった鮫貝は、ドリブルで敵陣を駆け抜けていく。凪はそのままの流れで彼にDFについた。

 

「チッ…やりづらっ…!」

 

 急加速&急停止を繰り返すドリブル。そして細かいタッチで凪を翻弄していく鮫貝。更に凪がやりづらい理由はもうひとつあった。

 それは、身長差。190cmに近い凪と比べて162cmと小柄な鮫貝。相対性から、彼らの腰の位置はかなり違っている。よって、体をぶつけてDFをしようとしても、上手くすり抜けられてしまう。

 

 

 

 ◇◇◇ チームWHITE 控え室

 

 

 

「で?話って?」

 

 このままではマズいとわかっている広海と鮫貝は、迅の言葉に耳を傾ける。

 

「作戦を変更するぞ

 ひとつ、もう俺にボールを集めようとしなくていい。

 ふたつ、自分がゴールすることだけを考えろ」

 

 突然のその提案に彼らは無言になる。

 

「今俺たちは俺にばかりボールを集めすぎている。そのせいで相手は逆にDFしやすい状況になっている。なにせ、俺だけを潰せばいいんだからな 」

 

 本音を言えば、迅はボールを自分に集めるという作戦に異論はなかった。しかし、認めたくはないが今の自分一人の力ではアイツら三人を打ち倒すことは難しい。

 

「チームのことは一旦忘れろ。俺たちは今から明確な(ライバル)同士だ。これからは誰が相手からゴールを奪えるかの、敵味方チーム関係ない戦い。お前らがこの6人の中で一番点を取れば、必然的にチームの勝利がおまけでついてくると考えろ」

 

 こいつらだって伊達にこの青い監獄(ブルーロック)を生き残ってきたわけじゃない。それなりの実力があると俺は読んでる。

 

「いいの?俺たち、君より下手だけど」

「やりたくないなら別にやらなくてもいい。だが、お前らの目はそう言ってないぞ?」

 

 鮫貝と広海の二人は、気づかれていたかとでも言うかのように笑みを浮かべた。

 それを見て満足したのだろうか。迅は、後ろを振り返ると歩き出した。

 

「悪かったな。お前たちには俺に期待をさせすぎた。だが、もうお前らを縛るモノは何も無い」

 

「存分に暴れろ」

 

 

 

◇◇◇

 

 

「任せたよ、大将」

「やっとか」

 

 鮫貝からのサイドチェンジパスは迅の元へ届く。彼の元には、キックオフ当初から馬狼がマークについていた。二人の一対一が始まる。

 馬狼のやることはひとつ、中を切る。縦に勝負される分には構わない。

 狙い通りというか、迅はどうぞと言わんばかりに開かれた縦への道を突っ走る。

 

「チッ…!」

 ムカつくがやっば足は俺より早ェ…!だが、俺の仕事はコイツにシュートを打たせないこと。どうせ敵のもう二人は雑魚だ、それ以外は何をされても痛くねぇ。

 

 途中、中へ切り込もうとしてくる迅を何度も邪魔をする。それを繰り返すうち、左サイドのコーナーギリギリまで追い詰めた。

 

「もう後がねェぞ?天パ野郎」

 

 そして馬狼は、迅が自分を見ていないことに気づいた。

 …なんだ?何処を見てる?まさかここからシュートか?ありえねぇ。打ったとしても、角度が無いここからじゃ絶対に入るわけがねぇ。

 い

 再度、チリッ、と肌がヒリつくような感覚を馬狼は感じとった。

 

 迅の目線の先には、ゴールの少し手前。P・A(ペナルティエリア)目掛けて走ってくるチームメイト(2人)を捉えていた。

 

 

「「寄越せ」」

 

 

 迅はニヤリ、と笑みを浮かべた。不味い、と本能的に危機感を感じとった馬狼はすぐに距離を詰める。左へ少しボールをスライドさせた迅。だが、助走からキックするまでにボールはラインを割ると馬狼は読んだ。

 

「もう遅ェ!」

「───そりゃ左で蹴ったらの話だろ?」

 

 結論から言えば、ボールはラインを割る前にロングクロスが上がった。

 

「ラボーナ…!?」

 

 スピードに乗ったボールは高い軌道を描きながら、鮫貝と凪の元へ。凪は軌道の途中経由地点を予測し、そこへ回り込むと───跳躍(ジャンプ)

 

「は?」

 

 

 おい待て。

 ────なんで8()9()()()()()()()()()()()()

 

 

Its’ a hunting time.(さぁ、狩りの時間だ)

 

 

ヘディング(ダイレクト)シュート

 

 

「キシシ、低いなぁノッポ野郎」

 

 

3(RED)2(WHITE)

 

 

 (どっから出てきたこのチビ…?俺は190cm近くある上に、ジャンプしてたんだぞ?こいつ、どんだけ飛んで(ジャンプしてる)んだよ…!?)

 

 

 

 

 





今回は少し短めです。
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