おいちょっと待ってくれ、ブルーロック普通にみんな身長高すぎでしょ。凪190cmってまじかい。
潔は普通に165くらいかと思ってました( ̄▽ ̄;)
試合はチームVから
トレーニングの成果もあってか攻撃、守備ともにいい感じに機能できているな。
クッ、と誰かに服を掴まれる感触。振り返ってみると1人の男が立っていた。
「だれだお前」
「よろしゅうな天パ。お前とは長い付き合いになりそうや」
俺との
「迅さんッ」
七星からのパスが俺の足元に転がってくる。まずはターンして仕掛け────
「!」
「前、向けへんやろ」
身体が動かない。何とか前を向こうとするが、俺の背に手を当て腰と重心を落としてピッタリと張り付かれているため、剥がすのは容易ではない。
ここで無理に仕掛ける必要も無いな。そのまま七星に戻し、また動き出す。
パスを貰えるポジションを取り直し、再度パスを受けれる位置をとる。それでもなおしっかりと迅に着いてくる烏。
やりようはいくらでもあるがな。
パスを迎えに行くと見せかけ、ワンタッチで裏に抜け出すトラップ。パスは何も別に止まって貰う必要はない。だが───
「おおきに」
「しまった」
読まれていた。俺がワンタッチで抜け出すのを予測して後ろに引いたのか。前もって十分な距離を取り、十分にボールを奪える位置を取ることで簡単に迅からボールを奪った。
「ほな、行くで」
ボールを奪った烏はドリブルすることなく、すぐさまスピードのある鋭い
「ハッ、どこに蹴ってんだよアイツ」
誰もいない方向に飛んでいくボールに見て笑うDF。そして音もなく、彼は現れた。
「忍び足」
「!」
(コイツ、いつの間に俺の背後を…!?)
完全に相手の意表をつき、裏に抜け出した乙夜はそのままシュートを決めた。
「
「えらいのに目ぇつけられてもうたね、迅クン」
「知り合いか?」
うん、と頷くと氷織は話し始める。
「鋭い分析力で相手チームの弱点になる選手を特定したら、試合終了まで徹底してその選手を潰しに来るスタイルや」
「弱点、ね」
その後も烏は俺に一切の自由なプレーを許さないようにと、俺に大して粘着してくる。次第に俺へパスも減ってきた。俺がボールを何度も
しかし、相手チームとの連携と実力の差は五分五分。そうなってくると、勝敗を握ってくるのは圧倒的な"個"。
「そこやね」
氷織からの正確無比な
「いいぜ、水色ちゃん」
「トラップする瞬間を狙え!! クリアでもなんでもいい!!」
「おう!」
2人のDFを伴いながらも、構わず突き進んで行く士道。そのパスは少し長いかに思われたが。
「きみなら行けるやろ?」
「あたんま♪」
(ボールの方を全く見てねぇ。つか、なんでスピード落とさねぇんだよ…!)
後方から飛んできたボールをトラップすることなく、キーパーの一切の反応を許さないキック。
(バケモンかよ…コイツ)
「アイアム
そしてここで、ちょうど前半が終了した。
「ほーやっぱ半端やないな、あの
烏は腰に手を当て、愚痴をこぼす。
「烏は烏らしくゴミ漁りでもしてたらどうだ」
「やから今してるやんけ、
「……」
「そんな怒んなや。ただ単に、あの10番とお前とじゃお前の方が止めるの楽そうだっただけやで。俺は勝てへん勝負はせん主義やからな」
まるで俺相手なら楽勝とでも言いたげだな。だが実際、前半の間はコイツ一人に俺は抑え込まれている。
「ほんじゃま、後半もよろしゅうな」
ポンッ、と肩に手を置きスタスタと去っていく烏。
その直後、誰かに背中をパン、とはたかれた。
氷織だ。
「ほらどうしたん迅クン。切り替えな」
「ドンマイっすよ迅さん。次っすよ、次」
「……あぁ」
俺がようやく控え室に戻る素振りを見せると、七星は安心したのか1人足早に戻って行った。1人残る氷織。
「動きが固いで。少し力が入りすぎや。もっとリラックスしてみ」
「そうだな。そうする」
◇◇◇
後半に入ってからも、俺は1点もとることができずにいた。大してチームVは後半に入ってから烏が1点、乙夜が1点ずつ返し、スコアは2ー3と逆転している。
あの士道でさえも、後半からは三人がかりでマークされ、自由にプレーができない状況。おそらくこれも
今回ばかりは負けるかもしれないという緊張と不安から、俺も含めたチーム何人かに焦りがプレーに出始めている。
「もうええ加減気づいるやろ? お前がチームの
烏は巧みな
とにかくこいつを攻略しない限り、俺たちに勝ち目はないのだ。
顔を手のひらでおさえ、その指の間から天を仰ぎみる。
あぁ、認めよう。
自惚れていた。調子に乗っていた。天狗になっていた。
世界はこんなにも広かった。
「だから、どうした」
後悔してもしきれない。あの空白の時間に、もっと自分のチカラを磨いていれば。だが、それをするのは今ではない。
(折れたな。この勝負、もろたわ)
「カァ♪ 俺とやろうぜカラス。弱いものイジメは飽きたろ?」
「今お前に構っとるヒマないわ、触覚」
迅とはまた違う。そのバランスを生かしたフェイントで士道を交わす。
「チョー上手ぇ!」
「行け、乙夜」
烏は迷わず乙夜にパスを出すことを選択。
その
「ちゅーす」
「誰かあいつを止めろォォッ!!」
そこはもはや、乙夜の
「天パがDFやと……?」
「なんで迅さんがそこにッ!?」
迅だった。烏によって封じられていた爆発的な
「……ッ!?」
異状までのボールへの執念と、その気迫に乙夜は気圧された。
「何してんねん乙夜!! かまわず行けや!!」
「もらったぁッ」
一瞬怯んだことで、切り込むことを躊躇したその隙をDFは見逃さなかった。取り返したDFは、クリアではなくすぐさまパスを出し、ボールは氷織にわたる。
「ナイスや迅クン。さぁ、
迅はすでにもう走り出していた。ボールはマークが甘くなっていた士道が受ける。そこに七星がフォローに入り、ワンツーとパス回しの連携で密集地帯を抜け出した。
「ホンマ、こりんやつやなお前」
言うまでもなく、烏がピッタリとついてきた。
「バテバテやんけ。そんな体で何ができんねん」
元々体力が少ないのが弱点の迅。90分間走り続けることだけでも辛いのに加え、往復
「黙ってついてこいよ烏。次は俺が勝つ」
「言うやんけ凡が……!」
「そこだべ」
今度こそはと信じてパスを出した七星。受け取る頃には既にP・A内に侵入していた。
体と体のぶつかり合い、激しくせめぎ合う両者。多少服に手がかかろうが、頭がぶつかろうが、足がかかろうが関係ない。
ここで倒れた方が負け。両者の見解は、図らずともそれで一致していた。
「あ」
その瞬間、今までのぶつかり合いが嘘のように体ごと吹っ飛ばされる。体が傾き、地面に倒れたのがわかった。
"ピピーッ。チームV10番 烏旅人、
「あァ!?
ボールに乗ったことでバランスを崩したその瞬間にタイミング良く体をぶつけられ、迅は思いのほか吹っ飛ばされた。
そうか、そういうことか。
ボールを
(軸足だ。蹴る瞬間の相手の軸足の方向に、とにかく全力で飛べばいい)
本来ならこのキーパーもFW。それもよく蹴ることのあるP・Kにおいては、彼の経験による知識はとても役に立つはずだった。
ピーッ、と笛の音が鳴る。
(軸足ッ、軸足ッッ、軸「トスッ」……は?)
嫌な予感は的中する。子気味良い音の正体は、ネットが揺れる音だった。
「軸足、
お前の言っていた意味がわかったぞ、氷織。