穂乃果のドラ〇もん   作:フビライ

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作者が、別作の時間稼ぎ用に温めておいた作品です。

注意
作者は骨の髄までμ'sを楽しんだラブライバーです。
ラブライブ(初期)をより現実化していったら、こうなるんじゃないかという妄想で満ち満ちております。読んでいただける方は、お付き合いください。

作者の活動報告を読んでぶち切れの皆様
これです!



プロローグ

世の中には不思議なことがたくさんある。

人間はその「不思議」にいろいろなアプローチで果敢に挑み、謎を解き明かしていく。

そうして険しい道を歩んでいけば、いずれ不思議は不思議ではなくなる。

それが進歩だ。

 

一個人に当てはめて考えてみても、それは変わらない。

特に俺の場合、とてつもなく巨大な『不思議』にぶち当たり、現在進行形でその謎は解き明かされていないが、それでも自らに問いかけることをやめたりしない。

 

もしかしたら自分のやっていることは無駄なことなのかもしれない。

答えの出ない無限回牢に迷い込んでいるのかもしれない。

それでも俺は、考え続ける。

 

そう、この身に起こった不思議―――――

 

 

 

 

 

バンッ!!

 

 

 

「おにいちゃぁあん!!」

 

 

 

「……そんなでかい声で呼ばんでも聞こえていると何度言えば」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――俺は一度死に、そして『転生』したという超摩訶不思議について。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

「そんなことはどうでもいいよ!」

「お前は相変わらずテンションの上がり下がりがでかいやつだな」

 

さて、まずは何から説明すればいいのだろうか。

 

……俺の前世はそこそこ充実していた。

 

死んだのは25歳になった翌月だったため、まぁ確かに若くして死んだは死んだが、それでもしっかり親の最後は看取ったし、財産もそこそこあった。あとは結婚相手でも見つけて落ち着こうかという感じだったのだ。

 

それが突然なんの前触れもなく終わった。

事故だった。

特別なことは何もない、普通の交通事故。信号無視の車が突っ込んできてはねられて死亡した。

 

最後に見た光景は、吹っ飛んでいく俺を半分ラリッた目で見つめてくるドライバーの顔と、やけに遠くまで見えた景色だけ。

 

そこでブラックアウト。

 

人生終了。

 

―――――になるはずだったのだが。

 

次の瞬間にはまばゆい光に視界が埋め尽くされ。

オギャアとこの世に生まれていた。

 

高坂穂高(こうさかほだか)。

 

それが俺の、新しい名前だった。

 

和菓子屋「穂むら」を営む両親の間に生まれた、長男。

俺の位置づけはそんなところだ。

 

そして―――――

 

「そんなことより、大変なんだよお兄ちゃん!」

「……耳元で叫ぶな、穂乃果」

 

このやたらと喧しいのが、俺の上の妹。高坂穂乃果。現在高校2年。

いつも明るく笑顔で、前向きなところがチャームポイント。

昔からやたらと行動力があり、よく家族や友人を困らせては笑っていた。

だがなぜか憎めない。そんなやつだ。

 

「それで、今度は何があったんだ?」

 

そういうやつだから、何かとトラブルを抱えやすい。

友達のお悩み相談を引き受けたり、喧嘩を仲裁したり、探し物を一緒にしたり、新しい遊びを考えだしたり……小さいころから兄である俺と、時には下の妹である雪穂までをも巻き込み、色々とやらかすことが多かった。

 

そのたびにフォローに回るのは、やはり兄たる俺の役目だった。

 

大変だったことは間違いないが……一度たりとも『嫌だ』と思ったことはない。

なぜかといわれれば、それは一言につきる。

 

『お兄ちゃん』だから。

 

俺は、穂乃果のお兄ちゃんだから。

 

家族は、見返りなんてなくたって、助けるもんだ。

 

前世では兄弟がいなかった俺は、どういうのが正しい兄妹関係なのかわからんが、それだけは守っているし、これからも続けていく。

 

だから。

 

「私の学校、なくなっちゃうんだって! どうしよう!?」

 

……どう考えても俺の手にあまりそうな話も、とりあえずは聞いてやるのだ。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「とりあえず、事情を話せ」

「うん。あのね……」

 

学校がなくなる。その言葉でなんとなく事情は察することができたが、穂乃果の説明でより詳しい状況が明らかになった。

 

穂乃果が通っている音ノ木坂学院という女子高は、年々入学希望者が減っており、現在の1年生に至っては1クラスしかない状態。

今後も希望者が増える見込みがないため、今の1年が卒業すると同時に廃校になることが決定した。そういう話らしい。

 

「……なるほど」

「でもね、わたしは音ノ木坂が好き。これからも残っていってほしいの。だからなんとかしたいんだけど、わたし、あんまり頭よくないから、どうしたらいいかわかんない……ことりちゃんと海未ちゃんにも聞いたんだけどすぐには思い浮かばなくて。だからお兄ちゃん、何かいいアイディア……ない?」

「何かと言われてもな……」

 

脇目も振らず俺のところまで一直線に帰ってきた可愛い妹のために一肌脱ぎたいところだが、色々と難題が立ちはだかっている。

 

少し頭の中で状況を整理してみよう。

 

学校としては致命的な「知名度」がそもそもない。

ただ古くからあるというだけで、部活が特別強いわけでも、勉強に力を入れているわけでも、何か大きな行事を開催しているわけでもない。

 

……いまどき伝統や歴史だけでは学校経営は成り立たないのに、だ。

 

「なかなかすぐには思い浮かばないな」

「そ、そうだよね~……はぁ」

 

厳しいことを言ってしまえば、この現状は学校の上層部の怠慢が原因とも言える。

大人たちが動かなかった結果どうしようもなくなり、「廃校にしてしまえ」という結論になったのだろう。

 

正直、そんなやる気のない人間がいる学院にこれ以上穂乃果を留まらせる方が俺としては心配なのだが……

 

「うーん……うむむむ……」

 

眉をひん曲がらせて、いつもはあまり使わないであろう頭脳をフル回転させている必死な妹を見ると、そんなつまらないことは言えん。

 

「……少し極端な話をするぞ」

「むむむむ……え? あ、うん!」

 

しばらくして俺が話しかけると、穂乃果はパッと表情を明るくさせ、何かを期待する表情になった。

例えるなら餌を待つ犬のような……本当にかわいいなこの野郎。

あぐらをかいて座っていた体勢から正座にシフトチェンジしたところもさらに犬っぽい。

 

「学校のアピールポイントがないというなら、それを作ってしまえばいい」

「え? 作る?」

「そうだ」

 

ないものは仕方がない。ならば有志を募って、学校の『目玉商品』となるものを作り、知名度を上げ、生徒を呼び込むのだ。これしかない。

 

「俺が知っている範囲での話だが、例えば制服を今時のものにする、というのがある。確かに制服は毎日着るものだ。男の子ならかっこいいものを、女の子なら可愛いものを着たいと思うよな?」

「おお! なるほど!」

「あるいは学校の施設を新しくする。おいしい学食なんかを作ればそれだけで生徒は集まる」

「確かに!」

「でもこういうのは全部金がかかる。廃校寸前の学校にそんな予算はない」

「えええぇぇ!! それじゃあダメだよー!」

 

バンザイして喜んだり膝をついてがっかりしたり、相変わらずこいつは見てるだけで面白い。

かわいいじゃねえかこの野郎(病気)。

 

「それに穂乃果の言ってるのは、そういうのじゃないんだろ?」

「……うん。あのね、うまく言えないんだけど……『わたしが』できることをしたいの。ただの一生徒がいくらがんばったって何も変わらないかもしれない。でも、なにかしたいの。音ノ木坂はそんなに悪いところじゃないよって、とってもいいところだよって、伝えたいの」

 

穂乃果は俯いて、手をギュッと膝の上で組んだ。

それだけで、俺にはこいつがどれほど本気で考えているか伝わってきた。

深く物事を考えるのが苦手な彼女がこれほどまでに必死になっているのも始めて見た気がする。

 

それほどまでに音ノ木坂の廃校阻止を望んでいるというのなら―――――

 

「――……ならこいつしかない気がするな」

 

そんな穂乃果の目の前に、幼いころから彼女の『お願い』を叶える兄たらんとしてきた俺は、あるものを取り出した。

 

「え? これって……パンフレット?」

「そうだ」

 

それは【UTX】と書かれた、学校紹介パンフレットだった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 




こんな感じです。
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