我が名はマドカ。聖剣に選ばれし✝︎漆黒の黒騎士✝︎ 作:めど
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──当時の織斑千冬について教えてください。
当時のライバルにして大予選対戦相手
元・日本代表/
九段下ホマレ
「なに質問?
──そうですか、ありがとうございます。
「おい待て、
──ISは無理です。
「えっ? じゃあクラン『MAXiMA』対『倉持』のサバゲーとかでもいいから……」
※後日、私闘に関しては織斑千冬が丁重にお断り。代わりに何故か篝火ヒカルノを代理人としてサバゲー開催。
第一回モンド・グロッソ 二回戦対戦相手
元・イギリス代表/名門オルコット家メイド長
セレスティア・ブランケット
「あの日飲み干した、辛酸と恐れの煮え湯。たった一夜にして切り払われた、強く輝き始めた筈のわたくしの灯を。今でもふと思い出してしまいます……あの純粋無垢こそが、怪物としての在るべき姿でしょうか?」
──三年前の事故で義足での生活を余儀なくされ、織斑千冬へのリベンジは叶わず代表を引退。現在は後任であるセシリア・オルコットに全てを託し、指南役として彼女をサポート。
第二回モンド・グロッソ 準決勝対戦相手
元・アメリカ代表/IS学園教員
カレン・カレリア
「あの人は私から、大切なものを奪った。けれど私たちは……この
──大切なものとは?
「心臓、と言えば分かるだろう? 多くは語れないが、私とあの人の始まりはそう──」
※その後、織斑千冬への熱い想いを馳せた自語りが3時間以上続いたため、イタリア代表(無期限停止中)アリーシャ・ジョセスターフへのインタビューは中止。
──時に愛され、時に憎まれ、時に惜しまれ。時に望まれ。
そうして君臨の座に二度も上り詰めた、かつての唯一無二。織斑千冬と『暮桜』。
単騎で行われた彼女の国崩しは、同時に多様性の全否定と謳われた。事実、仮想代理戦争と呼ばれた世界競技も、半ば既定路線の茶番と化していたのだから。
その秘めたる対人
搭載された、唯一の武装だ。
『唯一』とはすなわち、それだけが自分にとっての
無論、一夏が想起するのは言うまでもなく。きっと生まれた時から変わることのない、『世界で一番強い英雄のビジョン』。
| 『勝手に改造されたからホントは苦悶の表情を浮かべたいくらい嫌なんだけど……止むを得ない。こいつで斬る!』 |
投影されたこの
身に余る力、けれど胸の奥から湧き上がる高揚に偽りなし。その直情を右手に乗せ、思い描いて引き抜くと──
「チィっ──!」
| 『そのまま追撃!』 |
「二度も食らうかよ!」
更に正眼から、防御で交差された
「何ィっ!?」
直に伝わった違和感、否。己が危機を裏付けた第六感に、オータムは狼狽──何故だ。
けれど即座に気付いた。
見れば一箇所、また一箇所のみ。
妙に規則的に削り取られた損傷部位が、その答えだ。
(さっきのナマクラ、同じ
刃こぼれした葵で蓄積された、
奇しくも第二回モンド・グロッソ準決勝で千冬が披露した戦法、『
後はほんの少し力を加えただけで。装甲脚をバターのように、容易く真っ二つにしてみせたのだ。
| 『秘策が封じられて焦ってやんの、名付けて"ミス・ディレクション返し"。そのまま押し切って!』 |
──
オータムが想定した筋書きは、同時に白椿の演算に嵌ることを意味していた。
故に、初回の量子変換時間を稼ぐため。転がったもう一つの武装付近に
敵に少しでも慢心があるならば。
その油断に針を入れて、億せず攻める好機の糸を縫い付ける。しかも今度はもっと強靭で、絶対に折れない針を通す!
「ぜぁぁぁぁッ!!」
「ッ、やっぱ良いなぁお前! いっそのことウチ来るか?」
「断る!」
| 『嫌です……!』 |
妖刀と呼ばれるだけあって。
気を抜けば飲み込まれそうな、そんな途轍もない力を感じる。
見てくれは無骨の実体剣、けれどこれで良い。
それが、世に仇なす絶対の申し子である限り──今集結する、決意に躊躇は要らない。
(……さて、生の《雪片》まで拝ませて貰ったワケだが。かなりやべーな、コイツは)
額から嫌な冷や汗が滴る。当然だ。
流石のオータムも、一夏が呼び寄せた切り札の脅威くらい熟知している。全てのISプレイヤーが最も警戒すべき、IS殺しの武装として有名になりすぎたのだ。
《
生まれ変わった、転生した、ブリュンヒルデの恐るべき代名詞。
この
次代の絶対英雄を名乗るための、最強の抑止力を受け継ぐ最上の器と成ったことを意味していた。
──道理で、亡国が欲する。
今日はやけに頭が冴えたのも、やけに気分が良いのも。こうして化け物と出会うためだったのかも知れない。
面白可笑しいそんな運命に、オータムは抑え切れず。小さく笑いを零す。
「何がそんなに面白いっ──!」
「おいおい、ウチらのこと快楽殺人戦争集団と勘違いしてないか? 時代に合わせて組織も変わったらしいがッ!」
| 『こいつの言葉に耳傾けちゃダメだよ!』 |
「分かってる!」
「こんな時に独り言かァ?」
「お前の戯言よりはマシだ!!」
「言うじゃねぇかガキィ!!」
売り言葉に買い言葉。これ以上は舌を噛む。
刃の打ち鳴らしは即興、鉄の響曲と成った。苛烈を増す中で手数を何本も捥ぎ取られたというのに、オータムは明らかに楽しんでいる。
「今は専ら、自由と平和のためだぜ? 大いなる正義ってやつさ」
「正義、だとっ!?」
意味が分からなかった。
一夏の思う正義──多くの民に夢希望を与える存在とは、真っ向から反する概念だ。つまりこいつらのやろうとしていることは、それら全てを踏み躙る悪意の執行。
嬉々として騙るオータムの表情を見ると。奥底の線が震える。滾る。
「そのために好きなだけ悪事を働いて、人の不幸で美味い飯食って! この馬鹿げた世界をめちゃくちゃにするんだよ!」
再度発砲。が、手数は先の半分以下。
いくら距離を開けようと、薄っぺらい弾幕の前では目眩しにしかならない。零拍子を使わなくとも──!
喰らいつくよう弾丸共を切り伏せ、間合いをゼロに戻す。そして問う。
「お前らの正義に、巻き込まれた人はどうなる……!」
「んなもん知らねーよ! この世は弱い奴から淘汰されるんだ──
──例えば
「ッ、取り消せぇッ!!!」
線が切れた。
姉を侮辱された今、改めて確信した。
亡国機業は存在を許してはならない、人類の敵。こいつらが御託として並べた正義は全て、私利私欲の──もう、話の無駄だ。
吐き気すら催す悪党は、かつての姉に代わり。自分が全て排除するしかない。
太刀筋へ感情を明け渡し、更に強引な挙動を白椿に指示。身体が悲鳴を上げているのは承知だが、それも他人事だった。
(もっと無理矢理で構わない。今の俺は、いっそ
| 『そんなモノ扱いだなんて!?』 |
(──気を遣わなくて良い。それであいつを倒せるなら……それに、一発ぶっ飛ばさないと気が済まないんだッ!)
| 『一夏がそこまで言うなら……わ、分かった!』 |
「おら、来いよ!」
またしても間合い、制空権を取るつもりか。煽り続けるオータムは残った脚をバネに、跳躍を仕掛ける。
「──望み通りに──!」
| 『落ちろ!!』 |
『零拍子』。
一夏は同時に、目を射るような指先で捕捉していた。地上から矢を放つ篠ノ之流『
残り一本。
| 『落ちたな……けどなんか、上手く行き過ぎてる…………!? 一夏っ、これ罠かも──』 |
「やっぱガキだな! こんな沸点低いヒヨっ子操縦者に振り回されるISもかわいそーだ!!」
| 『──おいゴルルァ!!? てめぇ送ってやる地獄に!!!』 |
かろうじて冷静であろうとした白椿も、降り出し。
両者のブチギレは皮肉にもシンクロ率を著しく上昇させ、一分一秒の進化を遂げている。連続稼働時間やらフラグメント・マップやらのセオリーを完全無視して。本来なら暴走の可能性すらある危険な兆候だ。
「ホンット、最近は運びやらしょうもねぇパパ活やらで退屈続きでなぁ──面白味がなかったんだ!」
| 『また自分語りか壊れるなぁ……!』 |
「お前みたいなヤツを叩きねじ伏せて、略奪する! 私がずっとやりたかったのは、そういうことだったんだよ!」
| 『その割にはどんどん不利になってるけど、やっぱこいつ精神状態おかしいよ!』 |
見れば一夏とオータムは互角。今一度重ねて述べるが、どう考えても有り得ない。
減らず口に紛れ、カタールと残りの装甲脚でいなそうとするとも。ジャグリングの要領で雪片を地面に叩き付け──交差する斬撃を回避。
「!」
| 『お前のソコが隙だったんだよ!』 |
篠ノ之流からすれば外道極まりない粗末なやり方だが、これは
そして腕二本を得物ごと薙ぎ払い、
────取った。
| 『死ね〜〜〜!!』 |
霞の構えから突貫。
何一つオータムを馬鹿に出来ない情緒で、純粋無垢な主人公のパートナーにあるまじき汚言を以て。残りのシールドごとぶち抜こうと、スラスターを全開。
このクソ長ったらしい零れ話も、やっと終わりが見えた。さっさと本筋に戻して
「悪ぃなガキ、遊びは終わりだ」
否、まだだ。
無機質な声、唄か。
装甲脚六本を失ったアラクネから。
「!?」
| 『は!?』 |
「教えてやるよ」
触肢、鋏角と呼ばれるそれらは蜘蛛ならざる形。世界三大奇蟲から象られた。
失った六本よりも遥かに強固な鎌とハサミが。雪片を完全に阻み、両翼諸共掴む。
「奥の手は後出しが有利になるよう」
そして。
「出来てるってことをなぁ!」
「ぐぁッ──!!?」
| 『一夏ぁっ!!』 |
バリアを貫通し、装甲を貫通し。
一夏の腹部に突き立てられたのは蠍の尾。先端の針。
「コイツの正式名称、『アラクネ=アラクニド』っつーんだが……何が言いたいかって?」
種明かしだ。
所謂『Aracnida』は蜘蛛だけでなく、十万種以上のクモガタ不快害虫類を指す群体の総称。
「つまり
従って本作戦の切り札は、そいつらが持つ毒物から抽出したモデル、例に漏れない
対操縦者に極めて有効な、
「あ゛ッ…………!!」
「やっと
| 『ふざけんな!! そんなセコい手聞いてねぇぞ!!』 |
「こっちはお前を試してたんだ。どこまでその『白椿』を動かせるか、キレさせた方が手っ取り早いだろ?」
| 『!? そんな……!』 |
応酬。これもまた油断。けれど、全部足元を見られていただなんて、信じられない。
動揺している暇はなかった。一夏の足元が崩れ、雪片を握っていた手が離れた。ISでは補正し切れない程に、視界が歪む。当然、一夏とISを結ぶ波長も簡単に歪む。
「お、前…………これをッ、狙って……!!」
「あぁん? まさか手抜き無しでやってたって言いたいのか、この私が? ──笑わせんなよ!!」
火事場の気力だけで立ち上がろうとしたところに、最悪の追い討ち。
「がッ、ぁぁああああぁぁぁぁッ!!?」
| 『ぎぇえええええええ〜!!!』 |
「っハハハハ! ッ、ゲフンゲフン! ……楽しかったぜぇお前との
二度目の戦闘にして、二度目の敗北を決定付けた瞬間。随分と凄惨な虐待模様である。
今日は何度高笑いしただろうか、定かでないオータムは思わずむせ散らかす。
「お前にはもう用がねぇから、身ぐるみ剥いで軒先にぶら下げてやるよ!」
| 『あばばばば、ばば……あ、あれ』 |
コアを摘出まで残り、その時だ。
「……あ? んだその手は」
「……す、もんか……」
──二度目の敗北か。答えは、
アラクネの左脚を掴んだ、地を這う一夏の手が。くたばり損なったその証。
「
「……てめぇっ……まだそんな余力が……!」
彼の指先を起点に、亀裂が走る。
……待て。
何故、コイツの武装が解除されない。消失しない。
「チィっ! くたばりやが──なッ!?」
「何も無かった、俺にくれた、やっと手に入れたこの
その間にも、音が。たった一本の、虫ケラ如きの手で、愛機の一部が崩壊する音が。
視線を落としたその瞬間、
「お前なんかに、渡すかって言ってるんだ…………!!!」
一夏の瞳の中で、
左脚が破砕した。
平衡感覚を失い体勢を崩すオータムだが、
それよりも遥かに解せないのが、このふざけまくった状況の転調だ。
今回ばかりは命令を守ってやった。準備だって、装備だって、ガキ一人欺く演技だって……計画は全て完璧だった筈だ。だと言うのに。
「何が起きて……」
「だーれだ」
「!?」
「そうです、私がてぇんッさいです」
転調は終わらない。
背後から突如現れたのは、
「なんだと!?」
「そしてこれはなーんだ」
「てめぇどうやってISを!!」
「はい時間切れ! 正解はご一緒に──」
ストリングプレイ
スパイダーベイビー!!
いつの間にかアラクネの全身を捕縛していた、
戯けながら、相手と同じことをすれば良い。これこそがオータムの繰り出そうとした動きを、寸前で遮断した正体だ。
「ふん……絶対防御に頼っているから、判断が遅れる……いやぁ〜言ってみたかったんだよねぇ。因みにさっき造った!」
「こんなものッ、すぐに」
「そうそう、感電にはご注意下さい」
「ぐあぁアアアア!!?」
キリっとキメ顔で呟くヒカルノの号令で、走る稲妻。
新たな多関節を展開しようとしたのが見え見えだ。機能不全に陥らせる程度の超高圧電流で、バチバチウーマンに仕立て上げる。
「なんだ、この出力はッ……何が、何が……」
「流石は悪の秘密結社だよ。セキュリティを抜けて来たのは実に感動的だ」
「何がどうなってやがる!!?」
「キミのレベルに合わせてちょっとリミッター外しちゃった☆テヘペロ」
「そうじゃねぇ!!」
間抜けな黒煙を上げながら、声を更に荒げた。
確かに、オータムのやり口そのものに不備はない。緻密に練られた持ち前の潜入と変装で、こうして中枢まで来れた。
けれど問題は、そう。
戦闘に入った途端、それまで完璧だった全てが瓦解する。ISを預かっている身にも関わらず、『ISを展開した瞬間とんでもない無能となる』などと、誰かが吹聴した
「おいおい、テロリストなら
「だからてめぇのISは強制解除して──」
「でも『
「──はぁ……!?」
オータムは知らなかったのだ。
あろうことにも、
「──はい、これが《
「けッ、ビビりの癖にうるせぇんだよ」
「あっ」
「じゃあコイツさえあれば、てめぇの出る幕はねぇワケだ」
──まさか、
今対峙しているガキよりも更に小さな、あの先輩面した『クソガキ中のクソガキ』に。
またしても実力行使となって、致命的な落とし穴に。しかも、自分の身内に。
「知らなかった? いやはや失敬〜……あぁ、そうか。報連相すらまともに出来なかったから、
「テメェェェッ!!!」
「誠にお悔やみ申し上げるけどさ、前見た方が良いよ」
「!!」
最初からこうなるオチだったと。
見え透いた結末に加えて事実陳列、一気に演者ですらない哀れな捨て石と成り下がったテロリスト崩れを激昂させるには充分だった──だが、オータムの失念はそれだけで終わらない。
彼女は限られた時間を、無駄に使い過ぎた。
「Hey、お待たせ一夏くん。さぁさぁ改めて、君の願いを、抱いた決意を。ISに込めちゃって!」
「……ッ! しまっ──!!」
「──『絶対英雄は、全ての困難を乗り越えなければならない』」
もう遅い。
その絶対英雄に選ばれた、『織斑』の名を持つ人間だからこそ。害毒に抗い、
今の己の、起源となった教えを唱える一夏は。不屈の精神を奮い立たせ。
なりふり構わず立ち上がっていた。
「織斑千冬の弟として、その資格があるなら」
| 『……ぁ、そういうことか……思い、出した』 |
潜在能力とか、機体性能がどうとか、そうじゃない。純粋に、「イカれている」。
オータムは目の前の、胸に張り付いた
「壊すためじゃない、傷付けるためじゃない……!」
| 『っふふふふ、はっはっはっは……!』 |
そう、彼は、彼の願いは。
透き通る水晶のように、ただひたすらに純粋なのだ。その為なら。何だって。何に成ろうと。
家族の名を、大事な人を。
関わる人たちを──!!
「俺は守るために、この力を使う!!」
| 『よくよく考えたら、私には!!』 |
──
「うぉぉぁぁああああッ!!!」
| 『効かんわぁぁああッ!!!』 |
咆哮。
結ばれた心臓の音が跳ね上がる。
二つを引き裂こうとした呪縛を破り捨て、引き千切り。そして二つを、『ひとつ』に。
織斑一夏と白椿、
今ここに、魂の共鳴を迎える!
「わーお、少年漫画の主役みたい」
「ま、また失敗だとッ……こんなの、こんな筈じゃねぇのに……!」
「これで──終わらせる!!」
「だそうですよ。……おや?」
「ッッ、
──剣よ、光を呼べ。
一度手放した雪片だったが、呼応するかのように手中に戻っていた。
そして振り翳す刃が。刀に形成した形名が花開き、溢れ出た無限を抱擁し。徐々に、巨大化する。
人間一人なら軽々と、飲み込める程に。鋼鉄の剣の中から、光の剣が生まれたのだ。
| 『来た来た来た来た、来た来た来たぁ!! この感じ! 一夏!!』 |
「──言われなくとも!!」
瞬間、白椿とは別の声が聞こえた気がした。けれど答えはただ一つ。
総てが最高に達した。深層から、願いの結晶を引き抜く資格を得た。
故に、ISを滅ぼす『究極の力』を発動する。
深層が、蒼き境界が切り拓く。
織斑一夏は
「『
| 『? 何言ってんだこいつ。ここにあるじゃん』 |
「ドーカ、シマシタカァ? 」
「やめろ、おい、離せカスが!
エクゾディアでも揃ったかのようなとんでもない顔面蒼白で、含みのある狼狽を吐き散らかすオータム。
知らないわけがない。だからISプレイヤーは《雪片》を、必要以上に恐れ過ぎていた。最悪『死』に直結するであろうその極致を前に、我慢していた禁句すら口にしてしまった。
「分かった!!」
「!?!? ────ぁ」
| 『……分かってないな、お前。ご都合にはご都合、ズルにはズルで、100倍にして返す!!』 |
そしてヒカルノは、無慈悲だった。
震えを味わい尽くしたワイヤーを解いた途端、ドロップキックを炸裂させた。
当然、射程圏内にぶち込まれたオータムは戦闘体勢に戻るまでもなく──
「一夏くん!」
| 『そうやって私たちインフィニット・ストラトスは、 |
「かつて織斑千冬が振るった『
──守るために。
打ち勝つために。
今はもう、それだけでいい。
| 『ミラクル起き放題で、文句あっかぁぁぁぁッ!!?』 |
「──ぶっ放しちゃいなさい!」
──千冬姉、俺に力を。
太陽を。黄昏を。振り下ろせ。
「クソがァァァァッ!!」
斬。木霊する醜悪の断末魔。
オータム及び『アラクネ=アラクニド』、一刀両断にて決着!!!
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